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2011/02/09

ペルー:グローバル化の正体

ペルー:グローバル化の正体
 投資を進めるためには環境法も邪魔者でしかない。

 任期終了間近のアラン・ガルシア政権は、 「民間投資促進」のために1月17日及び20日に、33のプロジェクトについて、環境影響評価の履行条件の緩和及び国有地並びに国有地に類する土地の入手手続き緩和、プロジェクト実施に関する強制的な用益権の設定などを定めた、緊急法令DU-001-2011及びDU-002-2011を公布した。
 ガルシア政権はこの法令によって、できる限り早急に、民間投資を受け入れ、プロジェクトの契約を進めようとしている。そのため政府によるコンセッションの認可など行政プロセスにおける環境影響評価を不要とし、プロジェクト実施に際してのみ必要としたのである。
 政府自らが投資を前に、カネを前に、国民の権利を放棄する、これがグローバル化の正体であろう。投資を呼び込むためには、環境法に定められた、環境影響評価の手続きも、影響を受ける地域の地権者の権利なども邪魔者でしかない。また任期終了間近いガルシア政権の動きは、プロジェクト実施に関わる利権と結びついていることは明らかであろう。
 昨年末に日本はペルーと経済連携協定を結んでいるが、日本企業がこうした話に乗せられて、投資を進めようとしていないか、しっかりみていかなければならない。

 ペルーではこの法令に抗議して2月9日に大規模な抗議行動が計画されているとのことである。経済・金融面に限られている「緊急法令」を環境法に関連する分野に適用することが違憲であること、またILO169号条約に定められている「先住民族に対する協議」を実施せずにすり抜けようとしているといった点を批判している。
「鉱業開発に影響を受けるペルーのコミュニティ連盟(CONACAMI)」も、この法令が憲法に違反し、地域住民の参加の機会を限定し、適切な機会に環境影響評価の内容に意見を述べることができないと批判し、撤廃を求めるとともに「協議に関する法」を定めることを求めている。

 ペルーではここに含まれる33のプロジェクト以外にも、イナムバリ・ダム開発計画も大きな問題となっている。このダムは、昨年6月にブラジルとペルーの間で締結されたエネルギー協定に含まれている6つのダム計画の一つであるが、このダム計画も強い反対運動を引き起こしている。
 
 青西

参考資料
Perú: DU 001-2011, preocupante debilitamiento de las certificaciones ambientales   
http://www.servindi.org/actualidad/39474
Perú: Crece rechazo a decretos de urgencia. Mañana se realizará marcha de protesta
http://www.servindi.org/actualidad/39990
DU 001-2011及びDU 002-2011
http://www.mef.gob.pe/index.php?option=com_docman&task=cat_view&gid=126&limit=15&order=name&dir=ASC&Itemid=100599
Mucha presa para la Amazonia
http://www.elpais.com/articulo/sociedad/Mucha/presa/Amazonia/elpepusoc/20110202elpepisoc_5/Tes

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