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2010/12/30

ボリビア:母なる大地の権利法(訳)

母なる大地の権利法が12月7日にボリビア議会で承認され、その後12月21日に公布されました。

母なる大地の権利を認めるとともに、その権利を尊重するために、ボリビア多民族国としての決意を示すとともに、それぞれも母なる大地を守るために取り組んでいこうという思いを法律にしたものだと思います。

国としての義務として
2. 母なる大地の生命としての循環やプロセス、均衡の統合性と再生産能力を守りつつ、「善き生き方」のためのボリビア国民の必要性を充足するために、均衡の取れた生産と消費のあり方を開発しすること

また一人一人がやっていけることも
c)母なる大地の権利の擁護あるいは尊重に向けた提案を生み出すために、個人としてあるいは集団として活発に参加すること
d)母なる大地の権利と調和的な生産活動や消費習慣を取り入れること
e)母なる大地の構成物の持続的な利用を確実に行うこと

私たちにもやっていけることはもっとあるのだと思います。

青西

母なる大地の権利法

ボリビア多民族国において 2011年12月21日に公布された

http://www.gacetaoficialdebolivia.gob.bo/normas/verGratis/138877

第一章 目的と原則

第一条 目的

 この法律は母なる大地の権利について認めるとともに、この権利の尊重を保障するための多民族国及び社会の義務と責任を定めることを目的としている。

第二条 原則

 この法律が定める義務的な履行原則は次のものである

1. 調和: 多元性と多様性のなかで、人間活動は、母なる大地に固有のサイクルとプロセスとの動的な均衡を得るものでなければならない。

2. 集団的利益:母なる大地の権利の枠組みにおいて、社会的な利益は、すべての人間活動またその他の獲得された権利に優越するものである。

3. 母なる大地の再生の権利:生命システムがその再生能力に限界を有し、また人間もその活動を元に戻す能力には限界があることを認め、共通の利益との調和の上で、国家はその様々なレベルにおいて、また社会は、母なる大地の様々な生命システムが、その構造や機能に明らかな変化を引き起こすことなく、損害を吸収し、攪乱に適応し、再生するために必要な条件を保障しなければならない。

4. 母なる大地の尊重と擁護

現在そして未来の世代の「善き生」のために。国家また個人及び集団は母なる大地の権利を尊重し、保護し、保障する。

5. 非商品化:生命システム、またそれを支えるプロセスを商品化することはできず、またいかなる者の私的資産の一部をなすこともできない。

5. 通文化性:母なる大地の権利の行使には、自然との調和に基づく共存を求める世界中の文化の多様な考え方、価値観、知恵、知識、実践、能力、卓越性、変革、科学、技術、規範についての対話、承認、回復、尊重、擁護が必要である。

第二章 母なる大地:定義と性格

第三条 母なる大地

母なる大地は、運命を共有し、相互に関係し、依存し、補完しあう、すべての生命システムと生き物が不可分な共同体として形成されている動的な生命システムである。

母なる大地は先住民族の世界観から、神聖なものと考えられている。

第四条 生命システム

生命システムとは植物、動物、微生物やそのほかのものまたその環境によって構成される複雑で動的な共同体であり、そこでは機能的な統一体として、人類共同体と自然が相互作用を行っている。そのシステムは気候、自然地理、地質的な要因や、様々な生産活動、ボリビア人の文化的多様性また先住民族や通文化的なあるいはアフロ系ボリビア人のコミュニティの世界観の影響のもとにある。

第五条 母なる大地の法的性格

その権利の擁護の効力のため、またその権利後見者として、母なる大地は公益のための集団的主体という性格をとるものである。母なる大地および人類共同体を含み、それを構成するすべてのものは、この法に認められたすべての固有の権利の権利主体である。母なる大地の権利の適用は、それを構成する多様なものの、特殊性、独自性を考慮するものである。この法に定められている権利は、母なる大地のその他の権利を制限するものではない。

第六条 母なる大地の権利の行使

すべてのボリビア人は、母なる大地を構成するものの一部として、それぞれが有する個別あるいは集団的な権利と両立しうる形で、この法律に定められた権利を行使することができる。

個人の権利の行使は、母なる大地の生命システムの集団的権利の行使のために制限される。諸権利間の衝突は、生命システムの機能に修復できないような影響を与えないように解決されなくてはならない。

第三章 母なる大地の権利

第七条 母なる大地の権利

I.母なる大地は次の権利を有する

1. 生命への権利:生命システムの統合性、それらを支える自然システム及びその再生のための能力と条件を維持する権利

2. 生命の多様性への権利:将来の存在、機能、可能性を脅かすこととなるような形で、その構造の人為的改変、遺伝的改変を受けることなく、母なる大地を構成する多種多様な生命を保全する権利

3. 水への権利:生命システムの維持に必要な、水の循環機能の維持及び、質的量的な水の存在を保全する権利。また母なる大地とそれを構成するすべての生命の再生産のために、汚染から保護される権利

4. 清浄な大気への権利:生命システムの維持に必要な大気の質と組成を保全する権利。また母なる大地とそれを構成するすべてのものの再生産のために、汚染から保護される権利

5. 均衡への権利:循環を維持し、また生命プロセスを再生産するために、均衡ある形で、母なる大地を構成するものの相互関係、相互依存、補完関係及び機能性を維持し、回復する権利

6. 回復する権利:人間活動によって直接また間接的に影響を受けた生命システムが適切な時点で有効に回復する権利

7. 汚染から自由に生きる権利:母なる大地を構成するものが汚染から保護される権利、また人間活動から生み出される毒性廃棄物や放射性物質から保護される権利。

第四章 国家の責任と社会の務め

第八条 多民族国の義務

1. 母なる大地の一部である文化システムを含め、人間活動が、存在するものの絶滅を引き起こしたり、その循環やプロセスを改変、あるいは生命システムの破壊することを避けるために、保全のため、早期警戒のため、保護のためまた予防のために、総合的な政策と行動を展開すること

2. 母なる大地の生命としての循環やプロセス、均衡の統合性と再生産能力を守りつつ、「善き生き方」のためのボリビア国民の必要性を充足するために、均衡の取れた生産と消費のあり方を開発しすること

3. 母なる大地を構成するものへの過剰搾取、生命システムやそれを持続させるプロセスの商品化、地球的気候変動の構造的原因及びその影響から母なる大地を擁護するために、多民族国家内また国際的に政策を展開すること

4. 長期的なエネルギー主権を確立するために、消費節約、効率化、漸進的な代替なクリーンで更新可能なエネルギー源を導入していくための政策を展開すること

5. 国際社会に対して、環境債務の存在を認めることを求め、また母なる大地の権利と共存しうるクリーンかつ有効な環境技術の提供や資金供与を求めること

6. 平和と、すべての核兵器、化学兵器、生物兵器他の大量破壊兵器の廃絶を促進すること

7. 2カ国間、域内諸国間、また多国籍間において、母なる大地の権利の承認と擁護を進めること

第九条 人の務め

自然人、法人、公人あるいは民間人の義務は次の通りである。

a) 母なる大地の権利を擁護し、また尊重すること

b)すべての人類共同体あるいは生命システムの自然との間で、母なる大地との調和を促進すること

c)母なる大地の権利の擁護あるいは尊重に向けた提案を生み出すために、個人としてあるいは集団として活発に参加すること

d)母なる大地の権利と調和的な生産活動や消費習慣を取り入れること

e)母なる大地の構成物の持続的な利用を確実に行うこと

f)母なる大地の権利やその生命システム、あるいはその構成物を損なう行為を告発すること

g)母なる大地の保護や保全を目的とした取り組みの実施のための、関係当局や市民社会から呼びかけに参加すること

第10条 母なる大地の擁護官

 この法律に定められた母なる大地の権利の、有効性、促進、普及、履行を見守るために「母なる大地の擁護官」を設置する。その構造、機能、職務は別途法律にて定める。

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