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2014/01/30

ボリビア:先住民族組織は6月のG77に向けて、対抗サミットを計画

 TIPNIS先住民族テリトリーの保全を目指す先住民族リーダーたちは、今年の6月にボリビアのサンタクルス市で予定されているG77+中国に際し、対抗サミットを開催することを宣言。TIPNISを縦断し、ビジャ・トゥナリとサン・イグナシオ・モホスをつなぐ道路計画についての懸念を国際社会に示す必要を表明。(1)

 記事によると、ブラジル開発銀行がTIPNIS紛争の後に融資から手を引いたものの、現在、中国の銀行が代わりに融資を計画しているとのことである。

 一方、アルバロ・ガルシア副大統領は、昨年6月にアルゼンチンで行われた講演会において、TIPNISの紛争について政府の間違いを認め、事前協議が事後に行われたこと、今後道路が建設されるとしても20年あるいは100年後に実現する話しであろうと語っているとのことである。(2)

 先住民族組織のリーダーであるアドルフォ・チャベスは、各国首脳に対し、ボリビアのチャコ・東部・アマゾン地域またエクアドルやコロンビアの先住民族が暮らす現実を示す必要があること、また中国が事前協議の問題を考慮しないままに、再度道路計画に資金を供与しようとしていることに懸念を表明している。

 更にネリ・ロメロは、G77諸国に対して、まず人権を尊重すべきことを提起していたいと語っている。(3) 

  G77+中国は6月14日、15日に計画されており、政府はその準備を着々と進めている。

(1)Indígenas anuncian realizar cumbre paralela de CAOI al G 77 + China

http://www.eldiario.net/noticias/2014/2014_01/nt140122/politica.php?n=58&-indigenas-anuncian-realizar-cumbre-paralela-de-caoi-al-g-77-china

(2)El Vicepresidente descarta carretera por el TIPNIS

http://www.paginasiete.bo/nacional/2014/1/4/vicepresidente-descarta-carretera-tipnis-10441.html

(ボリビア国内では2014年1月に報道されている)

(3)Anuncian Cumbre Indígena de la COICA paralela a la G77 en Santa Cruz

http://www.erbol.com.bo/noticia/indigenas/27012014/anuncian_cumbre_indigena_de_la_coica_paralela_la_g77_en_santa_cruz#sthash.Fndyvr8y.dpuf

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2014/01/29

ボリビア:TIPNISの動きの確認

記事としてまとまっているものではないのですが、とりあえず現状を把握し直すために整理した情報です。ガルシア・リネラ副大統領が、TIPNISの道路建設の戦略的な意味について何度も発言しているのが気になりました。

主目的は国家統合、多民族国家である多様性より、国家の地理的・経済的統合が必要だと強く思っていることがわかります。

イシボロ・セクレ先住民族テリトリー自然保護区(Territorio Indigena y Parque Nacional Isiboro Secure, TIPNIS)を分断する道路建設とそれに対する反対運動について、2012年初頭までこのブログでも取り上げてきました。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2012/02/tipnis-35e1.html

それ以後の動きを整理しておきたいと思います。

2012年2月7日:ガルシア・リネラ副大統領:「TIPNISで動員されていたのは他の地区のリーダーたちであり、環境NGOやUSAIDの支援を受けていたのだ・・・アマゾンと高地を直接結ぶことで、サンタクルスのオルガルキーの支配を抜け出して、直接高地と低地の資源を結びつけることができる。」

El pueblo boliviano vive la mayor revolución social
http://www.jornada.unam.mx/2012/02/07/politica/002e1pol

-2012年4月:道路建設を受注していたブラジル企業OASとの契約破棄についてモラレス大統領言及

http://www.bolpress.com/art.php?Cod=2012041008

-2012年7月29日:ボリビア政府による協議プロセスの開始。12月6日まで実施。

-2012年11月29日~2012年12月14日:カトリック教会、ボリビア人権会議(APDHB)、国際人権連盟(FIDH)による協議プロセスの検証のための調査。36コミュニティの報告。30コミュニティが道路建設に反対。
http://www.cedib.org/documentos/consulta-tipnis-compendio-de-informes/

Verificación de la consulta en el TIPNIS (APDHB, Caritas, FIDH)
http://www.territoriosenresistencia.org/noticias/verificacion-de-la-consulta-en-el-tipnis-apdhb-caritas-fidh

-2012年12月27日:ガルシア・リネラ副大統領、海外からの融資を得るまで道路建設を再開することはないと表明
http://www.eldeber.com.bo/gobierno-descarta-carretera-por-el-tipnis-hasta-conseguir-financiamiento/121227163533

-2013年1月6日:選挙管理委員会が協議の報告書公開
http://www.oep.org.bo/oep/tipnis_consulta.aspx

選挙管理委員会は協議の実施プロセス支援と監視の役割を担っていた。

-2013年1月:契約破棄に関連するボリビア政府のブラジル企業OASへの補償金額が確定。この契約はブラジル社会開発銀行が融資を行う予定であった。
http://www.la-razon.com/nacional/Bolivia-OAS-indemnizacion-cancelacion-TIPNIS_0_1765023553.html

-2013年3月15日:米州人権機構での公聴会(Video)

http://www.youtube.com/watch?v=mapm_YD3RRc 
RD5 - Situation of Human Rights of the Indigenous Peoples Inhabiting Indigenous Territory in the National Park Isiboro Sécure (TIPNIS) in Bolivia

Indígenas del TIPNIS denunciaron ante la CIDH que el Estado actúa de mala fe, con presiones y desinformando
http://otramerica.com/radar/indigenas-tipnis-denunciaron-ante-la-cidh-estado-actua-mala-fe-presiones-desinformando/2868

-2013年4月2日:公共事業・サービス・住居省、議会に最終報告書提出

※http://www.oopp.gob.bo/index.php/informacion_institucional/INFORME-FINAL-TIPNIS,851.html

協議を受けたコミュニティの80%が道路建設を受け入れ、82%が法180号で定められた「触れてはいけない」という定義を拒否

-2013年6月27日:ガルシア・リネラ副大統領:「今後、20年、50年100年間はTIPNISに道路を作ることはない」と表明(しかしそうとは聞こえない。積極的に動いていくのではないだろうか。既に「事前協議」を手に入れている。)参考3)

-2013年9月21日:ガルシア・リネラ副大統領:TIPNISの道路は分離主義に終止符を打ち、国家統合をすすめるもの

Álvaro García Linera: Carretera por el TIPNIS pondrá fin a pretensiones separatistas y consolidará la unidad
http://www.fmbolivia.tv/alvaro-garcia-linera-carretera-por-el-tipnis-pondra-fin-a-pretensiones-separatistas-y-consolidara-la-unidad/

-2013年9月25日:2年前の先住民族行進弾圧における責任者の処罰は行われていない。
http://www.somossur.net/bolivia/economia/no-a-la-carretera-por-el-tipnis/1273-chaparina-a-dos-anos-730-dias-de-impunidad.html

-2013年1月:先住民族組織は、TIPNISの道路建設に中国の資金が入るのではないかと懸念を表明

<参考>

(1)道路建設に反対する先住民族運動などの情報

Somos Sur
http://www.somossur.net/bolivia/economia/no-a-la-carretera-por-el-tipnis.html

Territorio y Resitencia
http://www.territoriosenresistencia.org/

Fundacion Tierraのニュース集約サイト
http://www.ftierra.org/index.php?option=com_content&view=category&id=174:tipnis&Itemid=242&layout=default

(2)先住民族組織による「事前協議」の問題点

1.「事前」協議ではなかった

2.自由ではなかった。協議の前に、贈り物があったり、プロジェクトの提供話があったりした。道路建設を拒否したケースでは引き渡した贈り物を取り上げたり、学校建設を中止した。

3.良心に基づいたものではなかった。「intangubilidad」の説明において、狩猟も漁猟も、薪を捕ることも許されなくなると説明

4.情報提供がなかった: 道路建設に関する社会・環境影響評価を提示されることもなく、単に「エコロジカルな道路」の写真として、森の下のトンネルや樹上を通る道路のモンタージュ写真が見せられた

5. 適切な手続きでは行われていない。コミュニティの正統な評議会が開催されない、伝統的権威が参加していない

La “CONSULTA PREVIA” en opinión de los pueblos indígenas (2013/12)
http://www.somossur.net/bolivia/economia/no-a-la-carretera-por-el-tipnis/1317-la-consulta-previa-en-opinion-de-los-pueblos-indigenas.html

(3)アルバロ・ガルシア・リネラ副大統領の発言関連

・El pueblo boliviano vive la mayor revolución social
http://www.jornada.unam.mx/2012/02/07/politica/002e1pol

・Conferencia de Álvaro García Linera en el Centro Cultural
http://www.youtube.com/watch?v=JmpPmrwc4ys
http://www.youtube.com/watch?v=bhn91kXI4To

・García dijo que vía por el TIPNIS no va más, si se hace será en 20 ó 100 años
http://erbol.com.bo/noticia/politica/03012014/garcia_dijo_que_por_el_tipnis_no_va_mas_si_se_hace_sera_en_20_o_100_anos#sthash.ZlFitFuc.dpuf

・El Vicepresidente descarta carretera por el TIPNIS
http://www.paginasiete.bo/nacional/2014/1/4/vicepresidente-descarta-carretera-tipnis-10441.html

・Para García Linera, la integración es el proceso revolucionario de hoy (2013/7/01)
http://www.diputados.bo/index.php/prensa/ejecutivo/item/517-para-garcia-linera-la-integracion-es-el-proceso-revolucionario-de-hoy

・Álvaro García Linera: Carretera por el TIPNIS pondrá fin a pretensiones separatistas y consolidará la unidad(2013/9/21)

http://www.fmbolivia.tv/alvaro-garcia-linera-carretera-por-el-tipnis-pondra-fin-a-pretensiones-separatistas-y-consolidara-la-unidad/

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「自然の権利に関する国際法廷」

 エクアドルの首都キトーにおいて1月17日、「自然の権利に関する国際法廷」が開催された。

 自然の権利に関する国際アライアンス( GLOBAL ALLIANCE FOR RIGHTS OF NATURE)によって組織されたこの民衆法廷では、エクアドルにおけるブリティッシュ・ペトロリアムによる石油開発、ヤスニ開発、遺伝子組み換え、気候変動などの問題が取り上げられた。

 また「裁判官」としてはバンダナ・シバ、アルベルト・アコスタ、パブロ・ソロン(元ボリビア国連大使)、なども参加していた。

 取り上げられたケースは、今後法廷で審議していくことになるという。また次回は2014年12月にリマで開催するとのことである。

First International Tribunal on Rights of Nature:Inaugural session in Ecuador admits nine cases

http://amazonwatch.org/news/2014/0121-first-international-tribunal-on-rights-of-nature

Arranca el Tribunal Ético Mundial por los Derechos de la Naturaleza

http://www.lamarea.com/2014/01/23/arranca-el-tribunal-etico-mundial-por-los-derechos-de-la-naturaleza/

GLOBAL ALLIANCE FOR RIGHTS OF NATURE

http://therightsofnature.org/rights-of-nature-laws/rights-nature-tribunal/

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2014/01/27

国際的な批判に右往左往する世界銀行グループのIFC

 このブログでも何度かお伝えしたホンデュラスにおけるオイルパームプランテーションにおける人権侵害。このプランテーションへの世界銀行グループのIFCからの融資に対し、2012年、世界銀行内部のオンブズマン制度であるCAOが調査を開始。

 2013年12月20日付けの報告書を公表。この中でIFC が土地問題やそれにかかわるリスクについて適切な調査を実施していなかったこと、適切な環境・社会評価を行っていなかったことなどを指摘。これに対して、IFC1月3日付けで、この報告書の内容に同意という記載を含む回答を行った。

 これに対し1月20日にホンジュラス国内及び国際的な市民組織の70団体が連名で声明を発表。

 その後、22日、23日付けでIFCが批判を受け入れて方針を転換するという報道がなされている。

 詳細は把握できておらず、CAOの報告書もさっと眺めただけであるが、CAOの報告書はどのような点から世界銀行の融資にチェックを入れていくかという点からも参考になるのではないかと思う。

参考サイト

1)Honduras / Dinant-01/CAO Vice President Request

http://www.cao-ombudsman.org/cases/case_detail.aspx?id=188

http://www.cao-ombudsman.org/cases/document-links/documents/IFCResponsetoCAOAuditofDinant_Jan32014.pdf

2)World Bank arm under fire on project with group linked to killings(1/10)

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/5db01062-79d0-11e3-a3e6-00144feabdc0.html

3)World Bank's Lending Arm Linked To Deadly Honduras Conflict(1/10)

http://www.huffingtonpost.com/2014/01/10/world-bank-honduras_n_4577861.html

4)World Bank funding a company implicated in human rights abuses in Honduras(1/10)

http://oxf.am/wYZ

5)IFC fails to act on human rights abuses in Honduras (1/24)

http://www.brettonwoodsproject.org/2014/01/ifc-fails-act-human-rights-abuses-honduras/

6)World Bank's private-sector arm accepts Honduran company loan criticism(1/22)

http://www.reuters.com/article/2014/01/22/honduras-worldbank-idUSL2N0KW1EH20140122

7)World Bank lending arm forced into U-turn after Honduras loan row(1/23)

http://www.theguardian.com/global-development/2014/jan/23/world-bank-ifc-forced-uturn-honduras-dinant

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UNEPが土地の持続的な利用を目指す報告書

国連環境計画のもとに置かれている「国際資源パネル」の報告書、「Assessing Global Land Use: Balancing Consumption with Sustainable Supply(世界の土地利用評価:消費を持続的な供給と均衡させるために)」が2014年1月24日に公表された。

 この報告書によると、現在のような持続性のない土地利用を続けると2050年までにブラジルの面積に相当する849百万ヘクタールの土地が劣化する危険があると警鐘を鳴らしている。

 報告書のプレスリリースは、人口増加に対応するため、地球上の各地でサバンナや草地、森林から耕作地への転換が進みつつあり、1961年から2007年までに耕作地は11%増加し、現在でもその傾向が続いていることを指摘している。その上で、今後、土地が有限であるという認識に基づき、土地から生み出される生産物の生産・供給・消費についてより効率的であることが必要であること、また2050年までに数百万ヘクタールの土地を守ることための境界を定めなければならいとしている。

 この報告書では、外延的な農耕地の拡大が限界に達していること、同時に非持続的な利用で、土地の劣化が進みつつあることを前に、過剰な消費の抑制、水からの消費のために利用している地球レベルでの土地利用についてのそれぞれの国家によるモニタリングとコントロールの必要性、食料価格と燃料価格の切り離しなどを提起している。また暫定的な指標として一人当たり耕地面積を0.2ヘクタールとしている。

Assessing Global Land Use: Balancing Consumption with Sustainable Supply

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キヌアは庶民の手に届かぬものへ

2年前はリマの市場で7ソルで1キロのキヌアを買うことができたものの、今ではキロ16ソルにまで値上がりし、一部のスーパーでは20ソルするという。(注:16ソルで約580円。日本のスーパーで売っている通常のお米よりも高い)

 ペルーの「ラ・レプブリカ」紙のWEBサイトは1月4日発の記事で、ペルーにおけるキヌアの高騰を伝えている。この高騰の背景に北米や中国、ヨーロッパなどで貴重な食材として取引されていることをあげている。更にFAOが高栄養なキヌアを評価し、2013年を「国際キヌア年」としたこともそれに拍車をかけたという。

ペルーではここ10年で需要が18倍も拡大し、それに伴い耕作面積も拡大しているというが、それでも国際市場での需要から価格が上昇し、庶民には手の届かないものになっているという。

 健康にいい、栄養価も高いと評価される一方で、代々この資源を守り続けてきた生産者はキヌアの消費を減少させつつある。5年前は一人当たり年2.5キロから5キロだった消費量が2013年には0~3キロに減少しているという。

このような状況の中、キヌアは高地から低地にそして森林地帯にも拡大しようとしているという。低地に耕作地を拡大することで現在の10倍の耕作面積を確保することもできると言われているとのことである。

El fuerte encarecimiento de la quinua la aleja de la mesa popular de los peruanos

http://www.larepublica.pe/04-01-2014/el-fuerte-encarecimiento-de-la-quinua-la-aleja-de-la-mesa-popular-de-los-peruanos

 日本が「豊か」と言われていた時代、私たちは世界のあちこちで同じような問題を引き起こし、そして加害者意識にさいなまれた人もいたことだろう。その状況はもちろん変わっていない。私たちはあちこちから食料を買いあさって、うまいものを食べて生きている。しかし、同時に、私たちはうまいものどころかまともな食べ物が食えなくなる時代も思い浮かべながら生きていかなくてはならない。もう既に食費に回せるお金が十分ではない世帯は山ほどあるのだ。

 自由貿易でみんなが豊かに食べられるなどというのは幻想に過ぎない。土地という限られた資源は、みんなにまっとうに食べさせるという論理で、配分されているわけでも、取引されているわけでもない。分厚い財布を持つ人たちのために食料を作り、販売すればいいというのが、今の時代のルールになりつつある。「国際市場の金持ちに向けて、高級な食品を作り、売っていけば儲かるじゃないか」、そんな話しに踊らされてはいけない!

 私たちの子どもたちが、本当のところ将来何を食べて生きていけるのか、そんな危機感を持って、世界の農民と連帯していくことが必要ではないか、と思うのであった。

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