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2012/02/12

協議-TIPNIS-モラレス政権

 ボリビアの状況を整理しようと思っているのですが、なかなか進みません。
 昨年秋以降の動きもお伝えしていなかったことに気づき、そのへんも含め書いていたのですが、今日は時間切れということで
 
 ここまで
 
 青西


 イシボロ・セクレ先住民族テリトリー自然保護区(Territorio Indigena y Parque Nacional Isiboro Secure, TIPNIS)を分断する道路建設に反対し、首都ラ・パスを目指して昨年8月15日に開始された第八回先住民族行進は、9月25日、警察による弾圧を受ける。この先住民族グループと警官隊の衝突の後、モラレス大統領は道路計画の停止と、国民的対話の呼びかけを行う。その後10月1日になり、ラ・パスを目指す先住民族行進は再開され、10月19日、様々な社会組織の歓迎の中、ラパスに到着した。

 先住民族グループはモラレス大統領との直接対話を望み、22日に実現。一方、議会では既に TIPNISの道路建設を中止する法案の審議が進んでおり、10月11日に法案が議会で採択されている。ここには道路計画を停止し、事前協議を行うこと、代替の道路案の調査を行うことなどが盛り込まれていた。しかしモラレス大統領は当初案を拒否し、21日に法案に対する意見書を送り、24日に法180号が議会で採択され、大統領によって公布された。法第180号には、ビジャ・トゥナリとサン・イグナッシオ・モホスまたその他の道路が、TIPNISを通過することはない、と定めるとともに、TIPNISを「触れることのできない“INTANGIBLE”」ものと定められた。
 モラレス大統領は、当初案を拒否した際に、先住民族組織の提案にあったこの言葉を入れるように指示したとする記事もあるが、先住民族出身の議員の提案との報道もありはっきりはしない。しかし与党の議員また、交渉にあたっていた先住民族リーダーもこの言葉には懸念を持っていたようであるが、細則において、定義を定めればいいという議論になっていたようである。
 
 ところがモラレス政権は法に盛り込まれた Intangibleを利用して、TIPNISの先住民族を締め上げにかかっていた。地域の住民が行っていたエコツーリズムの免許を取り消しという事態も発生していた。地域に居住する先住民族がその資源を利用する権利を制約し始めたのである。
 
 それとは平行してモラレス大統領は道路建設に前向きな姿勢を示し続け、「道路建設を実現できるどうかは、地域住民の手にゆだねられている」とサン・イグナシオで語り、建設推進のための運動を鼓舞しているのである。

 こうした中でConsejo Indigena del Sur (Conisur)のメンバーによって、道路建設を求める行進が行われた。12月20日に出発したCONISURは1月30日にラパスに到着。同日モラレス大統領と対談。その後、議員との会議などを踏まえ、CONISURは「協議」を求めるという方向を打ち出し、議会も「協議」法の制定に踏み込み、2月10日にはモラレス大統領によって「イシボロ・セクレ先住民族テリトリー自然保護区の先住民族への協議法/法第222号」が公布されたのである。

 協議を行い、地域の先住民族が道路建設の是非を決めればいい、と聞けば正統な判断であるかに思える。しかしここでモラレス政権が定める道路計画は既に定まったものであり、事前の協議ではなく、代替案を検討するものでもない。この「協議」法は「TIPNISを、INTANGIBLEな地域とするのか、あるいはそうではなく、開発事業やビジャ・トゥナリとサン・イグナッシオ・モホス間の道路建設の実現を可能とするのか 」という二者択一を強いるものとなっているのである。
 これは「協議」の名を借りた脅迫にすぎない。放置されることを選ぶのか、鉱山開発を選ぶのか、と迫ったある国の大統領の発言を思い出させるものである。

 未定稿。もう少し時間をとって、加筆修正する予定


開発と権利のための行動センター

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