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2011/02/17

ペルー:国連は先住民族の権利のために

 国連のニュースセンターは、「バンは先住民族の権利のために真摯に取り組む」という見出しのもと、ペルーを公式訪問した潘基文(バンキムン)国連事務総長が記者会見にて、「ペルーや域内の他の諸国において、先住民族の権利は憂慮される課題であり続けていること」、「協議と参加という正当な要求を先住民族が享受できるようになることが、最重要である」と表明したことを伝えています。

 これに続けて記事では、先頃、何十という重要な投資プロジェクトの実施に際して、先住民族への事前協議という義務を免除する緊急法令が出されたことについて言及し、その後にハイチの国連へのペルーからの参加、経済成長などにも触れています。[1]
この国連事務総長の先住民族の権利に関する発言は、環境団体のサイトや先住民族関連ニュースでも伝えられています。[2]

 ところが、政府公報であるエル・ペルアーノのサイトにおける今回の事務総長訪問に関連する記事の中に、先住民族の権利に関する言及は一言もありません。[3]

この報道のあり方自体が、ペルー社会そして現アラン・ガルシア政権が持つ問題点を強く映し出すとともに、先住民族の権利、協議への権利の確立のためには、国際社会の支援が必要なことを浮き彫りにしています。

 
 開発と権利のための行動センター
 青西
 

[1]Perú: Ban pugna por derechos de pueblos indígenas  
http://www.un.org/spanish/News/fullstorynews.asp?newsID=20278&criteria1=Peru&criteria2=indigenas
[2]ONU pide a Gobierno peruano que respete el derecho de participación de los pueblos indígenas http://www.actualidadambiental.pe/?p=9311
Secretario General de la ONU pide al gobierno peruano que respete los derechos de los pueblos indígenas http://www.aininoticias.org/2011/02/secretario-general-de-la-onu-pide-al-gobierno-peruano-que-respete-los-derechos-de-los-pueblos-indigenas/
など
[3]http://www.elperuano.pe/Edicion/seccion.aspx?sec=2(2011/2/17 アクセス/現地16日20時)
Presidente: Perú cumplió con Objetivos del Milenio
http://www.elperuano.pe/Edicion/noticia.aspx?key=aavyhGJwjM4=

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2011/02/16

パナマ:鉱業法を巡る抗議行動

パナマでは2月15日、各地で新鉱業法(鉱物資源法)を巡る抗議行動が行われました。これまでのところ大きな衝突等のニュースはありません。[1]
先住民族の権利に関する国連特別報告者であるジェームズ・アナヤ氏は、デモに参加する人々の安全を保障するようにパナマ政府に要請するとともに、鉱業法の改定に関係する今回の状況に対して、平和的かつ根本的な問題解決のために、先住民族との誠実なる協議プロセスを早急に開始することの重要性を指摘しました。

パナマの先住民族が危機感を強める背景を示す情報として次の記事があります。この記事にはノベ・ブグレ先住民族自治区が鉱業開発コンセッションとその要請でずたずたにされている図が示されています。[3]

また今回の鉱業法の改定の背景には韓国との関係があります。韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は、鉱業法の成立早々歓迎の意を表明しました。[4]そもそもこの鉱業法の改定は、外国政府の投資を可能とするよう、韓国政府の要請を受け入れて進められたという背景があります。

先住民族、環境団体、学生など広範な層から批判を受けている新しい鉱業法を巡る対立は続くものと思われます。マルティネリ政権が平和的な解決策を探り、法の執行を停止して、各界と誠実な議論を進めることが重要だと考えます。

開発と権利のための行動センター
青西


[1]Panamá, en medio de piquetes y cierres de calles  他 http://www.prensa.com/
写真http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2011/02/15/uhora/fotos/protestas-mineras/index.html
[2]Panamá: experto de la ONU llama al diálogo ante protestas indígenas contra la reforma de la ley minera
http://unsr.jamesanaya.org/statements/panama-experto-de-la-onu-llama-al-dialogo-ante-protestas-indigenas-contra-la-reforma-de-la-ley-minera
[3]
BOMBA DE TIEMPO – MIREN ESTA BARBARIDAD PLANIFICADA PARA LA COMARCA NGÖBE BUGLÉ...
http://codetiaguas.blogspot.com/2011/02/bomba-de-tiempo-miren-esta-barbaridad.html

[4]Presidente surcoreano, satisfecho por ley minera de Panamá
http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2011/02/15/uhora/inter_2011021507025118.asp
[5]El acuerdo minero Martinelli-Lee
http://alainet.org/active/44238
Panamá podría cambiar su legislación minera
http://centralamericadata.com/es/resources/printable/917224

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2月18日、22日 コロンビアの先住民族の映画上映他

 コロンビアの情報2題

A:映画上映とラウンジトーク:恵比寿映像祭にて
映画の上映時間はこちら
http://www.yebizo.com/#pg_screen7
2011.02.18 fri 16:00-18:00
2011.02.22 tue 19:00-21:00
シネミンガの二人のラウンジトークは
2011.02.22 tue 16:30-18:00 
http://www.yebizo.com/#pg_talk9

1. 「キンティン・ラメ その智慧のルーツ」
 (34分、ナサ語&スペイン語/日本語字幕版)
この作品は、20世紀に活躍した先住民指導者マニュエル・キンティン・ラメ(南米コロンビア・カウカ県出身)の精神性を描いたものである。
作品には、ナサ民族の伝統的な死者への儀式「チャプッツ」なども織り込まれている。 キンティン・ラメ役を演じたのは、ナサ民族のテワラ(メディスンマン)、ピオ・オテカ。
リサーチから撮影・編集まで、 現地の先住民族を中心に、シネミンガのスタッフが総力をあげて制作した作品。

2. 「少年の夢」 (30分(*予定)、ナサ語/日本語字幕版)

世界各国の先住民族の子ども達を主人公にした短編シリーズの第1章。舞台はコロンビア南西部、アンデス山脈のティエラデントロで暮らすナサ民族のストーリー。 脚本は、地域の人と恊働で作り、固有の世界観や言葉など、独自の文化を反映させている。
500年ぶりに目覚めた活火山。物語は、少年が見た「火山の目覚めを予告する夢」で始まる。「夢」に対する先入観に疑問を投じ、夢と自然との相互作用を描く。

<シネミンガ>
シネミンガとは、デジタル映像表現を通して、世界中の様々な人々が繋がった協同体。伝統文化の振興を目的に、コミュニティで行われる様々なメディア制作のサポート・ワークショップの提供・(市民の目線に立った)教育的な映像制作を行う。2009年に南米コロンビア、2010年にニューヨークでNPO法人となる。


B: 【コロンビア  復権を求めて立ち上がる「先住民族」/ 柴田大輔】
アジア・プレスネットワークのサイトに柴田大輔さんが連載中!
http://www.asiapress.org/apn/archives/2011/01/19192653.php 

情報紹介
青西

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グアテマラ:イサバル県リオ・デュルセでNGO関係者や教員が殺害される

グアテマラ:イサバル県リオ・デュルセでNGOの関係者や教員を殺害

開発と権利のための行動センターが現地での活動を行ってきたイサバル県のリオ・デュルセにおいて、当会でも住民組織間の連携強化の一環でともに協力してきたアク・テナミ (Asociación Ak´ Tenamit)のメンバーが殺害されました。

 現地からの声明文、WEBの情報などによりますと、2月12日、アク・テナミのメンバーが自宅のあるケブラーダ・セカ・コミュニティにボートで戻ろうとしていたところを殺害されたとのことです。
 殺害されたカタリーナ・ムク・マスはアク・テナミの理事メンバー、アルベルト・コック・カアアルはアク・テナミの有する学校の卒業生、またケブラーダ・セカの教員も同時に殺害されました。(PLの記事によるとそれぞれ23歳、25歳、28歳ということです)

 これまで若者に対する教育や保健の向上、エンパワーメントに取り組んできたアク・テナミは真相究明を求めています。

Que la justicia se haga presente: Asociacion Ak’ Tenamit (2011/2/14)
http://noticiascomunicarte.blogspot.com/2011/02/que-la-justicia-se-haga-presente.html
アク・テナミのサイト
http://www.aktenamit.org/index.php
Matan a tres maestros en Puerto Barrios
http://www.prensalibre.com/noticias/Matan-maestros-Puerto-Barrios_0_427757264.html
 またCONIC及びEncuentro Campesinoの声明文によりますと、日曜日に銃弾で穴が開き、血痕のついたボートが見つかり、月曜日になって遺体が発見されたとのことです。
このコミュニティは数ヶ月前より、コミュニティの土地を奪い、犯罪行為を行っていた者たちに脅迫を受けていたということで、15日前にも首都まで行って状況を告発し、保護を求めていたといいます。

GUATEMALA: MASACRE PERPETRADA POR FINQUEROS DE LA REGIÓN DE RIO DULCE  
http://noticiascomunicarte.blogspot.com/2011/02/guatemala-masacre-perpetrada-por.html
及びCONICの声明文
 
 ケブラーダ・セカでは数年前、土地への権利を守るために立ち上がっていたコミュニティのリーダーが逮捕され、いまだ収監されています。そのときには膨大な数の警察が動員されていたことを、そしてまた、先日お伝えしたアルタ・ベラパス県での事件の話などを思い浮かべると、どうして政府は地域の人々を守るためには手を打てないのかと、あらためて考えさせられます。

 開発と権利のための行動センター 
 青西

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エクアドル:アマゾンにおける石油開発による汚染被害に巨額賠償

 大手メディアで報道されていますが、エクアドル・アマゾン地域における、シェブロン社の石油開発によって引き起こされた環境破壊に対して、環境を修復するために巨額の賠償金を命じる判決が下されました。

日本語記事
米石油大手に巨額賠償命令 エクアドルの環境汚染
http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210216012.html
環境汚染で米シェブロンに80億ドル支払い命令 エクアドル
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381959FE3E7E2E3948DE3E7E2E0E0E2E3E39C9C91E2E2E2
シェブロンに80億ドルの賠償命令=エクアドル裁判所
http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011021500107

アマゾンの石油汚染でエクアドルの裁判所がシェブロン社に170億ドルの支払いを命令「アマゾン・ウォッチ(Amazon Watch)のアンドリュー・ミラーに今回の裁判について聞きます。」(デモクラシー・ナウ」
http://www.democracynow.org/2011/2/15/ecuadoran_court_orders_chevron_to_pay

このニュースは開発と権利のための行動センターのメーリングリストや細川弘明さんのツイッターなどでも紹介されています。http://twitter.com/#!/ngalyak

行動センターでもエクアドルにおける石油開発の問題については、これまでも何度か勉強会を行ってきました。参考資料はこちらで購入できます。
http://astore.amazon.co.jp/ecuadorlibros-22

また現在各地で開催中の「リアル未公開映画祭」においてもこの環境破壊の問題と訴訟プロセスを取り上げた「クルード~アマゾンの原油流出大パニック~」が上映されています。
http://www.mikoukai.net/009_crude.html
上映会場案内
http://www.webdice.jp/realmikoukai/#theater
横浜では2月17日、18日に上映です!
http://www.jackandbetty.net/mikokai-yokohama.html
3月20日 神戸での上映はATTAC京都内富さんのトーク付きです。
http://www.motoei.com/sakuhin/real.pdf 


アマゾン地域における石油開発はエクアドルだけではありません。ペルーアマゾンに権益を有する日本の企業もあります。多くの人が日本を含め海外における企業活動のあり方をしっかりみていく必要があります。
「ペルー:開発に抵抗するアマゾン地域の先住民族」など
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/11/post-c56c.html 


開発と権利のための行動センター
青西

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2011/02/12

パナマ:鉱業法改悪に反対する先住民族

ノベ民族・ブグレ民族の声明


2月8日、ノベ民族、ブグレ民族は、協議なしに鉱業法を改定しようという政府に対して、次のような声明を発表している。(一部訳))

 2011年2月7日にサン・フェリックスとビギで行われた平和的なデモには約4500人が参加した。
 ノベ・ブグレ自治区そして隣接するチリキ東部に住むノベ民族、ブグレ民族そして農民、は、政府に対して第277法案の審議を、第一審議まで差し戻すことを要求する。
 この国、そして先住民族自治区(コマルカ)を鉱業開発から自由なテリトリーとして宣言する。
 国内外の民衆組織、環境組織、人権団体に連帯を求めるとともに、コマルカの地域保健局局長José Stonestreethが、患者に対して適切な処置をせず、かつサン・フェリックス病院に入院した患者の状態について不十分な情報を提供していることを告発する。
 7日のデモの際に、警察の治安部隊によって引き起こされた弾圧を告発する。この弾圧で13人が負傷し、21人が逮捕された。
 ノベ民族ブグレ民族及びパナマの農民の生命、安全、未来を脅かす、野蛮な弾圧の責任はリカルド・マルティネリ政権にある。
 リーダーの迫害、偽のリーダーを通じた買収などを強く非難するとともに、我々の闘争がいかなる政党の支援も受けていないこと、非政府組織の支援を受けていないことを表明する。
パナマの人々、民衆組織、先住民族、農民に対して、2月15日に計画されているデモ、そしてその他の様々な抗議行動への支援を求めるものである。
 すべての教会に対して、人々の生活、安寧、平和的共存を妨げる法案に反対するデモへの支援を求めるものである。
 我々の権利を侵害し、差別する、政府の行動を告発し、非難する。
 我々、ノベ民族、ブグレ民族は我々の権利と我々の子どもたちの未来のために闘争を続ける。


Comunicado e imágenes del pueblo Ngäbe Bügle en defensa de su territorio de la minería metálica http://burica.wordpress.com/2011/02/09/imagenes-del-pueblo-ngabe-bugle-en-la-defensa-de-su-territorio-de-la-mineria/


 2月10日に議会は鉱業法の改定を採択したとのことであるが、反発の声は広がっている。鉱業分野への外国資本の投資を進めることを目指し、ノベ・ブグレ自治区では、セロ・コロラド鉱山の再開発が進められるのではないかという危機感がある。
 韓国、シンガポールの代表団がパナマを訪問し、この鉱山開発に関心を示していたという。この銅鉱山は世界で二番目の埋蔵量を有するという。
 今回の鉱業法の改定は、パナマの資源そして自治区のテリトリーを外国資本に売り渡すものだという反対の声もある。

Cacique indígena llama a alzamiento contra el gobierno de Panamá
http://burica.wordpress.com/2011/02/11/cacique-indigena-llama-a-alzamiento-contra-el-gobierno-de-panama/
Represion en San Felix

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グアテマラ:保護区・麻薬・人権侵害

 前回の記事に加えて、ラグーナ・ラチュア国立公園で起きている人権侵害、社会紛争について検討する記事を紹介する。

Termine con el Estado de Asedio en Alta Verapaz, Guatemala
http://theesperanzaproject.org/es/2011/01/termine-con-el-estado-de-asedio-en-alta-verapaz-guatemala/ (抄訳)

2010年12月19日に、アルバロ・コロム大統領はメキシコから侵入してきた「ロス・セタス」などの麻薬組織の一斉取り締まりを名目に、アルタベラパス県に非常事態宣言を発令。「ロス・セタス」はアルタベラパス県で広範に支配を広げていたという。
 この非常事態宣言の中で多数の武器も押収されたということであるが、基本的人権が制約される中で、麻薬取引人以外が攻撃の対象となるケースとなる事件も勃発。
 CONICによると、麻薬とは何ら関わりのないケクチ民族コミュニティの Se’Job’Cheにおいて1月10日、コミュニティが軍の侵入を受け、住民が逃亡。その間に作物や所持品が破壊されたという。
 CONICは「1月10日、40の軍の兵士及び2名の警官、森林局の資源保護管20名がコミュニティのカルダモモやトウモロコシ、フリホールの栽培地に侵入。対話もないままに射撃を開始。住民は逃亡。部隊はおよそ15ヘクタールのカルダモモ栽培地、15ヘクタールのフリホールなどを破壊。」
「カルダモモの間に隠れていたAdelina Yaxcalに対して、政府機関の代表として来ていたHéctor Arnulfo Ruizが暴行を加えようとし、また森林局のFermín Ayalaがコミュニティ住民に対して、耕作物の保護と引き替えに6000ドル相当の賄賂を要求」
「この事件で20羽の七面鳥と20羽のニワトリ他、個人の所持品が失われたという」

 グアテマラ連帯プロジェクト(Guatemala Solidarity Project :GSP)によると大地主や国際的な企業が、「土地をきれいにするために」この機会を利用しているという。
「1月20日に、Saquimo Setano村は、地主のBenjamin Sotoの家族のものに襲撃し、暴力を加え、家に火をつけ、そこで働いていた米国籍のボランティアにも脅迫を加えた」
 GPSはそれ以来、このコミュニティとの連絡を取れずにいる。

 GPSは「コミュニティは大地主であるBenjamin Sotoとその妻Maria Elena Garcia Icalによって土地を奪われようとしている。昨年の8月31日から9月2日にかけて、コミュニティを襲撃し、家々を焼き払い、脅迫を行った。政府はこうした行為を止めようとはせず、逆にコミュニティのリーダーやGPSを不当に非難している」
 またGPSによると米国政府の資金を受けているバイオ・ディーゼル生産企業の民間ガードマンがMiralvalleコミュニティを襲撃したという情報もあるという。


 このWEB記事に対して、次のようなコメントが寄せられている。
「Jobche(Se’Job’Che)はコミュニティではなく、ラグーナ・ラチュア国立公園内に近年なされた土地占拠地である」
「ANDRES CHUB 他は保護区の担当者を脅迫した」
「Salacuinに家を持っていて、保護区内にカルダモモを植え付けるために侵入した」

 一方のGPSは以下のような反論を掲載。
「CONICともSe’Job’Che’村とも直接関係はなく、上記の事件について証明できるものはないが、他のコミュニティにおける類似の経験から共通するものを感じる。・・・保護区が存在する前から森を守ってきたコミュニティが存在する一方で、保護区の中に政府高官や軍人の農園が存在するケースを山ほど見てきた・・・多国籍企業が保護区の水や森を破壊するケース、ラグーナ・デル・ティグレのように石油開発を認めるケース・・・私たちが一緒に働いてきたケクチ民族コミュニティが政府よりもより適切に森林や環境を守ってきた・・・この非常事態宣言はアルタベラパス県の住民の基本的人権を侵害してきた。直接の暴力的事件だけではなく、集会や表現の自由を侵害している」
「アルタベラパス県では何千人という人々が土地や教育、そして大規模プロジェクトに対して協議を求める権利などについて運動を行ってきた。しかしこの非常事態宣言はこうした先住民族運動を妨げるものとなっている」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 先の2月8日の声明文も含め、現地の状況を詳細に分析することは現在ではできない。
しかし、麻薬対策の中で、麻薬とは関係のない、保護区から居住者排除等の動きが進んでいることは明らかであろう。
 前回の記事で紹介した、CUCのサイトにみられた大地主との土地紛争も存在している。 先住民族コミュニティとの間で様々な社会紛争が存在する中で発動されている「非常事態宣言」が、社会運動の抑圧につながっていることは否定できないであろう。

 次のサイトには人権団体の記者会見も掲載されている。
Guatemalan Human Rights Leaders Oppose State of Siege.wmv
 http://www.youtube.com/watch?v=6tkxltObOpE&feature=player_embedded

 今回の非常事態宣言は一ヶ月延長され、2月18日まで継続されている。

 まとめ
 開発と権利のための行動センター
 青西

Saquimo Setanoでの紛争については次の動画もある。地主との土地問題、リーダーの誘拐に加えて、今回の非常事態宣言が、集会の権利などを侵害している問題も指摘している。

SaquimoSetanoStrugglesAgainstDisappearanceJan242011.wmv
http://www.youtube.com/watch?v=v1EcqpDng9k&feature=related

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2011/02/10

グアテマラ:コバンで自然保護区とコミュニティ住民との紛争

グアテマラの先住民族組織であるCONICの声明文によると、アルタベラパス県のコミュニティで自然保護区とケクチ民族系のコミュニティ住民との紛争が起きているとのことです。

 声明文には明記されていないのですが、ラグーナ・ラチュア国立公園内に位置すると思われるサラクイム(SALACUIM )において2月8日、85人の警察、45人の軍及び森林局の資源保護官が、Félix Cuc Xocに暴行を加えた上に、拘束し、その後現在までのところ消息がつかめないとのことである。
 更に警察と軍はサラクイムのコミュニティに停滞し、コミュニティの人々は恐怖心を抱いて過ごしているとのことである。
 資源保護官のリーダーであるHéctor Arnulfo Ruizはこの1月に、暴行未遂事件を起こし、更に警察と軍は、カルダモモを略奪するという行為を働いたという。

 この地域では、伝統的にこの土地に居住してきた先住民族を、不法占拠と名指し、犯罪者として排除しようという動きが続いているという。政府の農地問題局が問題解決のために取り組んできていたが、自然保護区審議会(CONAP)が先住民族コミュニティを排除しようとしている、と声明文は訴えている。農地問題局は、コミュニティが歴史的に存在してきたことを明らかにする報告書を作成したにもかかわらず、その後に保護区として制定したという。またコミュニティは1965年に政府の土地改革局が発行した証書も有するという。

 この周辺では、昨年4月にも地域の住民リーダーが逮捕される事件があり、また1月には近郊のSaquimó Setañaにおいて、コミュニティ住民の排除の動きがあったことがCUCの声明文で伝えられている。

 詳細はわからないが、この地域では「ラチュア・モデル林」というプロジェクトも動いているようである。またオイル・パーム・プランテーションも周辺部では広がりつつあるということであり、社会紛争が高まっている地域と考えられる。
参考資料

EJERCITO Y POLICIA NACIONAL CIVIL, CON LOS GUARDARECURSOS, SIGUEN
SEMBRANDO EL TERROR EN SALACUIM COBAN ALTA VERAPAZ(CONIC 2011/2/8)
AMENAZAS DE DESALOJO EXTRAJUDICIAL EN CONTRA DE LA COMUNIDAD SAQUIMO SETAÑA, COBAN ALTA VERAPAZ (2011/1/21)
http://www.cuc.org.gt/es/index.php?option=com_content&view=article&id=286:amenazas-de-desalojo-extrajudicial-en-contra-de-la-comunidad-saquimo-setana-coban-alta-verapaz&catid=36:noticias&Itemid=57
Lachuá Model Forest
http://www.imfn.net/index.php?q=node/184

記事作成後次のサイトを見つけたので、確認の後また記事の追記修正を行います。
Termine con el Estado de Asedio en Alta Verapaz, Guatemala
http://theesperanzaproject.org/es/2011/01/termine-con-el-estado-de-asedio-en-alta-verapaz-guatemala/ 

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2011/02/09

パナマ:鉱業法の改定に抵抗する先住民族と警官隊が各地で衝突

 2月7日、鉱業法の改定に反対するノベ・ブグレ民族と警察の治安部隊がチリキ県のサン・フェリックス、ビギなどで衝突。多数の負傷者が出ているよう。
 3000人ほどが参加し、平和的に行われていた抗議行動に対して、治安部隊が催涙弾などで弾圧し、9人が負傷、未成年を含め22人が拘束されたとのこと。
 先住民族だけではなく、国会周辺でも環境活動家などによる抗議行動が行われているようである。
 今回の鉱業法の改定に対して、先住民族だけではなく、多くの人々が疑念を呈しているとのことであり、パナマ司教会議も鉱業開発の問題を取り上げているという。
 ノベ民族、ブグレ民族の居住するノベ・ブグレ自治区(コマルカ)にはセロ・コロラドという銅鉱山が存在しているが、先住民族の反対運動で開発を頓挫させた経緯がある。現、マルティネリ政権は、鉱業法の改定で、セロ・コロラドを含め、複数の鉱山開発を進めたいという思惑を持っている。そしてその先には鉱物資源を求める企業や先進諸国の姿があるのは言うまでもない。
 FRENADESCOのサイトは、今回の鉱業法はシンガポールのInmet社がつくったものだと告発している。(Inmet社はカナダ系企業である)

 開発と権利のための行動センター
 青西

Las protestas continuaran en defensa del pueblo panameño y la soberanía ecológica.
http://www.radiotemblor.org/2011/02/07/duros-enfrentamientos-en-panama-producto-de-la-reforma-mineras/
Panamá: ¡Ultima hora! Heridos y desaparecidos en represión contra protestas antimineras (audios, fotos y videos)
http://www.kaosenlared.net/noticia/panama-ultima-hora-heridos-desaparecidos-represion-contra-protestas-an
http://www.frenadesonoticias.org/
参考情報
JOGMEC/金属資源情報センター
パナマ共和国の鉱業の現状(平成23年 1月 6日 )
http://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/11_01.html 

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ペルー:グローバル化の正体

ペルー:グローバル化の正体
 投資を進めるためには環境法も邪魔者でしかない。

 任期終了間近のアラン・ガルシア政権は、 「民間投資促進」のために1月17日及び20日に、33のプロジェクトについて、環境影響評価の履行条件の緩和及び国有地並びに国有地に類する土地の入手手続き緩和、プロジェクト実施に関する強制的な用益権の設定などを定めた、緊急法令DU-001-2011及びDU-002-2011を公布した。
 ガルシア政権はこの法令によって、できる限り早急に、民間投資を受け入れ、プロジェクトの契約を進めようとしている。そのため政府によるコンセッションの認可など行政プロセスにおける環境影響評価を不要とし、プロジェクト実施に際してのみ必要としたのである。
 政府自らが投資を前に、カネを前に、国民の権利を放棄する、これがグローバル化の正体であろう。投資を呼び込むためには、環境法に定められた、環境影響評価の手続きも、影響を受ける地域の地権者の権利なども邪魔者でしかない。また任期終了間近いガルシア政権の動きは、プロジェクト実施に関わる利権と結びついていることは明らかであろう。
 昨年末に日本はペルーと経済連携協定を結んでいるが、日本企業がこうした話に乗せられて、投資を進めようとしていないか、しっかりみていかなければならない。

 ペルーではこの法令に抗議して2月9日に大規模な抗議行動が計画されているとのことである。経済・金融面に限られている「緊急法令」を環境法に関連する分野に適用することが違憲であること、またILO169号条約に定められている「先住民族に対する協議」を実施せずにすり抜けようとしているといった点を批判している。
「鉱業開発に影響を受けるペルーのコミュニティ連盟(CONACAMI)」も、この法令が憲法に違反し、地域住民の参加の機会を限定し、適切な機会に環境影響評価の内容に意見を述べることができないと批判し、撤廃を求めるとともに「協議に関する法」を定めることを求めている。

 ペルーではここに含まれる33のプロジェクト以外にも、イナムバリ・ダム開発計画も大きな問題となっている。このダムは、昨年6月にブラジルとペルーの間で締結されたエネルギー協定に含まれている6つのダム計画の一つであるが、このダム計画も強い反対運動を引き起こしている。
 
 青西

参考資料
Perú: DU 001-2011, preocupante debilitamiento de las certificaciones ambientales   
http://www.servindi.org/actualidad/39474
Perú: Crece rechazo a decretos de urgencia. Mañana se realizará marcha de protesta
http://www.servindi.org/actualidad/39990
DU 001-2011及びDU 002-2011
http://www.mef.gob.pe/index.php?option=com_docman&task=cat_view&gid=126&limit=15&order=name&dir=ASC&Itemid=100599
Mucha presa para la Amazonia
http://www.elpais.com/articulo/sociedad/Mucha/presa/Amazonia/elpepusoc/20110202elpepisoc_5/Tes

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2011/02/03

母なる大地と携帯電話

国際青年環境NGO A SEED JAPAN / FLAT SPACE / 国際環境NGO FoE Japan / アムネスティ・インターナショナル日本が現在、「エシカルケータイキャンペーン」を行っています。

普段、多くの人が使っている携帯電話の背後に、先住民族の土地からの排除、環境破壊、児童労働、地域紛争の助長など様々な問題が隠れていることに目を向けていこうというキャンペーンです。http://www.ethical-keitai.net/top

ちょうど、ボリビアの「母なる大地の権利法」を訳していて、人間活動を「母なる大地」と調和的なものにしていく必要性を改めて考えていたところでした。

この法律を作ったから、ボリビア社会が一気に変わるというのではなく、「変わっていくための意志」を明確に示したものだと思います。これから新しい生き方をみんなで築いていこうという。

その中で、国の義務として
2. 母なる大地の生命としての循環やプロセス、均衡の統合性と再生産能力を守りつつ、「善き生き方」のためのボリビア国民の必要性を充足するために、均衡の取れた生産と消費のあり方を開発しすること
また一人一人の務めとして
c)母なる大地の権利の擁護あるいは尊重に向けた提案を生み出すために、個人としてあるいは集団として活発に参加すること
d)母なる大地の権利と調和的な生産活動や消費習慣を取り入れること
e)母なる大地の構成物の持続的な利用を確実に行うこと
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2010/12/post-ad79.html
といったことが定められています。

 法律にならなくても、きっと多くの人が実践していることではあるでしょう。それをもっとみんなで共有して、新しいモデルを築いていくことが求められているように思います。
 そういう中で、資源を膨大に使って生きている私たちが担っている責任がより重いのは明らかです。

 青西

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2011/02/02

エクアドル:先住民族運動のリーダー逮捕

 2月9日付の情報によりますと、不当逮捕だったとして解放されたとのことです。 エクアドル:先住民族運動のリーダー逮捕

 2月1日午前、エクアドルにおいて、軍と警察によって複数の先住民族運動のリーダーが逮捕されました。この中にはエクアドルの先住民族組織の連合体、CONAIEの代表候補であるぺぺ・アカチョ(Pepe Acacho=Jose Acacho)も含まれている。[1]

 ぺぺ・アカチョはシュアル民族組織の連合体(FICSH:Federación Interprovincial de Centros Shuar) の元代表であり、1月末に開催された総会においてCONAIEの次期代表候補に選ばれていたという。またぺぺ・アカチョに加えて、次のリーダーが拘束されたという。Pedro Mashiant Chamik, la Junta Parroquial de Sevilla Don Bosco代表; Fidel Kaniras y Andrés Vizuma, Corporación Arutam代表.
 
 ぺぺ・アカチョ他は、首都キトーに向かう途中、モロナ郡のリオ・ブランコで逮捕されたとこのことである。アカチョの弁護士は、サボタージュとテロリズムを名目に、多数の先住民族運動リーダーを犯罪者として取り締まっているプロセスの一環であると非難している。ぺぺ・アカチョに対する収監命令は、モラナ・サンティアゴ県裁判所で出されたものであるが、裁判プロセスにおいてぺぺ・アカチョの犯罪を証明することはできなかったのあり、違法な逮捕であるという。

 CONAIE他の先住民族組織は、法的メカニズムを利用した政治的迫害であり、社会的な抗議を犯罪化しようとするものであると抗議の声を上げている。

エクアドル政府のニュースサイトは2009年9月にモレナ・サンティアゴ県で起きたテロ行為への関与の疑いでホセ・アカチョを逮捕と報道。2009年9月30日に水法案への抗議行動が行われたが、その際にシュアル民族の多文化教師、ボスコ・ウィスマが死亡、その他にも40名の警官が負傷したとのことである。検視の結果、ウィスマの死因となった散弾が警察のものではなかったとのことである。ホセ・アカチョはこのサボタージュ及びテロリズムと規定されるこの騒乱を扇動した疑いで逮捕されたと伝えている。

 この逮捕に対して、パチャクティ党のアタマイン(Diana Atamaint)議員は、いかに司法が大統領の意見で動いているかを示している、コレア大統領が意見を異なるものを逮捕しようとしている、今後抗議行動を展開していくと発言している。
 
 
 まとめ
 青西


[1]Ecuador: Detienen a dirigentes indígenas, entre estos a Pepe Acacho, candidato a la CONAIE
http://www.servindi.org/actualidad/39596#more-39596 (20110201)
[2]Acusado de sabotaje y terrorismo, fue detenido José Acacho (20110201)
http://www.elciudadano.gov.ec/index.php?option=com_content&view=article&id=20955:acusado-de-sabotaje-y-terrorismo-fue-detenido-jose-acacho&catid=1:actualidad&Itemid=42
[3] Pepe Acacho, dirigente Shuar, fue llevado en helicóptero con rumbo desconocido, denuncia Diana Atamaint
http://confirmado.net/politica/58217-audio-dos-helicopteros-se-llevan-a-dirigentes-indigenas-detenidos-denuncia-asambleista-atamaint.html

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