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2011/12/29

エル・サルバドール:パシフィックリム社による金採掘をめぐって

ATTAC 関西の喜多幡さんよりの情報です。


パシフィックリム社による金採掘をめぐって

エルサルバドル・カバーニャス県でパシフィックリム社(カナダの鉱業会社)
が進めようとしている金採掘プロジェクトに関連して、環境問題や住民の健康
に対する重大な影響が予想されることから、地元の住民や環境団体の反対運動
が広がり(この中で活動家4人が殺害されています)、エルサルバドル政府も
採掘許可を拒否してきました。これに対してパシフィックリム社はドミニカ共
和国・中央アメリカFTAのISD(投資家国家間紛争)条項を使って、世界銀行の
国際投資紛争解決センター(ICSID)にエルサルバドル政府に対して賠償請求を
求める訴訟を起こしました。

以下はこの問題に関連して米国のInstitute for Policy Studies(ポリシー・
スタディーズ研究所)が呼びかけた署名(公開状)です。TPPで問題になって
いるISD条項の教科書のような事例なので、広く宣伝し、エルサルバドルの人
たちと連帯して、この無謀な計画を中止させましょう。

公開状
(宛先)
Robert Zoellick, President, World Bank
Meg Kinnear, Secretary-General, ICSID
V.V. Veeder, Tribunal president
Brigitte Stern, Tribunal member??
Guido Santiago Tawil, Tribunal member

この請願書に署名した私たちは、 ___ 団体以上の市民社会団体を代表してい
ます。私たちは、計画されているシアン化合物の浸出を伴う金採掘プロジェク
トを阻止するために民主主義的手続きを通じて活動しているエルサルバドルの
コミュニティーに連帯してこれを書いています。このプロジェクトが地域の環
境やこの国の重要な河川と水源を毒で汚染する危険は、根拠のある恐れです。

パシフィックリム社は、エルサルバドルの環境許認可手続きに従うのではなく、
ドミニカ共和国・中央アメリカ自由貿易協定(DR-CAFTA、米国と中米5カ国と
ドミニカ共和国が加盟)の下で攻撃をかけてきました。同社はエルサルバドル
政府に対して賠償を要求しており、賠償額は数億ドルに上ります。同社はDR-
CAFTAの下の裁定を求めるために定められた手続きを悪用し、その子会社をケ
イマン諸島から米国ネバダ州に移転しました。この係争は世界銀行の国際投資
紛争解決センター(ICSID)によって裁定されます。

パシフィックリム社はICSIDと自由貿易協定のISD(投資家国家間紛争)ルール
を利用してエルサルバドル国内における採掘と持続可能性な環境をめぐる民主
主義的な論争の結果を覆そうとしています。これらの問題はICSIDの仲裁法廷
で決定されるべきではありません。パシフィックリム社によるエルサルバドル
の内政への干渉の中で、採掘に反対する活動家4人が、このプロジェクトの予
定地の中で殺害されています。

私たちは、国内の統治手続きと国家の主権が尊重されるべきであり、この提訴
は却下されるべきであるという地元コミュニティーとエルサルバドル政府の要
求を支持します。私たちは民主主義の側に立ちます。

■原文および署名団体のリスト
http://www.ips-dc.org/articles/open_letter_to_world_bank_officials_on_pacific_rim-el_salvador_case#.Tu9K9OJD9CE.twitter

■12月15日の世界銀行本部前での抗議行動の映像
http://www.youtube.com/watch?v=Hz3-pJDreYQ&feature=share

■参考 IPS、12月15日付記事より

12月15日、ワシントンDCの世界銀行本部前で、ICSIDの仲裁法廷に対してパシ
フィックリム社によるエルサルバドル政府への提訴の却下を求める行動が行わ
れた。
パシフィックリム社はエルサルバドル政府が同社の金鉱山開発許可申請に同意
しないことを理由に、7700万ドル以上の賠償を請求している。
全米鉱山労組、FoE、AFT(全米教員連盟)、などが参加。
2002年にパシフィックリム社による探査が開始され、有望であると判明したと
き、当時の国民共和連合(ARENA)政権が同社に採掘許可を申請するよう勧め
た。
農民や活動家が、環境破壊の危険があると主張し、大きな全国的論争になった。
パシフィックリム社は、環境や健康に被害が内容に最新技術を採用すると主張
し、DR-CAFTA(2005年調印)のISD条項に基づいてエルサルバドル政府を提訴し
た。
Institute for Policy StudiesのJohn Cavanaghさんは「ISD条項は不当で、民
主主義に対する攻撃である」と非難した。
行動には約100人が参加、243団体(労組、環境団体など)が署名する公開状を
世銀職員やICSIDのメンバーに配布した。
カナダはDR-CAFTAに加盟していないため、同社は2009年に子会社をケイマン諸
島から米国ネバダ州に移転。
2009年に政権交代、FMLNが政権。

■参考「エルサルバドル:命は金銀よりも重し」JanJanニュース、2008/02/10

http://ips-j.com/entry/2343;jsessionid=7BE48EC0E48129B00E68AA5BFBCA6C58?moreFlag=true

エルサルバドル・カバーニャス県でカナダの鉱業会社が進められている金銀鉱
石の採掘プロジェクトが住民に健康被害を与える疑いが指摘されている。各方
面から反対の声が上がり、政府が出した採掘許可は効力停止になった。
【サンイシドロ(エルサルバドル)IPS=ラウル・グティエレス、2月1日】
エルサルバドル・カバーニャス県で進められている「エルドラド採掘プロジ
ェクト」が住民への健康被害を与えるものだとの疑いが出ている。
エルドラドは面積144平方キロメートルをカバーし、2006年に行われ
た試掘によると、少なくとも金が120万オンス、銀が740万オンス眠って
いることが判明した。このプロジェクトは、カナダの鉱業会社「パシフィック
・リム」が首都サンサルバドルから65kmのところにあるサンイシドロ近く
で展開しているもので、採掘場として可能性のある国内25ヶ所のうちのひと
つである。
しかし、この採掘のために、住民がわずか週に1回しか利用できない水源か
ら1日3万リットルもの水が消費されることがわかった。
さらに、採掘のために必要なシアン化物が住民に健康被害を与える可能性が
強く指摘されている。「パシフィック・リム」社自身が行った環境影響評価書
を2005年10月に検討した米国の水文地質学者ロバート・モラン氏は、影
響を測定するためのデータが不十分だとして評価書を批判している。
パ社は昨年、ラジオや街宣車などを用いた「エコ採掘」(green mining)キ
ャンペーンを鉱山の近隣で展開した。学校の備品や肥料などを配布してまで住
民の支持を得ようとしている。パ社の環境アドバイザーであるルイス・トレホ
氏は、シアン化物が危険物質であることを認めつつ、体に「同化する」から心
配ないとの説を披露している。
しかし、エルドラド・プロジェクトには各方面から反対の声が上がった。昨
年5月には、「エルサルバドル司教会議」が反対声明を発した。
こうした活動のために、経済省と環境天然資源省がいったん与えた採掘許可
は現在のところ効力停止になっている。
これに対してパ社は、右派の国民和解党(PCN)と謀って、鉱業活動を規制す
る独立委員会を設置する法案を議会に提出させようとしている。これによって、
既存省庁の規制権限を剥奪することが実質的な狙いだ。
カバーニャス県の環境保護活動家であるイレーネ・カスティージョさんとネ
ルソン・ベンチュラさんは「人間の命をわずかな見返りと引き換えにすること
はできない」と話す。そんな2人の前には、「命は金(きん)よりも重し」と
書かれたポスターが掲げられていた。
翻訳/サマリー=山口響(IPS Japan)

■参考
Democracy Now!
2009年12月29日(火)

http://dnj.sakura.ne.jp/dailynews/09/12/29/1?page=2

エルサルバドルで採掘反対活動家2人殺害される
エルサルバドルでまた著名な採掘反対活動家が暗殺されました。1週間で2度
目の暗殺です。12月26日、32歳のドラ“アリシア”レシノス・ソルトが自宅近
くで射殺され、彼女の子供の一人も負傷しました。ソルトは、カバニャス環境
委員会(Cabañas Environment Committee)の主要メンバーで、バンク
ーバーを拠点とするパシフィック・リム・マイニング・カンパニーが所有する
金鉱再開への反対運動を行っていました。

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