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2011/07/14

脱原発の道を固めよう!

 7月13日菅総理大臣は、記者会見で次のように述べました。
「原子力事故のリスクの大きさということを考えたときに、これまで考えていた安全確保という考え方だけではもはや律することができない。そうした技術であるということを痛感をいたしました。そういった中で、私としてはこれからの日本の原子力政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至りました。つまり計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく。これがこれから我が国が目指すべき方向だと、このように考えるに至りました。」(7/13 菅首相)[1]

 この方針に対して、既に「原発ゼロ社会」を打ち出していた朝日新聞は「自然エネルギーを飛躍的に普及させ、原発への依存を減らしていく方針への異論は少ないはずだ。誰が首相であっても進めなければならない、焦眉(しょうび)の政治課題なのだ。・・・政治全体として脱原発という大目標を共有して、具体化へ走り出そう」と支持する社説を掲載しています。(7/14)。
 毎日新聞は「原発への依存を減らしていくこと、そして現実的にもそうした方向にならざるを得ないことは、私たちもこれまで何度も指摘してきたところだ。その考え方については基本的に支持し、評価したい」(7/14)と曖昧な表現ながらも支持を表明。
 
一方、読売新聞は「脱原子力発電の“看板”だけを掲げるのは無責任だ。」、「原発利用を続けることが、経済の衰退を防ぐためには欠かせない。」(7/14)と主張、日本経済新聞も「『脱依存発言』は無責任だ」と主張(7/14)。

 しかし、原子力発電が制御しきれない危険な技術であることを、事故が起きた時にははかりしれないリスクを背負うことを考えた時に、原発利用を続けようという発言がどれだけ無責任なことかは既に明らかになっているのではないでしょうか。

 菅首相の発言だけではなく、フクシマの事故の後、各地でデモに参加した人たちの声、地道な活動に取り組んで来られた人たちの力、政治的な働きかけを続けてきた人たち、そうした数多くの人たちの取り組みの積み上げの上に、日本社会は、既に、新しい社会のあり方、経済のあり方に向けて、大きな一歩を踏み出しているのです。

 脱原発をどう実現していくか、どういう手順で実現していくか、それはこれから固めていけばいいのです。それを最初にすべて作っておくことはできません。これからなのです。逆にこれまでの原発依存も、何も将来像など確定しないままにずるずる進んできたにすぎないのです。
 
 脱原発という大きな一歩を後退させないように進んでいきましょう。

 青西靖夫


[1]http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201107/13kaiken.html

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2011/07/13

ボリビア:新農業法について

 6月26日、農牧・共同体的生産革命法(Ley 144)が布告された。この新農業法の原文に目を通したので、その概要について報告する。[1]

 この法律は、先住民族等のコミュニティを中核に据えた自国内での食料生産強化という特徴を持つのと同時に、輸出向け戦略作物を定めて取り組んできた過去の農業振興策の継続性を有する、はっきりしない法律となっている。現実的にはどのように「参加」が実現されていくかによってこの法律の持つ可能性は変わってくるのであろう。

<遺伝子組み換え>
 この法律で大きな議論を巻き起こしていたのが、遺伝子組み換え作物及び遺伝子組み換え種子に関する規定である。先住民族組織であるCONAMAQや環境団体などは第15条、第19条の規定に強く反発していた。[2]
 しかし最終的に定められた法144号は遺伝子組み換え作物の導入に道を開くものとなっている。第15条第2項は「遺伝子資産や生物多様性を脅かすもの、また生命システムの健康や人々の健康に害を及ぼすようなもの、あるいはボリビアが起源あるいは多様性の中心となっているような種に対する遺伝的改変を行った種子を含む農業技術パッケージを導入しない。」と定めている。
「健康や生命システムへの影響」をどのように評価するかにもよるが、東部低地の大規模農業地帯を中心に生産される米、サトウキビ、トウモロコシなどの遺伝子組み換え作物導入に対して道を開いていると理解することは可能である。
 第15条3項では、遺伝子組み換え食品等における表示義務を定め、また第19条第2項2では遺伝子組み換え作物の生産・輸入・流通を管理する規定の制定を定めている。しかしボリビア憲法の第255条は国際条約を批准する時の原則としてではあるが、8項で「遺伝子組み換え作物・食品や健康や環境に害のある物質の輸入・生産・流通を禁止する」と定めており、憲法との整合性に疑問がある。[3]
 また憲法との整合性はさておき、この法律の規定及び今後定められる規定を持って、厳密に遺伝子組み換え作物や食品を管理することができるのかどうか。ボリビア政府がどこまで大規模な食品産業に対抗していけるのかも注目される点ではある。[4] 

<戦略的作物>
 この法律のあちこちに顔をだす「戦略的作物」という用語が、これまでの農業振興政策との継続性を感じさせるものとなっている。これは第7条8項で定義されているが、必ずしも国内消費用の作物だけではなく、輸出向けの作物も含む規定となっている。
 この「戦略的作物」の高品質種子生産を振興し(第13条3項3.(a))、大学等は「国の定めた優先度の枠内で」研究を進めなければならない(第21条3項)とされている。
 また参加の上で定められるはずの食料生産5カ年においても「国が定めた優先的戦略作物」を含まなければならないという、本末転倒とも言える規定が含まれている。(第46条2項1)
 この「戦略的作物」というのがどのように定められ、どのように利用されていくのか、慎重に見ていく必要があるだろう。「母なる大地の恵みに基づく調和と均衡の上での有機的(農業)生産を優先する」(第2条)とされる「農牧・共同体的生産革命」において、農業は地域コミュニティを主体とする多様な農業生態系の確立として実現されるのではないかと思われるのだが、果たしてこれは国レベルで定める「戦略的作物」と両立するのであろうか。

<在来種と改良品種>
 高品質とは何を意味するのか、この法律では「高品質種子の生産・利用・保全・交換」を促進するとする一方で、「先住民族コミュニティ等が維持してきた在来種子の回復、保全、改良、生産、普及の促進」を定めている。(第13条3項)また第39条では独立採算の公的法人として「戦略的種子生産支援企業」を創設し、戦略的産品を優先しつつ、高品質の種子を生産するとしている。
 しかし種子銀行を設立して遺伝子資源を保全していこうという方針は示されているものの、多様な在来種の利用促進はあまり重視されていないようである。

<生産地域保全>
 興味深い点として、第14条では都市化に対して生産適地を保全していこう規定が含まれている。但しこの第14条においても、先住民族等のコミュニティによる領域管理の一貫としての土地利用の決定が、「国の方針に基づく」とされていることに違和感を覚える。先住民族の自治権が先にあるのではないだろうか。

<国内消費/地産地消促進>
 第20条では国内消費促進について定められている。学校給食に先住民族等のコミュニティによる生産物を取り入れていくこと、学校カリキュラムに栄養的・文化的に適切な国内産食品の消費についての教育を取り入れること、地元産や地域の労働者を雇用している生産物に「社会認証(Sello Social)」を行うこと、地元の生産物消費を振興するために、「ボリビア産を買って食べる」キャンペーンを推進するなど、積極的な方向が示されている。

<共同体的経済組織と参加>
 先住民族コミュニティ、通文化的コミュニティ(混在地域と考えられるのか?)アフロ・ボリビア系コミュニティを共同体的経済組織OECOMとして承認し、この組織の参加や融資へのアクセスを保障している。このOECOMが参加の基盤となっていくことが想定されている。しかしその一方で、既存の小規模生産者組織などが排除されるのではないかという懸念が表明されている。[5]

<包括的農業保険>
 第30条から第35条において定められている包括的農業保険はこの法律の最も注目されている内容の一つであり、自然災害等による収穫物の損害を補償しようというものである。

<肥料生産企業>
 第40条では肥料生産のための公営企業の設立も定められている。有機質肥料の生産、廃棄有機物のリサイクルの優先などを定めており、興味深い反面、鉱業・や石油産業から派生して生み出される原料利用も明記されており、どのような企業になるかは現時点では定かではない。

<融資>
第51条から第54条にかけて、共同体的経済組織に対する融資のための基金の設置が定められているが、NGOなどによるマイクロクレジットなどもあるなかでなぜこのような仕組みを今更作らなければならないのかという指摘もある。農民組織等が傘下組織への資金供給の仕組みを作りたかったのかもしれないが、組織的には大きな問題を抱えることになると思われる。第54条で、これらの農民組織などが「社会的管理」を担い、資金回収を支援するというのである。コミュニティや組織の中での分裂・対立につながる危険性が高い。


終わりに
 法律の文面を見るだけでは、どのような方向に向かっていくのか、正直測りかねるところがある。モラレス大統領が語っているように「しっかりとした組織を通じて、あなた方が中心となって、食料主権を確立していく責任があるのです。投資を無駄にしないために、生産者である農民組織は、それぞれの自治体で、何のために、どれだけの金額を生産に振り向けるべきかを決めなくてはなりません」ということなのであろう。[6]

 しかしこの参加が一部の組織だけの利権確保に終わるのか、幅広い参加を実現するものになるのか、ここが問われているように思われる。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫


[1]LEY DE LA REVOLUCIÓN PRODUCTIVA COMUNITARIA AGROPECUARIA
http://bolivia.infoleyes.com/shownorm.php?id=3120
[2]Pronuciamiento de CONAMAQ(20110617)
http://www.conamaq.org/index.php?option=com_content&view=category&layout=blog&id=3&Itemid=11 
[3]ボリビア多民族国憲法
http://www.vicepresidencia.gob.bo/Portals/0/documentos/NUEVA_CONSTITUCION_POLITICA_DEL_ESTADO.pdf
[4]遺伝子組み換えに関する規定については参考資料として次の記事がある。
¿A qué cultivos transgénicos apunta la Ley de Revolución Productiva Comunitaria?
http://www.bolpress.com/art.php?Cod=2011062707
[5]Ley de Revolución Productiva no garantiza seguridad alimentaria
http://www.aopeb.org/index.php?option=com_content&view=article&id=279:ley-de-revolucion-productiva-no-garantiza-seguridad-alimentaria-&catid=52:noticias-aopeb&Itemid=26
[6] ボリビア:食料主権の確立と小農による有機農業振興を目指して(20110628)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2011/06/post-cc11.html
[7] その他参考記事として
Ley de Revolución Productiva Agropecuaria para el agronegocio y la banca
http://www.bolpress.com/art.php?Cod=2011070502
Los transgénicos y la modificación genética de la política agraria en Bolivia
http://www.cedib.org/index.php?/transgenicos/los-transgenicos-y-la-modificacion-genetica-de-la-politica-agraria-en-bolivia.html

 農牧・共同体的生産革命法(法144) 部分訳/概要まとめ/仮訳
 LEY DE LA REVOLUCIÓN PRODUCTIVA COMUNITARIA AGROPECUARIA
第1節
第1章
第1条(憲法における位置づけ)
第2条(目標)
食料主権のための農牧・共同体的生産革命のプロセスを規定することを目的とする...母なる大地の恵みに基づく調和と均衡の上での有機生産を優先する。
第3条(目標)
多元的経済に基づく、農牧・共同体的生産革命を通じて、ボリビア人の「善き生き方」のために健全かつ質のよい条件での食料主権の確立を目指すことを目標とする。
第4条(適用範囲) 略
第5条(法の射程)
1. 食料主権の確立のための政策
2. 共同体的経済組織(Organización Económica Comunitaria – OECOM)としての先住民族コミュニティ、多文化コミュニティ、アフロ系コミュニティの承認
3. 食料の十分な生産、加工、流通を保障するために、適切に技術的支援を行えるように、公的機関の構造を見直す
4. 統合的・持続的な農牧生産・開発プログラム及び計画、及び生産戦略の決定のための、コミュニティ及び多元的経済主体の参加に基づく食料戦略計画の策定
5. 適切な研究、革新、技術、情報システム
6. 食料生産、加工、流通における規制システム
7. 投入材、生産インフラ、技術支援、普及へのアクセスの改善
8. 生産プロセスを保障するための水及び遺伝子資源の適切かつ持続的な利用
9. 先住民族等のコミュニティにおける領域的な管理プロセスの促進
10. 伝統的な知見、実践、知識を回復するような通文化的な視点に基づく、先住民族コミュニティ等の生産・加工・流通・金融及び組織的能力の強化
11. 普遍的農業保険
12. 先住民族等のコミュニティに対する資金移転
13. 融資システム

第2章 原則及び定義
第6条(原則)
1. 母なる大地との調和と均衡。必要な食料を充足するための母なる大地の恵みの利用とアクセスは、自然との調和、尊重、その擁護の枠組みで行われるものである。
2. 補完。食料主権は、国家や先住民族等、他の多元的経済主体、住民一般の、政策、原則、イニシアティブの協力によって支えられるものである。(一部略)
3. 共同責任。食料主権は、すべてのレベルにおける政府やすべてのボリビア国民に依拠する国家の義務であり、責任である。
4. 透明性。 (略)
5. 「善き生き方」。多文化的なこの国における一般的な利益の公正さに貢献するような集団的利益に基づくものであり、物質的な財へのアクセスと享受、住民の有効かつ主体的・通文化的・精神的な実現に基づき、また母なる大地との調和及び人類の一致するところの基本的必要性の充足を保障するものである。
6. 互恵性及び連帯。農牧・共同体的生産革命は、すべての住民、特により脆弱で必要性を有する人々の食料と農牧生産を充足させるために、一致、相互尊重、協力、交換、相互かつ等価の報酬といった先住民族等における伝統的価値観の実践を取り入れたものである。
7. 適切な食料。健康的で十分な食料への永続的なアクセスであり、いかなる社会階層や宗教、政治的選択や性別、世代によって差別されないものである。
8. 食料主権。多民族国家を通じてボリビア国民が、生産や流通、消費等について政策や戦略を定めかつ実施するものである。(一部略)
第7条(定義)
1. 技術支援(略)
2.生産基盤(略)
3.コミュニティ(略)
4.共同体的経済。母なる大地との調和と均衡に基づく独自の組織形態を有し、その領域と資源を管理するような先住民族等のコミュニティにおける世界観に基づき、集団の福祉のために、計画し、組織し、生産し、余剰を生みだし、分配するシステムに基づく開発モデル。
5.多元的経済。国内に存在する、共同体的あるいは、国家、民間、社会的協同組合などの様々な経済組織
6.先住民族コミュニティによる領域管理(一部訳)
7.Pirwa (様々な資材で作られている伝統的な貯蔵施設)
8.戦略的生産物。直接あるいは間接的にボリビア国民の食料を構成し、また輸出のための機会や備蓄を構成するものであり、ボリビア国家は、食料主権を実現するために、それを認定し、優先するものである。(一部訳)
9. リスク(略)

第3章
共同体的経済組織

第8条
先住民族コミュニティ、通文化的コミュニティおよびアフロ・ボリビア人コミュニティを共同体的経済組織(Organizaciones Económicas Comunitarias – OECOM)として承認する。これは「善き生き方」のための組織的、生産的、社会的、文化的な中核を構成するものである。
第9条(領域的管理能力)
食料主権と余剰生産のための農牧・林業活動における生産・加工・流通・金融分野における先住民族等のコミュニティの領域管理の能力の承認
第10条(参加の保障)
先住民族等のコミュニティの農牧・共同体的生産革命プロセス、水の持続的利用・管理、森林利用、テリトリー確立、計画における参加の保障
第11条(公的政策の策定)
先住民族等のコミュニティの政策策定への参加の保障とその執行における社会的管理

第二節
農牧・共同体的生産革命法の政策、制度的構造、計画
第1章
農牧・共同体的生産革命のプロセスのために、統合的かつ持続的な農村開発と食料主権に基づく安全保障のために国家が定める政策

第12条(農牧・共同体的生産革命に関する政策)
1. 生産基盤強化に関する政策
2. 生産地域の保全
3. 自然の遺伝子資源の保護
4. 生産振興
5. 集荷、備蓄、加工、産業化
6. 公平な交換及び流通
7. 国内消費の促進
8. 調査研究、革新及び伝統的知識
9. 農牧衛生サービス及び食品衛生管理
10. リスク管理
11. 緊急食料対策
12. 住民への食糧供給の保障
13. 適切な食料・栄養状態の保障
14. 先住民族コミュニティの領域管理
15. 包括的農業保険
16. 移転
第13条(生産基盤強化に関する政策)
-在来・伝来の実践を重視
-灌漑水の流域管理
-植生回復、有機肥料、在来種子の回復、生物多様性の保全
1-土壌
-在来種あるいは導入後適応した種を用いての植生回復
-自然放牧地に対する放牧圧の減少
-自然草地の改善
-有機肥料の利用(有機残渣の利用、斬新的な農薬・化学肥料の代替、排除)
-伝統的な土壌保全技術の利用
-森林と生物多様性の維持
-非木材森林資源の合理的利用、アグロフォレストリー
-共同体レベルでの適切な土壌適正に基づく利用そのための組織強化
2-生産のための水利用
 優先度、潜在力に基づく食料生産のための持続的水利用
a) 知識や技術を回復しつつ、効率的な水利用技術と土壌保全を行い、また最善の集水システムを明らかにしつつ、灌漑設備を改善及び建設
b) 乾期の水確保のために貯水池、ダムによる水確保
c) コミュニティにより伝統的実践などによる水の独自管理システムの強化
d) 生命と土壌を守ることができる適切な水利用についての流域単位での調査
3-種子
 生産のための供給を保障できるように、高品質の種子の生産、利用、保全、交換を促進し、また擁護する。
a) 戦略的作物を優先して、種子生産を振興する
b) 先住民族コミュニティ等が維持してきた在来種子の回復、保全、改良、生産、普及の促進
c) 種子の生産、設備、認証、販促、流通に対する管理
d) 市場を促進しつつ、種子の戦略的な備蓄を生みだし、また保全しうるような種子銀行、種子基金、集荷施設の設置
e) 種子の生産及び集荷に従事する民間セクターとの戦略的連携
4-遺伝子資源
a) 国家農業・森林技術革新局(INIAF)が農業生物多様性や近縁野生種、国内諸環境地域における微生物の遺伝子資源を、野外もしくはその他の土地において保全及び管理を担うものである。これは遺伝子資源の喪失を避け、遺伝的多様性の利用可能に保つことを確実にする目的がある。
b) 国内の遺伝子資源の保護という政策に合致する範囲において、国の食料主権と食料安全保障を強化するために、国は生産あるいは研究目的での遺伝子資源へのアクセスを支援する。
第14条(生産地域の保全)
食料生産を保障するために、中央国家は地方の領域自治組織と調整の上で、生産適地への都市化の進行を避け、農牧業の生産に適した地域を保全するために土地の利用を管理する。
1-農村開発・土地省は、地方の領域自治組織と調整の上で、農牧森林生産のための土地利用計画を策定し、生産適地を把握し、戦略的生産地域を定め、また地方領域組織は国の方針に基づきつつ、その領域計画を策定しなければならない。
2-生産適地を保全するために都市化の境界を定め、居住区域を計画する
3-都市化周辺地域における生産適地を把握し、生産活動を阻害しないように生産地域と新しい居住地域を混在させていくこと。
4-水平的な都市化の広がりに対して、都市部における垂直的な成長を促進する
5-モノカルチャーの拡大を避けるために、代替的な計画・プログラム・プロジェクトの実施を通じて、多様化された農牧・林業生産を促進する
6-先住民族等のコミュニティは、母なる大地との調和ある共存の原則と文化的規範に基づき、食料安全保障ための生産地域に対して予防措置を取りつつ、その領域管理の権利とその行使の枠内で、国の方針に基づき、その空間の利用・占有計画を定めるものである。
第15条(自然の遺伝子資源の保護)
憲法第342条、346条、母なる大地の権利法(Ley Nº 071, de 21 de diciembre de 2010)に基づき、ボリビア多民族国は、食料主権と人々の健康を保障しつつ、生命システムと自然プロセスの維持として生物多様性を保全するものもであり、そのために
1-遺伝子資源に関する担当機関を通じて、野生の近隣種を含め、国の遺伝的資産の保全のために施策を講じるものであり、伝統的な知識や知見の保全のために、派生する利益の公正かつ公平な分配に留意しつつ、新品種や栽培可能な品種の利用を把握しまた促進しつつ、生産を支援するものである。
2-遺伝子資産や生物多様性を脅かすもの、また生命システムの健康や人々の健康に害を及ぼすようなもの、あるいはボリビアが起源あるいは多様性の中心となっているような種に対して遺伝的改変を行った種子を含む農業技術パッケージを導入しない。
3-直接的あるいは間接的に人の消費に向けられるすべての生産物において、遺伝的改変を受けた有機物含む物あるいはその派生物は、そのことを明確に表記しなければならない。

第16条(生産振興政策)
-家族、共同体、アソシエーション、協同組合などによる生産形態に依拠しつつ、伝統的・有機・エコロジカルな生産におけるより高い生産性に向けて振興する。
第17条 (集荷及び貯蔵)
-コミュニティレベルでのPirwanoモデルを促進する
-食糧供給に影響を及ぼしうる事件に備えて、戦略的な食料を確保するために備蓄を促進する
-インフラ整備への支援
第18条 (加工・産業化政策)
-地域ごとの多様化した生産戦略に従う、加工・産業化プログラムの推進
第19条 (交換及び流通)
-流通プロセス及び公正な交換プロセスは互恵性、補完性、生産物の再配分の原則に基づくものであり、人類に奉仕するためのものであり、市場のためではない。
-生産セクターと生産量、輸出量目標について合意を締結する
-国内産農業・食料生産を保護し、輸出入を規制する
-国内生産者への補助金を優先する
-認可された国営企業を通じて、地方の生産者からの正当な価格での購入し、消費者に直接、アクセス可能な価格で提供するための特別な規定を定める
-遺伝子組み換え生産物の生産・輸入・流通を管理する規定を定める
-食品衛生に関する認可システムを教戒する
-国際貿易における不当な扱いに対して、国内生産者を守るための、政策の財政的コントロールや仲裁のための規定を定める
-中央国家の執行府と地方自治体機関は、農業セクターの機関と調整の上で、交換のためのスペース、卸売市場、民衆スーパーなどを設置し、生産者と消費者の結びつきを支援し、正当な価格を保証する
第20条 (国内消費促進).
-ボリビア国民の参加に基づき、生産・加工・流通・責任ある消費の範囲において、独自の食料システムを定める。それは食料主権を実現するための、母なる大地の恵みの適切な利用と整合する自給レベルを定めるものである。
-食料・栄養教育、栄養的にも文化的にも適切な国内産食品の消費の重要性を学校カリキュラムに取り入れる
-学校給食プログラムの拡大
-学校給食や母子補助プログラムへの食料供給者として先住民族等のコミュニティを取り込んでいく
-国内産原料や労働者の利用を認証するための「社会認証(Sello Social)」を行う。
-地元の生産物消費を振興するために、「コンプロ イ コモ ボリビアノ(ボリビア産を買って食べる」を推進する。
第21条 (農牧・林業技術革新政策)
-INIAFを強化しつつ農牧・林業の技術革新を促進する
-技術革新は参加型の視点とモデルのもとで進められ、コミュニティやその他のアクターの参加の上で技術革新の民主化を進める
-大学やその他の技術的機関、コミュニティによる生産技術革新は、国家農牧林業技術システムの方針に沿って行われなければならない。
第22条(機械化・技術利用政策)
-参加型計画の枠組みで、母なる大地の権利を尊重しつつ、またアクセス可能で持続的な形で、国家は適切な機械化を促進、振興する
-機械化された技術へのアクセスを支援し、またその利用へのインセンティブ
-在来、伝統的知識、知見を回復しつつ、農業機械・技術の研究・設計・生産を振興する
-農業機械化を進めるために、国家開発のための軍企業(COFADENA)を強化する。
第23条 (農牧衛生・食品衛生政策)
第24条(予防及びリクス管理政策)
-食料生産に影響する事象のモニタリングと早期警戒
-食糧危機の予防、緩和、及び生産能力の復興、再建
-自然災害に対するコミュニティの対応力強化
第25条(緊急食料対策)
第26条(食料供給の保証)
正当な価格での生産と供給を保証するために、国家は必要な施策を講じる。
第27条(食料・栄養政策)
ボリビアの住民が適切な栄養状態にあること、必要な栄養をカバーする多様な食品の消費を保証すること、そのために文化的に適切な栄養や食品に関するプログラムを定め、また情報提供や教育を行う。
第28条(先住民族等のコミュニティの領域管理への支援政策)
第29条(農牧技術庁の創設)

第二章 
包括的農業保険
第30条(包括的農業保険”パチャママ”)
天候要因や自然災害によって引き起こされた農作物の損害を補償するためのもの
第31条(受益者)
-集団的生産をおこなっている先住民族等のコミュニティ
-個人的生産を行っている先住民族等のコミュニティ
-自然人あるいは集団として農業を行っている者
-”パチャママ”は細則で定める要件を満たしている者のみ対象とする。
第32条(農業保険のための制度)
-農業保険庁(INSA)の創設
-国庫からの支出
第33条(INSAの権限及び機能)
第34条(農業保険の管理会社)
第35条(保険料への補助金)
-貧困層への保険料の補助金


第三章 制度構造
第36条(共同体経済組織)
農牧・共同体的生産革命のための組織基盤は、先住民族等のコミュニティであり、それはこの法を持って共同体経済組織(OECOM's)と定められる。これらは独自の組織構造に基づき、独自の手続きで意志決定、紛争解決、領域管理、そして自然資源の利用を行うものである。
第37条(経済生産審議会)
-多民族国経済生産審議会(COPEP)
農牧・共同体的生産革命に関する政策策定、計画、モニタリング、評価のための参加と調整を行う。ここには大統領、生産関連の大臣、先住民族等の組織代表、国家農牧連盟代表が参加。必要に応じて次のものを招集(略)
-県経済生産審議会(CODEP)
-地域経済生産審議会(COREP)
-ムニシパル経済生産審議会(COMEP)
第38条(農牧・共同体的生産革命のための公的制度)
1.生命のための統合的水管理
2.生命のための統合的土壌管理
3.有機質肥料生産
4.在来種子・改良種子生産、種子生産地域の開発
5.技術支援、農業機械、資材供給
6.集荷・貯蔵
7.加工・産業化
8.共同体的流通。市場の改善
-参加と社会的管理は、既存及び新規の組織において保証されなければならない。
第39条(戦略的種子生産支援企業の創設)
-独立採算の公的法人として戦略的種子生産支援企業の創設
-INIAFと調整の上で種子銀行を設立
-戦略的産品を優先しつつ、高品質の種子を生産する
-中小あるいはコミュニティによる種子生産を支援する
第40条(肥料生産企業の創設)
-独立採算の公的法人としての肥料企業の創設
-有機肥料の生産と廃棄有機物の利用・リサイクルの優先
-廃棄物再利用の取り組みを支援
-鉱業・石油採掘他、国営事業によって生み出される資材の利用
第41条(食料生産支援企業)
-大統領令Nº 29230 (2007/0815)に基づいて設立された食料生産支援企業(EMAPA)を強化
-EMAPAの元に、食料生産グラン・ナショナル社を、混合経済会社として設立し、戦略的な食料生産を強化する。
第42条(農牧統計情報)
-国家統計局(INE)のもとに、農牧情報局を設置し、必要な情報を整備する
第43条(農業環境・生産監視)
-農村開発・土地省のもとに、農業環境・生産の監視機関を設置し、モニタリングを行う。
第44条(農業環境・生産監視の機能)
第45条(農村社会組織への技術支援)

第四章 社会的参加に基づく国家計画
第46条(計画のための制度)
1 すべてのレベルにおいて、経済生産審議会が農牧・共同体的生産革命のための戦略計画を策定する
2 農牧・共同体的生産革命のための戦略計画の枠組みにおいて、執行府は多元的経済審議会と調整の上、食料生産5年計画を策定する。

第三節 
経済・金融環境
第一章 県生産共同基金と条件付き資金供与
第47条(県生産共同基金)
第48条(県生産共同基金に関する規定)
第49条(県生産共同基金の条件付き資金供与)
第50条(条件付き資金供与の方向性)

第二章 融資システム
第51条(共同体融資基金の創設)
OECOMや小規模生産者に対して融資をおこなうための基金を設置する
そのための執行委員会には二名の政府代表(経済省及び農村開発省)多元的経済生産審議会代表、及び二名の農民・先住民族組織の代表が参加する。
第52条(利子)
利子は管理コスト及び財務費用のみを考慮すべきものとする。
第53条(担保形式と代位弁済)
-担保は機械、投入財、現在あるいは未来の収穫物、家畜、あるいはその他の資産によるもの、また保証基金や人的な保証、コミュニティによる保証も含まれる。
第54条(支払いを確実化する仕組み)
農民・先住民族組織であるCSUTCB, CIDOB, CSCIB, CNMCIOB-BS y CONAMAQの傘下にある地域組織による社会的管理を、支払いを確実にする仕組みとして定め、融資の回収を支援するものとする。

第55条(技術支援)
第56条(生産開発銀行:BANCO DE DESARROLLO PRODUCTIVO S.A.M.).
第57条(農業向け融資拡大)

最終規定
移行に関する規定

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2011/07/07

7/24 勉強会:気候資金を巡る議論は社会的公正に結びつくのか

気候変動と社会的公正を考える連続学習会 第二回

気候資金を巡る議論は社会的公正に結びつくのか

第二回目の勉強会は、気候資金の動きについて学んでいきたいと考えています。
講師にFoE-Japanで気候変動プログラムを担当している柳井さんをお招きし、
気候資金に関する国際的な議論などについて学ぶとともに意見交換をしていき
たいと思います。
また7月14日まで開催されるGreen Climate Fundの会議結果についても話しを
して頂きます。

日時 7月24日(日)14:00~
場所 ATTAC首都圏 事務所
住所 東京都千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル1階A
   TEL/FAX:03-3255-5910(共同回線)
   ※1Fに「BAR WONDERS」というお店が入っているビルの2F
会費 500円
主催 気候変動と社会的公正を考える連続学習会
連絡 cade-la@nifty.com
   開発と権利のための行動センター(青西)
参加希望者は事前に連絡ください。

参考資料:「気候ファイナンス」、FoE
http://www.foejapan.org/aid/doc/110331.html


■気候変動と社会的公正を考える連続学習会
今年11月末に南ア・ダーバンで開催される「気候変動枠組み条約第17
回締約国会議(COP17や2012年に予定されている第二回コチャバンバ
会議に向けて、クライメート・ジャスティスの立場から様々なテーマで二カ月
に一回程度の学習会を開催していきます。クライメート・ジャスティスって何?
という方も歓迎です。今後の予定としては、京都議定書、排出量取引、REDD
(森林減少と森林劣化による排出の削減)、環境税、金融、開発、原発などを
予定しています。

呼びかけ団体(募集中)
ATTAC首都圏
開発と権利のための行動センター
地球の子ども新聞

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