パナマ

2009/04/23

パナマ:ナソ民族の権利の尊重を求めるインターネット署名

 4月8日付けのブログ記事「パナマ:ナソ民族が土地から排除される」(http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2009/04/post-54cc.html )に関連して現地よりナソ民族の人権、テリトリー、文化への尊重を求める署名がインターネット上で行われています。
 インターネット署名については パナマのALMANAQUE AZUL の次のサイトをご覧ください。(英語・西語)
  http://www.almanaqueazul.org/comunicado-naso/

 この声明文ではサン・サンとサン・ドゥリにおける強制排除の問題を取り上げ、政府に対してこれらのコミュニティの人々の権利の保障、警察の退去、ガナデーラ社の武装した人員が地域に入らないようにすること、ナソ民族のテリトリー(コマルカ)の設置を含めた交渉の開始、今回の警察の行動に関する責任を明らかにすること、また検察庁長官に対して今回の事件に関与した公務員の職権濫用に関して調査を行うことなどを求めています。

 またコミュニティの2名の女性が、政府の真摯な対応をもとめハンストに入っているとのことです。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2009/04/08

パナマ:ナソ民族が土地から排除される

 追記:パナマのナソ・ファンデーションから家や農作物を破壊されたサン・サンの人々の生活を維持するための支援要請が届きました。衣服、寝具、食糧などの支援が求められています。    
>>>>>>>>>>>>
 3月30日、パナマ西部に住むナソ民族のコミュニティ、サン・サン、サン・サン・ドルイ、サン・サン・ティグレにおいて警察によって、土地からの強制的な排除が行われ、17家族が家屋を破壊され、子どもを含め多くの住民が野宿を強いられている。警察は住居にいるナソ民族の住民に対して催涙ガスを利用して家から追い出し、ガナデーラ・ボカ社の所有する重機によって家屋そして教会を破壊したとのことである。
 牧畜業者であるガナデーラ・ボカ社が所有権を主張して排除を要求したものと見られているが、排除を受けた住民の1人は「自分の土地で捕虜になっているようなものだ。何も犯罪など犯していないのに、私たちの土地を要求し、ナソ民族のためのテリトリー(コマルカ)の認定を要求しているだけなのに」と述べている。
 この地域で活動しているパナマの環境団体であるACDは、これまでにも先住民族に対する警察の不正規な介入が繰り返され、人権擁護官に告発してきたものの適切な対応は取られてきていないと指摘するとともに、先住民族に対するシステマティックな弾圧政策が展開されていると告発している。[1]
 この事件についてパナマの人権擁護官事務所は4月2日に声明を発表し、今回の排除が適切な手続きを経ていないことを告発し、職権の濫用とみなしている。[2]
 しかしこうした状況に対しても、ナソ民族の若者は「家は再び建て直す。先祖代々のこの土地を離れるつもりはない」と語り、再度の排除に対抗する意思を示している。[3]

4台の重機と100名以上の警官がやってきた

警察は家を囲み、催涙ガスを打ち込んだ。子どもたちも
ガスに巻き込まれた

(来月開所を予定していたナソ文化センター)




ガナデーラ社は出ていけ

[1] INDÍGENAS NASO SITIADOS Y DESALOJADOS FORZOSAMENTE
[2] http://www.defensoriadelpueblo.gob.pa/ActividadesCuerpo.asp?ActividadesID=2142079750
 [3]INDIGENAS NASO EXIGEN PRESENCIA DEL PRESIDENTE MARTIN TORRIJOS
写真提供:ACD
開発と権利のための行動センター
青西

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2009/02/17

パナマ:先住民族の集団的土地所有をめぐって

 2008年12月23日、中米パナマにおける先住民族の集団的土地所有に関する手続きを定めた法第72号が施行された。これは法案411として審議されてきたものであるが、この法律がパナマの先住民族の間で期待とともに物議を醸している。

 パナマにはノベ民族、ブグレ民族、クナ民族、ナソ(テリベ)民族、ブリブリ民族、エンベラ民族、ウォウナン民族という7つの先住民族が居住し、先住民族人口は約25万人、総人口の約8.4%を占めるといわれている。憲法においては、「先住民コミュニティに必要な土地の留保と集団的土地所有を保障」しており、これまでに5つのコマルカ(先住民族テリトリー)が法によって制定されている。
 最も古いコマルカはコロンビア領であった時代に起源を持ち、大西洋岸に広がるクナ・ヤラ・コマルカである。コマルカは特別の行政区であるが、県と同等のレベルとみなすことができる。同様の位置づけを与えられているのは、1983年に制定されたエンベラ-ウォウナン・コマルカと1997年のノベ-ブグレ・コマルカである。その他の2つのコマルカ、クナ-マドゥンガンディとクナ-ワルガンディは、コレヒミエントという、県より下位の行政区分の位置づけとされている。
 しかしながら残りの先住民族やコマルカ外に住む先住民族に対して、集団的な土地所有あるいはコマルカが認められていないことが問題とされてきていた。人口3000人から4000人といわれるナソ民族は1973年から独自のコマルカの制定を求めてきている。またウォウナン民族は40以上のコミュニティがコマルカの外に取り残されたため、2000年より集団的所有地認定のための法律の制定を求めてきていた。
 こうした中で、先住民族の集団的土地所有に関する手続きを定めた法第72号が施行された。この法は、コマルカという先住民族テリトリー外に居住する先住民族に対して集団的土地所有を認め、そのための手続きを定めたものである。
 この法の概要は以下の通りである。
目的:憲法127条に準じ、先住民族及び先住民族コミュニティが伝統的に占有してきた集団的所有地を無償で取得するための手続きを定める。
手続き:農業開発省に属する国家農地改革局を通じて実施する。農地改革局に対して、先住民族の代表が申請を行う。
必要書類:申請する土地の図面、コミュニティの人口の証明書、内務・法務省の先住民族政策局が発行する当該コミュニティの存在を証明する証明書
集団的所有地:不可侵、移転不可能、差し押さえの対象とも、譲渡の対象ともならない。
自然保護区:土地が自然保護区国家システムの一部をなす場合には、環境省は、コミュニティの伝統的権威と、自然資源と持続的利用とコミュニティ開発のための計画を実施するために、行動と戦略について調整するものである。
事前の同意:先住民族及びコミュニティの、事前の情報に基づく、自由な同意を保証するため、政府及び民間の機関は、その地域で実施する計画・プログラム・プロジェクトについて伝統的な権威と調整するものである。
政府:行政府は内務・法務省を通じて、政令によって、伝統的な組織、文化、また集団的所有地の所有権者として伝統的権威を承認するとともに、これらと、国家の権威者との調整手続きを定める。
資金:国家は土地の境界画定に必要な資金を差し向けるものである。
第17条:内務・法務省は、省令によって、ボカス・デル・トロス県のチャンギノーラ地区のテリベ先住民族コマルカ・コレヒミエントの組織構成を採択する。

 大枠から見ると、既に憲法で定められていた先住民族の集団的土地所有の手続きを定めた法律であり、先住民族の権利の保障という点では前進であると考えることができる。先住民族諸組織も、特別委員会の設置を求め、法案作成に関与してきたという。このような点からもこの法律は先住民族の権利の確立に資するはずのものであった。

 しかしながら審議の後半に入って、突如、上記の第17条が追加されたことがナソ(テリベ)民族の反発を買うこととなった。もともとナソ民族はコマルカの制定を求めており、この法律の審議の早い段階から、この「集団的土地所有に関する法律」の枠内に押し込められることに懸念を示していた。昨年10月末に開催された米州人権委員会の公聴会でも、あらためてコマルカ制定を求めてきた(このことが逆に政府を刺激した可能性も否定できない)。
 こうした中でこの第17条がナソ民族との協議も踏まえずに突然追加されたのである。この条文によってナソ(テリベ)民族のコマルカがコレヒミエント(下位の行政区分)として認められることになったとも前向きに考えることもできるかもしれない。しかしこの条文は法第72号との関係も明記しておらず、さらにはこれまでコマルカがそれぞれ個別の法律で制定されてきたことをかんがみると、極めて拙速な規定に思われる。

 12月12日付けのナソ民族の声明文は次のように伝えている。
「この法律は、私たち民族の伝統的かつ真正な法的原則を踏みにじるものであり、政府が尊重しなくてはならないはずの、私たちの引き継いできた権利を無視し、侵害し、ナソ民族の伝来のテリトリーを奪うものである」
「ナソ民族は、35年以上にわたって、私たちの絶滅を避けるために、独自の文化・伝統・伝統的政治構造に基づいた意思決定を実現しうるようなコマルカの制定を求めてきており、『集団的土地所有』という枠組みに入れられることを拒否する。これはナソ民族の希望を満たすものではないし、憲法に定められた権利を考慮したものでもない」
「コレヒミエントという位置づけは協議されたものでもなく、私たちの自治権の発展を阻害するものである。私たちの伝統的な政治的権威の選出方法を改変するものであり、伝来の習慣や文化、伝統的権威を傷つけ、変化させるものとなる」
「ナソ民族はナソ―テルディ・コマルカの制定を定めた法の承認を求めてきており、この『先住民族の集団的所有』の法に含まれることを望んではいない」

 ナソ民族にとって、ボカス・デル・トロス県の中のコレヒミエントという位置づけでは、民族のテリトリーをカバーすることはできず、伝統的な政治機構の維持が危機に瀕することに加え、ナソ民族にとっての重要な歴史的聖地も外に置かれてしまうという。

 こうした状況に直面し、ナソ民族は1月にも最高裁判所に対して違憲訴訟を起こすということである。この第17条に対抗する取り組みへの支援要請もナソ民族組織から開発と権利のための行動センターに届けられている。

 ナソ民族は、ボンジック川に計画されているダム建設や近隣の牧畜業者によるテリトリーへの侵入と暴力的なコミュニティの破壊など、高まる周辺社会からの圧力に抵抗を続けている。しかし2004年から進められているテリベ川支流のボンジック川におけるダム建設計画は、コミュニティと伝統的な権威の分裂を引き起こしている。またこの1月には牧畜業者である「ガナデーラ・ボカス」社の重機が、ナソ民族のサン・サン・コミュニティに侵入し、住居を破壊するという事件も発生した。
 
 こうした事態からナソ民族を守り、ナソ民族が独自の開発のあり方を模索し、実現していくためにはナソ民族のテリトリーを適切に承認することが不可欠である。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

 先住民族の10年News第151号(2009/2/14発行)に掲載した記事の転載です。 
続報(ブログ http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2009/02/post-fa1c.html) 
3:ナソ民族、テリトリーの権利を侵害しているとして法第72号、第17条について違憲審査を求めて提訴。
 2月6日、ナソ民族は新たに制定された法第72号第17条がナソ民族のテリトリーの権利を侵害しているとして、違憲審査を求めて提訴。集団的土地利用を定めた法第72号については、2月14日発行予定の先住民族の10年市民連絡会のニュースレターに記事を投稿している。
    

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2009/02/13

パナマ:先住民族と開発

 パナマの先住民族組織から寄せられた声明文などをもとにいくつか最近の状況をまとめます
1:ノベ民族とダム開発
 AES-チャンギノーラ社によって進められているチャン75ダム開発について、1月30日付けの声明文から
 2009年1月28日よりパナマを訪問している、先住民族の権利に関する国連特別報告者は1月29日、ノベ民族のコミュニティであるチャルコ・ラ・パバを訪問。住民はチャン75ダムへの拒否を表明。人々はこのダムが集団的な権利を侵害していることを訴える。企業は、スペイン語の読み書きをしない人々に内容を説明しないままに、拇印を押すことを求めてきた。また居住する先住民族の権利を無視して、政府が先住民族コミュニティの土地、テリトリーの利用権を企業に認可した問題などを訴えた。また人々はその文化的な生活形態を考慮しない移転政策を全面的に拒否。AES-チャンギノーラ社は人々をまるで二等市民であるかに扱い、その尊厳と権利を尊重しようとしていない。こうした協議を行わず、同意を探さない態度がノベ民族の不満を高め、更に2008年1月3日には暴力的な弾圧を引き起こした。
 地域の先住民族の人々は特別報告者に対して上記のような点について表明。
 先住民族の権利に関する特別報告者がパナマを訪問するのは初めてである。今回の特別報告者のように、国際社会の人々がコミュニティを訪問し、協議されることもなく進められてきたプロジェクトに囲まれている、コミュニティの人々の声を聞くことが求められている。

COMUNICADO DE LA COMUNIDAD NGOBE AFECTADA POR LA REPRESA CHAN 75 PROMOVIDO POR LA EMPRESA AES CHANGUINOLA, Panamá (2009年1月30日より)
    
2:ナソ民族とダム開発
 メデジン公社(Empresa Pública de Medellín)の進めるダム開発計画に脅かされるナソ民族が抵抗を続ける。
 ボンジック・コミュニティに住む、マルティナ・サンチェス、エステバン・トレス、アリシア・キンテーロなどが、テリベ川を通って建設用重機を通過させようとする企業の動きに抵抗。
 マルティナは「農地も川も通らせない。ここは、伝統的な政府を有する私たちのテリトリーなのだ」と断固抗議。エステバン・デュランは「繰り返される権利の侵害と横暴にはうんざりだ。誰がこの土地を通っていいと言ったのだ」。またレオポルド・アギラルは「先住民族が金とクシを交換していたような時代はとっくに過ぎ去った。私たちはナソ民族のこの土地を、文化を、環境を守っていくという、先祖代々の使命を果たしていかなくてはならない」
 コミュニティの人々は環境省に訴え、2月3日、コミュニティの住民は環境省の地域担当者と会合
2009年2月4日付、 RESISTENCIA EN EL PUEBLO NASO CONTRA LA HIDROELÉCTRIC より

3:ナソ民族、テリトリーの権利を侵害しているとして法第72号、第17条について違憲審査を求めて提訴。
 2月6日、ナソ民族は新たに制定された法第72号第17条がナソ民族のテリトリーの権利を侵害しているとして、違憲審査を求めて提訴。集団的土地利用を定めた法第72号については、2月14日発行予定の先住民族の10年市民連絡会のニュースレターに記事を投稿している。

4:ナソ民族のサン・サン・コミュニティ、ガナデーラ・ボカス社の動きを警戒
 1月16日、サン・サン・コミュニティで複数の住居が、牧畜業者であるボカス社に破壊された事件以降、コミュニティの人々は再び強制的な排除が行われるのではないか、とボカス社の動きを警戒している。またナソ民族のテリトリーへの権利を擁護するための政治的な意思の欠如を前に、ナソ民族は疎外感を強めている。環境省はボカス社の重機による河畔やコミュニティの道路の損傷を確認するため職員を派遣する予定であったが、地域の高い緊張感を前に一度は中止、しかしコミュニティ側の要望により1月29日に実施。
 住民は破壊された集会場を再建、家屋の再建にも取り組んでいる。
INDIGENAS NASO SIGUEN EN ALERTA EN DEFENSA DE SU TERRITORIO(2009年1月29日より)

開発と権利のための行動センター
青西

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2009/01/20

ナソ民族のコミュニティが牧畜業者に破壊される

 ナソ民族のコミュニティが牧草地の拡大を狙う牧畜業者に破壊されたことが現地のNGOであるACDとエル・シグロ紙によって伝えられている。

 ACDからの情報によると、1月16日に、牧畜業者である「ガナデーラ・ボカス」社の職員が運転する重機がコミュニティの道路を破壊しながらサン・サン・コミュニティに侵入し、6の住居と1つの集会場を破壊し、抵抗した家族に対して次の月曜日までに出ていくように脅したということです。この事件は行政当局者の不在に元に行われました。

 ナソ民族はパナマ政府が、これまでナソ民族のテリトリーを承認しないことから引き起こされた問題であるとして、政府を強く非難しています。  

(日本時間1月20日に受け取ったメール)

 またエル・シグロ紙も同じ事件を伝えています。記事はナソ民族のサン・サン・コミュニティの6つの住居が牧畜業者である「ガナデーラ・ボカス」の労働者と思われる者によって破壊されたこと、この事態を前にナソ民族リーダーであるエリセオ・バルガスは、企業と隣接するおよそ1500人の先住民族の直面する問題に50年以上にわたって対処してこなかった政府を避難するとともに、地域住民は断固として抵抗していく態度を表明していることを伝えています。

 http://www.elsiglo.com/siglov2/Imprimir.php?idnews=91706&idsec=2&fechaz=19-01-2009

 開発と権利のための行動センター
 青西

 

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2008/11/30

パナマ:ボカス・デル・トロスでは県人口の30%が被災

 11月29日付のパナマ・赤十字の報告によると、水害の被災者数は全国で3万6千人にのぼるとのことです。このうちボカス・デル・トロス県においては、約3万1千人、県人口の約30%が被災しています。パナマにある43の避難所のうち38がボカス・デル・トロスにおかれ、2万5千人が避難しているとのことです。
http://www.panama.cruzroja.org/cr-todos.php?subaction=showfull&id=1227982381&archive=&start_from=&ucat=1&
 
 (緊急支援の呼びかけはいったん休止します)
 開発と権利のための行動センター
 青西
 

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2008/11/28

パナマにおける豪雨でナソ民族に甚大な被害

 パナマの西部-カリブ地域では11月22日より降り続く雨による洪水で各地に大きな被害が出ています。特にボカス・デル・トロス県による被害が大きくなっています。
 こうした中で、ボカス・デル・トロス県のテリベ川沿いに生活している先住民族のナソ民族の伝統的権威であるバレンティン・サンタナ王より緊急の支援要請が届きました。
 また次のような声が届いています。 

「今回の洪水は私たちの県でこれまでに起きたものを上回っており、多くの家族が家を失い、また作物も完全に失われました」
 「今、私たちナソ民族がおかれた状況はあまりにも衝撃が大きく、言葉にするのも難しい状況です。私たち民族の蓄えである、オレンジやバナナ、ユカ、トウモロコシなどの作物も完全に失われてしまいました。向き合うことも難しいこの現実を前に、とにかくできるところから取り組むための支援が必要です。緊急の事態であり、政府からの援助は県都である町には到着しはじめました。しかし私たちの村まではいまだ到着していません。少なくともどのように私たちの村まで支援を届けるか憂慮しています。」(日本時間11/28、午前8時受け取りメール)

 ナソ民族は川縁の耕作地に作物を作っており、それが日々の食糧であり、現金収入源としても、また非常時の蓄えとしても重要なものとなっています。それらが失われたということは、ナソ民族の生活に非常に大きな影響が出てくることが予想されます。またナソ民族の居住地区には道路はなく、河川交通に頼っているため現時点では被害状況は正確に把握できませんが、随時現地より報告を受けることとなっています。
 

*現地からの情報が滞っているため、緊急支援は一度休止します。 

 開発と権利のための行動センター

 代表理事 青西  

インターネットで探した現地報道記事など
(パナマ及びボカス・デル・トロ県全体の情報です)
[1]現地の被害状況全体はこちらのサイトから資料をお読みください

http://www.redhum.org/emergencias-244-Inundaciones-en-Panam%C3%A1---noviembre-2008.html

[2]http://www.sinaproc.gob.pa/

[3]<映像>
http://www.telemetro.com/noticias/2008/11/26/nota23759.html
http://www.telemetro.com/noticias/2008/11/27/nota23790.html
http://foro.univision.com/univision/board/message?board.id=panama&message.id=112370
<その他記事>
http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/11/27/hoy/nacionales/1605740.html
http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/11/27/hoy/panorama/1606874.html

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2008/10/30

パナマの先住民族、集団的土地所有の権利を求めて米州人権委員会に提訴

 10月28日、パナマの先住民族の代表は、国が先住民族の土地への権利を脅かしているとして、米州人権委員会に対して申し立てを行った。
 28日の公聴会にはパナマの7つの先住民族、ノベ民族、ブグレ民族、クナ民族、ナソ民族、ブリブリ民族、エンベラ民族、ウォウナン民族を代表して、ナソ民族からフェリクス・サンチェス、ウーゴ・サンチェス、ノベ民族からはフェリシアーノ・サントス、エルネスト・ロペス、そしてウォウナン民族からレオニデス・キロスが参加した。
 
 公聴会において、先住民族の代表は、パナマには人口の12%の先住民族が居住しており、5つのコマルカ(先住民族テリトリー)が認められているが、残りの民族及びコマルカ外に住む先住民族に対して集団的な土地所有、コマルカが認められていない問題を訴えた。
 先住民族は土地への権利が侵害されていることに加えて、先住民族の土地におけるコンセッションの問題、政府による先住民族の政治組織への介入、警察の専横といった問題を取り上げた。
  レオニデス・キロスは土地権侵害の問題として次のように訴えた
1)憲法127条において集団的土地所有が認められているにもかかわらず、その権利が十分に保証されていない。
 クナ、ノベ、ブグレ、エンベラ民族、ウォウナン民族に対して5つのコマルカがあるが、ナソ民族、ブリブリ民族は先住民族はコマルカを認められていないこと。また多くの先住民族がコマルカの外に置かれ、こうしたコミュニティに対しては集団的な土地所有が認められていないこと。ウォウナン民族のケースであれば16コミュニティのうち4つのみがエンベラ-ウォウナン・コマルカ内に位置するが残りは外にあること。
2)土地所有権確定の担当機関として農地改革局が指定されているが、これは個人所有地を確定してきた機関であり、先住民族の集団的な土地所有を確定するにはふさわしくない。
3)入植者による先住民族の土地への侵入
 非先住民である入植者が、国の中央地域からやってきて、土地に侵入し、森林を破壊し牧草地にして、大地主に売却している。政府はこうした入植者の権利を認めても、先住民族の権利を認めていないのである。 
4)先住民族は、自分たちの土地を守ろうとするだけで、テロリスト、ゲリラと言われてきた。
 パナマの先住民族は、権利の尊重を求めてきたが、政府は何もせず、その間にも暴力の被害を受けてきた。

  ナソ民族の代表である、フェリックス・サンチェスは、土地のコンセッション、先住民族の文化の侵害、政治機構への介入、警察による暴力といった問題を訴えた。
1)水力発電、鉱山開発、観光にはコンセッションが必要であるが、これらが、先住民族の同意なく与えられ、開発が進められている。ノベ民族、ナソ民族などテリトリーにおいて多国籍企業に対して水力発電開発のコンセッションが与えられた。
2)鉱山開発、健康被害や生命への危険性
3)ボカス・デル・トロスの島嶼部における観光開発による土地からの先住民族の排除
4)先住民族の土地権利の保全が急務である。
5)国家は、先住民族の政治機構に介入し、影響力を行使している。例えばナソ民族の伝統的なプロセスを無視して代表を押しつけようとしている。
6)水力発電ダム建設会社が先住民族の自由な通行の妨害
7)警察による弾圧。また開発側のみの擁護をし、先住民族を弾圧している。
 
 更に先住民族を代表して次の点を要請した。
1)現地において権利を侵害されている先住民族の状況について早急に調査を行うこと
2)パナマの先住民族の状況について調査を行い、報告書を作成すること
3)先住民族の土地権を尊重し、保証すること
4)チャン75ダムに脅かされるノベの状況に対して予防措置を取ること。

 パナマ政府はこれに対して、パナマ政府は先住民族の権利を尊重し、コマルカを設置するとともに、現在集団的土地所有を認めるための法案411について審議をしているところであり、先住民族の代表である議員も参加していると反論。
 更に人口で10%でしかない先住民族に対して既に22%の土地がコマルカとして登記されているのだと述べている。
 またダム開発に関しては、県レベルではなく、国の電力供給の15%を担えるものであること、現在の住民は1968年頃にその土地に生活しはじめたのであり、伝統的に居住していたわけではないと反論。また森林保護区として設定されているのであり、このダム計画地域の土地は、集団的土地所有地とも個人所有地とも登記はできないとしている。手続き的にも法に定められた環境影響評価等の活動を、住民の参加に基づいて実施してきているし、移転に関しても住民の合意を得て、近隣地に行っていると述べている。
  しかし先住民族側は、コロンブスによる侵略以前からこの土地に住んでいたことをあらためて表明。1983年に設定された森林保護区についても、先住民族の同意なく押しつけられたものであり、法案411も先住民族との協議なく作成されたと反論している。またナソ民族は32年前からコマルカを要求していることをあらためて主張している。
<この公聴会の音声はは米州人権委員会の次のサイトよりダウンロードできる>  http://www.cidh.org/Audiencias/seleccionar.aspx
 
 今回のCIDHへの申し立てに関しては、現在次のように考えている。
1)法案411については現在の法案の正確な文面がつかめていないのではっきりしないが、先住民族組織側としては、土地だけではなく、政治的な自治権の確立という点で法案411の問題を捉えているようである。その点でコマルカとして設定するのとは大きな違いが出てくるものと思われる。
2)この法案はこれまでのナソ民族によるコマルカの要求を妨げる、封印するものとなりえるものであり、先住民族の自治権を侵害している。
3)森林保護区としての制定が集団的土地所有も制約するということになると、ナソ民族のテリトリー確立はほぼ不可能となり、ダム開発だけではなく、自然保護区と先住民族の権利という問題も提起されることとなる。
4)警察による暴力的な弾圧、協議のあり方の問題についてはパナマ政府からは正確な反論はなされていない。

 CIDHによる調査が行われることを期待するとともに、先住民族のテリトリーの承認と自治権の確立が必要とされている。

 開発と権利のための行動センター
 青西
 
 開発と権利のための行動センターでもナソ民族の動きを支援するとともに、パナマの先住民族組織の動きとも連携をはじめています。こちらのサイトもご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/07/post_4f31.html

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2008/10/07

中南米におけるダム開発問題

 中南米におけるダム開発が、地域社会や環境に与える影響について、また地域住民組織や環境団体による反対運動についてはこのブログにおいても何度か報告してきた。
 グアテマラで先月開催されたラテンアメリカ水法廷においても、ブラジルのマデイラ川水系やパナマのチャンギノーラ川におけるダム開発の問題が取り上げられている。
1)ブラジル、マデイラ水系のダム開発
 「カニンデ民族・環境を守るためのアソシエーション:ASSOCIAÇÃO de DEFESA ETNOAMBIENTAL KANINDÉ 」はラテンアメリカ水法廷において、南米地域インフラ統合イニシアティブ(IIRSA)の一環としてマデイラ水系に計画されているサン・アント
ニオ及びヒラウの水力発電計画がカリタナ、カリプナ、オロボム、カスパなどの先住民族への間接的な影響を適切に評価していないこと、地域住民の意思決定への参加が考慮されていないこと、広範な面積の水没、流域の漁民や農業への影響、先住民族の歴史的、文化的遺産への影響といった問題などを訴えた。
 この総発電量6.494,4 メガワットが見込まれている二つのダムは、ブラジルの電力の8%を供給する計画であり、送電設備などを含めて269億ドルのコストが見込まれている。
http://www.aneel.gov.br/
http://www.biceca.org/es/Project.Overview.138.aspx
http://www.kaninde.org.br/index.php?option=com_content&view=article&id=91:peticao-para-o-tribunal-latino-americano-da-agua&catid=38:primeira-pagina&Itemid=71

2)ブラジルにおける小規模ダム開発
 同時にブラジルでは、小規模ダムの建設も問題となっている。8月4日付のティエラ・アメリカのサイトは、シング川流域に作られている小規模ダムが先住民族に影響を及ぼすと告発している。これらのダムは小規模であるということでクリーンとみなされ、容易に建設が認可されるとのことである。しかし小規模ダムの建設が回遊性魚種の遡上を妨げることで再生産を阻害しているとシング先住民族公園に住むパウロ・カマイウラは訴えている。このことはが先住民族の食糧を脅かすことにつながっている。
 また南部のサンタカタリーナ州では、小規模水力発電がラフティングなどの観光開発の妨げになると、地元の業者の反発を招いているとのことである。
 この記事ではブラジルでは240の小規模水力発電の計画があり、このうち81は既に建設中であり、1342メガワットの電力を供給が見込まれているとのことであるが、ここで取り上げている小規模水力発電がどの程度の規模や形式のものを含んでいるのかは定かではない。
Alud de pequeñas centrales hidroeléctricas(2008/08/04)
http://www.tierramerica.info/nota.php?lang=esp&idnews=3013&olt=382

3)チリ・パタゴニア
 チリ南部のアイセン地方に計画されている巨大な水力発電ダム建設も大きな問題となっている。BBCの報道によるとパタゴニアに位置するこの地域は、豊かな自然環境を活かして、観光や農牧畜業、水産業を持続的な地域開発の柱に据えてきた。しかしここに32億ドルの投資により、3つの貯水地を有する発電所を建設する計画が持ち上がっている。さらにはこの土地で発電した電力を2000キロ離れた首都まで送電するために、自然保護区を縦断する送電線の設置が計画されている。
 この計画に対し、既に様々な社会組織が集まり「ダムのないチリ・パタゴニアを」というキャンペーンを展開している。運動家の一人はこの電力は、太陽光発電の無限のポテンシャルがある北部の鉱業開発に利用されるものであり、なぜここから電力を運ばなくてはいけないのか」と疑問を呈している。
Chile: controversia por represas    (2008/09/25)
http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/business/newsid_7608000/7608422.stm
 「ダムのないチリ・パタゴニアを:Patagonia Chilena Sin Represas」のサイトでは、送電線にによってずたずたにされるパタゴニアの景観の合成写真などを提示し、またそうしたポスターなどもダウンロードできるようにしてある。更にこのキャンペーンのサイトでは、今回のパタゴニアにおけるダム開発問題を通じて、自然への敬意をもった新しい社会のあり方を探るべきだと提起している。そこでは、「チリ株式会社」を、より相互関係と連帯に基づく社会に変換すること、自給的な社会を目指すこと、分権化そして地域ごとの多様な経済のあり方を促進することなどを訴えるとともに、パタゴニアを守ることを通じて、世界に対して過去の証と、自然への尊重と愛に基づく新しい時代の始まりを示すことができるだろうと述べている。
http://www.patagoniasinrepresas.cl/final/
 
4)パナマのダム開発
 パナマにおけるダム開発についても、既にこのブログで報告しているが、地球の友インターナショナルが支援している”Radio Mundo Real ”では、パナマの環境保護団体であるACDのルシア・ラソへのインタビューを聞くことができる。
 パナマでは経済成長に伴う電力需要に対応するために政府がダム建設を進めており、150あまりのダム開発計画があり、そのうち30程のプロジェクトが既に進行しているという。しかしこれらの計画には適切な規制がかけられていないという。6500平方キロほどの(栃木県ぐらい)のチキリ地方では現在40ほどの水力発電プロジェクトが存在し、先住民族の土地からの排除も進んでいると述べている。
Aumenta el rechazo a hidroeléctricas en Panamá(2008/08/12)
http://www.radiomundoreal.fm/rmr/?q=es/node/26082

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/09/13

パナマ:侵略をうけるナソ民族のテリトリー

 現地からの報告の翻訳です。
「植民地主義のもとにおかれるナソ民族」(08/09/13)

 残念なことに今朝は「Buenos dias」と言うことはできません。私の、ナソ民族は、今、メデジン公企業(EPM)の操業によって深刻な危機に直面しているからです。
 私たちが先祖から引き継いできた土地を奪い取ろうとする、この厭わしく、恥知らずの犯罪者たちは、強引に私たちナソのテリトリーのボノ村に、重機やその他の機械設備を持ち込み、工事を継続しようとしているのです。これは非常に深刻な状況です。EPMは私たち先住民族の人権とテリトリーを侵害しているのです。強い圧力をかけて、私たちが受け継いできたものを奪い去るための歩を進めています。
  
 その一方でこの9月9日、グアテマラのアンティグアでの水法廷において、この企業の責任者たちは、政府、ナソ民族リーダー及びそのアドバイザーと歩み寄るプロセスをとるという決定に署名をしているのです。アンティグアで、9日に署名をし、同意内容を履行することを約束しておきながら、その2日後には、その約束を反故にする行為を取っていることは許し難いことです。

 しかし私たちはこの企業が行っている圧力に対して決して屈しません。私たちの権利を守るために最後まで訴えていきます。ナソ民族は、パナマ政府に対して、この企業に対して、私たちの権利と受け継いできたものをもてあそぶことを許さないということを示していきます。私たちが受け継いできたもの、テリトリーは、取引の対象ではないし、売り物でもありません。安い商品の取引ではなく、私たちの生活そのものなのです。

 エリセオ・バルガス(Eliseo Vargas Jr /Fundación Naso)

 *Empresas Publica de Medellín はラテンアメリカ水法廷の支援で結んだ合意を破っているだけではなく、「パロ・セコ保全林」の利用許可も得ていません。この企業はナソのテリトリーを侵害しているだけでなく、パナマの環境法にも違反しています
  (Alianza para la Conservación y el Desarrollo 付記)

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2008/09/12

「きれいな開発」の名で資金を探すダム建設が世界遺産を脅かす

 パナマの環境NGO、ACD(保全と開発のための連携)は、パナマで建設が進められつつある新しいダムは、CDM(温暖化対策のための京都議定書に基づく「クリーン開発メカニズム」)による資金を受けようとしているが、地域では環境破壊と人権侵害を引き起こしていると告発している。

 米国のAES社によって建設が進められつつある「チャン-75」ダムは、CDMに基づくクレジットを得るための申請を行っているが、環境破壊を引き起こすものである。
 パナマの環境NGO、ACDのオスバルド・ホルダンは「このダム建設は環境を破壊し、地域に住むノベ先住民族の人権を侵害するものである」と告発している。
  またこのダムは「世界ダム委員会」の基本ラインを踏襲したものではなく、更にパナマのボカス・デ・トロに位置する「アミスター生物圏保護区」内にある「パロ・セコ保全林」内に建設されつつあるという。つまりユネスコによって登録されている世界遺産でもあり、コスタリカ、パナマの二ヶ国にまたがる「アミスター国際公園」を脅かすものとなっている。この公園のコスタリカ側、パナマ国境近くでは最近になって3種の新しい両生類も発見されている。
 このダムは、回遊性の魚種やエビ類に深刻な影響を及ぼすとともに、ジャガーやバクまたオウギワシなどにもネガティブな影響を引き起こす可能性がある。

 更にダムはノベ先住民族の人権を侵害している。パナマの環境行政当局であるANAMは影響を受けるノベ民族の同意を得ることなく建設を認可している。このダムによってノベ民族の1000人の自給農民が移転を強いられ、独自の生活を破壊されることとなる。AES社はノベ先住民族の抗議に対して、脅しや賄賂そして警察による弾圧まで、様々な方法で対抗し、ノベ農民に土地を明け渡すよう圧力をかけている。
 「チャン-75ダムはCDMが環境に対して破壊的なプロジェクトへの補助金として利用されている証拠である」とカーボン・トレード・ウォッチのオスカー・レイエスは述べている。「これは二つの重大な喪失の舞台である。他の地域の産業が環境を汚染し続けるためにパナマの民族そして環境が危機にさらされている」(ACD 08/08/06)

Represa que amenaza sitio Patrimonio Mundial de la Humanidad en Panamá-busca dinero como "desarrollo limpio" (ACDから整理)

追記:パナマのチャン-75ダムに脅かされるノベ民族についてはカルチャル・サバイバルがハガキ・キャンペーンを行っています。
http://www.culturalsurvival.org/programs/panama/panama-letter.cfm

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2008/08/12

国連特別報告官、ダム開発に脅かされるパナマの先住民族に懸念を表明

 国連の先住民族の権利に関する特別報告官、ジェームズ・アナヤ氏は、パナマのボカス・デ・トロ県のチャンギノーラに建設中のチャン75がノベ先住民族コミュニティに引き起こす影響について懸念を表明。
「チャルコ・ラ・パバ・コミュニティのメンバーが、土地からの専横的な移転、家屋の喪失、農作物の破壊などの他、過剰な暴力の行使、女性や子どもを含め、建設に反対するメンバーの拘束などの虐待を受けていることに対して、懸念をもって注視している。また、この地域における武装警官の存在が、状況を悪化させており、チャルコ・ラ・パバ・コミュニティの成員の生活と身体的な統一性が危険にさらされていることに深い懸念を表明するものである。(中略)そこでパナマ政府に対して次の点に対して全ての必要な手段を講じることを要請する。(1)先住民族コミュニティの権利と自由を擁護すること(2)訴えられている人権侵害に関する真摯な調査の実施と責任者の処罰(3)被害者への被害の補償(4)同様の事態が起きないように必要な手段を取ること。」
 「また政治・経済・ビジネスに関係するアクターに対して、人権に関する責任を強化すべく諸機関が行っている勧告を考慮することを求めるものである。特に2007年9月に採択された先住民族の権利に関する国連宣言に政府が注意を払うことを喚起する。特にその10条において「先住民族はその土地もしくはテリトリーから強制的に移転されるべきではないこと。自由な、事前の、情報に基づいた同意無しに、また可能な場合には、帰還のオプションを含んだ、正当かつ公正な補償に関する合意なしに、先住民族の移転はなされるべきではないこと」を定めている。

 2007年の終わりに、AES・チャンギノーラ社はチャン75水力発電ダムの建設を開始したが、これはチャルコ・ラ・パバ・コミュニティ及び周辺の先住民族コミュニティの完全な水没を引き起こすこととなる。しかしこれは被害を受けるコミュニティの、国際的な基準にみあった、事前同意を得たものではない。
 2008年4月8日及び6月3日に特別報告官はチャルコ・ラ・パバの状況に関してパナマ政府に対して緊急アピールを送付している。しかしこれらの通信において表明した疑問と懸念に対して、いまだパナマ政府から返答を受け取っていないことに対して、特別報告官は遺憾に思うものである。

http://www.unhchr.ch/huricane/huricane.nsf/view01/40A49D23F8481D60C125749F003925B6?opendocument

 パナマのダム開発問題については開発と権利のための行動センターのブログでもいくつか報告しています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

2008/03/07:中米におけるダム開発問題など(コスタリカ・パナマ)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/post_45fa.html
2008/04/11:パナマ:ダム開発に抵抗するノベ先住民族
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/post_7cee.html
2008/07/04:支援要請:今動けば、ナソ民族の未来は変わるかもしれない
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/07/post_4f31.html
2008/08/06:パナマ:ダム開発&鉱山開発への抗議
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/08/post_4d12.html

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2008/08/06

パナマ:ダム開発&鉱山開発への抗議

1)ペタキージャ鉱山開発への抗議声明(2008/7/31):一部訳
 ペタキージャ・ミネラル社は、コロンやコクレ地域の自然資源を破壊し続けている。
 (1)ペタキージャ・ミネラル社は、海外(カナダ)に豊かな鉱物資源を持ち出すために、私たちの森、川、山そしてエコシステムを破壊し続けている...これはスペインの植民地時代の略奪と何ら変わるものはない。
 (2)ペタキージャ・ミネラル社は土地、植物、動物、水、きれいな空気、こうした生活に欠かせないものの破壊し、剥奪しつつづけている。
 (3)ペタキージャ・ミネラル社は国際法、パナマ国憲法、国内の環境法や労働法に違反し続けている。しかし私たち、国民の政府は、鉱山会社を免責しているのである。法は貧者を処罰するために使われるが、金持ちや権力者には履行されないのである。

 ・私たちは、ペタキージャ・ミネラル社がその違法操業を停止するまで闘い続ける意志を持つことを確認する。
  
Comité Pro Cierre de Petaquilla
Coordinadora Campesina por la Vida
Comités Eclesiales de Base de la Costa Abajo de Colón
http://www.panamaprofundo.org/boletin/mineria/comunicado-31-7-2008.htm

2)Chan-75 ダムをCIDHに提訴したケース続報(080730)
 パナマの保護と開発のための連携(ACD)は、チャンギノーラ川におけるチャン75ダムに関する続報を発信している。
これはACDとカルチャル・サバイバルがこのダム開発計画に関して、米州人権機構に対して予防措置を求めて提訴しているものである。
 パナマ政府が、国民に対して果たすべき役割を果たさず、また移転を強いされる住民に対する補償も進んでいないことなどを指摘している。ACDによる声明では、AES-チャンギノーラ社がノベ先住民族の個々人と結んだ合意を無効とし、土地とその他の所有物に関する、個別のノベ及びコミュニティの権利を回復することを要請している。また環境影響評価を新たに実施すること、先住民族の土地の調査・確定作業を進めること、先住民族の土地を保護するため、事前の十分な情報にもとずく、自由な合意を可能とする、伝統に基づくプロセスを定めた法を制定することなどを求めている。
http://www.panamaprofundo.org/boletin/represas/nuevamente-chan-75.htm
チャン75ダム関連の写真などはこちらのACDのサイトから見ることができます。
http://picasaweb.google.com/acdpanama

3)マモニ川におけるダム建設計画への抗議(080728)
 チェポ地方のマリガリータスの住民はマモニ川におけるダム計画に対して反対の声をあげている。
 私たちの川が持つ自然の特徴を破壊するようないかなるプロジェクトに対して、マモニ川を巡って取引をすることはできない。
 関係当局に対し、このプロジェクトが進行しないことをはっきりと表明し、私たちに平和を取り戻すことを要求する。
http://www.panamaprofundo.org/boletin/represas/comite-comunitario.htm
 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/07/04

支援要請:今動けば、ナソ民族の未来は変わるかもしれない!

             パナマのナソ民族は
ダム建設に反対する自分たちの声を伝え、
政府と交渉し、
このダム建設プロジェクトの見直しを要求していく方針です。
 自分たちのテリトリー(コマルカ)への権利を承認させ、
その上で自分たちの未来を
自分たちで決めていくことを求めています。
開発と権利のための行動センターでも、
微力ながらもこの動きを
支援してきたいと考えています。
ご協力お願いします。

   <ダム開発に抵抗するパナマ、ナソ民族>

 もし私たちに権利がないというのであれば、私は家に籠もって、建設機械が私たちのテリトリーをずたずたにしていく姿を泣きながら見ていることでしょう。でも私たちには権利があります。あなた方が私たちの権利を認めていないだけなのです。

 ナソ民族は、コスタリカとの国境沿いの、ボカス・デ・トロ県に居住する約3000人ほどの、パナマでも少数の先住民族集団です。ナソ民族の11コミュニティはテルディ川(Abuela de Agua)流域に生活し、そのテリトリーの多くが自然保護区に含まれています。ナソ民族は1973年より、そのテリトリーの法的な認知(コマルカの制定)を求めていますが、いまだ法的に承認されていません。

 こうした中、テルディ川の支流のボンジック川(Rio Bonyik) に1997年からダム建設の話が動き始め、2004年からは、コロンビアの公営企業であるEmpresas Publica de Medellín (EPM)が建設に向けての動きを本格的に開始しました。この中で、ナソ民族の中に分断が生み出されています。当時の伝統的な権威の長、ナソ民族の王であるティト・サンタナはいくつかの開発事業との引き替えにダム建設を許容する方針を打ち出しました。
 しかしこれに反発した人々は2005年1月5日に民族総会を開催し、ティト・サンタナは役を解かれ、バレンティン・サンタナが新たな権威として任命されました。それ以来、ナソ民族に分裂が生まれ、建設を進めようとする政府や企業側はこの分裂を利用しています。またコマルカの設定に関しても、ダム建設を条件にしようとしているのです。
 
 更に2007年10月からダム建設のための道路工事が開始されたことから、反対派住民との対立が深化しつつあります。道路工事を強行しようという企業に対抗して、反対派のナソ民族は建設機械の侵入に抵抗しています。しかし多数の警官が動員されて反対派が弾圧されるとともに、企業側は武装集団を連れてくるとともに、ナソ民族のダム推進派にも武器を渡し、反対派の住民との対立を煽っています。ナソ民族の内部で暴力的な衝突が危惧される事態となっているのです。民族内部でこのような対立がもたらされたことは、これまでなかったことだと言います。
 また未成年も含めた逮捕、拘束後に一日以上手足に鎖をつけて拘束し、水すら与えないということすら行われました。ナソ民族に対する民族差別が警察当局によって行われています。
 
 ダムだけではなく、道路建設はこの地域に非常に大きな問題を引き起こす可能性があります。まずこの地域は主として河川交通に依存し、車による外部との交通はありませんでした。そこにダム建設に伴い道路を建設することがもたらす地域社会への影響ははかりしれないものがあります。川縁に近い、コミュニティの豊かな土地に道路建設が計画されていますが、そこに居住する世帯が新たにナソ民族のテリトリーの中に土地のなかに得られる保証はありません。また道路ができれば、地域外から放牧地の拡大などが進む可能性も非常に高いものです。
 このように今回のダム建設計画は、ナソ民族の将来に大きな打撃を与える可能性があります。
 
ボンジックの村に住むマルティナさんは、数ヶ月に渡って継続してきた道路封鎖に対して、道路の通行を妨害したとして2008年2月27日に逮捕されました。夫や親戚まで銃口を突きつけられて逮捕され、更には子どもまで拘束されたことに強い憤りを感じています。その際、検事や人権擁護官に対して話したことを思い出しながら次のように語ってくれました。

 もし私たちに権利がないというのであれば、私は家に籠もって、建設機械が私たちのテリトリーをずたずたにしていく姿を泣きながら見ていることでしょう。でも私たちには権利があります。あなた方がその権利を認めていないだけなのです・・・なぜ私たちに権利があるなら、なぜその権利を行使できないのでしょう。先住民族は権利を持っています。ですから政府は私たちの問題を解決するために取り組むべきなのですが、ここにやってきて問題を解決しようとはしていません。
 (ダム建設)のプロジェクトが「開発」だというのなら、私はこんな所で検事を相手に話などしていないでしょう。このプロジェクトのせいで、私は警察に拘束され、娘も拘束され、未成年の拘置所に連れて行かれ、そんなところを知ることになり・・・もし私たちに権利があるのならなぜ、あなた方はそれを尊重しないのですか。
 魚、私たちは魚で生きています。ダムで水は汚染されないというけど、魚はみんないなくなることでしょう。だってボカ・チカ(在来種の魚の一種)はタービンを抜ける事はできません。木だって伐採されます。道路が、地面の下を、木を伐採することなく造られるのいうのですか
 私たちが森を守ってきたのです。政府の環境局(ANAM)ではありません。ANAMは私たちがトウモロコシやフリホールを栽培するために木を切るためにはあれこれ規則を押しつけるのに、今回のプロジェクトでは1200haもの伐採を認めているのです。
 道路ができたらどうなることか。土地を買いに山ほどの人が入ってくるでしょう。そして牧草地も開かれ、森も破壊されるでしょう。
 町の人は、電気代が高い、電気が必要だといいますけど、私たちにその負担を押しつけないでください。私たちには私たちの権利があるのです。私は一度だって、外に住みたいと思ったことはありません。もしそうならとっくにチャンギノーラ(注:近郊の町)に行って、バナナ農園なりで働いていることでしょう。
  私たちはまずコマルカを求めているのです。その後にプロジェクトの話はしてください。
 いくら金が欲しいのだ、と紙をちらつかせました。私たちには何も価値がないみたいに。『インディオ』はまるでお金の前に何でも渡すみたいに・・・お金は今もないし、きっと明日も全然お金などないことでしょう。でも、私たちにはこのテリトリーがあります。ここで私は死んでいくことでしょう。でも子どもや孫はここで生き続けていくのです。私たちがこのプロジェクトを認めてしまったら、若者たちの未来はどうなるのでしょうか。(2008/6/11インタビュー)


  ナソ民族は自分たちの声を伝え、政府と交渉し、このプロジェクトの見直しを要求していく方針です。コマルカを承認させ、その上で自分たちの未来を自分たちで決めていくことを求めています。

            開発と権利のための行動センターでも、微力ながらもこの動きを支援していきたいと考えています。
                            今動けば、ナソ民族の未来は変わるかもしれない!

        ナソ民族の権利確立支援カンパは下記口座までお願いします。
                ◆郵便振替口座:00230-5-131472
           ◆口座名   :開発と権利のための行動センター
                 (通信欄に「ナソ」と指定ください)
 開発と権利のための行動センターの関連サイトはこちら
 http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm
 
 開発と権利のための行動センター
 理事 青西

 その他参考サイトとして 

 ビデオクリップもあります。

 http://www.guardian.co.uk/environment/2008/jun/16/endangeredhabitats.conservation

http://www.guardian.co.uk/environment/video/2008/jun/16/naso

こちらのサイトだとTranscriptが入っています。

http://therealnews.com/t/index.php?option=com_content&task=view&id=31&Itemid=74&jumival=1728 

Cultural Survivalのサイト。この中のDam Nationは前半がノベ、後半がナソ民族とダム問題を扱っています。

http://www.culturalsurvival.org/programs/panama.cfm

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2008/06/26

中南米 環境関連

  
1)コスタリカ 観光客の増加と環境への影響
 ロイター電は、コスタリカ東部における観光開発が環境破壊をもたらしていることを伝えている。
 5年前に国際空港ができたことを契機に、グアナカステ県での観光開発が進み、建築ラッシュ、汚水の漏出など、環境破壊が続いている。「エコツーリズムのパイオニアとしての名声は、このような計画のない観光開発で台無しにされてしまう」という環境団体の声を伝えている。
Tourism boom threatens Costa Rica eco-paradise
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSN1733128420080620?sp=true
当ブログでも昨年次の記事を掲載している。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/10/post_a8a4.html

2) パナマ市のゴミ問題
 6月13日の現地プレンサ紙は、JICAの援助で250万ドルをつぎ込んでパナマ市のゴミ処理に関する調査を行ったものの、その結果が全く利用されていないと批判している。
  http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/06/13/hoy/hoyporhoy.shtml
  関連記事は次にもあるが、調査報告でリサイクルの促進を勧告しているものの、それが実現していないことをプレンサ紙は追求している。
 http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/05/19/hoy/panorama/1352916.html
 http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/05/19/hoy/herald/1353894.html(英語)
 この調査報告書自体は未読であり、コメントできないが、海外からの援助事業に対し、メディアも含め、市民社会側がその実施を監視していく態勢というのは非常に重要であろう。

3) アルゼンチンで白熱灯の流通を禁止する法を審議
 EcoPortalネットの記事によると、アルゼンチンでは温暖化対策として白熱灯の輸入・流通を禁止する法案が審議されているとのこと。この記事によると既にベネスエラ、キューバ、ニカラグア、カナダ、オーストラリア、アイルランド、フィリピンで白熱灯の流通が禁止されているとのこと。(その他情報から確認はしていません)
 http://www.ecoportal.net/content/view/full/79217

 今回訪問していたグアテマラでも、電球のソケットに直接差し込める円形の蛍光灯や渦巻き状のものなどを見かけることも増え、電気代が安くなることも含め急速に普及している。

 開発と権利のための行動センター
 青西  

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2008/04/11

パナマ:ダム開発に抵抗するノベ先住民族

 ノベ先住民族のテリトリーに建設されつつあるチャン75水力発電ダムに対して、先住民族が異議申し立てを進めています。このダムは米国系企業のAESによって、パナマ西部のチャンギノーラ川に建設が進められているものですが、ノベ先住民族は、土地や生計手段を失われること、また工事によって日々の生活が脅かされていることを訴えています。
 ダム開発の影響を調査しようとしたUNESCOの派遣団もこの地域へ入ることを許されなかったという。ノベ先住民族とのコンタクトも制限されているとのことである。
  http://www.culturalsurvival.org/publications/csarticles/csarticles-article.cfm?id=25
  http://www.culturalsurvival.org/programs/panama/damnation.pdf
 この事態に対して、米国に本拠を置く先住民族支援組織であるカルチャル・サバイバルが米州人権委員会に対して、ノベ先住民族への人権侵害についての申し立てを行っている。
  http://www.culturalsurvival.org/programs/panama/IACHR_Petition.pdf
  またカルチャル・サバイバルでは支援を求めるキャンペーンを行っている。
 http://www.culturalsurvival.org/programs/panama.cfm

 上記資料についてまだほとんど目を通せていませんので、とりあえず紹介のみ。
 
 開発と権利のための行動センター
 青西


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2008/03/07

中米におけるダム開発問題など(コスタリカ・パナマ)

 中米におけるダム開発問題など(コスタリカ・パナマ)
 
1)コスタリカの先住民族組織がディキス(Diquís)水力発電計画を拒否
  2009年の着工を目指しているコスタリカのディキス水力発電計画に対して、地域の先住民族は拒否の姿勢を示している。このプロジェクトは中米電力統合の一環であり、中米諸国への電力輸出も視野に入れられている。またこのプロジェクトの環境・影響評価は米州開発銀行が、またファイナンシャル・フィージビリティ・スタディはアメリカ貿易開発局(USTDA)が資金提供することになっている。
 しかし先住民族組織は2月21日に記者会見を開き、このプロジェクトがテラバ、チナキチャの先住民族テリトリーに直接の影響を引き起こし、また間接的にクレ、ボルカ、ウハラ、サリトレ、カバルガの先住民族テリトリーに影響を引き起こすと述べている。また直接また間接的な悪影響に加えて、法的にも国際法、ILO169号条約に違反していることを訴えている。
「協議が実施されていないだけではなく、コスタリカ電力公社(ICE)は、先住民族コミュニティをだまそうとした。彼らはICEの宣伝活動を行い、後にそれが正式な協議であったと言っているのだ」と批判している。
  またテリベ・先住民族文化アソシエーションのリベラ氏は、先住民族にとって聖なるものである歴史的・考古学的遺跡が200カ所以上も水没することになること、また歴史的に営んできた生産活動も継続できなくなることなどを指摘している。
 なおこのプロジェクトは30年ほど前にもボルーカ(Boruca)水力発電プロジェクトという名称で計画されていたが、住民の反対で頓挫した経緯がある。

 関連サイト
Organizaciones Indígenas de Térraba rechazan Proyecto Hidroeléctrico Diquís
http://www.comitespatrioticos.com/index.php/todas/620-organizaciones-indigenas-de-terraba-rechazan-proyecto-hidroelectrico-diquis
Inforpress Edición : 1742 Publicado : 29/02/2008 ”Pueblos indígenas rechazan hidroeléctrica Diquís”
http://www.inforpressca.com      
Costa Rican Archaeology to be Lost?
http://www.costaricaholiday.co.uk/blog/?p=513
米州開発銀行:http://www.iadb.org/projects/Project.cfm?project=CR-T1017&Language=English
アメリカ貿易開発局:
http://www.ustda.gov/news/pressreleases/2007/LAC/Costa%20Rica/CostaRicaHydropower_090507.pdf

2)パナマ:ダム建設に反対する先住民族を逮捕/Arrestos de indígenas Nasos en el Teribe,Changuinola, Bocas del Toro,
 ナソ・テリベ先住民族テリトリーにおけるボンイック水力発電所の建設に反対する先住民族メンバーが逮捕される。
 (2008/02/28)
 http://www.panamaprofundo.org/boletin/represas/arrestos-de-indigenas-nasos.htm

 その他、詳細はわかりませんが、リオ・ガトゥにおける水力発電計画への反対の動きなどもあるようです。
Panamá: rechazan hidroeléctrica en Río Gatú
 http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/39254
 http://www.panamaprofundo.org/boletin/mineria/urgente-despacho-de-prensa.htm

 開発と権利のための行動センター
青西

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2008/02/27

違法操業が指摘される-パナマ金鉱山開発

1)違法操業が指摘される-パナマ金鉱山開発
 パナマのコロン県で進む、ペタキージャ・ミネラルズ社による金鉱山開発が環境影響評価の手続きを踏んでいないとして、国家環境管理局(ANAM)が行政措置のための手続きを行っていると、2月7日付けの現地プレンサ紙は伝えている。
  http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/02/07/uhora/local_2008020714321493.shtml
 プレンサ紙は通商産業省もペタキージャ社の操業に関して、契約の不履行に関して調査報告書を作成しているとのことであるが、こちらでも環境保全のための活動に関して不履行が見られることも伝えている。
  http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/02/07/hoy/panorama/1257253.html
 パナマの環境保護団体であるANCON(Asociación Nacional para la Conservación de la Naturaleza )のサイトは、ペタキージャ社の操業に関する国家環境管理局の報告を掲載しているが、そこでは環境影響評価なしでの操業開始、無許可での伐採、植生の改変、無許可での水利用、無許可での道路建設、作業所設置、認可地域外での活動などが列記されている。
 http://www.ancon.org/images/stories/Documentos/eia%20petaquilla.pdf
 なおこのペタキージャ社は2006年にも環境影響評価の手続きに違反し、違法伐採や開発を行っていたことが報道されている。
  http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2006/08/07/hoy/panorama/695505.html
  http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2006/08/07/hoy/nacionales/694220.html
 ペタキージャ・ミネラルズ社のサイトでは、この件に関するコメント等を読むことはできなかった。
 http://www.petaquilla.com
 また次のサイトにもペタキージャ鉱山に関する記事を読むことができる。
 http://carloscamarenamedina.blogspot.com/

2)パナマの各地の自治体で、鉱山開発にNOの声
 上にあげたペタキージャ鉱山をはじめとして、パナマ各地で鉱山開発に反対する声が上がっている。
 セロ・ケマ鉱山(Cerro Quema)を抱える、ロス・サントス県のトノシやマカラカスでは、鉱山開発を拒否する自治体宣言が相次いで決議されている。  http://www.panamaprofundo.org/boletin/mineria/la-mineria-a-cielo-abierto.htm
  http://www.panamaprofundo.org/boletin/mineria/ediles-tonosienos-manifestaron-su-oposicion.htm
 
 開発と権利のための行動センター
 青西

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2007/10/25

中米における観光開発を巡る問題-パナマ・コスタリカ 

中米における観光開発を巡る問題-パナマ・コスタリカ 

 夏以降、中米における観光開発を巡る記事がいくつか届いたので、報告します。
一つはパナマにおける先住民族と観光開発を巡る問題で、これは外国資本による観光開発を前にして、先住民族の自治組織内部での意志決定のあり方も問題となっています。
もう一つはコスタリカの事例で、こちらは拡大を続ける観光業が地域の自然環境に問題を引き起こしているという報告です。コスタリカを環境保全の先進国と妙に理想化せずに、大規模観光開発による環境破壊の現状をモニタリングしていく必要があるのでしょう。

1)パナマ先住民族居住地区と観光開発-パナマのノベ・ブグレ・コマルカにおけるダマニ・ビーチ観光開発を巡る対立
 
 ノベ・ブグレのコマルカ(先住民族区)は3つの地域に分かれており、その一つがNo Kribo地域である。このNo Kribo地域の伝統的権威が、米国系のダマニ・ビーチ社と観光開発に関する合意を結んだという話を発端に、この地域での観光開発を巡る対立が生じている。 
 6月17日に地域議会が、このダマニ・ビーチ社と観光開発に関する合意を結んだとのことであり、これがNo Kribo地域を構成するKusapín y Kankintúの住民の反発を招いたとのことである。
http://www.estrelladepanama.com/web/main/ver.php?idnews=55297
その後、合意文書はいくつか修正を受けているようであるが、その開発コンセッションが45年、更に40年の延長可能と長期にわたることの問題、また地域議会にはこのような合意を締結する権限は認められていないこと、海岸線の開発コンセッションに関する国の権利への抵触など、この合意に至る手続の違法性も指摘されている。更には、実際に開発されることになった場合には地域の生態系へ大きな影響を及ぼすことは避けられない。
http://www.nodo50.org/caminoalternativo/boletin1/152-15.htm

 この問題はどうもはっきりしない点が多いので、関心のある方はこちらの情報をお読みください。
http://burica.wordpress.com/2007/07/17/comarca-ngobe-bugle-vendida-a-consorcio-damani-beach/(このサイトのコメントも興味深いものです。地域を離れた若者がこのコマルカの開発を考えてコメントを書き込んでいたりする。)
http://www.turismo-responsable.org/denuncia/0708_tierras_panama.html
http://www.thepanamanews.com/pn/v_13/issue_18/business_03.html
INFORPRESS CENTROAMERICANA Proyecto turístico genera malestar entre indígenas
Edición : 1726 Publicado : 19/10/2007

ちなみにこのノベ・ブグレにおいては鉱山開発利権も存在しており、地域の先住民族の反対で一度は中止に追い込まれたセロ・コロラド銅鉱山の再開発が目指されているようである。(パナマ共和国の投資環境調査 JOGMECP6) 
http://www.olca.cl/oca/panama/mineras01.htm
http://www.jogmec.go.jp/mric_web/strategic/panama2006/panamaindex.html


2)コスタリカにおける観光開発への批判

 2007年8月に発行されたWRM(世界熱帯林運動)のニュースレターに近年のコスタリカにおける観光開発の問題点が取り上げられている。要約すると次のような問題が上げられている。

-近年の停電が、自然保全地区における水力発電や地熱発電プロジェクトの口実に使われていること。
-しかし市民に対しては節電や節水を呼びかける一方で、観光業者やもっとも乾燥した地域にであるグアナカステの五つ星のホテルにはそのようなことは言われない。乾期のゴルフ場への散水の中止やプールの水替えの中止は要請されない。そしてグアナカステの高級ホテルやコンドミニアムの建設がどれだけの水を利用するか、既に地域のコミュニティは建設業者が河川を干上がらせていると告発しているという。
-もっともいい場所は私有地に、そして外国人の手に渡り、また国家の自然財産がインターネットで売り払われている。ゴルフィート野生生物保護区では高い土地に豪華な建築物が作られ、展望を得るために傾斜地の木々が伐採されている。下方の村は土砂崩れの危険に直面している。
-パパガヨ・観光拠点プロジェクトではホテルやゴルフ場のために沿岸乾燥林が伐採され、バウラス公園のバッファーゾーンのタマリンドでは”タマリンド保全社”が、数百ヘクタールにおよぶ「エコロジカル住居プロジェクト」のために既にマングローブの伐採が進んでいるという。
-渡り鳥の渡来地でもあり、残されたわずかな湿地帯であるニコヤのサマラ海岸でも観光開発のための開発が進みつつある。
-ドミニカルからパルマルにおける沿岸部においても観光プロジェクトによる森林や生物多様性の破壊が進んでいる。
-しかしこの話は決して新しいものではなく1993年においても既に「最も偽善的な観光開発」だと、環境団体から指摘されていたという。
 関心のある方はこちらへ
  http://www.feconcr.org/index.php?option=com_content&task=view&id=133&Itemid=27
http://www.wrm.org.uy/countries/CostaRica.html

 大規模観光開発が環境にネガティブな影響を引き起こすのは明らかであり、コスタリカといえども例外ではないということであろう。更に、この報告に出てきた「グアナカステ」と「ゴルフィート」は、JICAがコスタリカ政府観光局と行った「コスタ・リカ国沿岸地域 観光土地利用計画調査」で扱われている地域とぴったり一致しています。
http://lvzopac.jica.go.jp/external/library?func=function.opacsch.mmdsp&view=view.opacsch.mmindex&shoshisbt=1&shoshino=0000002932&volno=0000000000&filename=11634144.pdf&seqno=1
この調査結果がこうした事態を引き起こすきっかけになったのか?あるいはこの調査が実際には活用されなかったからから問題が起きているのか?現場も知りませんし、この調査報告書もちゃんと読んでいないので何とも言えませんが・・・この点も納税者としては見ていかなくてはならないのではと考えています。

 またグアナカステにおける開発問題(長期滞在者向け別荘?の拡大)について、FECON(コスタリカ環境保全連盟)のサイトに次のような記事も掲載されています。
http://www.feconcr.org/index.php?option=com_content&task=view&id=154&Itemid=70

 開発と権利のための行動センター
 青西

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