エクアドル

2009/10/07

エクアドルの水法案について(10/19追記・修正)

新しい水法案を少し読んでみました。水関連はあまり触れたことがないので、間違っていればご指摘ください。

 2008年10月に公布されたエクアドル憲法の第12条は、「水への人権が本源的なものであり、放棄することはできないこと。水は公共の利用のための国家の戦略的な財産であり、生命のために不可分、不可侵、差し押さえのできない、かつ必須のものである」と定めています。
 更に、第314条において、「国家が飲料水や灌漑用水といった公共サービスの供給に関する責任主体であること」、第318条において、「全ての形式におけるプリバティサシオン(Privatización私有化・民営化)を禁止」しています。またこの条項において、水に関する業務は、公的(pública)あるいは共同体(comunitaria)によってのみ行われると定められ、浄化、飲料水や灌漑の供給という公共サービスは国家あるいはコミュニティ法人によってのみ行われるとされています。
 また国家は水資源の計画と利用の直接かつ唯一の責任機関を通じて、人の利用、食料主権を保障するための灌漑、生態系保全のための流水、生産的活動という優先度に基づいて利用されると定められています。

 水へのアクセスの権利を定めているだけではなく、民営化の禁止や共同体による管理を定めているといった点でこの憲法における水に関する規定は注目されますが、更に、水の利用の優先度の中で、生産的活動を最下位に定めていること、その上に生態系を保全するための流量(生態流量:caudal ecologico)が定められていることも重要な点です。[1]  

 この新憲法に基づいて、行政府から新しい水法案、正式には水資源と水の利用と活用に関する組織法”LEY ORGÁNICA DE RECURSOS HÍDRICOS, USO Y APROVECHAMIENTO DEL AGUA "が提出され、現在議会にて審議が行われています。[2]
 この法案は憲法に則って水への公正なアクセスを保障することを大きな目的としていますが、更に利用者の水管理への参加を促すこと、水系ごとの管理をすすめることなども目指しています。また水分野の政策責任者を大統領と定め、水分野の政策の唯一の担当機関として「水専任機関」を設けることを定めています。なおこの法案が扱う水資源には河川などの表面水だけではなく、地下水、水源、河床も含まれています。[3]

 水法案の第1条、第2条では、「水は国家の戦略的な財産」であることが定められ、中央政府の排他的な管理のもとに置かれるとされています。[4]第3条では水のプリバティサシオンの禁止が定められ、「水はいかなる商業的な合意の対象ともならないこと」また全ての形の水の私有化が禁止されています。また第7条で水管理業務は公的機関あるいはコミュニティ、共同体的組織によることが定められています。
 第21条からは「水への人権」が定められています。清浄で十分な水にアクセスする権利を定め、この権利を基本的かつ不可分なものと定めています。更にこの権利は未来の世代によっても行使されるものだと明記しています。[5]第28条は、水への権利は、日常生活のために地下水や表面水を手動で利用することの自由を含むものとされています。
 第31条から第35条では、コミュニティや先住民族の「集団的権利と慣習的な利用」について定められています。しかし「この法律の定めるところに従ってその権利を行使できる」とされており、また第34条では「認可された流量」に関しての分配については、その慣習を尊重すると書かれています。第69条から第75条において、水力発電や鉱業向け用水などについて、国家開発計画に従って水の使用認可を与えるという部分とあわせて考えた時に、先住民族コミュニティがどこまで自分たちのテリトリーにおける水利用について決定できるのか、曖昧な点が残っています。憲法で優先度を高く定められている分の流量(生活用水等)を、「合理的」に算定して、確保した後は、国家開発計画に従って配分されてしまう可能性もありそうです。
 第36条から第41条は「利用者の参加」について定められています。利用者が水系の水利用計画などに参加できるとされていますが、どこまで決定権があるのかは明記されていません。これは別の市民参加について定めた法に基づくということです。また流域審議会や市民監査機関の設置などを通じても市民参加を促していくとされています。
 第50条では、協議について定めています。水量・水質・環境への影響などを引き起こす恐れのあるプロジェクトについては、協議を行うこととされています。その先の詳細は、別に定める市民参加に関連する諸法に基づくとされています。
 第64条からは水の経済的活用について記されている。「水担当機関」が、自然人もしくは法人、公的セクターあるいは民間セクターの機関などに対して、水の経済的活用を認可できると定めている。続けて水力発電、鉱業などについて定めています。
 第90条から第100条にかけてはコミュニティによる水管理について定めています。生活用水や自給用及び食料主権確保ののための灌漑用水に関して、共同体的な管理の重要性を認めるとともに、促進するものとしています。またこのコミュニティによる水管理が民主的に運営され、かつ水の私有化の隠蔽に使われないようにという規定もなされています。更に、第93条ではその成員が経済的な目的のために水を利用している場合には、コミュニティによる管理は認めないとされています。
 経済的な水利用に関しては、全て国家の「水専任機関」の管理下に置かれることになるようですが、これがコミュニティによる管理とどのように整理されていくのか、ちょっとわかりません。
 この点で第179条以下に定められている「流域審議会」の設置とそこでの調整作業というのが重要な役割を果たしていくことになるのかもしれません。

 さて、この法案に関する批判点は次のようなものです。
1)私有化・民営化を禁止しているにもかかわらず、水力発電や鉱業などにおいて民間に対する利用権設定が認められていること。
2)水利用の優先度が憲法で定められているにもかかわらず、国家開発計画に従ってその優先度を変更することができるという規定が存在すること。
3)先住民族の権利が十分に認められていないこと。

 こうした中で10月5日の合意では、議会の特別委員会がコミュニティと、水法などの重要法案について、慎重を期すべき点について意見交換を行うという方向が合意されており、これは重要な点だと思われます。

 新しい水法案は水への権利を定めるなど非常に興味深いものですが、一方で「合理的な開発計画」の元に、コミュニティの声が封殺されてしまうのではないかという危機感を覚えます。そうした中で、この法律でも定めている市民参加のあり方が重要になるのではないかと思います。この点について定める市民参加関連法の動向にも注目する必要がありそうです。

 開発と権利のための行動センター
 青西

*今後時間をみて、追記修正する予定です。 

[1]生態流量:caudal ecologico
 日本でどのように定義されているのかはっきりわかりませんが、「流域生態系を維持するのに必要最低限の流量」と言えるかと思います。水力発電や工業用水など産業用の利用よりも生態系の保全が重視されているというのは重要な点であろうと思われます。水法案では第17条で、全ての流域で不可侵であり、必要とされる流量を守ることとされています。この規定でダムの存在自体が否定されるのではないかと私は考えています。

[2]法案についてはSecretaria Nacional del Aguaのサイトを参照のこと
  http://www.senagua.gov.ec/
 Usoは人間の消費などの、生命の維持や食料主権の保障に必要な水利用(第54条)、Aprovechamientoは産業的な水利用に対応している。(第64条)

[3]日本では水については憲法上の規定はなく、法律上も多数の法律で規定され、所管する省庁も複数にわたっているのとは大きな違いです。河川の管理は、河川法に基づいて国土交通省が、飲料水については水道法に基づき厚生労働省が、水質汚濁については環境省、また農業用水は農林水産省、工業用水は経済産業省の所管となっています。
 例えば次のサイトを参考に http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/b_about_us/about_us01.html
 また「地下水関連法制度とこれまでの地下水政策」についてはこちら
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/chikasui/seisaku.html

[4]水法を巡ってしばしば紛争の生じるグアテマラでは(憲法上の規定では、水は全て国家に帰属するとしても)中央政府に水管理の権限を集中するということ自体が、先住民族コミュニティの強い反発を招く規定となりうる。エクアドルの水法案では第2章に先住民族の集団的な権利が規定されている。

[5]第47条でも未来の世代に対する国家の義務が明記され、国家とその機関は未来の世代に十分かつ健康的な水を確保するための戦略や統合的なプログラムを適用していく義務があるとされています。

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2009/10/03

エクアドルで先住民族と警官隊の衝突

 9月28日よりエクアドル先住民族は、議会で審議中の水法に対して抗議行動を開始していたが、水曜日30日、アマゾン地域のモローナ・サンティアゴ州のアラピコス近郊で警官隊と衝突。シュアル民族出身のボスコ・ウィルマ (Bosco Wizuma)が死亡したほか、他2名も死亡したと伝えられている。また40人ほどの警官が負傷したとのことである。
 シュアル民族は仲間の死を受けて、態度を硬化させ、道路封鎖を継続し、コレア大統領自ら対話のために現地を訪問することを要求しているとのことである。
大統領は金曜日に先住民族組織と対話を開始するとしていたが、来週に持ち越された。
 エクアドルのコレア大統領は、蜂起当初から水法は水管理の民営化に向かうものではなく、先住民族の蜂起は右派に操られたものだというコメントを繰り返している。(2009/10/03 青西)

 声明文等へのリンクはこちらに数多くあります。
http://ecuador.indymedia.org/

 水法の法案等
 Ley Orgánica de los Recursos Hídricos, Uso y aprovechamiento del agua
 http://www.senagua.gov.ec/index.php?option=com_content&view=article&id=104&Itemid=138

 批判http://www.biodiversidadla.org/Principal/Contenido/Documentos/Ecuador_los_10_pecados_capitales_de_la_Ley_de_Agua

 

 

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2009/05/14

カナダの先住民族がエクアドルで鉱業振興?

 エクアドルのコレア大統領によると、今年6月(7月?)にカナダの先住民族の代表がエクアドルを訪問し、鉱業開発の利益について説明することになっているとのことである。左派を名乗る教条主義の輩が、多国籍企業に反対だ、鉱業開発に反対だと言うのを避けるために、カナダでどのように鉱業開発が進められているかを説明するために来訪するのだという。
 この記事では、コレア大統領はカナダの鉱業は世界でも進んでおり、高い環境基準を持つカナダの企業が投資をしてくれること望んでいると伝えている。
Indígenas canadienses visitarán Ecuador el próximo mes de julio 
http://www.ecuadorinmediato.com/noticias/103347
 一方で、先住民族組織のメディアでは、カナダの先住民族組織の声として、カナダでも鉱業開発が環境破壊を引き起こし、先住民族の権利を侵害しているという記事を掲載している。
Ecuador: Organizaciones canadienses exponen impactos de minería en su país http://www.servindi.org/actualidad/11387
 ちなみにこの記事にあるコメントは次のように書いている”「アクションを取ればそれに対する反発があるのは当たり前だ」、それがコレア大統領の態度なのだ。悲しいことに、同意を探すことも対話もない・・・こうして二つの立場の溝が深まっていく。これはエクアドルにとって望ましいことなのだろうか?”
 
  開発と権利のための行動センター
  青西

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2009/03/11

エクアドルの環境団体に対して政府の圧力

 3月9日、エクアドルの環境団体であるアクシオン・エコロヒカが政府からその法人格を剥奪されました。報道によりますとコレア大統領は、NGOは「好き勝手を行い、不適切に政治に介入している」とみなし、また「国内には三万のNGOなど非営利組織が存在するがその95%が法的な手続きを満たしていない、こうしたものを排除するのだ」と語っているとのことです。[1]
 これに対し、アクシオン・エコロヒカは「設立目的を逸脱している」という名目で法人格の剥奪を命じられたとのことで、政治的弾圧だと告発しています。HPにおいてアクシオン・エコロヒカは次のように訴えています。
「アクシオン・エコロヒカは、エクアドルの新憲法にも定められている、自然資源を守り、健康な環境を保全し、自然の権利を擁護するという目的と原則にそって活動してきたのであり、これは健康への権利も含んだ"BuenVivir "(良き生き方)に到達する基盤でもある」
「1986年に法人格を取得して以来、年次報告といった義務を果たしてきており、いまだかって一度も観察意見等を受け取ったことはなく、対話もない今回の手続きは正当な手続きとは言えない」
「これは単なる行政的な整理ではなく、アクシオン・エコロヒカが様々な組織と行ってきた、特に鉱業法と大規模な鉱山開発に反対する活動への報復であることは明らかである」[2]

 エクアドルでは新憲法制定後に定められた鉱業法が、憲法に定められた権利を侵害し、また多国籍企業を優遇するものであるという批判が高まっており、NGOや先住民族組織と、鉱業法に基づき鉱業開発を促進したいコレア大統領との溝が深まっていました。世界も最も環境に配慮している憲法の一つであろうエクアドル新憲法下で、このような形で環境団体へ圧力がかけられるということは非常に残念な出来事です。
 また昨年来凍結されていた二つの鉱山の操業が許可されたという報道もあり、環境と鉱業開発を巡って、また4月26日の総選挙に向けて緊張が高まっていくことが予想されます。
追記:この件について、アクシオン・エコロヒカのサイトにはエドゥアルド・ガレアーノやノーベル平和賞受賞者のアドルフォ・ペレス・エスキバルなどの声明が掲載されている。

[1]http://www.expreso.ec/ultimas-noticias/?codigo=2009310142752 他
[2]アクシオン・エコロヒカ http://www.accionecologica.org/index.php

開発と権利のための行動センターでも現在対応を検討中である。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2009/02/23

エクアドル勉強会について

 2月21日に開催しました南米連続勉強会第一回目 「エクアドルの資源開発と先住民族」(講師:新木秀和)はちょうど小会議室いっぱいの9名の参加をうけて、充実した勉強会となりました。この報告会の内容は、共催団体の日本ラテンアメリカ協力ネットワーク のニュースレターに掲載される予定です。
 当日講師の新木さんより紹介して頂いた資料などは次のサイトに紹介していますので、是非こちらからご購入ください。
http://astore.amazon.co.jp/ecuadorlibros-22
  また当日はエクアドルのフェアトレードコーヒーの紹介も参加者より行われましたので、そこへのリンクも掲載します。
  http://www.taharadrink.co.jp/coffee/index.html
 この他、当日は関係機関の資料なども配付しました。

 次回は3月14日(土曜日)午後3時から
 「ボリビア:エボ・モラレス政権の取り組みと政治状況(仮題)」
  講師:藤田護(ふじた まもる)  元ボリビア日本国大使館専門調査員、

 次回はもう少し広い会場となりますが、参加希望者は事前に cade-la@nifty.comまで連絡をお願いします。
  
「南米連続勉強会:先住民族運動、社会運動の今と政治動向」
  新憲法の制定などを通じて社会改革を目指すボリビアやエクアドルの政治。
またその中での先住民族運動や社会運動。混乱する世界の中で、未来を模索す
る南米の動きは目が離せません!
 
3月14日(土)
第2回:「ボリビア:エボ・モラレス政権の取り組みと政治状況(仮題)」
        講師:藤田護(ふじた まもる)
日時:2009年3月14日(土) 午後3時から
資料代:500円 
会場:アイヌ文化交流センター
東京都中央区八重洲2丁目4番13号 アーバンスクエア八重洲(3階) 
地図→  http://www.frpac.or.jp/prf/c_map.html
JR東京駅八重洲南口から徒歩4分。八重洲ブックセンターと新光証券の間入る。

第3回:「コロンビア:慢性化した紛争状況の中で生きる人々」
日時:4月25日(土) 午後2時半から(予定)
講師:千代勇一(せんだい ゆういち)
上智大学大学院在籍。北部アンデスの文化人類学を専攻。現在はコロンビアにおけるコカの代替開発を研究。著書に『アンデス高地』(共著)、『エクアドルを知るための60章』(共著)、論文に「コロンビアにおける違法コカ栽培と政府の対策」、「コロンビアにおける右派ウリベ大統領の再選と左派勢力の伸張」などがある。
(第3回の4月から会場が変更になる予定です。詳細は下記連絡先にて確認ください)

以降、6月まで継続的に実施します。

主催:先住民族の10年市民連絡会、
   開発と権利のための行動センター
     日本ラテンアメリカ協力ネットワーク

参加希望の方は事前に下記まで連絡お願いします。
連絡先:日本ラテンアメリカ協力ネットワーク email: recom@jca.apc.org
先住民族の10年市民連絡会 Tel/Fax:03-5932-9515 email: indy10-Lj@infoseek.jp
開発と権利のための行動センター email: cade-la@nifty.com
http://cade.cocolog-nifty.com/

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2009/01/15

追記1/21 エクアドル:1月20日に新鉱業法案に対して大規模な抗議行動

新鉱業法制定に対して抵抗を続けるエクアドル先住民族

 1月21日追記:エクアドルの臨時議会(小議会)は12日、11の修正を踏まえて鉱業法を承認。コレア大統領は、ある条項の語句の修正を要求したとのことであるが、原案からの大きな修正はないとのことであり、この鉱業法を近日中に公布することになると思われる。
 先住民族組織、環境団体は1月20日に全国各地でデモ行進や道路封鎖を実施。一部の報道は、デモに対する支持は広がらず失敗だったと伝えているが、先住民族組織はそうした報道に反発している。また今回のデモが政府の倒壊を狙った不安定工作だという見方も否定している。
 
 新鉱業法では、協議のプロセスについても定められているが、同意は必要とされておらず、社会・環境施策に意見を取り入れるものに過ぎない。また反対が多数の場合にも担当大臣の判断に委ねられている。先住民族との協議も同様の扱いに過ぎず、決定からは排除されている。
 
 
(以下1月15日)
 エクアドルの先住民族組織の連合体であるEcuarunari(エクアドル・キチュワ民族連盟)は1月7日に声明を発表し、1月20日に、「水・大地・食糧主権そして生命のための全国運動」を展開することを表明。鉱業法案は民族の生存と国家の主権を脅かす一方で、多国籍資本を優遇するものであり、それに反対するコミュニティや諸民族への支援を表明するとともに、鉱業と国の開発のあり方について、国民的な対話を進めることを要求。

 また先住民族組織のCONAIEの代表は、新業業法案の廃案を求め、「大規模な鉱業開発は経済権力の独占を保証するものであり、多国籍企業へのコンセッションを引き起こし、また現在の憲法に違反するものであり、諸権利そして『良き生き方』を脅かすものである」と語っている。
http://www.servindi.org/

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2008/12/15

エクアドル 新憲法の内実が問われる新鉱業法

1)鉱業法関連
 エクアドルでは、国家で審議中の新鉱業法に対する抗議行動が続いているが、11月17日に行われた大規模な抗議行動[1]に続いて、今週にも再びストライキが実施されるとのことである。
  「生命と主権の擁護のためのナショナル・コーディネーター」は採掘企業へのコンセッションの廃止、新鉱業法の廃案などを求めている。新鉱業法は、「新憲法に定められた水、健康、自然、そして食糧主権への権利を侵害する」ものであると告発してい る。[2]
 開発のための収入源として鉱物資源の利用に前向きのコレア大統領は、「責任ある鉱業」を実施するとして、今回の鉱業法を議会に提出しているが[3]、先住民族組織などは、憲法に定められた権利を侵害しているとして告発している。
(12/27追記:12月22日、エクアドル各地で新鉱業法に反対する抗議行動が展開された。関連映像はこちらhttp://www.ecuavisa.com/Desktop.aspx?Id=958&e=4483


[1]Alrededor de 20 mil indígenas protestan contra Ley Minera
http://www.hoy.com.ec/noticias-ecuador/alrededor-de-20-mil-indigenas-protestan-contra-ley-minera-319090.html       Ecuador mobilises against draft Mining Bill - Jornada nacional de lucha contra proyecto de ley minera
 http://www.minesandcommunities.org/article.php?a=8952        
[2]CNDVS RATIFICA PARO GENERAL DE COMUNIDADES AFECTADAS POR LA MINERIA Y DE ORGANIZACIONES POPULARES EN RESISTENCIA
http://www.nomineria.tk/
[3]Correa ratifica impulso a la minería responsable en Ecuador
http://www.hoy.com.ec/noticias-ecuador/correa-ratifica-impulso-a-la-mineria-responsable-en-ecuador-321601.html

2)食糧主権に関する法
  「食糧主権に関する法」においても、憲法で定められた遺伝子組み換え植物導入の禁止の規定をなし崩しにする危険があると言う指摘がなされている。エクアドル憲法第401条では例外規定は残されているものの、基本的に遺伝子組み換え作物及び種子を排除することが定められている。しかし現在審議中の「食糧主権に関する法」では、例外規定として定めている手続きが、通常の遺伝子組み換え作物導入手続きとなんら変わらないものとなっているとのことである。[4]
 
 エクアドル憲法で展開されている新しい理念をどのように法制度の中に組み込んでいけるのか、あるいは個別の法律において抜け穴が次々と作られていくのか、せめぎ合いが続いていくものと思われる。
[4] Ecuador: transgénicos y la Ley de soberanía alimentaria
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/46244
 
 開発と権利のための行動センター
  青西

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2008/12/08

いくつか海外の情報紹介:バイオ燃料・食糧関連

 ここ数日、少し整理したい作業があり、ブログの方に手が回っていません。
いくつか重要と思われる記事を紹介します。

<バイオ燃料関連>
1)大規模な植林プランテーションの拡大にさらされる中でのエクアドル女性の声
Mujeres, comunidades y plantaciones en Ecuador
Testimonios sobre un modelo forestal social y ambientalmente destructivo
スペイン語・英語http://www.wrm.org.uy/paises/Ecuador/Libro_Mujeres.html
2)森林地域におけるバイオ燃料プランテーション:生物多様性も気候をも危険に晒す。
Biofuel Plantations on Forested Lands: Double Jeopardy for Biodiversity and Climate
 森林地域におけるオイル・パームプランテーションの拡大を批判的に検証
http://www.cifor.cgiar.org/
関連記事
Palm oil offers no green solution
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7758542.stm

<食糧・農業>
3)食糧・金融危機の中で世界中で土地の囲い込みが進む
Seized: The 2008 land grab for food and financial security
http://www.grain.org/nfg/?id=610
 世界中で「土地神話」が立ち現れるかもしれない・・・

 青西

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2008/11/18

エクアドル鉱山開発関連 新鉱業法など

1)アセンダント・コッパー社に対するフニン銅鉱山開発コンセッション取り消し
 既に2月の段階で確定していたようにも記憶しており、情報が正確に把握できないのだが、現地の環境NGOであるDECOINの情報によると、インタグ地域におけるアセンダント社へのライセンスが11月12日正式に取り消されたとのことである。
 DECOINの情報によると取り消されたGolden1のコンセッションはフニン・プロジェクトでも最も重要なものであり、政府は、コミュニティとの事前協議の欠如、有効な環境影響評価の欠如などを理由としているとのこと。その他のインタグ地域のコンセッションもこうした要件を満たしていないので、いずれ取り消されるであろうとのこと。
 政府の判断は、制憲議会において2008年4月15日に定められたMandato Mineroに基づくものであるとのこと。
  http://alainet.org/active/27415&lang=es
  http://www.decoin.org/index.html

 鉱山・石油省は9月22日の段階で、1664の鉱業コンセッションをこのMandato Mineroの2条、5条、6条に基づいて取り消したと発表している。
 このMandato Mineroは5条で、鉱山・石油省職員、元職員及びその親族へのコンセッションの取り消しを定めており、その条項に基づいて85のコンセッションが取り消されたとのことである。また2条では鉱区料の未払いコンセッションの取り消し、また6条では新鉱業法の施行までのコンセッションの認可の凍結などを定めている。
 3条では水源に影響するコンセッションの取り消しを定めており、更にこの点からの見直しを進めるとしていた。
  http://www.minasypetroleos.gov.ec/mmp-portwar/faces/indexMinas.jspx

*Mandato Mineroについてはこちら
平成20年 5月 22日  エクアドル、鉱業指令(Mandato Minero)成立で鉱業界に暗雲 http://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/08_40.html

2)新鉱業法に対する抗議
 現在、エクアドルでは、新鉱業法の制定に向けて議会の委員会での審議が進められている。この鉱業法は鉱業開発における国家管理を強化するものとなっているが、先住民族組織などは、この方が先のMandato Mineroを踏まえたものになっているのか精査すべきこと、またこの法案に関して先住民族コミュニティへの協議が先んじて行われていないことなどを理由に反発している。
 先住民族組織は17日にデモ行進を実施。
 適切に管理した鉱業開発で外貨収入を確保すべきと考えるコレア大統領は、この法案について大きな変更は認めないことを宣言している。新憲法の理念をどう踏まえるのかも含め、鉱山開発に基本的に反対の姿勢をとる先住民族組織などとの対立が深化する可能性もある。
http://www.lahora.com.ec/frontEnd/main.php?idSeccion=800124 
 http://es.biz.yahoo.com/08112008/185/gobierno-ecuador-lista-ley-minera-cuestionada-grupos-ecologis.html 


 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/12

エクアドル新憲法について(08/10/12)

 国内での報道以外にも、エクアドル新憲法の革新的な部分をいくつか見ていきたいと思います。 (少しずつ適宜追記していきたいと思います)

 Buen vivir/良き生き方
 前文において私たちが築いていくことを決意するとして、「良き生き方、sumak kawsay」が取り上げられています。これはvivir bien としてボリビアの新憲法案でも取り込まれている概念ですが、この前文では「良き生き方、sumak kawsayを達成するために、多様性と自然との調和に基づく市民の共存の新しい形を築き上げていく」ことが第一に掲げられています。
 Buen vivirが訴えるのは、他の人や自然を省みず、それらを押しのけて「よりよい生活」を求めるのではない、調和に基づく自然そして人間の共存と考えられます。
 第275条においても、開発はこの「良き生き方」の実現を保証するためと位置づけられ、「『良き生き方』は、人、コミュニティ、民族が、通文化性、多様性への尊重、自然との調和的共存に基づき、権利を享受し、責任を果たすことを必要とする」、と定められています。

 水・食糧・環境への権利
  第12条~15条では「良き生き方の権利」として水、食糧、環境そして情報についての権利が記されています。
 第12条では、水への人権が本源的なものであり、放棄することはできないことが定められ、第13条では食糧へのアクセスの権利を有すること、更には地域において、多様な文化的伝統に基づいて生産された食糧が望ましいことが定められています。

 環境に関しては、第14条で生態的に安定した、健全な環境の中で生きる権利を確認し、環境保護、生態系、生物多様性、国の遺伝子資産総体の保全、環境破壊の予防、劣化した自然空間の回復を、公益であることを宣言しています。
 更に第15条では、環境に対してクリーンな技術の利用と代替エネルギーの利用を促進、また生物・化学・核兵器の開発・生産・保持・流通・輸入・通過・保管及び利用を禁止し、核廃棄物や有毒廃棄物の領土内への持ち込みを禁止しています。加えて、健康あるいは食糧主権、生態系に影響を及ぼす恐れのある遺伝子組み換え生物も同様に禁止されています。
 
 「自然の権利」 
 第71条~第74条では「自然の権利」が規定されています。
 第71条では「生命が再生産され、実現される自然、パチャママは、総体としてその存在と維持そして再生を尊重される権利を有する」と定めています。自然自体の権利を認めるという憲法は画期的なものであり、BBCは世界で最初の憲法であると報道しています。また第15条に加え、第73条でも遺伝子資産を決定的に改変しうる生物、有機・非有機資材の導入を禁止しています。
 第395条から第415条にかけても「自然と環境」についての章がおかれ、ここでは環境に影響のある国家の決定に先立つ協議、環境への損害への対応などが定められています。生物多様性について、例外規定を設けつつも、「遺伝子組み換え作物のないエクアドル」を宣言するとともに、生物多様性に関連する集団的な知識に基づく生産物に対して、知的所有権他の権利の承認を禁止しています。また「土壌」に関しても、公益であり、国家の優先課題であると定めています。しかし環境の重視の一方で、第407条においては自然保護区であっても、非再生資源の開発に一定の可能性を残しています。
 
 先住民族の権利
 先住民族の権利については第56条から60条、及び先住民族の司法制度について第171条が定めています。こちらについてはまた後日検討したいと思います。

 開発の制度
 開発のための制度については第275条から第339条にかけて定められており、第275条では「良き生き方」の実現を保証するためと定義され、第276条では公正・民主的・生産的・連帯・持続に基づく経済システムの構築が目的の一つとして打ち出されています。それは開発の利益と生産手段の平等な分配と尊厳のある安定的な雇用の創出に基づくものとされています。、

 食糧主権
  第281条が食糧主権について定めています。全ての人及び民族に健康的かつ文化的に適切な食糧自給の達成を保障するため、食糧主権は国家の義務であり、戦略的な目標であると定められています。
 更に、中小規模生産者の促進、輸入食料への依存を避けるための政策の適用、多角化、生態的な技術また有機の促進、農民に土地、水と言った生産資源へのアクセスを可能とする分配政策の促進、農業生物多様性の保全と回復の促進、公正で連帯的な食糧の分配と流通を可能にするシステムの創出などが定められています。

  開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/10

エクアドルの新憲法について:報道から

  9月28日、エクアドルで新憲法案の是非を問う国民投票が行われ、64%の票で承認されました。この憲法は官報に掲載された時点で施行され、来年3月頃までには選挙が行われるとのことです。この国民投票の結果は日本の主要紙でも報道されています。まずは新憲法のポイントがどう報じられているかに限って整理してみたいとおもいます。 (最後のBBC-Mundoの記事以外は日本語です)  
 
 毎日新聞(08/09/30)
・大統領権限の強化:中央銀行の独立性を廃止し、通貨政策の権限が行政府に移行するなど
・「社会連帯経済」:「市場経済」の言葉は削除。
・外国軍の基地を置くことは禁止。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080930ddm007030093000c.html
 日経(08/09/29)
・中央銀行を大統領の指揮下に置き経済政策の権限を政府に集中。
・石油や鉱工業、通信などの政府の管理を強める。
・貧困層を重視した社会・経済改革を後押し。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080929AT2M2900729092008.html
 時事(08/09/28)
・大統領の権限強化:大統領が判事を指名する憲法裁判所の新設。
・政府による生産性の上がらない土地の接収。
・石油・通信など基幹産業への管理強化を規定。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200809/2008092900094
 CNN(08/09/29)
・大統領の権限を強化し、コレア大統領がさらに2期連続で大統領職に就くことを認めた。
・中央銀行などの主要機関は大統領の指揮下に置く。
・大学教育の無料化。
・自宅で子供を育てる母親の福利厚生充実。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200809290016.html
 赤旗(08/09/30)
・経済体制を「社会的、連帯的」とし、市場に対する国の管理を強化。
・無償の教育や医療。
・不安定雇用の禁止。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-09-30/2008093007_01_0.html
 赤旗・主張(08/10/04))
・社会連帯を基礎に国民生活を向上させる経済をつくる。 
・「平和の領土」と宣言し、外国の軍事基地・施設の設置を認めない。
・核・生物・化学兵器の生産や保持、通過を禁止することなどを明記。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-10-04/2008100402_01_0.html
 クリスチャン・トゥデイ
・大統領の権限強化:中央銀行の独立性を廃止して金融政策の権限が行政府に移行。
・大統領の2期連続再選(1期4年)を可能とし、議会解散権、選挙の前倒し
・貧困層への再分配:主産業である石油の収益の半分以上を国家が吸い上げ再配分。
・カトリック教会は、新憲法が妊娠中絶と同性結婚を合法とする内容を含むとして批判。
・反対する野党側は「新憲法は政府の集権化を招くと指摘。同様の形態の政府が機能しないことはすでに証明されているなどと非難」
  http://christiantoday.co.jp/main/international-news-1781.html

  BBC-Mundo Ecuador tiene la Constitución más verde
・自然の権利を認める。自然自体がその存在と再生産を尊重される権利を有する。
・全ての人は当局に対して自然の権利を要求できる。
・自然はその回復を求める権利を有する。 
  http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7646000/7646918.stm

 ここまでの記事では先住民族の権利については触れていませんが、その点も含め、腰を据えて読む必要がありそうです。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/08/14

アマゾン東部における石油・ガス開発の拡大

 近年、多様な生物多様性を保持し、また多くの先住民族が居住している東部アマゾン地域で、広範囲にわたって石油や天然ガスの開発が進められようとしています。特にエクアドルやペルーでは石油やガスの開発計画地区はアマゾン地域の3分の2を占めるに至っているとのことです。
 この点についてPLoS OneのサイトはOil and Gas Projects in the Western Amazon: Threats to Wilderness, Biodiversity, and Indigenous Peoples(2008/08/13)という報告書を公表しています。この報告書では既存のデータに依拠して、アマゾン地域でどの程度石油やガス開発が計画されているかを地図上に配置しており、その規模の大きさが一目で把握でいます。また報告書では道路建設の影響の大きさを指摘するとともに、地下資源開発政策の見直し、先住民族の権利の尊重の必要性などを指摘しています。
Oil and Gas Projects in the Western Amazon: Threats to Wilderness, Biodiversity, and Indigenous Peoples  (2008/08/13)
http://www.plos.org/press/pone-03-08-finer.pdf
 
Amazon rainforest threatened by new wave of oil and gas exploration(ガーディアン紙 2008/08/13)
http://www.guardian.co.uk/environment/2008/aug/13/conservation.forests/print 

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/07/03

エクアドル:ヤスニ民族と石油開発

 英語版ニュー・インターナショナリストの7月号がエクアドルのアマゾン低地に住むヤスニ民族の話を取り上げています。
 http://www.newint.org/features/2008/07/01/yasuni-keynote/
  Endgame in the Amazon
A remote corner of Amazonian rainforest has become a repository of environmental expectations – and fears. Vanessa Baird explains why the eyes of the world need to be trained on it.
 
  日本語版に翻訳されるものと思いますが・・・

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/02/19

エクアドル・鉱山・石油開発関連 記事・サイト紹介


1)エクアドルのインタグ鉱山開発計画の撤退が決まりました。
  先住民族の10年News 第141号でこのニュースが取り上げられています。
  関心のある方は先住民族の10年市民連絡会のサイトへ
   http://indy10.at.infoseek.co.jp/
   また次のサイトにも関連情報があります。
  http://www.cafeslow.com/EcuadorCafeInfo.htm
 
2) 「エクアドルの先住民と米大手石油企業のシェブロンとの戦い」
 「デモクラシー・ナウ!(Democracy Now!)」というオータナティブ・メディアのサイトにて、「エクアドルの先住民と米大手石油企業のシェブロンとの戦い」というビデオがアップされています。
 私はリアルプレーヤではみれなかったため、フラッシュ動画の方を利用しました。(字幕付きです)
  http://democracynow.jp/stream/071227-1/

  開発と権利のための行動センター
  青西

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2007/03/25

先住民族大陸会議に向けて (エクアドル先住民組織から)

先住民族の大陸での行動方針と調整にむけて(2007/3/1)

 エクアドルの先住民族運動のリーダー、ウンベルト・チョランゴへのインタビューの一部抜粋です。ウンベルト・チョランゴはエクアドルのCONAIEを構成するECUARUNARIのリダーの一人であり、またCAOIにも参加しています。
これは下記サイトに原文が掲載されています。
 http://movimientos.org/enlacei/show_text.php3?key=9227

 インタビュアーはエドゥアルト・タマヨ(ミンガ・インフォルマティーバ)

 今回の大陸会議に向けてのどのような成果を期待していますか?

 私たちはこの大陸会議で、テリトリーの回復と主権についての明確な政治的方向性に基づく先住民族のスペースを大陸レベルで確立したいと考えています。それを政府やNGOによる押しつけではなく、自分たちが中心となったこの先住民族大陸会議で生み出していきたいと考えています。これまで多くの会議がNGOや政府、多国籍機関などによって組織され、私たちはそのスケジュールに縛られてきたことが幾度となくあるからです。
 この第三回大陸会議では、大陸レベルでの連携と行動方針を真に構築し、先住民族の権利のために力強く活動を進めていきたいと考えています。
 
 先住民族の連携と行動方針とのことを述べられていますが、どのようにそのネットワークを構築するのですか?

 私たち、エクアドルの先住民族運動としては、大陸レベルでの連携の構築は、各組織のレベルで推進され、また反自由主義的政治方針に基づくべきものと考えています。私たちは社会的に正当な要求と、先住民族の権利のために闘っていく組織だからです。
 私たちは様々なネットワークを結びつけていきたいと考えますが、同時に国際的な官僚主義を生み出したいとは考えていません。既に南米・中米・北米にはそれぞれ調整機関があります。南米にはアンデス先住民族調整組織(CAOI)やアマゾン流域先住民族調整組織 (COICA)があり、中米、北米にも同じように調整機関があります。そこで私たちはこれらの三つの調整機関をまとめ、統一された行動方針を策定し、国連や米州機構その他の機関に対して示していく必要があります。

 反”新自由主義”の方針とはどのようなことを指し示すのでしょうか?

 民衆から沸きだしつつある新たな動きとともに動いていくことです。これ以上強制されることもなく、先住民族テリトリーの更なる軍事化を許すこともなく、石油や水資源、鉱物資源、生物多様性など自然資源の略奪でもなく、それらを私有財にするのでもなく、福利のための社会を求める動きとともにあることです。
 新自由主義モデルは計り知れない貧困をもたらしました。その中には世界銀行が進めようとしている水の商品化があります。しかし私たちにとって水は人類の財産なのです。私たちはこの点について立場を明確にする必要があります。自然資源の本来的所有者である先住民族の大半が貧困に苦しんでいる一方で、一握りの人間による自然資源の独占を進めようとする方向には決して同意することはできません。 

 世界銀行は先住民族のためのプロジェクトを促進し、多くの資金を投入しています。この点について、米州開発銀行やIMFなどを含めどのように考えていますか

 米州開発銀行や世界銀行に対して批判的な立場を崩すことはできません。彼らはその責任を果たすべきなのです。現在(先住民族に関する)オフィスを開設し、協議窓口を設け、先住民族に関するテーマも扱っていますが。それらは彼らの視点から行われているものであり、先住民族運動のニーズとは関係はなく、更には先住民族運動の批判的な強さを無効化しようとするものでもあるのです。また大陸レベルにおける行動計画にも介入はしてもらいたくありません。
 彼らが実施しつつあるプロジェクトはありますが、それは常に条件が付けられたものなのです。エクアドルのケースを考えてみれば、世界銀行による5千万ドルほどの融資資金がいくつものプロジェクトに投入されていますが、なぜ政府自らが、自然資源による収入を社会的な投資に差し向けないのでしょうか、先住民族のための独自の開発戦略を担っていかないのでしょうか。なぜ先住民族に対しては国際機関の融資を受け、その政策に従属する必要があるのでしょうか?これは間違っています。政府自らが先住民族の行動方針を尊重し、それを受け入れ、明確な社会政策を実施していくべきなのです。

 以上前半
 
 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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2006/10/25

 緊急!エクアドル鉱山開発問題関連

 緊急!エクアドル鉱山開発問題関連

「ナマケモノ倶楽部」よりエクアドルにおける環境運動リーダーに対する人権侵害行為に対する協力要請に関して、開発と権利のための行動センターではエクアドル大使館あてに以下の書面にて憂慮の念を伝えるとともに、同様のハガキの送付への協力をお願いします。
  個人用文面例のリンクはこちら「cartamodeloecuador.pdf」をダウンロード

   開発と権利のための行動センター
   代表 青西靖夫


  エクアドル大使館
特命全権大使
アドルフォ・アルバレス・ビジャゴメス 閣下

私たち、日本の市民団体である「開発と権利のための行動センター」では、エクアドル・インバブラ州・コタカチ郡・サンタ・ロサ地区にて10月17日早朝に起きたカルロス・ソリージャ氏宅への強制家宅捜索と、それに伴う暴力行為についての知らせに接し、事態を深く憂慮するものです。

カルロス・ソリージャ氏はインタグ地区における環境運動のリーダーとして、また日本・エクアドル両国の国際協力や友好関係の一端を担ってきた方として、エクアドルをはじめ国際的に広く尊敬を集める人物です。

今回の由々しき事件に対して、貴国の公的機関が今後どのような対応をされるのか、私たちは注意深く見守っていく所存です。また、事実関係についての調査、情報の公開、及び犯罪的な行為に対する厳正な対処を貴国の関係諸機関に強く求めるものであります。

2006年10月23日
開発と権利のための行動センター


エクアドル大使館 住所等
ecujapon@alto.ocn.ne.jp
FAX (03) 3499-4400
〒106-0031東京都港区西麻布4-12-24興和38ビル806号室

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2006/10/23

エクアドル関連情報 

 先のエクアドル鉱山開発問題に関連する文面の転載です。

フニン続報:カルロス・ソリージャ宅、襲撃される (10月17日)
 ナマケモノ倶楽部の次のサイトからの転載です。 http://www.sloth.gr.jp/ecua/junin_061017.htm

英語・スペイン語原文は次のサイトです。http://www.decoin.org/opt/web/decoin/htdocs/archive/2006_10_22_archive.html
なおそれぞれのサイトより関連情報を読むことができます。


フニン続報:カルロス・ソリージャ宅、襲撃される
10月17日

今朝、6時半、自称警察と名乗る、ピストルと機関銃を手にし、完全武装した10名ほどの男たちがカルロス・ソリージャ家に到着した。ある者は制服を着用し、2名はスキー・マスクをかぶってきた。その20分後、カヤンベ市から検察官を自称する別の人間が堅く捜索令状を持ってやってきた。彼らは、ソリージャの家と、ソリージャの元で何年も働いており、丘の上に住んでいるロベルト・カストロの家を捜索した。ロベルトは、身分証明書の提示を要求した。しかしそれは叶えられなかった。カルロスはそのとき自宅におらず、彼の行方は現在わかっていない。カルロスの妻のサンディとその息子のマーティンは、家におり、その警察の男たちが自宅に押し入り、捜索するのを見ていた。彼らは、カルロスのベッドルームと書斎をめちゃくちゃにした。マーティンによると、その中の一人は特に凶暴で、マーティン、サンディ、そしてロベルトにわめいたり、押したりしていた。リーダーらしき男は、1時間したところで、ここには見つけるべきものはないと宣言し、どうやら他に行くところがあったらしく、時間がないのでそちらに行くよう、仲間に伝えた。ちょうどその時、その一番凶暴な男がバッグを手に外に出てきて、その中にあった麻薬を指し、それを居間で、また銃をマーティンの部屋で見つけたと主張した。そこで、この怪しい警察官たちは去っていった。

その他の目撃者たちは、その朝、サンタ・ロサ(注:カルロスが住むコミュニティー)にやってきた警察官たちの多数の車のどれひとつにも、警察のしるしがついたものはなく、またすべての車にはナンバープレートがなく、そして一台の赤い車は鉱山開発会社の所有の車であるとかいてあったと証言した。また、彼らは、その2日前ほど、アセンダント(注鉱山開発会社)の従業員がサンタ・ロサでふらふらしていたと証言した。

偶然にも(?)、昨日、イバラの裁判所では、昨年12月10日に起こったアセンダント・コパー・コーポレーションのインタグ事務所の焼き討ちで、訴えられていたコミュニティーの住民に対しての告訴を棄却した。しかし、インタグの生態系の防御と保全(DECOIN)の会長のシルビア・キルンバンゴは、鉱山開発会社は、この判決に対して、上訴するであろうと語った。

現在、私たちは国際書簡キャンペーンを開始しなければなりません。あなたに、カルロス・ソリージャという一個人に対して、脅迫を目的とする誤った告訴に対する怒りを、アセンダントの社長のゲリー・デイビスに書くよう、お願いします。ブリティッシュ・コロンビア・セキュリティー・エクスチェンジにも書いてください。あなたの手紙のコピーをDECOINの会長のシルビア・キルンバンゴとイ
ンタグニュースペーパーに送って下さい。(あて先は下記にあります。)そしてぜひ、関心のある人や団体に送ってください。それから、いつもですが、弁護士費用などにかかる経費への寄付も受け付けています。

状況がよりはっきりしてきたら、私たちはどのようなアクションが取れるのか、また寄付をどのように送るのか詳細を報告します。

敬具、Sylvia M. Seger (翻訳:和田彩子)

いくつかの連絡先:

■アセンダント・コッパーコーポレーション社
Gary E. Davis
President and CEO
ASCENDANT COPPER CORPORATION
10920 West Alameda Avenue, Suite 201
Lakewood, CO 80226
Tel: (303) 824-0271 Fax: (303) 297-0538
www.ascendantcopper.com
info@ascendantcopper.com

■ブリティッシュ・コロンビア州証券委員会
British Columbia Securities Commission
701 West Georgia Street
P.O. Box 10142, Pacific Centre
Vancouver, B.C. V7Y 1L2
Canada

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 緊急!エクアドル鉱山開発問題関連

 緊急! 「ナマケモノ倶楽部」よりエクアドルにおける環境運動リーダーに対する人権侵害行為に対し、次のような対応への協力要請を受け、現在、開発と権利のための行動センターでは対応を協議中です。


 <以下、ナマケモノ倶楽部よりの文面の転載>

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

「10月17日早朝、エクアドル環境運動のリーダー、カルロス・ソリージャ氏宅が警官隊を名乗る一団に襲撃され、カルロス氏の家族および使用人が暴力行為を受けました。ナマケモノ倶楽部ではこの事態を、アセンダント社による人権侵害および犯罪的行為と捉え、エクアドル大使館あてに以下の書面を準備しています。」

------------------

エクアドル大使館
特命全権大使
アドルフォ・アルバレス・ビジャゴメス 閣下


私たち日本の環境NGO「ナマケモノ倶楽部」は、エクアドル・インバブラ州・コタカチ郡・サンタ・ロサ地区にて10月16日早朝に起きたカルロス・ソリージャ氏宅への強制家宅捜索と、それに伴う暴力行為(資料添付*)についての知らせに接し、事態を深く憂慮するものです。

*英語・スペイン語リリース:http://www.decoin.org/
*日本語訳:http://www.sloth.gr.jp/ecua/junin_061017.htm

カルロス・ソリージャ氏はわが団体の国際会員であり、インタグ地区における環境運動のリーダーとして、エクアドルをはじめ国際的に広く尊敬を集める人物です。私たちナマケモノ倶楽部はこのソリージャ氏とのパートナーシップの下、これまでエクアドルにおけるエコツーリズム事業、環境保全事業、コミュニティビジネス事業、フェアトレード事業を展開し、日本・エクアドル両国の国際協力や友好関係の一端を担ってきたと自負しています。

今回の由々しき事件に対して、貴国の公的機関が今後どのような対応をされるのか、私たちは注意深く見守っていく所存です。また、事実関係についての調査、情報の公開、及び犯罪的な行為に対する厳正な対処を貴国の関係諸機関に強く求めるものであります。対応如何によっては、貴国の信用を大きく揺るがす国際的な問題にもなりうるということを、ぜひ閣下からも貴国の関係者の皆様にご進言いただければ幸いです。


2006年10月19日
ナマケモノ倶楽部理事会一同
代表:辻信一、中村隆市
http://www.sloth.gr.jp

--------------------

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