環境

2009/11/05

米州人権委員会がIIRSAについて特別公聴会を開催

 米地域インフラ統合イニシアティブ(IIRSA)の先住民族コミュニティへの影響について、11月2日、米州人権委員会による特別の公聴会が開催された。
 南米の先住民族の代表として、ペルーのCAOI(Confederación Andina de Organizaciones Indígena de Perú )、ボリビアのOICH(Organización Indígena Chiquitana de Bolivia)、CEADESC(Centro de Estudios Aplicados a los Derechos Económicos, Sociales y Culturales de Bolivia)、ブラジルからComunidades Nativas de Pueblos Indígenas de Rondonia de Brasil、また米国のIndian Law Resource Centerが参加して発言を行った。
 この模様は米州機構のサイトにおいてビデオを見ることができる。(スペイン語・一部ポルトガル語)
http://www.oas.org/es/centro_noticias/videos.asp?sCodigo=09-0278&videotype=&sCollectionDetVideo=4

南米の各地を結ぶインフラ整備を目指しているIIRSAに含まれる多数のメガプロジェクトは、先住民族の生活に大きな影響を与えるとして、先住民族組織が抗議を続けている。

Leonardo Crippa(Indian Law Resource Center)
-IIRSAに含まれる502のプロジェクトは、先住民族コミュニティにおける鉱業開発、水力発電開発、アグロ燃料、モノカルチャーなどの様々なプロジェクトの促進につながるものであり、このプロジェクトの実施は、国際法に定められている先住民族の権利を損なうものである。
-IIRSAは、先住民族のBuen Vivirを脅かすものである。
-これらのメガプロジェクトは特に三つの先住民族の権利を侵害するものである。土地への集団的な権利、開発の形を決めるという自決と自己決定の権利、汚染と生物多様性の喪失による身体的統合と健康への権利である。
-ダムで水没が引き起こされる所では、強制的な移転が生じる
-事業の前に人権への影響に関する調査を行うべき。

Rodolfo López(Organización Indígena Chiquitana de Bolivia)
-サンタクルスとプエルト・スアレスを結ぶ道路計画は建設が進んでいるが、31コミュニティの文化、生物多様性、その統合性に直接の影響を与える。
-これまでに行われた建設部分ではコミュニティの分裂などを引き起こしてきた。
-コミュニティへの協議が適切に行われないまま、プロジェクトが進んできている。
-企業は当初の約束を遂行していない。影響の緩和策なども実現されていない。

Narciso Tomicha(Central de Comunidades de Chiquito Turbo)
-サンタ・クルス-プエルト・スアレス間の道路建設の影響を受けている。
-この土地は所有権の確定がなされておらず、このことが補償の受け取りを困難にするであろう。
-森林破壊、道路の整備による外部者の流入による過剰な狩猟圧、水源の汚染などが引き起こされる。
-私たちの文化が失われつつある。

Telma Delgado Monteiro(Associação de Defesa Etno-Ambiental Kanindé)
-マデイラ川の水力発電計画の真の目的は、大豆のモノカルチャーを進めることにある。
-事前の、情報に基づく協議は行われていない。
-百万人という数の強制移住が引き起こされ、生物多様性も回復不能なまでに失われる。

Miguel Palacín Quispe(Confederación Andina de Organizaciones Indígena de Perú )
-先住民族は統合に反対しているわけではない。しかし先住民族は開発を別の見方をしている。「Buen Vivir 良い生き方:人間と自然の調和」こそ、地球温暖化という危機に対処するために、先住民族が貢献できるものである。
-ペルーの3つの港とブラジルを結びつけようという計画は、多国籍企業に対して、自然資源へのアクセスを容易にするためにあり、そのためにアンデス地域の3952のコミュニティと78の低地先住民族のコミュニティが影響を受けることとなる。
-鉱業の振興、森林伐採、アマゾン地域への移民増加、大豆などのモノ・カルチャーの拡大、聖地の破壊などを引き起こし、特に自発的孤立を選んでいる先住民族コミュニティのテリトリーを脅かすものである。
-コミュニティの分裂・消滅、犯罪の増加、先住民族の消滅などを引き起こす。
-Inambari に計画されているダムは46000 haを水没させ、65コミュニティに移転を強いるものである。先住民族のすべての権利を侵害しているのである。
「私たちは『西洋』の開発とは違う考え方をしているのです。これまでの開発は、採掘・蓄積・分裂・個人主義を進めてきました。しかし私たちはコミュニティに生き、集団的な権利に基づいて生活しています。しかしこの権利が侵害されているのです。私たちは常に調和を目指してきました。Buen Vivirを目指してきたのです。しかしこの考え方は理解されず、政策の中に適切に取り入られていません。」

*ビデオ映像及び下記資料をもとに作成

 開発と権利のための行動センター
 青西

<参考資料>
CIDH realizará Audiencia sobre impactos de la IIRSA en los Pueblos Indígenas
http://www.biodiversidadla.org/Principal/Contenido/Noticias/CIDH_realizara_Audiencia_sobre_impactos_de_la_IIRSA_en_los_Pueblos_Indigenas
IIRSA vulnera derechos de los pueblos indígenas y de la Madre Naturaleza
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/52851
Situación de las comunidades indígenas afectadas por el proyecto Iniciativa para la Integración de Infraestructura Sudamericana (IIRSA) Participantes: Solicitante: Confederación Andina de Organizaciones Indígena de Perú (CAIO) / Organización Indígena Chiquitana de Bolivia (OICH) / Centro de Estudios Aplicados a los Derechos Económicos, Sociales y Culturales de Bolivia (CEADESC) / Comunidades Nativas de Pueblos Indígenas de Rondonia de Brasil / Indian Law Resource Center (54'36)
http://www.oas.org/es/centro_noticias/videos.asp?sCodigo=09-0278&videotype=&sCollectionDetVideo=4

<ブログの関連記事>
2008/01/29 アマゾン地域の大規模水力発電計画と先住民族
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/01/post_3d22.html
2008/03/07 IIRSA(南米地域インフラ統合イニシアティブ)とは
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/iirsa_f80c.html
2008/03/07 南米の巨大プロジェクトに反発する先住民族組織
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/post_0bb9.html
2008/11/14 ブラジル:アマゾンのマデイラ川に巨大ダム
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/11/post-5686.html
2008/12/15 IIRSA(南米地域インフラ統合イニシアティブ)に対する先住民族からの提言
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/12/iirsa-4195.html

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2009/10/29

パプア・ニューギニアのツナ(マグロ)加工工場建設への抗議運動

 マグロの話といえば、世界一の消費国である日本とは切っても切れないはずだ、と思い込んでいる所がありますので、こういうニュースがスペイン語圏を経由して回ってくることにはどうも納得がいかないところがあるのですが。

 さて、この「パプア・ニューギニア:エコシステムを脅かすマグロ加工業」というニュースは次のような状況を伝えています。[1]
1:パプア・ニューギニアのマダン地域に計画されている大規模なマグロ加工工場が地域住民の反発を受け、抗議行動が行われていること。
2:この水産加工団地プロジェクトは世界銀行の支援も受けているとのことで、「開発」のために行われる外国企業による工・鉱業プロジェクトによって、地域の先住民族の生活は大きく影響を受けていること。
3:既にパプア・ニューギニアで操業しているフィリピン系の企業であるRDツナ社は、これまでも健康被害などで非難を浴び、操業中止に追い込まれた加工場もあること。
4:今回マダン地区に水産加工団地PMIZ(Pacific Marine Industrial Zone, PMIZ)が計画されていますが、この工場で、人びとは漁業では生活できなくなるだろうと考えられていること。また数年のうちに水産資源も枯渇してしまうのではないかという恐れを抱いていること。
5:既にこの水産団地プロジェクトPMIZは6月に開始されたとのことですが、10月15日から地域住民による建設への抗議行動が行われているとのこと。
6:RDツナ社のツナ缶は欧州連合との経済協力協定に基づき、ほとんどが欧州連合諸国へ輸出されるとのこと。


 この水産団地の計画については、太平洋諸島ニュースというのが2006年に次のように伝えています。[2]
 <マダンで「世界のマグロ基地」を目指し、水産団地を建設(パプア・ニューギニア)
マダンの北方海岸にあるヴィダル農園周辺で、産業センター開発公社(Industrial Centres Development Corporation)の支援を受け、マダン州政府、国家漁業庁、アールディ・ツナの三社が総合的な水産業団地を造成する。完成すれば、直接、間接的に多くの関連事業が集積し数千人の雇用が創出されると期待されている。政府はこの事業化計画に200万キナ(692,700万米ドル)を拠出する。関係者は、マダンが将来「世界のマグロ基地」となり、内外の投資家による水産関連企業が集まることにより、複合産業が発展することを期待し、雇用創出ばかりでなく、輸入代替品の生産、諸税収入増、農業や牧畜業など他産業へのプラス効果、地元住民への利益還元、技術移転、漁業振興など多方面への波及効果が期待されるとしている。
(Post Courier Online/ Pacific Islands Report/ June 8, 2006)


 確かに目の前に漁場を抱えるパプア・ニューギニアなど南の島嶼国の漁獲高は急速に増えていて、ここに水産加工団地ができれば、マグロ資源に大きな影響を与えるのは間違いありません。[3]更に、日本ではいつも刺身用マグロばかりが話題に上りますが、世界的にはツナ缶の需要も拡大し続けているとのこと、確かに「世界のマグロ基地」というのもありそうな話です。
 また河北新報の記事は、既存のRD社の工場を紹介し、今後の缶詰生産の可能性、現地加工という方向性へのシフトについて取り上げています。[4]

 このような背景のもとで、今回のPMIZへの抗議運動が展開され、国際的な環境NGOのネットワークで情報が発信されているようです。

 しかしパプア・ニューギニアに行ったこともなければ、ふだん動きを見聞きしているわけではないので、少し現地のニュースにアクセスできないだろうかと探してみたのが、ブログにあった次の記事です。”Global warming and the twilight of democracy in PNG”[5]この記事の中に、15日の抗議行動のあとの州政府知事のコメントに対する抗議レターが転載されています。
 この中で、プロジェクトがもたらす利益ばかりが語られ、人びとの意見は無視されてきたこと、住民に協議をすることもなくプロジェクトが進められ、それを推し進めてきたのは中央政府の役人たちであり・・・。NGOに操られているというが、私たちにわからない状況を教えてもらうなど、NGOの支援をなぜ受けてはいけない。しかしここで反対の意志を表明しているのはNGOではなく、村人たちなのだ、というような内容が記されています。

とりあえず、今回調べられたのはこの辺までです。日本でももう少し世界の水産・海洋生態系関連の情報を、収集発信できるような仕組みというのがあってもいいのかな、と思います。きっとものすごく詳しい方々が山ほどいるのだろうと思うのですが、結節点がないという感じなのでしょうか。あるいは書籍やニュースレターという形で事業化しないと、収入を確保できないという経営戦略的な問題なのでしょうか。

 青西


[1]Papua Nueva Guinea: pesca industrial del atún amenaza ecosistemas(10/26)
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/52691
[2]太平洋諸島ニュース2006年6月NO.1  http://www.pic.or.jp/news/060601.htm
[3] 2009「平成20年度国際漁業資源の現況」水産庁・水産総合研究センター 
  まぐろ・かつお類の漁業と資源調査(総説)他参照
[4]河北新報「漁場が消える-三陸マグロ危機-」 
 第8部 締め出し
(2)成長戦略/産業雇用の創出描く
http://blog.kahoku.co.jp/maguro/2009/05/post-56.html
(3)現地加工/「貢献」求める沿岸国
http://blog.kahoku.co.jp/maguro/2009/05/post-57.html
(4)野望/ツナ缶世界一目指す
http://blog.kahoku.co.jp/maguro/2009/05/post-58.html
[5]Global warming and the twilight of democracy in PNG(10/22)
http://nancysullivan.typepad.com/my_weblog/2009/10/global-warming-and-the-twilight-of-democracy-in-png.html


*付記
 どんな感じで情報が流通しているのかわからないので、いくつか検索して調べてみました。
 スペイン語の元サイトはSelva la Selva(10/23)
http://www.salvalaselva.org/protestaktion.php?id=475
英語では
 mongabay.com のサイトに10/21  Protests over tuna industry development plans in Papua New Guinea
http://news.mongabay.com/2009/1021-hance_pmiz.html
Eco Earth Infoというサイトに10/20
 EI RELEASE: Papua New Guineans Protest World Bank's Ill-Conceived Expansion of Pacific Tuna Fish Harvest
 http://www.ecoearth.info/blog/2009/10/ei_release_papua_new_guineans.asp
Stop Massive World Bank (IFC) Supported Expansion of PNG Industrial Tuna Fish Harvest(10/19)
http://tunaseiners.com/blog/2009/10/stop-massive-world-bank-ifc-supported-expansion-of-png-industrial-tuna-fish-harvest/
Over-fishing comes to Madang, Papua New Guinea, as local peoples prepare to resist 10 tuna canneries. Support thousands of indigenous South Pacific coastal peoples as they are peacefully protesting right now!(10/15)
 By Asples PNG (People of Papua New Guinea), a project of Ecological Internet - October 15, 2009
http://www.ecoearth.info/shared/alerts/send.aspx?id=png_tuna

 関連記事など 
Chinese mega tuna plant plans in PNG draw lively protests (10/21)
http://pacific.scoop.co.nz/2009/10/mega-tuna-plant-plans-in-png-draw-lively-protests/
Expanding tuna cannery in Papua New Guinea threatens local communities(5/05)
 RD社の問題などについて報告している記事です
 http://indymedia.org.au/2009/05/05/expanding-tuna-cannery-in-papua-new-guinea-threatens-local-communities

 

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2009/10/07

エクアドルの水法案について(10/19追記・修正)

新しい水法案を少し読んでみました。水関連はあまり触れたことがないので、間違っていればご指摘ください。

 2008年10月に公布されたエクアドル憲法の第12条は、「水への人権が本源的なものであり、放棄することはできないこと。水は公共の利用のための国家の戦略的な財産であり、生命のために不可分、不可侵、差し押さえのできない、かつ必須のものである」と定めています。
 更に、第314条において、「国家が飲料水や灌漑用水といった公共サービスの供給に関する責任主体であること」、第318条において、「全ての形式におけるプリバティサシオン(Privatización私有化・民営化)を禁止」しています。またこの条項において、水に関する業務は、公的(pública)あるいは共同体(comunitaria)によってのみ行われると定められ、浄化、飲料水や灌漑の供給という公共サービスは国家あるいはコミュニティ法人によってのみ行われるとされています。
 また国家は水資源の計画と利用の直接かつ唯一の責任機関を通じて、人の利用、食料主権を保障するための灌漑、生態系保全のための流水、生産的活動という優先度に基づいて利用されると定められています。

 水へのアクセスの権利を定めているだけではなく、民営化の禁止や共同体による管理を定めているといった点でこの憲法における水に関する規定は注目されますが、更に、水の利用の優先度の中で、生産的活動を最下位に定めていること、その上に生態系を保全するための流量(生態流量:caudal ecologico)が定められていることも重要な点です。[1]  

 この新憲法に基づいて、行政府から新しい水法案、正式には水資源と水の利用と活用に関する組織法”LEY ORGÁNICA DE RECURSOS HÍDRICOS, USO Y APROVECHAMIENTO DEL AGUA "が提出され、現在議会にて審議が行われています。[2]
 この法案は憲法に則って水への公正なアクセスを保障することを大きな目的としていますが、更に利用者の水管理への参加を促すこと、水系ごとの管理をすすめることなども目指しています。また水分野の政策責任者を大統領と定め、水分野の政策の唯一の担当機関として「水専任機関」を設けることを定めています。なおこの法案が扱う水資源には河川などの表面水だけではなく、地下水、水源、河床も含まれています。[3]

 水法案の第1条、第2条では、「水は国家の戦略的な財産」であることが定められ、中央政府の排他的な管理のもとに置かれるとされています。[4]第3条では水のプリバティサシオンの禁止が定められ、「水はいかなる商業的な合意の対象ともならないこと」また全ての形の水の私有化が禁止されています。また第7条で水管理業務は公的機関あるいはコミュニティ、共同体的組織によることが定められています。
 第21条からは「水への人権」が定められています。清浄で十分な水にアクセスする権利を定め、この権利を基本的かつ不可分なものと定めています。更にこの権利は未来の世代によっても行使されるものだと明記しています。[5]第28条は、水への権利は、日常生活のために地下水や表面水を手動で利用することの自由を含むものとされています。
 第31条から第35条では、コミュニティや先住民族の「集団的権利と慣習的な利用」について定められています。しかし「この法律の定めるところに従ってその権利を行使できる」とされており、また第34条では「認可された流量」に関しての分配については、その慣習を尊重すると書かれています。第69条から第75条において、水力発電や鉱業向け用水などについて、国家開発計画に従って水の使用認可を与えるという部分とあわせて考えた時に、先住民族コミュニティがどこまで自分たちのテリトリーにおける水利用について決定できるのか、曖昧な点が残っています。憲法で優先度を高く定められている分の流量(生活用水等)を、「合理的」に算定して、確保した後は、国家開発計画に従って配分されてしまう可能性もありそうです。
 第36条から第41条は「利用者の参加」について定められています。利用者が水系の水利用計画などに参加できるとされていますが、どこまで決定権があるのかは明記されていません。これは別の市民参加について定めた法に基づくということです。また流域審議会や市民監査機関の設置などを通じても市民参加を促していくとされています。
 第50条では、協議について定めています。水量・水質・環境への影響などを引き起こす恐れのあるプロジェクトについては、協議を行うこととされています。その先の詳細は、別に定める市民参加に関連する諸法に基づくとされています。
 第64条からは水の経済的活用について記されている。「水担当機関」が、自然人もしくは法人、公的セクターあるいは民間セクターの機関などに対して、水の経済的活用を認可できると定めている。続けて水力発電、鉱業などについて定めています。
 第90条から第100条にかけてはコミュニティによる水管理について定めています。生活用水や自給用及び食料主権確保ののための灌漑用水に関して、共同体的な管理の重要性を認めるとともに、促進するものとしています。またこのコミュニティによる水管理が民主的に運営され、かつ水の私有化の隠蔽に使われないようにという規定もなされています。更に、第93条ではその成員が経済的な目的のために水を利用している場合には、コミュニティによる管理は認めないとされています。
 経済的な水利用に関しては、全て国家の「水専任機関」の管理下に置かれることになるようですが、これがコミュニティによる管理とどのように整理されていくのか、ちょっとわかりません。
 この点で第179条以下に定められている「流域審議会」の設置とそこでの調整作業というのが重要な役割を果たしていくことになるのかもしれません。

 さて、この法案に関する批判点は次のようなものです。
1)私有化・民営化を禁止しているにもかかわらず、水力発電や鉱業などにおいて民間に対する利用権設定が認められていること。
2)水利用の優先度が憲法で定められているにもかかわらず、国家開発計画に従ってその優先度を変更することができるという規定が存在すること。
3)先住民族の権利が十分に認められていないこと。

 こうした中で10月5日の合意では、議会の特別委員会がコミュニティと、水法などの重要法案について、慎重を期すべき点について意見交換を行うという方向が合意されており、これは重要な点だと思われます。

 新しい水法案は水への権利を定めるなど非常に興味深いものですが、一方で「合理的な開発計画」の元に、コミュニティの声が封殺されてしまうのではないかという危機感を覚えます。そうした中で、この法律でも定めている市民参加のあり方が重要になるのではないかと思います。この点について定める市民参加関連法の動向にも注目する必要がありそうです。

 開発と権利のための行動センター
 青西

*今後時間をみて、追記修正する予定です。 

[1]生態流量:caudal ecologico
 日本でどのように定義されているのかはっきりわかりませんが、「流域生態系を維持するのに必要最低限の流量」と言えるかと思います。水力発電や工業用水など産業用の利用よりも生態系の保全が重視されているというのは重要な点であろうと思われます。水法案では第17条で、全ての流域で不可侵であり、必要とされる流量を守ることとされています。この規定でダムの存在自体が否定されるのではないかと私は考えています。

[2]法案についてはSecretaria Nacional del Aguaのサイトを参照のこと
  http://www.senagua.gov.ec/
 Usoは人間の消費などの、生命の維持や食料主権の保障に必要な水利用(第54条)、Aprovechamientoは産業的な水利用に対応している。(第64条)

[3]日本では水については憲法上の規定はなく、法律上も多数の法律で規定され、所管する省庁も複数にわたっているのとは大きな違いです。河川の管理は、河川法に基づいて国土交通省が、飲料水については水道法に基づき厚生労働省が、水質汚濁については環境省、また農業用水は農林水産省、工業用水は経済産業省の所管となっています。
 例えば次のサイトを参考に http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/b_about_us/about_us01.html
 また「地下水関連法制度とこれまでの地下水政策」についてはこちら
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/chikasui/seisaku.html

[4]水法を巡ってしばしば紛争の生じるグアテマラでは(憲法上の規定では、水は全て国家に帰属するとしても)中央政府に水管理の権限を集中するということ自体が、先住民族コミュニティの強い反発を招く規定となりうる。エクアドルの水法案では第2章に先住民族の集団的な権利が規定されている。

[5]第47条でも未来の世代に対する国家の義務が明記され、国家とその機関は未来の世代に十分かつ健康的な水を確保するための戦略や統合的なプログラムを適用していく義務があるとされています。

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2009/09/02

「植林モノカルチャーに反対する国際デー」に向けての声明文

 ワールド・レインフォレスト・ムーヴメント(WRM)のリカルド・カレーレ氏から、「森林モノカルチャーに反対する国際デー」に向ける国際宣言への署名を求める要請が届けられています。
賛同される方は次のアドレスに名前と組織名、国名を届けてくださいとのことです。
 E-mail 21sept@wrm.org.uy
また次のサイトでもスペイン語原文(カタルーニャ、英語、ポルトガル語、バアサ語、フランス語)にアクセス及びインターネット上での署名ができます。
http://www.wrm.org.uy/plantaciones/21_set/2009/declaracion.html

 開発と権利のための行動センター
 代表理事 青西靖夫

2009年9月21日の「植林モノカルチャーに反対する国際デー」に向けての国際声明

植林モノカルチャーの拡大に歯止めを!

 世界中で何百万ヘクタールという生産的な土地が、「森」だという仮面の下で急速に緑の砂漠に転換されつつあります。地域のコミュニティは、延々と続くユーカリや松、オイルパーム、ジャトロファなどの植林地に追われ、またそこからは様々な生物が消えてしまいます。地域のコミュニティの食糧主権を確保するために不可欠な耕作可能地が、輸出向け一次産品を生み出すための植林モノカルチャーに取って代わられつつあるのです。こうしたプランテーションによって水は枯渇し、汚染され、土壌は疲弊していきます。人権侵害も頻発しています。生計の手段は奪われ、土地から追われ、時には拷問や殺害という形の弾圧までが行われるのです。またコミュニティ全体が影響を受けるだけではなく、その中でも女性に対して大きな影響を与えます。
 社会的影響や環境への影響についての数多くの証拠にもかかわらず、こうした植林モノカルチャーはブラジル、南アフリカ、米国、マレーシア、カンボジア、コロンビア、スペインなどの国々で、FAOや二国間の援助機関、国連のフォーラム、各国政府、コンサルタント会社そして民間銀行や開発銀行など、様々な機関を巻き込んで進められつつあります。
 こうしたアクターの動きの背後にある動機は明らかです。製紙、製材、ゴム、オイルパーム、そしてビオチャールなどの企業が原料を安価に入手し、利潤を拡大するために人々の土地を奪おうとしているのです。北の反映している国々は、こうした生産物の浪費を通じて、植林モノカルチャーの拡大に深く関わっています。
 植林モノカルチャーの問題の広がりに対抗して、企業はFSCやPEFC、SFI、RSPO(注)など様々な認証制度に逃げ込んでいます。しかしこれらは事業を続けるために偽りの”エコロジカル”な信認を与えているに過ぎません。
 更に事態は深刻化しつつあります。気候変動の中で利益を得ようとする新しい企業セクターが、気候変動対策として、植林による二酸化炭素の吸収、アグロディーゼルや木材からのエタノールなどのアグロ燃料の促進、遺伝子組み換え樹種の導入などの誤った解決策を進めつつあるのです。
 しかしこうした企業の計画は、広がりつつある反対運動に直面しています。様々な国で人々が植林プランテーションに反対の声をあげています。また長年続いてきた世界的な運動が数多くの地域での闘いを結びつけ、植林プランテーションで苦しんできた人々の声を届けつつあります。
 植林モノカルチャーに反対する国際デーにおけるメッセージは明白かつ断固たるものです。「プランテーションは森林ではない」「植林モノカルチャーの拡大に歯止めを!」

(注)FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会) PEFC ( Programme for the Endorsement of Forest Certification ), SFI Sustainable Forestry Initiative(Iniciativa Forestal Sostenible), RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil 、持続可能なパームオイルに関する円卓会議

以下、送付されてきた時点での署名者
Firmantes

Chris Lang, WRM, Reino Unido – Alemania
Ginting Longgena, FOE-Indonesia, Indonesia
Guadalupe Rodríguez, Salva la Selva, Alemania
Javier Baltodano, Coecoceiba, Costa Rica
Nizam Mahshar , FOE-Malasia, Malasia
Phillip Owen, Geasphere, Sudáfrica
Premrudee Daoroung, TERRA, Tailandia
Ricardo Carrere, WRM, Uruguay
Wally Menne, Timberwatch Coalition, Sudáfrica
Winfried Overbeek, Rede Alerta contra o Deserto Verde, Brasil

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2009/06/04

映画化されたThe End of the Line/「飽食の海」

 2006年に岩波書店から邦訳が出版されている英国人ジャーナリスト、チャールズ・クローバーによる" The End of the Line"(邦訳名:「飽食の海 世界からSUSHIが消える日」)がドキュメンタリーとして映画化され、反響を呼んでいます。
 BBC  Film warns of 'world without fish'
  http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/8078234.stm
 Independent
  Charles Clover: This is the blue whale of our time
  http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/charles-clover-this-is-the-blue-whale-of-our-time-1695478.html
  Revealed: the bid to corner world's bluefin tuna market
 http://www.independent.co.uk/environment/nature/revealed-the-bid-to-corner-worlds-bluefin-tuna-market-1695479.html

 この映画にリンクする形でグリーンピースなどによるキャンペーンが行われており、既に俳優のロバート・デ・ニーロ氏と日本人シェフの松久信幸氏が展開している高級レストラン「ノブ」の英国店でも、メニューからはずさないものの、クロマグロについて絶滅危惧種であることを表示し、別メニューを勧めているといいます。
 http://endoftheline.com/ のサイトを参考のこと、映画の情報とキャンペーンの情報があります。
 日本語関連記事はこちら 
 クロマグロ食べないで!? 環境団体抗議 メニューに注意書き
  http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/m20090531016.html

 日本ではPARCのさかな研究会がマグロの調査を行っています。
 http://www.parc-jp.org/kenkyuu/2008/sakana.html
 またグリーンピースが昨年「国際海洋環境シンポジウム2008」というのを開催しており、このサイトの情報が充実しています。
   http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/susea/event_html
 パネルディスカッションでの討議内容など非常に興味深いです。
 しかしどちらのサイトからも次のアクションについて具体的な提起は見えてきません。

 開発と権利のための行動センター
 青西

 おまけ
 話は変わりますが、先日のブログ記事 「ホンジュラス:ガリフナ民族の食糧と協議への権利」で取り上げたカヨ・コチーノにおけるサンゴの劣化に関係していたブダイの減少は、サメの乱獲→バラクーダの増加→ブダイの捕食→藻類の増加→サンゴ劣化ということで、つまり回り回って、日本でも消費されている(厳密にカリブ海のサメのフカヒレを国内で消費しているかどうかはまだわかりませんが)フカヒレがガリフナの人たちにも影響を与えているということになるようです。
  http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/susea/event_afternoon_html
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2009/05/post-3609.html

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2009/05/12

アルゼンチンにおける農薬被害について:続報&コスタリカ

 4月に公表された、除草剤グリフォサートの毒性に関する調査結果に続いて、アルゼンチンの環境問題弁護士協会は最高裁判所に対して、違憲審査を請求し、グリフォサートの毒性について調査が行われるまで、販売・利用を停止することを求めている。更に、防衛省が、貸している土地におけるグリフォサートの利用を禁止したことで、農薬関連企業などの危機感が高まっている。
 こうした中で当該研究を行ったブエノスアイレス大学の研究者、アンドレス・カラスコに対して厳しい圧力が加えられている。農薬関連企業や企業家団体、また一部の公務員などからも研究者としての評判を傷つけるような攻撃が相次ぎ、更には匿名の脅迫もなされているとのことである。
El glifosato llegó a la Corte Suprema
  http://www.pagina12.com.ar/diario/sociedad/3-123304-2009-04-16.html
“Lo que sucede en Argentina es casi un experimento masivo”
  http://www.pagina12.com.ar/diario/elpais/1-124288-2009-05-03.html
Un apoyo a la libertad de investigación
 http://www.pagina12.com.ar/diario/sociedad/3-124689-2009-05-11.html
Argentine herbicide lawsuit alarms soy farmers
 http://www.reuters.com/articlePrint?articleId=USTRE5464Q820090507
NOVEDADES SOBRE LA ACCIÓN DE AMPARO ANTE LA CORTE SUPREMA POR AGROTÓXICOS
http://www.aadeaa.org.ar/novedades.htm
アルゼンチン:グリフォサートの毒性について調査結果が公表される
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2009/04/post-9249.html

2:コスタリカの先住民族女性と農薬被害
 バナナ・プランテーションで働き、農薬にさらされている先住民族女性に高い割合で呼吸器系の疾患が見られるとのことである。
Pesticidas afectan a mujeres indígenas en Costa Rica
http://www.scidev.net/en/news/costa-rica-pesticide-exposure-affects-indigenous-w.html
Pesticide Exposure and Respiratory Health of Indigenous Women in Costa Rica
http://aje.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/kwp060v1

 開発と権利のための行動センター
  青西

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2009/04/21

気候変動に関する先住民族サミット

INDIGENOUS PEOPLES’GLOBAL SUMMIT ON CLIMATE CHANGE
4月20日~24日にかけてアラスカで気候変動についての先住民族のサミットが開かれているとのことです。
http://www.indigenoussummit.com/servlet/content/home.html
1. BACKGROUND DOCUMENTSのサイトから関連情報にアクセスできます。
http://www.indigenoussummit.com/servlet/content/background_documents.html

青西

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2009/04/20

アルゼンチン:グリフォサートの毒性について調査結果が公表される

 アルゼンチンで近年大豆生産が拡大しているが、そこで広く使われているグリフォサート(商品名ラウンドアップ)が神経系や心臓に変形を引き起こす可能性がある、という報告書が公表されたというニュースがアルゼンチンのパヒナ12紙に掲載された。[1]
  この研究はブエノスアイレス大学薬学部の「分子発生学研究所」が両生類の胚を利用して行ったものであり、グリフォサートが胚の正常な成長に影響を及ぼすことが確認されたという。研究所はこの結果は人間においても比較しうるものであると述べ、早急な使用の制限と長期的な影響調査を行うことが重要であると指摘している。
 アルゼンチンでは大豆生産の拡大に伴って急速に農薬使用量が増えているとのことであり、1996年に3千万リットルだった使用量が2007年には2億7千万リットルにまで急増している。[2] 特にモンサント社のグリフォサート耐性を組み込んだ遺伝子組み換え大豆の広がりによって、広範にグリフォサートが利用されるようになったのである。こうした中で先住民族組織や農民組織などは農薬の健康被害について告発を続けてきていた。 
 
 
[1]El tóxico de los campos
  http://www.pagina12.com.ar/diario/elpais/1-123111-2009-04-13.html
[2]Venenos en alza
 http://www.pagina12.com.ar/diario/elpais/subnotas/123111-39358-2009-04-13.html
<参考>>
GRUPO DE REFLEXIÓN RURAL というアルゼンチンのNGOでは農薬の空中散布に反対するキャンペーンを展開しつつづけている。  http://www.grr.org.ar/campanapdf/index.php
今年一月にも「農薬を撒かれる人々」と題された報告書を発行している。
Pueblos Fumigados:Informe sobre la problemática del uso de plaguicidas en las principales provincias sojeras de la Argentina
http://www.grr.org.ar/trabajos/Pueblos_Fumigados__GRR_.pdf
また開発と権利のための行動センターのブログでもアルゼンチンにおける大豆生産関係として次のようなニュースを紹介している。
大豆生産に追われるアルゼンチンのウィチ民族
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2009/01/post-2c51.html
大豆生産と南米ーアルゼンチンにおける大豆生産拡大の影響
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/post_b4ea.html

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2009/04/15

チリのサケ養殖における抗生物質利用について

 3月16日、チリ、経済省は水産養殖業における「抗生物質の利用と管理計画」という報告書を発表。サケ養殖における抗生物質の利用を管理、規制するための計画を発表した。この計画は水産養殖衛生基準(RESA)に組み込まれるという。
 この計画では、養殖密度、オール・イン/オール・アウト、強制的休閑、死亡個体の除去、予防目的での抗生物質の利用禁止、登録薬品の利用、抗生物質利用に関する報告システムの整備などが含まれているという。[1](これを読むとこれまでは全くの野放し状態であったように読めるのだか・・・) 
 国際的な海洋NGOであるOCEANAはこの計画を歓迎する声明を発表する一方で、キノロン系の抗生物質の利用が禁止されていないことに遺憾を表明している。また今後この計画をどのように履行していくかが重要であると指摘している。[2]
 開発と権利のための行動センター
 青西
[1]Ministerio de Economía da a conocer informe sobre uso de antibióticos en la industria del salmón
http://www.economia.cl/1540/article-188515.html
[2]Oceana Welcomes the Chilean Government's Plan for Reducing Antibiotics in Salmon Aquaculture, and Calls for Additional Measures
http://oceana.org/north-america/media-center/press-releases/press_release/0/986/

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2009/04/03

なぜかグローバルな動きの外にいるサケ養殖の問題

       このブログでも過去に何度か取り上げてきたテーマとしてチリにおけるサケ養殖の問題があります。日本ではどこのスーパーに行ってもチリ産のサーモンを使った塩鮭の切り身を見つける事ができる一方で、チリでは複数のNGOがサケ養殖の問題を取り上げたキャンペーンを行っているにもかかわらずそれが日本でほとんど紹介されていない、このギャップの中でわずかでもと思い、情報発信をしてきました。(チリのカテゴリー参照)

        それでもやはり手が回らないので、なかなかタイムリーな情報発信はできません。どなたかリンクできる情報などありましたら教えてください。
       さて、今日は、養殖サケの問題を扱っているグローバル・キャンペーンのサイトを紹介します。これは米国やカナダ、チリ、ノルウェーなどの組織が過去3年にわたって毎年世界的なキャンペーンを行っているものです。養殖サケが海洋生態系に引き起こす影響なども指摘しています。排泄物や利用される薬品による直接的な汚染だけではなく、養殖サケによる寄生虫や病気の増加、自然界に流出したサケによる拡散などの問題を指摘しています。
        http://farmedsalmonexposed.org/index.html
      世界の10ヶ国、30以上の団体が参加しているこのキャンペーンの組織団体の中に、日本の団体の名称はありません。別にこうしたキャンペーンにくっつかなくても、いろいろな情報が行き渡っているというのであればいいのですが、どうもそうとは思えません。
      この分野の話に詳しいわけではないので、どなたか詳しい方がおられましたら教えて頂ければと思います。

付記(4/7)次のような記事も見つけました。

Acuicultura Insostenible en Chile. El salmón, por el mismo camino que el salitre y el carbón. 29-03-09, Por Dr. Marcos Sommer http://www.ecoportal.net/content/view/full/85031 

参考文献等も掲載されていますので関心ありましたらどうぞ。

       
        開発と権利のための行動センター
        青西靖夫
   
 付記:
   WWFのサイトで関連の話題が取り上げられています。
  http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/index.htm
 海洋生態系関係としては次のような国際NGOが存在するようです
   OCEANA: http://oceana.org/
  Blue Ocean Institute :  http://www.blueocean.org/home

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2009/04/02

コロンビア:気候正義とローカルなオータナティブの再評価を訴える

  コロンビアの環境活動家、イレーネ・ベレス(Irene Velez)さんと語る
 南米コロンビアから、FoE Japanの招きで「途上国における温暖化対策~責任ある支援とは?」 というテーマのシンポジウムに参加するために来日したイレーネ・ベレスさんからコロンビアの状況について話を聞きました。イレーネさんはコロンビアのCENSAT-Agua Vivaという環境NGOに所属し、現在「気候正義:フスティーシア・クリマティカ」というキャンペーンを担当しています。今回はこの気候正義というキャンペーンに加えて、コロンビアの先住民族の動向やアグロ燃料政策についても話を聞きました。

Q:コロンビアの先住民族運動の動向について教えてもらえますか?
 昨年10月の蜂起、ミンガ(先住民族の共同運動)は非常に重要で、また象徴的なものでした。社会に先住民族のニーズに目を開いてもらうだけではなく、ほかの分野で活動する社会運動とつながっていく重要な機会となりました。この運動はコロンビアのカウカ地方の先住民族から始まり、他の地域の先住民族組織に広がっていきました。そして今年は、10月12日、コロンブスのアメリカ大陸「発見」の日、大陸レベルでのミンガが計画されています。ブラジルで開催されていた世界社会フォーラムでもこの方針が確認されています。 
 こうした環境団体と先住民族組織の連携の一環として、気候正義の構築に取り組んでいます。気候的な不正義が私たちに影響を与えています。特に貧困層、マージナルな層が気候変動の被害者となっています。そこに環境運動と先住民族運動を結びつける可能性があります。世界社会フォーラムにおける先住民族宣言も、気候正義の追求を目標として掲げています。
  まず3月18日、19日にはコロンビアのポパヤンでボリビアやエクアドル、コロンビアなどのアンデス地域の先住民族を招いて、気候正義のための計画を作成する予定です。そのあとペルーにおいても先住民族組織の集まりがあります。こうした集まりを通じて、様々な社会運動を結びつけ、10月12日に向けて、母なる大地を守るための世界的な動きを作っていきたいと考えています。

Q:気候変動対策の一つとしてもてはやされているオイル・パーム生産はコロンビアではどのような影響を引き起こしているのですか?
  オイル・パームはパナマから続くチョコ地方からカウカ、ナリーニョへと積極的に拡大が進められています。これらの地域は熱帯雨林地域で、アフリカ系民族が多く居住する地域です。しかし問題は非常に複雑で、国内における暴力の問題と深く結びついています。背後には軍事的な目的もあります。この地域には強力なパラ・ミリタリーの存在がありますし、地政的なコントロールという目的もあります。麻薬組織にとっても海への出口を確保するという点で重要な位置にあります。こうしたことがオイル・パームの拡大に伴い、この地域では暴力が広がり、同時に大量の国内避難民が生み出されるという問題があるのです。チョコ地方からはカリに多くの避難民が流出しています。
 違法な暴力的なプロセスに加えて、合法的な手段を通じてもオイル・パーム生産は拡大されつつあります。気候変動対策ということで、アグロ燃料生産に政府から植林インセンティブの補助金が出され、またバイオ・ディーゼルの混合を義務化する法律も定められました。
 パラ・ミリタリーとの和平協定もオイル・パームの広がりと関係しています。武装解除に応じたパラ・ミリタリーに対して土地へのアクセスが認められました。しかし紛争の中で土地は既にパラ・ミリタリーに押さえられていたのです。暴力によって既に人々は逃げ出し、残った人たちも恐怖の中で口を開くことはありません。こうした土地でオイル・パームが生産され、この取引はパラ・ミリタリーによってコントロールされています。この地域では人権の問題が、環境への権利と深く結びついているのです。
 またこの地域の人々はオイル・パーム生産に追われているだけではなく、今、気候変動によると思われる洪水にも苦しめられています。人々は気候変動によって2重に苦しめられているのです。

Q:パラ・ミリタリーが土地を得ているのですか?
 パラ・ミリタリーは、市民社会に再統合されるというプロセスを経て、現在は「一般の市民」として土地を得ることができます。その上でオイル・パームへの補助金などを背景に、大地主=元パラ・ミリタリーが土地を拡大するという動きが進んでいます。
 例えばリオ・ミラ地域では、パラ・ミリタリーがコミュニティに土地を売るように要求するというケースがありました。コミュニティの人にとっては、聞かなければ殺害されるわけで、土地を渡しています。こうして大地主は以前よりも大きな土地を所有しています。法的には彼の土地ですが、その背後に暴力的な土地からの排除が存在しているのです。
 また次のようなケースもあります。企業が、(元)パラ・ミリタリーを伴って土地の購入交渉にやってくるのです。今は農園のガードマンだとしても、コミュニティの人たちはそれが誰だか知っています。ですから、命を危険にさらすより、土地を引き渡すことを選ぶのです。

Q:国内避難民(デスプラサードス)の問題は?
 これはコロンビアでも最も難しい課題だと思います。領域の支配と資源の管理をめぐる国内外の様々な思惑、利害から生み出されたものと言えるでしょう。人権問題であり、パラ・ミリタリーとゲリラ双方による暴力の問題であり、領域支配の問題でもあります。鉱業やアグロ燃料生産、コカの生産と輸送など、様々な利害を背景に人々が土地から排除されているのです。
 避難民は増加を続けており、大きな社会問題となっています。避難民は町に流れ込み続けています。政府の支援は当初の3ヶ月間のみで不十分なものです。一部屋の住居を提供し、食糧を援助し、月に120ドルほどの補助金を提供するだけです。しかし3ヶ月が過ぎると、無防備なまま町に投げ出されるのです。こうした状況下で暴力も増加しています。それでも少数の人は仕事を得ることができますが、非常に不安定な状況です。多くの避難民が街角で飴を売るといったインフォーマル・セクターに流れ込んでいるのです。
 こうした事態は出身地での土地を巡る利害によって引き起こされているのです。

Q:どれぐらいの人数の国内避難民がいるのですか?
 政府は昨年、約2百万人の避難民がいるという報告を出しています。しかしCODHESという人権団体の報告は4百万人という数字を示しています。しかしこの数字は大都市への流入数だけで、地方の中小都市にどの程度流入しているのかという正確な数字はありません。この問題は公式数字が示しているよりももっと大きな問題なのです。

Q:避難民としての登録は?
 避難民は、政府に報告することとなっています。しかし誰がちゃんと報告するか、またできるのかという問題があります。多くの人々が脅迫を受けて土地を離れているのです。ですから報告をすれば再び自分を危険にさらすことになります。ですので、多くの人たちが報告をしません。また報告するにしても、どこから来たのか、ということが問題になります。内戦中にあるとされた地域からの避難民だけが正式に認められます。しかし政府がパラ・ミリタリーと和平協定を結んで以来、パラ・ミリタリーの支配地域は法的には「平和」だ、ということにされています。そこで、こうした地域からの避難民は、避難民としては認められないのです。
 更に、避難民に対して十分な情報の提供が行われていないという問題もあります。町のバス・ターミナルに到着しても、そこからどこに行っていいかわからないのです。運よく関係機関の人と出会うことがなければ、そのまま忘れ去られてしまいます。
 しかし登録がなされないと、避難民の子どもたちは教育を受ける機会を奪われたままとなります。さらに学校側が違う環境で育ってきた避難民の子どもたちを差別し、学校に受け入れないということもあります。

Q:元の地域に戻ることはできませんか?
 まだ地域に戻れる状況にはありません。政府はそうした状況が回復されてきているといい、昨年15家族が帰還しました。しかしこれは宣伝にすぎません。何百万人という中で15家族というのはどうやって選ばれたのでしょうか、元パラ・ミリタリーだと考えた方がいいでしょう。また政府は「ファミリア・グアルダボスケ」というプログラムも行っていますが、実際にはオイル・パーム農園のガードマンに過ぎないと考えられます。

Q:シンポジウムの中で「土地の解放が必要だ」と発言されていましたが、どのようなことを考えているのですか?
 これは先住民族やアフリカ系民族とともに取り組みつつある課題です。環境紛争や、社会紛争の多くが、資源の悪質なコントロールに起因しています。こうした流れに対抗するには、自然資源だけではなく、文化、伝統的な財産などを含む「土地の解放」を求める必要があると考えています。土地、テリトリーそしてそこに生きる人々を含む、土地を解放することです。資本主義の欲望を、テリトリーから排除し、人間が再び存在できるようにすることが必要です。コミュニティにおける「良き生き方=Buen Vivir」の実現は、土地が資本主義の欲望から解放されてはじめて実現できるのです。

Q:日本の市民社会へのメッセージをお願いします
 北の国々がこれまでのような大量消費型の社会を続けている限り、社会が変わることは難しいでしょう。南の国々は環境正義も社会正義も実現することはできず、持続的な社会を実現することは南の国々にとっても北の国々にとっても不可能でしょう。生産と消費という現行のシステムを変えなければなりません。鉱物や石油の開発を止めなくてはなりません。地下資源の開発が続く限り、これまで支配され、排除されてきた人たちが、排除され続けることは変わらないでしょう。
  オータナティブを考えるときには、新しいものを考えるのではなく、これまでに生み出されてきたものを振り返ることが重要でしょう。何世紀にもわたって、持続的な資源の管理を実現し、平和と尊厳を維持してきた、先住民族や農民のコミュニティの経験が存在するのです。これまでの生き方を振り返ることの中に、危機に対処するオータナティブは存在するのです。こうしたローカルなオータナティブを支援していくことが重要です。
 環境紛争や社会紛争を考える時には構造的な問題、歴史的な不平等や現在の不平等の根本的な原因に目を向けることが必要です。持続的な社会のためには、消費を減らし、ローカルなオータナティブを認めていくことが必要です。
(インタビュー 3月12日)

まとめ 青西靖夫

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2009/03/11

エクアドルの環境団体に対して政府の圧力

 3月9日、エクアドルの環境団体であるアクシオン・エコロヒカが政府からその法人格を剥奪されました。報道によりますとコレア大統領は、NGOは「好き勝手を行い、不適切に政治に介入している」とみなし、また「国内には三万のNGOなど非営利組織が存在するがその95%が法的な手続きを満たしていない、こうしたものを排除するのだ」と語っているとのことです。[1]
 これに対し、アクシオン・エコロヒカは「設立目的を逸脱している」という名目で法人格の剥奪を命じられたとのことで、政治的弾圧だと告発しています。HPにおいてアクシオン・エコロヒカは次のように訴えています。
「アクシオン・エコロヒカは、エクアドルの新憲法にも定められている、自然資源を守り、健康な環境を保全し、自然の権利を擁護するという目的と原則にそって活動してきたのであり、これは健康への権利も含んだ"BuenVivir "(良き生き方)に到達する基盤でもある」
「1986年に法人格を取得して以来、年次報告といった義務を果たしてきており、いまだかって一度も観察意見等を受け取ったことはなく、対話もない今回の手続きは正当な手続きとは言えない」
「これは単なる行政的な整理ではなく、アクシオン・エコロヒカが様々な組織と行ってきた、特に鉱業法と大規模な鉱山開発に反対する活動への報復であることは明らかである」[2]

 エクアドルでは新憲法制定後に定められた鉱業法が、憲法に定められた権利を侵害し、また多国籍企業を優遇するものであるという批判が高まっており、NGOや先住民族組織と、鉱業法に基づき鉱業開発を促進したいコレア大統領との溝が深まっていました。世界も最も環境に配慮している憲法の一つであろうエクアドル新憲法下で、このような形で環境団体へ圧力がかけられるということは非常に残念な出来事です。
 また昨年来凍結されていた二つの鉱山の操業が許可されたという報道もあり、環境と鉱業開発を巡って、また4月26日の総選挙に向けて緊張が高まっていくことが予想されます。
追記:この件について、アクシオン・エコロヒカのサイトにはエドゥアルド・ガレアーノやノーベル平和賞受賞者のアドルフォ・ペレス・エスキバルなどの声明が掲載されている。

[1]http://www.expreso.ec/ultimas-noticias/?codigo=2009310142752 他
[2]アクシオン・エコロヒカ http://www.accionecologica.org/index.php

開発と権利のための行動センターでも現在対応を検討中である。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2009/02/15

特別セミナー:地域の元気で温暖化を防ごう!高知県梼原町

 「水と大地のネットワーク」としての新しい取り組みです。
http://homepage3.nifty.com/CADE/AguaTierra/Aguatierra.htm

地域の資源を利用した小規模水力発電の可能性
地域の電気と元気で自立した地域社会を目指す
2月28日 高知県梼原(ゆすはら)町

 地球温暖化防止のためには、国際的な取り組みだけではなく、地域からの取り組みが不可欠です。
 今回は地球温暖化対策に先進的に取り組んでいる高知県梼原(ゆすはら)町に協力頂き、日本でも有数の豊かな水資源を有する高知県における、自然に優しい小規模水力発電の可能性について学ぶとともに、小規模水力発電による地域社会の活性化の可能性について、ともに考え、意見を交換しながら、将来の展開に向けてのネットワークを広げていきたいと考えています。
 またそれぞれの地域が有している自然の力を持続的に利用しながら、自立的な社会を築いていくことを通じて、地球温暖化防止のためのモデルを国内外に提起していくことは国際社会に向けても重要な発信ともなります。
梼原町は2009年1月、内閣府の環境モデル都市にも選定されました!

開催日時:2009年2月28日(土) 13:30~
会場  :高知県梼原町役場大会議室
     高知県高岡郡梼原町梼原1444番地1
内容
講義1:小規模水力発電の可能性について考える
     講師:小林久(茨城大学)
講師プロフィール:小林久
茨城大学農学部地域環境科学科准教授全国小水力利用推進協議会理事
専門分野は農村計画学、地域資源学

講義2:梼原町における自然エネルギー/小規模水力発電の取り組み
講師:梼原町環境推進課  岩本直也課長、矢野準也 
講師プロフィール:梼原町
梼原町は全国に先駆け、多様な自然エネルギーの導入に取り組んできた。風力発電や木質バイオマスに加えて小水力発電も実現
現場視察:梼原町小水力発電予定地

参加費 無料

主催:「水と大地のネットワーク」/開発と権利のための行動センター
http://homepage3.nifty.com/CADE/AguaTierra/Aguatierra.htm

協力:梼原町、梼原町森林組合、によど雑木団
連絡先:「水と大地のネットワーク」/開発と権利のための行動センター
古谷桂信(090-1899-8900)furuya-k@cello.ocn.ne.jp

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2009/02/14

WWFが進める水産養殖認証に地域のNGOなどから批判の声

 WWF(世界自然保護基金)は現在、持続的な水産養殖を進める目的でこの分野における認証制度の確立を目指している。[1]しかしながらこれに対して、様々な地域で活動する環境保護団体が異議を唱えている。
 一つには、この動きがエビ養殖の被害を受けている多数の人々を排除して進められていることがあげられている。コロンビアに事務局を置く、Redmanglar Internacional はエビ養殖産業が各地で引き起こしてきた人権侵害や環境破壊を訴えるとともに、こうした問題を引き起こしてきたエビ養殖を認証するということは法的にも倫理的にも受け入れることができないと述べている。またこうした認証制度が、これまでの違法行為に対する法的措置をすり抜ける口実に使われる危険性を指摘している。[2]
 Mangrove Action Project他諸団体による声明文も、この認証制度が産業志向型であり、先住民族や地域コミュニティの、権利を有する人々の声を反映していないことを批判し、WWFに対してこの動きを中止し、影響を受けているコミュニティの参加に基づく真の対話を進めることを要請している。また環境面や技術面だけではなく、社会的な、また権利の尊重を基準にしていく必要を指摘している。[3]
 
 この動きについての詳細はまだ読めていませんが、WWFのサイトにこれまでの「対話」の報告などが産物ごとに掲載されています。[4]
 生産国としても、消費国としても世界で非常に重要な(問題のある)立場にある日本の関係機関がコミットしているのかもわかりません。どうやらかやの外という感じに見えます。
 関心のある方是非動きを教えてください。
 
 開発と権利のための行動センター
  青西靖夫
[1]WWF  WWF To Help Fund Creation Of Aquaculture Stewardship Council
   http://www.worldwildlife.org/what/globalmarkets/aquaculture/whatwearedoing.html
[2] MANIFIESTO PÚBLICO CONTRA EL PROCESO DE CERTIFICACIÓN DE LA ACUICULTURA INDUSTRIAL DEL CAMARÓN(2008/11/3)  http://www.redmanglar.org/redmanglar.php?c=771
[3] PRESS RELEASE: Int'l NGO Network Opposes WWF’s Decision To Form Aquaculture Stewardship Council(2009/2/5) http://www.mangroveactionproject.org/news/current_headlines/MAP_Press_Release_5_Feb_2009
[4]  http://www.worldwildlife.org/what/globalmarkets/aquaculture/publications.html

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2008/11/26

チリ:サケ養殖に関する情報

チリのサケ養殖産業の問題はまだまだ続いているようです。

1) チリ:私たちのお金をつぎ込むな!(2008/10/24)
 チリの南部のプエルト・モン、チロエ、アイセンなどに大きな社会的、環境的な問題を引き起こしているサケ養殖産業に対して、チリ政府が更なる支援を行うことに抗議の声が上がっています。
 この声明では、チリ政府は2億5千万ドルをノルゥェー、スペイン、日本の多国籍企業も含まれるサケ養殖産業につぎ込もうとしていることに対して、適切な衛生管理を怠った企業が伝染性サケ貧血症 (ISA)ウィルスが持ち込んだことに端を発する「危機」に対して公費で支援することに疑問を呈しています。
 また既に様々な支援策が行われていること、近年非常に高い収益性をあげてきた産業であることも訴えています。そうした中にはノルウェーで最も豊かな人物とが所有する養殖会社も含まれているとのことです。
 こうして大企業はISAウィルスによる危機を利用して、費用を外部化し、国家や労働者そしてチリの住民に押しつけようとしているのだと告発しています。
 
 更に、チリの養殖産業における問題点として、危険な労働条件におかれており、ここ44ヶ月で58人の労働者が死亡していること、抗生物質の濫用(ノルウェーに較べて170倍から300倍)などの問題を指摘しています。
  Ecoceanos
http://www.ecoceanos.cl/index.php?option=com_content&task=view&id=7254&Itemid=52(英語)
http://www.ecoceanos.cl/index.php?option=com_content&task=view&id=7193&Itemid=52(西語)

2)ISAウィルスの広がり
 まだウィルスに汚染されていないとみなされていたマガジャネス地方でもウィルスが発見されているとのこと。
  http://www.ecoceanos.cl/index.php?option=com_content&task=view&id=7334
  http://www.ecoceanos.cl/index.php?option=com_content&task=view&id=6514
  更に淡水のマス類からもウィルスが発見されているとのこと。
   http://www.terram.cl/index.php?option=com_content&task=view&id=3130

 チリのサケ養殖については、時々情報を追いかけているだけですが、どこのスーパーでも見かけるチリ産のサケの向こうに、労働問題や環境問題が厳然と存在することを忘れることはできません。
 前にも書いたように思いますが、やはり日本からも消費者団体なり、購入している生協なりが調査チームを組んで、現地の状況を把握し、報告していくことが重要なのだろうと思います。消費者として「企業の社会的責任」を問うためにはやはり情報が不可欠です。

 ちなみに日本語のニュースとして次のようなものもあります。
サケ養殖でノルウェー「マリーン・ハーベスト」社、チリやカナダの現地から非難される(IPSJapan2008/07/09)
  http://www.news.janjan.jp/world/0807/0807081542/1.php

 行動センターのこれまでの記事はカテゴリーに新設しました「チリ」から確認ください。
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat20817999/index.html

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/11/14

ブラジル:アマゾンのマデイラ川に巨大ダム

 2009年6月6日 修正
 6月6日にこのダムの最終建築許可が環境省の担当部署から出されたとのことである。 Brazil approves Amazon hydro-power dam
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE5530D520090604?feedType=RSS&feedName=environmentNews
 11月に出された期間を限定したライセンスが失効し、その後最終建設許可が下りたということのようです。

 下:11月14日 アップ
 アマゾンのマデイラ川に計画されていた巨大ダムに遂に建設許可
 現地からの報道によると、ブラジル政府はマデイラ川に計画されていたジラウ・ダムに対する建設許可を今週中にも行うとのことである。このダム建設については、既に今年5月に入札が行われていたが決定が遅れていたものである。
 このダムは3300MWの発電量を見込む巨大ダムであり、既に入札が終わっているサン・アントニオ・ダムとともに、6450MWの発電を行う計画である。
 しかしこのダム建設には数多くの問題が指摘されており、ブラジル国内また同じ水系の上流に位置するボリビアの環境団体や住民組織から強い反発を招いている。アマゾン流域では数多くの人たちが豊かな川の恵みで生活しているが、これらのダム建設が河川生態系に及ぼす影響は計り知れない。河川を長い距離に渡って回遊する魚種も多々いるのである。
 技術的にも堆砂の問題が指摘されており、公式の計画である50年も利用できないであろうと指摘されている。長くてもたったの50年である・・・更に上流部の金鉱山からの水銀が流入・堆積し、濃度が高まる危険性も指摘されている。
 
 このダムはまた発電用だけではなく、4000キロを超える運送用水路計画とも結びついている。この水路が整備されると、アマゾン地域に深く侵入しつつある大豆の搬出ルートとなることが想定されている。
 また新しい動きなどわかりましたらお伝えします。
 開発と権利のための行動センター
 青西

Brazil to clear contested Jirau hydro dam work

http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE4AC0V820081113
<参考資料・サイト>
International Rivers
Introduction and Article "The Madeira Hydroelectric and Hidrovia project – Cornerstone of IIRSA"
http://internationalrivers.org/files/Madeira%20Article%20English.pdf
Madeira River Fact Sheet
http://internationalrivers.org/files/MadeiraFact.pdf
"Muddy Waters" Executive Summary
http://internationalrivers.org/en/sedimentation/muddy-waters-executive-summary

Bank Information Center のMadeira関連資料サイト
Águas Turvasのポルトガル語全文へのリンクもあります。
http://www.bicusa.org/es/Project.Resources.10138.aspx

行動センターブログ
2008/01/29:アマゾン地域の大規模水力発電計画と先住民族
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/01/post_3d22.html
2008/10/07:中南米におけるダム開発問題
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/10/post-c444.html


 

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2008/11/13

森林認証制度に対する批判

FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)による認証制度は日本でもだいぶ受け入れられているようです。[1]しかしながら、国際的にはFSCに対する批判も高まっています。
 この11月3日から7日にかけて行われたFSCの総会に向けて、世界熱帯雨林行動(Movimiento Mundial por los Bosques Tropicales/WRM)など中南米のNGOは、大規模植林モノカルチャーに対する認証を中止するように求める声明を発表しています。[2]
WRMはこれまでにもFSCの認証制度に関する問題を訴えてきています。[3]
 グリーンピースは制度的な側面からFSCを検証した報告書Holding the line with FSCを公表しています。[4]
  またmongabay.comではForest certification system needs reform to ensure sustainability という記事を掲載しています。[5]
 FSCの立ち上げに関与しつつも、その後の動きに疑問を持つメンバーが立ち上げたFSC-WATCHというサイトもあります。[6]

 CDMにしてもFSCにしてもバイオ燃料にしても、世界中で様々な組織が現場での声を集め、批判的視点からモニタリングを続けています。またそうした組織も多々存在しています。しかし日本ではインターネットで情報を探しても、出てくるのは企業や投資家向けの情報ばかりです・・・

 開発と権利のための行動センター
 青西

付記:日本の人工林も言ってみれば、植林・モノカルチャーなわけですが、これは地域コミュニティと土地との結びつきの上で営まれる生業と言うことができます。しかし、海外では、外国資本がやってきて、日本人には想像が不可能な面積の土地が、単一の樹種で覆いつくされる人工林ができあがります。土地から排除されるか、そうでなくても、それまでの生活は一変します。それまでの、土地と、地域の生態系と結びついた生活は失われてしまいます。生態系も当然のことながら大きく変わってしまいます。
 地域の人々の声を伝えるのはまた日を改めて・・・

[1] http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/a04_14.html
[2]http://www.wrm.org.uy/actores/FSC/comunicado_wrm_03_11_08.html
  英語:http://www.wrm.org.uy/actors/FSC/press_release_03_11_08.html
[3]http://www.wrm.org.uy/actores/FSC/inicio.html 
WRMのサイトには英語もありますので、そちらからも情報にアクセスできますhttp://www.wrm.org.uy/index.html 
[4] http://www.greenpeace.org/international/press/reports/holding-the-line-with-fsc
    http://www.greenpeace.org/raw/content/international/press/reports/holding-the-line-with-fsc.pdf
[5] http://news.mongabay.com/2008/1103-greenpeace_fsc.htmll
[6] http://www.fsc-watch.org/

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2008/10/12

エクアドル新憲法について(08/10/12)

 国内での報道以外にも、エクアドル新憲法の革新的な部分をいくつか見ていきたいと思います。 (少しずつ適宜追記していきたいと思います)

 Buen vivir/良き生き方
 前文において私たちが築いていくことを決意するとして、「良き生き方、sumak kawsay」が取り上げられています。これはvivir bien としてボリビアの新憲法案でも取り込まれている概念ですが、この前文では「良き生き方、sumak kawsayを達成するために、多様性と自然との調和に基づく市民の共存の新しい形を築き上げていく」ことが第一に掲げられています。
 Buen vivirが訴えるのは、他の人や自然を省みず、それらを押しのけて「よりよい生活」を求めるのではない、調和に基づく自然そして人間の共存と考えられます。
 第275条においても、開発はこの「良き生き方」の実現を保証するためと位置づけられ、「『良き生き方』は、人、コミュニティ、民族が、通文化性、多様性への尊重、自然との調和的共存に基づき、権利を享受し、責任を果たすことを必要とする」、と定められています。

 水・食糧・環境への権利
  第12条~15条では「良き生き方の権利」として水、食糧、環境そして情報についての権利が記されています。
 第12条では、水への人権が本源的なものであり、放棄することはできないことが定められ、第13条では食糧へのアクセスの権利を有すること、更には地域において、多様な文化的伝統に基づいて生産された食糧が望ましいことが定められています。

 環境に関しては、第14条で生態的に安定した、健全な環境の中で生きる権利を確認し、環境保護、生態系、生物多様性、国の遺伝子資産総体の保全、環境破壊の予防、劣化した自然空間の回復を、公益であることを宣言しています。
 更に第15条では、環境に対してクリーンな技術の利用と代替エネルギーの利用を促進、また生物・化学・核兵器の開発・生産・保持・流通・輸入・通過・保管及び利用を禁止し、核廃棄物や有毒廃棄物の領土内への持ち込みを禁止しています。加えて、健康あるいは食糧主権、生態系に影響を及ぼす恐れのある遺伝子組み換え生物も同様に禁止されています。
 
 「自然の権利」 
 第71条~第74条では「自然の権利」が規定されています。
 第71条では「生命が再生産され、実現される自然、パチャママは、総体としてその存在と維持そして再生を尊重される権利を有する」と定めています。自然自体の権利を認めるという憲法は画期的なものであり、BBCは世界で最初の憲法であると報道しています。また第15条に加え、第73条でも遺伝子資産を決定的に改変しうる生物、有機・非有機資材の導入を禁止しています。
 第395条から第415条にかけても「自然と環境」についての章がおかれ、ここでは環境に影響のある国家の決定に先立つ協議、環境への損害への対応などが定められています。生物多様性について、例外規定を設けつつも、「遺伝子組み換え作物のないエクアドル」を宣言するとともに、生物多様性に関連する集団的な知識に基づく生産物に対して、知的所有権他の権利の承認を禁止しています。また「土壌」に関しても、公益であり、国家の優先課題であると定めています。しかし環境の重視の一方で、第407条においては自然保護区であっても、非再生資源の開発に一定の可能性を残しています。
 
 先住民族の権利
 先住民族の権利については第56条から60条、及び先住民族の司法制度について第171条が定めています。こちらについてはまた後日検討したいと思います。

 開発の制度
 開発のための制度については第275条から第339条にかけて定められており、第275条では「良き生き方」の実現を保証するためと定義され、第276条では公正・民主的・生産的・連帯・持続に基づく経済システムの構築が目的の一つとして打ち出されています。それは開発の利益と生産手段の平等な分配と尊厳のある安定的な雇用の創出に基づくものとされています。、

 食糧主権
  第281条が食糧主権について定めています。全ての人及び民族に健康的かつ文化的に適切な食糧自給の達成を保障するため、食糧主権は国家の義務であり、戦略的な目標であると定められています。
 更に、中小規模生産者の促進、輸入食料への依存を避けるための政策の適用、多角化、生態的な技術また有機の促進、農民に土地、水と言った生産資源へのアクセスを可能とする分配政策の促進、農業生物多様性の保全と回復の促進、公正で連帯的な食糧の分配と流通を可能にするシステムの創出などが定められています。

  開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/10

エクアドルの新憲法について:報道から

  9月28日、エクアドルで新憲法案の是非を問う国民投票が行われ、64%の票で承認されました。この憲法は官報に掲載された時点で施行され、来年3月頃までには選挙が行われるとのことです。この国民投票の結果は日本の主要紙でも報道されています。まずは新憲法のポイントがどう報じられているかに限って整理してみたいとおもいます。 (最後のBBC-Mundoの記事以外は日本語です)  
 
 毎日新聞(08/09/30)
・大統領権限の強化:中央銀行の独立性を廃止し、通貨政策の権限が行政府に移行するなど
・「社会連帯経済」:「市場経済」の言葉は削除。
・外国軍の基地を置くことは禁止。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080930ddm007030093000c.html
 日経(08/09/29)
・中央銀行を大統領の指揮下に置き経済政策の権限を政府に集中。
・石油や鉱工業、通信などの政府の管理を強める。
・貧困層を重視した社会・経済改革を後押し。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080929AT2M2900729092008.html
 時事(08/09/28)
・大統領の権限強化:大統領が判事を指名する憲法裁判所の新設。
・政府による生産性の上がらない土地の接収。
・石油・通信など基幹産業への管理強化を規定。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200809/2008092900094
 CNN(08/09/29)
・大統領の権限を強化し、コレア大統領がさらに2期連続で大統領職に就くことを認めた。
・中央銀行などの主要機関は大統領の指揮下に置く。
・大学教育の無料化。
・自宅で子供を育てる母親の福利厚生充実。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200809290016.html
 赤旗(08/09/30)
・経済体制を「社会的、連帯的」とし、市場に対する国の管理を強化。
・無償の教育や医療。
・不安定雇用の禁止。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-09-30/2008093007_01_0.html
 赤旗・主張(08/10/04))
・社会連帯を基礎に国民生活を向上させる経済をつくる。 
・「平和の領土」と宣言し、外国の軍事基地・施設の設置を認めない。
・核・生物・化学兵器の生産や保持、通過を禁止することなどを明記。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-10-04/2008100402_01_0.html
 クリスチャン・トゥデイ
・大統領の権限強化:中央銀行の独立性を廃止して金融政策の権限が行政府に移行。
・大統領の2期連続再選(1期4年)を可能とし、議会解散権、選挙の前倒し
・貧困層への再分配:主産業である石油の収益の半分以上を国家が吸い上げ再配分。
・カトリック教会は、新憲法が妊娠中絶と同性結婚を合法とする内容を含むとして批判。
・反対する野党側は「新憲法は政府の集権化を招くと指摘。同様の形態の政府が機能しないことはすでに証明されているなどと非難」
  http://christiantoday.co.jp/main/international-news-1781.html

  BBC-Mundo Ecuador tiene la Constitución más verde
・自然の権利を認める。自然自体がその存在と再生産を尊重される権利を有する。
・全ての人は当局に対して自然の権利を要求できる。
・自然はその回復を求める権利を有する。 
  http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_7646000/7646918.stm

 ここまでの記事では先住民族の権利については触れていませんが、その点も含め、腰を据えて読む必要がありそうです。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/10/07

チリのサケ養殖問題

  チリのサケ養殖については今年の春に二度ほどこのブログでも触れました。[1][2]
 サケ養殖業の社会・環境的な問題を訴えてきている“Sin Miedo contra la Corriente”のサイトの情報によると現在でもチリではISA:感染性サケ貧血症ウイルスの影響で減産が続き、第10州、第11州だけで今年に入って8つのサケ養殖業者が3000人を解雇。このほかにも報告されない解雇や、間接的な雇用を入れると、影響を受けている世帯は更に広がっているとのことである。また現在の状況を引き起こすことにつながった養殖業界の活動の改善、規制の強化を行うことなく、これ以上他地域への移動を認めるべきではないと訴えている。[3]
 こうした状況の中、9月22日チリのNGO、Centro Ballena AzulやFundación Terramまた国際的な環境NGOであるOceanaやWWFなどはあらためて政府に対して、チリのサケ養殖の認可のモラトリアムを要請した。パタゴニアの沿岸はその生態系からもまた文化的にも重要なものであり、保全と持続的な利用が求められているにもかかわらず、サケ養殖業は生態系の保全を保証するだけの十分な条件がないままに進められいる。養殖を推進すべきかどうか、適切に決定できる規制や制度が確立されるまで、新しい水産養殖の認可を進めるべきではないと要請している。 [4]
  開発と権利のための行動センター
  青西 

[1]オックスファム:チリにおけるサケ養殖に関するキャンペーン
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/02/post_694d.html
[2] 「チリのサケを巡る議論(08/04/03)」 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/04/post_d05f.html
[3]Crisis en la industria salmonera deja miles de trabajadoras y trabajadores cesantes
 http://www.contralacorriente.cl/archivos/29_de_agosto-Cenda.pdf
[4] Carta suspensión concesiones acuícolas
 http://www.contralacorriente.cl/archivos/Carta_.pdf
ONGs se suman a campaña internacional por moratoria salmonera en Chile  http://www.ecoceanos.cl/index.php?option=com_content&task=view&id=7054 

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2008/09/24

バハ・カリフォルニアにおける観光開発が地域社会に高い負荷をかける

 9月22日付けのホルナーダ紙は、バハ・カリフォルニア・スルにおける観光開発が地域社会や環境に大きな影響を与えていることを伝えています。
 この記事によると観光開発による人口増加が、水需要を急増させていること、米国からの移住者などを含め、高所得層と地域住民の間の格差が増大していることなどにより、社会紛争が起こる可能性があると伝えている。
 水資源の限られたこの地域では、54%の住民が不十分な水供給な状態にある一方で、観光開発によって多くのゴルフ場が作られ、既に半島の北西部に21のゴルフ場があり、今後、24の計画があるという。また廃水処理の未整備の問題もある。
 更に観光開発とそれに伴う人口増加、米国からの移住者の増加によって、格差の著しい町が形成されつつあるとのことである。メキシコの環境NGO、CEMDAは観光開発によるマングローブ破壊などに対して法的措置を求めている。 
Auguran conflictos sociales en el noreste por los recursos naturales
En una región donde llueve una semana al año se construyen complejos con campos de golf
http://www.jornada.unam.mx/2008/09/22/index.php?section=sociedad&article=049n1soc
詳細はCentro Mexicano de Derecho Ambiental (Cemda) http://www.cemda.org.mx/

 このブログでは過去にコスタリカにおける観光開発、特に長期滞在者向けのコンドミニアム建設による環境への影響について報告している。
中南米 環境関連 1)コスタリカ 観光客の増加と環境への影響(08/06/26)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/06/post_1e6f.html
中米における観光開発を巡る問題-パナマ・コスタリカ (07/10/25) 
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/10/post_a8a4.htm

開発と権利のための行動センター
青西

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2008/07/04

支援要請:今動けば、ナソ民族の未来は変わるかもしれない!

             パナマのナソ民族は
ダム建設に反対する自分たちの声を伝え、
政府と交渉し、
このダム建設プロジェクトの見直しを要求していく方針です。
 自分たちのテリトリー(コマルカ)への権利を承認させ、
その上で自分たちの未来を
自分たちで決めていくことを求めています。
開発と権利のための行動センターでも、
微力ながらもこの動きを
支援してきたいと考えています。
ご協力お願いします。

   <ダム開発に抵抗するパナマ、ナソ民族>

 もし私たちに権利がないというのであれば、私は家に籠もって、建設機械が私たちのテリトリーをずたずたにしていく姿を泣きながら見ていることでしょう。でも私たちには権利があります。あなた方が私たちの権利を認めていないだけなのです。

 ナソ民族は、コスタリカとの国境沿いの、ボカス・デ・トロ県に居住する約3000人ほどの、パナマでも少数の先住民族集団です。ナソ民族の11コミュニティはテルディ川(Abuela de Agua)流域に生活し、そのテリトリーの多くが自然保護区に含まれています。ナソ民族は1973年より、そのテリトリーの法的な認知(コマルカの制定)を求めていますが、いまだ法的に承認されていません。

 こうした中、テルディ川の支流のボンジック川(Rio Bonyik) に1997年からダム建設の話が動き始め、2004年からは、コロンビアの公営企業であるEmpresas Publica de Medellín (EPM)が建設に向けての動きを本格的に開始しました。この中で、ナソ民族の中に分断が生み出されています。当時の伝統的な権威の長、ナソ民族の王であるティト・サンタナはいくつかの開発事業との引き替えにダム建設を許容する方針を打ち出しました。
 しかしこれに反発した人々は2005年1月5日に民族総会を開催し、ティト・サンタナは役を解かれ、バレンティン・サンタナが新たな権威として任命されました。それ以来、ナソ民族に分裂が生まれ、建設を進めようとする政府や企業側はこの分裂を利用しています。またコマルカの設定に関しても、ダム建設を条件にしようとしているのです。
 
 更に2007年10月からダム建設のための道路工事が開始されたことから、反対派住民との対立が深化しつつあります。道路工事を強行しようという企業に対抗して、反対派のナソ民族は建設機械の侵入に抵抗しています。しかし多数の警官が動員されて反対派が弾圧されるとともに、企業側は武装集団を連れてくるとともに、ナソ民族のダム推進派にも武器を渡し、反対派の住民との対立を煽っています。ナソ民族の内部で暴力的な衝突が危惧される事態となっているのです。民族内部でこのような対立がもたらされたことは、これまでなかったことだと言います。
 また未成年も含めた逮捕、拘束後に一日以上手足に鎖をつけて拘束し、水すら与えないということすら行われました。ナソ民族に対する民族差別が警察当局によって行われています。
 
 ダムだけではなく、道路建設はこの地域に非常に大きな問題を引き起こす可能性があります。まずこの地域は主として河川交通に依存し、車による外部との交通はありませんでした。そこにダム建設に伴い道路を建設することがもたらす地域社会への影響ははかりしれないものがあります。川縁に近い、コミュニティの豊かな土地に道路建設が計画されていますが、そこに居住する世帯が新たにナソ民族のテリトリーの中に土地のなかに得られる保証はありません。また道路ができれば、地域外から放牧地の拡大などが進む可能性も非常に高いものです。
 このように今回のダム建設計画は、ナソ民族の将来に大きな打撃を与える可能性があります。
 
ボンジックの村に住むマルティナさんは、数ヶ月に渡って継続してきた道路封鎖に対して、道路の通行を妨害したとして2008年2月27日に逮捕されました。夫や親戚まで銃口を突きつけられて逮捕され、更には子どもまで拘束されたことに強い憤りを感じています。その際、検事や人権擁護官に対して話したことを思い出しながら次のように語ってくれました。

 もし私たちに権利がないというのであれば、私は家に籠もって、建設機械が私たちのテリトリーをずたずたにしていく姿を泣きながら見ていることでしょう。でも私たちには権利があります。あなた方がその権利を認めていないだけなのです・・・なぜ私たちに権利があるなら、なぜその権利を行使できないのでしょう。先住民族は権利を持っています。ですから政府は私たちの問題を解決するために取り組むべきなのですが、ここにやってきて問題を解決しようとはしていません。
 (ダム建設)のプロジェクトが「開発」だというのなら、私はこんな所で検事を相手に話などしていないでしょう。このプロジェクトのせいで、私は警察に拘束され、娘も拘束され、未成年の拘置所に連れて行かれ、そんなところを知ることになり・・・もし私たちに権利があるのならなぜ、あなた方はそれを尊重しないのですか。
 魚、私たちは魚で生きています。ダムで水は汚染されないというけど、魚はみんないなくなることでしょう。だってボカ・チカ(在来種の魚の一種)はタービンを抜ける事はできません。木だって伐採されます。道路が、地面の下を、木を伐採することなく造られるのいうのですか
 私たちが森を守ってきたのです。政府の環境局(ANAM)ではありません。ANAMは私たちがトウモロコシやフリホールを栽培するために木を切るためにはあれこれ規則を押しつけるのに、今回のプロジェクトでは1200haもの伐採を認めているのです。
 道路ができたらどうなることか。土地を買いに山ほどの人が入ってくるでしょう。そして牧草地も開かれ、森も破壊されるでしょう。
 町の人は、電気代が高い、電気が必要だといいますけど、私たちにその負担を押しつけないでください。私たちには私たちの権利があるのです。私は一度だって、外に住みたいと思ったことはありません。もしそうならとっくにチャンギノーラ(注:近郊の町)に行って、バナナ農園なりで働いていることでしょう。
  私たちはまずコマルカを求めているのです。その後にプロジェクトの話はしてください。
 いくら金が欲しいのだ、と紙をちらつかせました。私たちには何も価値がないみたいに。『インディオ』はまるでお金の前に何でも渡すみたいに・・・お金は今もないし、きっと明日も全然お金などないことでしょう。でも、私たちにはこのテリトリーがあります。ここで私は死んでいくことでしょう。でも子どもや孫はここで生き続けていくのです。私たちがこのプロジェクトを認めてしまったら、若者たちの未来はどうなるのでしょうか。(2008/6/11インタビュー)


  ナソ民族は自分たちの声を伝え、政府と交渉し、このプロジェクトの見直しを要求していく方針です。コマルカを承認させ、その上で自分たちの未来を自分たちで決めていくことを求めています。

            開発と権利のための行動センターでも、微力ながらもこの動きを支援していきたいと考えています。
                            今動けば、ナソ民族の未来は変わるかもしれない!

        ナソ民族の権利確立支援カンパは下記口座までお願いします。
                ◆郵便振替口座:00230-5-131472
           ◆口座名   :開発と権利のための行動センター
                 (通信欄に「ナソ」と指定ください)
 開発と権利のための行動センターの関連サイトはこちら
 http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm
 
 開発と権利のための行動センター
 理事 青西

 その他参考サイトとして 

 ビデオクリップもあります。

 http://www.guardian.co.uk/environment/2008/jun/16/endangeredhabitats.conservation

http://www.guardian.co.uk/environment/video/2008/jun/16/naso

こちらのサイトだとTranscriptが入っています。

http://therealnews.com/t/index.php?option=com_content&task=view&id=31&Itemid=74&jumival=1728 

Cultural Survivalのサイト。この中のDam Nationは前半がノベ、後半がナソ民族とダム問題を扱っています。

http://www.culturalsurvival.org/programs/panama.cfm

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2008/07/03

エクアドル:ヤスニ民族と石油開発

 英語版ニュー・インターナショナリストの7月号がエクアドルのアマゾン低地に住むヤスニ民族の話を取り上げています。
 http://www.newint.org/features/2008/07/01/yasuni-keynote/
  Endgame in the Amazon
A remote corner of Amazonian rainforest has become a repository of environmental expectations – and fears. Vanessa Baird explains why the eyes of the world need to be trained on it.
 
  日本語版に翻訳されるものと思いますが・・・

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/06/26

中南米 環境関連

  
1)コスタリカ 観光客の増加と環境への影響
 ロイター電は、コスタリカ東部における観光開発が環境破壊をもたらしていることを伝えている。
 5年前に国際空港ができたことを契機に、グアナカステ県での観光開発が進み、建築ラッシュ、汚水の漏出など、環境破壊が続いている。「エコツーリズムのパイオニアとしての名声は、このような計画のない観光開発で台無しにされてしまう」という環境団体の声を伝えている。
Tourism boom threatens Costa Rica eco-paradise
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSN1733128420080620?sp=true
当ブログでも昨年次の記事を掲載している。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/10/post_a8a4.html

2) パナマ市のゴミ問題
 6月13日の現地プレンサ紙は、JICAの援助で250万ドルをつぎ込んでパナマ市のゴミ処理に関する調査を行ったものの、その結果が全く利用されていないと批判している。
  http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/06/13/hoy/hoyporhoy.shtml
  関連記事は次にもあるが、調査報告でリサイクルの促進を勧告しているものの、それが実現していないことをプレンサ紙は追求している。
 http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/05/19/hoy/panorama/1352916.html
 http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2008/05/19/hoy/herald/1353894.html(英語)
 この調査報告書自体は未読であり、コメントできないが、海外からの援助事業に対し、メディアも含め、市民社会側がその実施を監視していく態勢というのは非常に重要であろう。

3) アルゼンチンで白熱灯の流通を禁止する法を審議
 EcoPortalネットの記事によると、アルゼンチンでは温暖化対策として白熱灯の輸入・流通を禁止する法案が審議されているとのこと。この記事によると既にベネスエラ、キューバ、ニカラグア、カナダ、オーストラリア、アイルランド、フィリピンで白熱灯の流通が禁止されているとのこと。(その他情報から確認はしていません)
 http://www.ecoportal.net/content/view/full/79217

 今回訪問していたグアテマラでも、電球のソケットに直接差し込める円形の蛍光灯や渦巻き状のものなどを見かけることも増え、電気代が安くなることも含め急速に普及している。

 開発と権利のための行動センター
 青西  

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2008/06/24

7月6日 対談会:琵琶湖とグアテマラをつなぐ-地域の視点から環境を考える

琵琶湖とグアテマラをつなぐ-地域の視点から環境を考える
-『生活環境主義でいこう! 琵琶湖に恋した知事』-出版記念 対談会
   
 滋賀県知事、嘉田由紀子氏の深い薫陶を受けている古谷桂信氏は、琵琶湖の過去と現在の比較写真のプロジェクトなどに参加する一方、グアテマラのマヤ民族の写真も撮り続けています。
 今回は『生活環境主義でいこう! 琵琶湖に恋した知事』(岩波ジュニア新書)の出版にあわせ、本書の企画・構成を手がけた古谷氏をお招きして「生活環境主義」についてお話をして頂くとともに、グアテマラのアティトラン湖での過去・現在の比較写真撮影の経験などを通じて、地域環境と人々の関係についてお話をして頂きます。

講師  古谷桂信(写真家/日本ラテンアメリカ協力ネットワーク 代表)
司会  青西靖夫(開発と権利のための行動センター理事)
     古谷氏のスライド上映あり

日時:7月6日(日)  午後3時15分~午後4時45分
会場:かながわ県民センター・県民活動サポートセンター(045-312-1121)
  会議室302(30名)
(横浜駅西口 ヨドバシカメラ手前右折川を渡る)
 http://www.kvsc.pref.kanagawa.jp/center/areamap.html
参加費:500円

主催: 開発と権利のための行動センター(CADE)
WEBサイト:http://homepage3.nifty.com/CADE/
E-mail cade-la@nifty.com
協力: 日本ラテンアメリカ協力ネットワーク(RECOM)
連絡先:開発と権利のための行動センター青西

チラシはこちら>>>pdf「080706leaf.pdf」をダウンロード

『生活環境主義でいこう! 琵琶湖に恋した知事』
嘉田由紀子 語り/古谷桂信 構成 (岩波ジュニア新書)
「滋賀県知事として活躍する嘉田由紀子氏が、長年にわたる琵琶湖をフィールドとした研究をもとに語る環境論。琵琶湖で生まれた新しい環境保全の考え“生活環境主義”をわかりやすくお伝えします。“生活環境主義”は、近代科学主義でもなく、自然環境保全主義でもない新しい視点を提示します。地域ごとにことなる昔ながらの水利用の知恵に学び、豊かな自然を使い続け、なお自然も暮しも豊かにしていく地域づくりのあり方を提案しています。」(古谷桂信)

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2008/06/20

バイオ燃料・食糧価格他 関連記事紹介

 まだ海外におり資料に目を通す時間がないため、資料紹介のみ

<バイオ燃料関係>

1)ロイヤル・ソサイエティ紙が気候変動とアマゾンを特集
 Volume 363, Number 1498 / May 27, 2008
 Theme Issue ‘Climate change and the fate of the Amazon’
http://journals.royalsociety.org/content/lr473163776q/ ”Climate change, biofuels and eco-social impacts in the Brazilian Amazon and Cerrado ”といった記事が掲載されている

2) バイオ燃料と土地へのアクセス
 Fuelling exclusion?-The biofuels boom and poor people’s access to land , FAO and IIED, 2008
大規模なバイオ燃料向け作物生産が貧困層の土地へのアクセスを妨げている。
http://www.iied.org/pubs/pdfs/12551IIED.pdf

3) ペルー Perú: más investigación para desarrollar bioenergías
http://www.scidev.net/en/news/peru-more-research-needed-to-develop-bioenergy-.html

4) サトウキビ生産によるグアラニ滞水層汚染 
La caña de azúcar contamina el Acuífero Guaraní - Entrevista a Ariovaldo Umbelino de Olivera http://www.ecoportal.net/content/view/full/79133

<食糧>1)コロンビアにおける食糧供給の脆弱性
La vulnerabilidad alimenticia de Colombia
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/41730
2)アフリカ:BURUNDI: "Food has become too expensive"
http://www.irinnews.org/report.aspx?ReportID=78656


<アフリカ>1)アフリカ環境アトラス
http://www.unep.org/dewa/Africa/AfricaAtlas/PDF/en/Africa_Atlas_Full_en.pdf
"Africa: Atlas of Our Changing Environment" contains 316 satellite images taken in 104 locations in every country in Africa, along with 151 maps and 319 ground photographs and a series of graphs illustrating the environmental challenges faced by the continent.
(ファイルサイズが大きいのかダウンロードに支障あり)

関連記事
New Atlas Captures Changing Face of Africa's Environment
http://www.ens-newswire.com/ens/jun2008/2008-06-10-01.asp

2)アフリカにおける社会保障政策
Social protection in southern Africa: lessons from 20 case studies
Authors: S. Devereux; F. Ellis; P. White
Publisher: Wahenga.net, Regional Hunger and Vulnerability Programme , 2008
http://www.wahenga.net/index.php/views/in_focus_full/regional_evidence_building_agenda_reba_thematic_briefs
中南米でも貧困層への現金給付他、様々な社会保障制度の改革が進められていますが、アフリカの事例も参考になるかと思います。

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2008/04/18

南米鉱山開発:チリのパスクア・ラマ鉱山開発に関するドキュメンタリー他

 南米鉱山開発:チリ:パスクア・ラマ鉱山開発に関するドキュメンタリー他

1)カナダのバリック・ゴールド社によってチリ・アルゼンチンの両国をまたいでの開発が進められているパスクア・ラマ(Pascua Lama)鉱山についてのドキュメンタリーがインターネット上に公開されています。この鉱山はアンデス山脈の高地に計画されており、氷河の破壊、水系汚染などの問題が指摘されています。   
  Un "gran proyecto" CONTRA LA GENTE PEQUEÑA (スペイン語)
  http://www.coyotefilms.tv/index.html
(きれいに流れないのですが、一度全て流した後に、続けてみることができました。)
 チリにおける鉱山開発を巡っての、企業と政界の結びつき、官僚と企業の結びつき、経済界よりのマスメディア、脆弱な環境行政などの問題が取り上げられています。

更に関心のある方は
Observatorio Latinoamericano de Conflictos Ambientales (OLCA)のサイトへ
Proyecto minero de Pascua Lama
http://olca.cl/oca/chile/pascualama.htm
Pascua Lama, una investigación periodística - I
Decisiones subterráneas: ¿Por qué el oro de Los Andes es norteamericano?
http://olca.cl/oca/chile/region03/pascualama307.htm

Watershedという別のドキュメンタリーもあるようです。鉱山開発が地域の水に及ぼす影響を取り上げています。
http://www.creativevisions.org/projects/watershed.htm
http://www.miningwatch.ca/index.php?/Chile_en/Watershed

2)アルゼンチンにおける鉱山開発と環境運動
JOGMEC (独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)のサイトに次のような記事が掲載されています。
アルゼンチンの環境問題(1)-パタゴニア地域の環境事情-(2008/2/07) 
http://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/08_12.html
アルゼンチンの環境問題(2)-アルゼンチン北西部地域の場合-(2008/3/19)
http://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/08_27.html

 鉱山開発反対の動きを看過できなくなっているという現実もあるのでしょうが、「Esquelで発生した反鉱業運動の原因は鉱山開発を進めるMeridian社が地元住民との関係を軽視し、住民にプロジェクトの説明を充分に行わなかったためであると分析されている。住民に対して行なった説明会においても、シアンの安全性及び事業の透明性と住民への理解を求める説明が不十分であった。」というような分析がちゃんと行われ、鉱山開発企業のあり方が改善されていくことは必要なことでしょう。
  しかし2回目の巻頭にある 「シアン等有害物質の使用を禁止する法律が制定され、アルゼンチンの投資環境を悪化させる要因となっている。」という表現は、企業の社会的責任が問われる時代に果たしてどうなのだろうかと思われます。「環境に優しい鉱業」という方向性があり得るとするならば、少なくとも厳しい環境規制があって、それを遵守しながら企業活動を行うことが当然であり、厳しい環境規制ができることは望ましい方向であると考えることが不可欠ではないでしょうか。 

 カナダには、自国の鉱山関連企業の動向をモニターしているNGOがいくつかありますが、日本もODAも導入して、アフリカでの戦略的な鉱物資源確保を狙っている時代に入り、アフリカでの日本企業の活動をチェックできるNGOの存在が必要とされるように思われます。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/03/26

グアテマラ:イサバル県における土地紛争

 マリオ・カアル・ボロンが警察や軍によって処刑される。

 グアテマラのイサバル県では、2月14日に地域での土地運動を率いてきた農民リーダーが逮捕されて以来、紛争が続いている。21日から22日にかけてはリーダーの解放を求めて、農民グループが警官を拘束するという事件が起き、今度は3月14日には旅行者が拘束される事件が発生した。交渉の後、翌15日に解放されたが、このプロセスの中で警察・軍による深刻な人権侵害が引き起こされた。

 グアテマラの農民組織であるCONICの声明文によると、上記の誘拐事件とは無関係なマヤ・ケクチ民族のマリオ・カアル・ボロン(27歳)が、捜索活動の中で警察もしくは軍によってプンタ・アレナで拘束され、殴打された後、絞殺されたとのことである。また事件と関係のない農民3名が不当に拘束され、拘束されていた旅行者と(人質)交換がなされたという。これらの事件についてCONICは強く非難している。
 またこれらの事件に関しては、旅行者の解放交渉を行っていたグアテマラ人権オンブズマン事務所も、現行犯でも逮捕状によるのでもない違法拘束について告発するとともに、超法規的処刑について調査を行う方針を示している。

 今回の事件とは直接関係のないCONICであるが、近隣地域では参加コミュニティがやはり土地問題を抱えている。25年あまりに渡って土地問題の解決、土地の所有権の確定を求めて手続きを進めているにも関わらず実現していないコミュニティ、また保護区にするということで土地を譲渡された環境NGOであるFUNDAECOによって、20年以上に渡る土地所有権確定の手続きが中断しているコミュニティも存在する。
  
  CONICは声明文で次の点を要求している。
-大統領及び検察に対し、超法規的処刑の真相を究明し、責任者を処罰すること、紛争解決のための適切な手段を探し、迫害をやめること、土地紛争を迅速に解決すること。
-議会に対し、マヤ・ケクチ民族に影響を与える自然保護区について見直しを行うこと。自然保護区を制定する前にコミュニティとの協議を行うこと。そうでなければこれは新しい土地剥奪のメカニズムとなること。
-検察に対し、この地域の紛争を深化させているFUNDAECO,CONAPによる不法行為を調査すること。
-マヤ・ケクチ民族コミュニティに対し、挑発に乗ることなく、組織され、真摯かつ責任ある態度で、紛争解決のための適切なメカニズムを探すべき事。

 今回の事件について、グアテマラの農民組織や社会運動グループも、旅行者を違法に拘束するといった行為に同意してはいない。しかし今回の事件の背景にある土地紛争、政府の土地問題解決への意志の欠如、大地主など権力者におもねる司法制度、問題を複雑化する自然保護区の設定といった問題にしっかりと向き合うことを要求している。
  
  農民組織の連合体である農業プラットフォームは「要求のあるところに、否定されてきた権利がある」と題する声明文で次のように述べている。「アルバロ・アルス政権に対し、企業セクターに対するのと同じ注意をもって、正義を求める先住民族や農民の声に耳を傾けることを要求する」
 
 開発と権利のための行動センター
 青西

 関連サイト
行動センターブログ 2008/02/29 自然保護区と農民 /歪められた現地報道
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/02/post_f9a9.html
行動センターブログ 2007/10/05 自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)3
CONIC 声明文 原文  http://homepage3.nifty.com/CADE/Espanol/CONIC2008.htm
AVANCSO 声明文  Comunicado de prensa Donde hay un reclamo hay un derecho negado(08/03/14)
http://www.avancso.org.gt/index_noticias.php?id=269
El Periódico Oficina del PDH y Gobernación sostienen versiones encontradas
http://www.elperiodico.com.gt/es/20080319/pais/50759/ 2008/03/20

追記:Mi Mundo Org.のレポート
Crisis a Orillas del Río Dulce: Muerte de Mario Caal 
Aldea La Ensenada Puntarenas. Livingston, Izabal, Guatemala.
18 de marzo de 2008
http://mimundo-jamesrodriguez-esp.blogspot.com/2008/03/crisis-orillas-del-ro-dulce-muerte-de.html

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2008/03/13

南米の動向:バイオ燃料、大豆、遺伝子組み換え関連

 バイオ燃料、大豆、遺伝子組み換え関連

あれこれ情報が出てきて、目が通せないので紹介のみ
1)República Argentina: impacto social, ambiental y productivo de la expansión sojera
 26-02-08, Por Renee Isabel Mengo *
 http://www.ecoportal.net/layout/set/print/content/view/full/76397/(printversion)/1

2)Informe de investigación sobre las operaciones de Monsanto en Argentina
 11-03-08, Por Sofía Pérez García y Hernán Medina *
  http://www.ecoportal.net/layout/set/print/content/view/full/76814/(printversion)/1

追記:上記の記事はほとんど次の2本によっているようです。 
Argentina: lo que la soya se llevó...Desnutrición y   hambre en el país de los alimentos  (2007/09/07)Por Mariela Zunino *
   http://www.ecoportal. net/layout/set/print/layout/set/print/content/view/full/72703
Argentina: sojización, toxicidad y contaminación ambiental por agrotóxicos      (2007/09/03)
http://www.infoalternativa.com.ar/hoy/index.php?option=com_content&task=view&id=5176&Itemid=59

3)El mundo según Monsanto' denuncia al gigante de los transgénicos
PARÍS (AFP) — El documental 'El Mundo según Monsanto', difundido este martes por la televisión francoalemana Arte, traza la historia del principal fabricante de organismos genéticamente modificados (OGM), cuyos granos de soja, maíz y algodón se propagan por el mundo pese a las alertas ecologistas.
http://afp.google.com/article/ALeqM5jNNxturQ5JcVLO3wZBWndEaU7vug

Le monde selon Monsanto
フランス語になりますが、こちらが公式サイトのよう
http://www.arte.tv/monsanto

4)Paraguay: la paramilitarización del campo con la expansión de la soya

Este estremecedor relato de la paramilitarización del campo en el lejano pero siempre hermano país de Paraguay es un presagio y una advertencia de lo que puede ocurrir en México, y de lo que está ocurriendo con las diferencias del caso. Ceder tierra y territorio a las grandes empresas y a quienes quisieran recrear el latifundio del siglo 19 es condenar a millones de campesinos al exilio forzado o al envenenamiento por agrotóxicos.
Javiera Rulli - 25-Feb-2008 - num.557
 http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/39113

5)Los agrocombustibles y la guerra por los recursos
 El Movimiento del los Trabajadores Sin Tierra–MST, y la Via Campesina que reúnen millones de campesinos en todo el mundo, luchan por una nueva civilización, basada en una relación de armonía entre la humanidad y la naturaleza, en la cual no prevalezca el consumismo y la lógica del lucro y del mercado, que desbasta los recursos naturales, concentra la riqueza y el poder en las manos de pocos, genera pobreza y desigualdad social.Luchan por una sociedad basada en la justicia social y ambiental, en la igualdad, en la solidaridad entre los pueblos fundamentada en valores éticos, coherentes con una sociedad orientada por la sustentabilidad de todas las formas de vida.Coherente con estos propósitos y por lo planteado anteriormente, el MST y la Vía Campesina entiende que la ampliación del uso de etanol como alternativa para minimizar los gases de efecto invernadero no constituyen una medida sustentable y, las condiciones en que deberá ser producido, llevaran a agravar los factores responsables por el calentamiento global.
Delmar Mattes  *Feb/2008
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/39374(スペイン語)
Os agrocombustíveis e a guerra pelos recursos
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/39376(ポルトガル語)

青西

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2008/03/07

IIRSA(南米地域インフラ統合イニシアティブ)とは

IIRSAについて
 
  「南米地域インフラ統合イニシアティブ(IIRSA)」は巨大な開発計画であり、これだけの事業が同時に進んだら、先住民族だけにとどまらず、地域社会や地域住民への社会・経済的な影響をしっかり調査し、対応策を検討し、更にそれを実施できるだけの制度がそもそも存在するのか?という疑問が沸いてきますが・・・

 とりあえずどのようなものなのか、全貌をつかむために、まず地域的な展開を見てみます。

1)2005ー2010に向けての合意された実施案
 これはIIRSAのサイトからの転載であるとのことですが、出典を見つけられず、別の資料から転載しています。
 以下のサイトよりダウンロードできるEstudio de Caso Selva Abierta, Carretera Pasto Mocoa e Hidrovía del PutumayoのP39より転載。 
 http://www.biceca.org/es/Article.716.aspx 

Iirsa

2)開発・統合ハブ 
 IIRSAの中で10カ所の地域統合のハブが計画されています。
 詳細はIIRSAのサイトで英語・スペイン語・ポルトガル語で読めます。この中からハブの地図を転載(
クリックするとポップアップで拡大されます)
http://www.iirsa.org/EjesIntegracion_ENG.asp?CodIdioma=ENG

A)アンデス・ハブ
Mapagruposandino_2

B)アマゾン・ハブ
Mapagruposamazonas

C)ペルー・ボリビア・ブラジル・ハブ
Mapagruposperubrasilbolivia

D)中央・大洋間ハブ
Mapagruposinteroceanico

E)カプリコン・ハブ
Mapagruposcapricornio

F)メルコスール・チリ
Mapagruposmerchile

G)サザン・ハブ
Mapagrupossur

H)ガイアナ・シールド
Mapagruposguayanes

地図情報なし
I) パラグアイ・パラナ水路・ハブ
J)南部アンデス・ハブ

3) Estudio de Caso Selva Abierta, Carretera Pasto Mocoa e Hidrovía del Putumayo (28 Feb 2008)
 IIRSAを構成するプロジェクトの一つであるパスト・モカ道路とプトゥマヨ水路に関わる社会・環境への影響についてのケーススタディが出されています。
(未読)
 ちなみにこの地域は先日のコロンビア政府軍によるエクアドル領内への侵犯・FARCへの攻撃の舞台となった場所とも非常に近い地域です。
報告書はこちらのサイトから(スペイン語)
http://www.biceca.org/es/Article.716.aspx
この地域のプロジェクト概要はこちら
http://www.biceca.org/es/Project.Overview.188.aspx
  
開発と権利のための行動センター
青西

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南米の巨大プロジェクトに反発する先住民族組織

 IIRSAに関する先住民族の声明
   現在、「南米地域インフラ統合イニシアティブ(IIRSA)」という南米諸国の経済的統合を目指した巨大なインフラ整備計画が進みつつあります。この中には40以上のメガ・プロジェクトが含まれており、こうした事業の実施に伴う社会、経済、そして環境への影響が懸念されています。

 こうした中、アンデス先住民族組織コーディネーター(CAOI)他が20以上のラテン・アメリカの先住民族組織がボリビアの首都ラパスに会し、IIRSAに関して議論を行い、声明文を発表しています。以下抜粋・抄訳します。
http://www.coica.org.ec/sp/noticias/archivo2008/iirsacaoi.htm
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/39154

「命のための開発を」「商売と死のための開発はいらない」

-IIRSAは私たちの国を巨大な多国籍企業の原料供給国として位置づけ、従属を再強化するものである。
-これらのプロジェクトの実施によって人権が侵害され、社会・環境面でのインパクトを受けつつある。
-IIRSAはアマゾン、パンタナル、アンデス、チャコの破壊を進める物であり、先住民族のテリトリーに被害を与え、生物多様性や生計の手段を奪い、貧困を深化させ、また未来の世代の生存を危機に瀕させるものである。

-私たちにとって、自然と精神世界の均衡のなかで「よく生きる」という正統なオータナティブは、私たちのテリトリーを商品の通過点や廃坑や石油で川を殺してしまうようなIIRSAとは大きくかけ離れている。
-私たちも道や水路が必要である。しかしそれは自分たちの生産物を運び出すためのものであり、多国籍企業のためでもなければ、上に述べたような犠牲を払うべきものでもない。
-識字化、栄養失調、コミュニティの代替の生産といった取り組みを強化すべきである。

-南米諸国の政府は先住民族の権利に関する国連宣言を承認しておきながら、宣言を破り、日々、IIRSAのプロジェクトで私たちの生活、文化、夢を傷つけているのである。

-国連の人権高等弁務官事務所が特別報告官を任命し、早急にIIRSAによる被害について調査を行うことを求める。

-国内法また、先住民族の権利を擁護するILO169号条約、先住民族の権利に関する国際宣言に基づき、法的な告発を組織するものである。

-米州開発銀行、世界銀行、アンデス開発公社、ラプラタ河流域開発基金、欧州投資銀行の総裁に対し、私たちのことを知りもしなければ、協議をすることも、私たちの抗議の声も聞くこともないままに、なぜこのようなプロジェクトに投資するのかインタビューを行うことを要請する。

-ブラジル政府の態度に強い危機感を持っている。ブラジル大統領と経済社会開発銀行総裁との会合の求める。

-先住民族の権利宣言を承認した大陸の進歩的な大統領に対し、IIRSAの見直しを求める。

-ボリビアにおけるチキタノ先住民族のテリトリーに影響を及ぼすサンタ・クルス-プエルト・スアレス間の道路計画の位置づけの変更を求める。またマデラ川のダム計画について先住民族の権利を保護するための必要な対策が取られることを求める。

-南米の先住民族組織とコミュニティにIIRSAに対し警戒し、私たちへの影響についての情報を求めるとともに、私たちの言語で、私たちの地域における、そして私たちの組織を通じての、誠実な、自由で情報に基づく事前の、同意あるいは拒否を要求することを呼びかける。

-IIRSAに対する先住民族組織間の連携を強化すること。

 <補足情報>
-開発と権利のための行動センターでも関連のプロジェクトについていくつか簡単な報告を掲載しています。
アマゾン地域の大規模水力発電計画と先住民族
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/01/post_3d22.html
中南米におけるバイオ燃料の拡大とその問題点
2)ペルー・アマゾンにおける大豆のための道路に先住民族が反対の声をあげる。(07/10/30)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/11/post_8985.html

-IIRSAについて
IIRSA オフィシャルサイト       http://www.iirsa.org/index.htm
IIRSAのモニタリングを行っている国際団体のサイト
http://www.biceca.org/en/Page.About.IIRSA.aspx(英語)
http://www.biceca.org/es/Page.About.IIRSA.aspx(スペイン語)

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/03/03

国際的環境NGO:遺伝子組み換え作物についての報告書刊行

遺伝子組み換え作物について

 穀物価格高騰の中で、遺伝子組み換え作物拡大への戦略が広がっています。メキシコでもトルティージャ価格高騰に際して、遺伝子組み換えトウモロコシの導入を進めようという動きがありました。また数日前には「韓国が初めて遺伝子組み換えトウモロコシ輸入へ」というニュースも報道されました。 http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-30529220080227
 またビジネス・ウィークの2007年12月17日号は「遺伝子組み換え作物、事実上の勝利-安全性への懸念をよそに栽培農家は世界中で急増」という記事を掲載したようです。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071214/143127/
  しかし遺伝子組み換え作物の広がりに疑問を呈する動きも続いています。フランスでは遺伝子組み換えトウモロコシの栽培を禁止しました。毎日新聞(2/10)「フランス:遺伝子組み換えトウモロコシを栽培禁止」 
 http://mainichi.jp/select/science/news/20080211k0000m030041000c.html
 農業情報研究所 「フランス政府 新たな科学的事実でGMトウモロコシ栽培禁止へ 長期的影響の一層の評価も必要」 http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/gmo/news/08011401.htm 
 
 こうした中で国際的環境NGOであるFriends of the Earthは2008年2月に「誰がGM作物で利益を得ているのか?」“Who Benefits from GM Crops?”という報告書を刊行しました。(英語・スペイン語・フランス語) http://www.foe.co.uk/campaigns/real_food/news/2008/february/who_benefits.html

 報告書では主として次のような点を取り上げています。
1:世界的なGM作物の栽培に関する概要
2:米国及び南米における農薬利用量の増加及び耐性雑草について
3:インドに焦点をあてた遺伝子組み換え綿花栽培について

 そこでこの報告書の内容を、補足情報も含め紹介します。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 この報告書では遺伝子組み換え作物は「環境にも、社会的にも、また経済的にも利益をもたらしていない」という評価を下しているが、以下、この報告書がどのような点を指摘しているかを補足情報も含め紹介する。

1)農薬使用量の減少につながっていない
 報告書によると、米国において、2005年の大豆、綿花、トウモロコシ生産におけるグリホサート使用量は119,017百万ポンドとなっており、これは1994年の7933百万ポンドから15倍という数字になっている。
 また米国農務省のAgricultural Chemical Usage - Field Cropsのデータを利用しつつ、単位面積あたりのグリホサート使用量が増加していることも指摘しており、1994年から2006年において大豆で2.5倍、トウモロコシで2002年から2005年で35%近く増加したことを指摘している。
 このような単一の農薬に依存した農業の危険性の一つが次のような除草剤への抵抗性を持った雑草の出現である。

注)遺伝子組み換え作物の中では「除草剤耐性作物」が広く使われているが、これは、主としてモンサント社が開発した除草剤グリホサート(商品名:ラウンドアップ)という非選択性(多種の雑草に有効)の除草剤に対する耐性を組み込んだ作物となっている。このような遺伝子組み換え作物の利用で「除草剤をまくコストや労力が削減され」「環境にやさしい農業を行うことができます」というのが遺伝子組み換え作物の種子を売り込んでいるモンサント社の宣伝文句である。

注)圃場における使用量の変化については次のサイトからAgricultural Chemical Usage - Field Cropsの元データにアクセスできるので関心のある方はこちらにて確認頂きたい。(英語)
 http://usda.mannlib.cornell.edu/MannUsda/viewDocumentInfo.do?documentID=1560

2) 除草剤-グリホサートへの耐性を持った雑草の広がり
 「除草剤耐性作物」として特定の除草剤に耐性のある遺伝子組み換え作物を栽培し続け、作物には効かないが、雑草には効くという除草剤を散布し続けていることにより、その除草剤では枯れない雑草が増えつつある。
 報告書によると、1976年にグリホサートが導入された後、20年間はグリホサート耐性雑草の報告はなかったという。しかし「ラウンドアップ耐性・遺伝子組み換え作物」の導入以後、急速にグリホサート耐性雑草の報告が増えており、米国では既に8種が報告されているとのことである。
 
注)報告書が引用しているのはWeed Science Society のサイトであるが、ここには除草剤耐性品種のリストが掲載されており、グリホサート耐性の雑草は世界で13種が報告されている。(英語)
  http://www.weedscience.org/summary/MOASummary.asp
注)こうしたグリホサート耐性雑草の拡大については既に農業情報研究所のサイトでも既に報告されている。(日本語)
グリフォサート過剰依存で増える除草剤耐性雑草農業多様化が解決策と豪学者(2005/02)
 http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/gmo/news/05022301.htm
GM大豆はラテンアメリカの”新植民者”ーGM作物導入の影響の包括的新研究(2006/01)
  http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/gmo/news/06031701.htm
-独立行政法人農業環境技術研究所の”GMO情報: 除草剤耐性作物商業栽培10年を振り返る”、農業と環境 No.90 (2007.10)でも取り上げられている。
http://www.niaes.affrc.go.jp/magazine/090/mgzn09008.html
 
3)遺伝子組み換え作物を使っても収量は増加しない。
 これは「遺伝子組み換え作物」の利用が収量の増加を保証するものではないので、ここでは紹介を省略する。

4)種子供給の独占化
 報告書では種子価格の高騰、種子産業の集中、モンサント社による農民への訴訟問題などを取り上げている。

 この報告書ではこの点について十分に掘り下げられていないように思われるが、この点も遺伝子組み換え作物の大きな問題である。農業生産の現場から流通・加工に至まで、独占化、そして画一化が進み、多様性が失われていくプロセスが進行している。
 農業企業体が遺伝子組み換え作物を導入することで、あるいは農民が導入を強いられることで、地域が持っていた種子の遺伝的多様性が失われるとともに、圃場の管理技術も規格化され、在来の農業技術も失われていく。これは世界的な規模で「モノカルチャー」が進行していくことを意味している。既に問題となっている除草剤抵抗性の雑草の拡大もこうした「モノカルチャー」の結果の一つである。世界的な規模で、グリホサート耐性という同じ遺伝子を組み込まれた大豆が栽培され、同じ農薬が散布され続けた時にどのような事態が起こるのか、これは今だかって誰も経験をしたことがない状況である。そして明らかなのは、そうした世界はあまりにリスクが高い世界だということであろう。
 「グリホサート寡占状態は新たな除草剤の研究開発に対するメーカーの投資意欲にも影響するのではないかという指摘もある」、と上記の農業環境技術研究所の報告は触れているが、遺伝子組み換え作物の拡大、それと並行する独占化あるいは寡占化の進行は、種子・技術開発・生産資材・流通といった全ての側面で、市場メカニズムの機能不全を招くとともに、支配とリスクに対抗するための地域社会の人的・社会的な資本も蝕んでいくのである。
 
注)報告書の最初に遺伝子組み換え作物の動向が簡単にまとめられている。また遺伝子組み換え作物の動向については国際アグリバイオ事業団のサイトに世界の遺伝子組み換え作物の商業栽培に関する状況:2007 年という報告書のサマリーが日本語で掲載されている。(この組織は遺伝子組み換え作物の普及を目的としていることを前提として読む必要がある。)(日本語)
 http://www.isaaa.org/Resources/publications/briefs/37/executivesummary/pdf/Brief%2037%20-%20Executive%20Summary%20-%20Japanese.pdf

開発と権利のための行動センター
青西

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2008/02/29

自然保護区と農民 /歪められた現地報道

 自然保護区と農民 /歪められた現地報道 
 グアテマラのイサバル県で、農民リーダーが逮捕された事に反発して、農民グループが一時的に警察官を人質にとって村に立てこもるという事件が起きました。誰によるものであれ、暴力行為や人質を取るという行為を肯定するものではありませんが、現地プレンサ・リブレ紙の報道にも大きな問題があります。
 プレンサ・リブレ紙の報道は、農民グループが自然保護区を破壊し、土地占拠をしているとみなし、更には地域にすむケクチ農民と他の人々との対立を煽るものになっています。

 2月28日付けの記事をインターネットで見ると、「(土地の)不法利用が保護区に深刻な被害」と見出しをつけ、次に「○○に率いられた(土地の)不法利用がチョコン・マチャカ保護区とリオ・デュルセ国立公園に大きな被害を引き起こしてきた」と書いています。
 しかし実際にはこの記事では異なる内容が報道されています。
1)「国家自然保護区審議会の文書によると、この地域には1万5千から2万人が居住しており、およそ30年前からこの保護区を不法利用している」
グアテマラで自然保護区に関する法律が制定されたのは1989年であり、保護区の監督機関の文書自体が、「この地域の農民が保護区の制定に先立って居住していた」ことを明らかにしている事になります。この点については囲み記事として掲載されている農民の声もそれを裏付けています。
2)「別の情報によると、安全のために身元を明かさないように頼まれたが、この二つの地域における森林破壊の主たる責任者は、牧場主、製材業者が主たる責任者であるとのことである。」
「安全のために身元を明かせない」・・・これがイサバル県の、グアテマラの現実と言えるでしょう。そして保護区の破壊や森林破壊の元凶はいくらでも存在しています。ちなみに牧場主も「不法利用/不法占拠」である可能性は高いので、大見出し自体は正しいとも言えるわけですが・・・

 このように、自らの記事の内容すら歪めつつ、プレンサ・リブレ紙は農民運動をつぶすためのキャンペーンを展開しているのです。更には、リビングストンの街を襲撃するといった話を広げ、観光業の障害になっていると喧伝しています。27日付の社説では、「告発されているのはみなケクチ(民族)の名字ではないか」と先住民族組織に突きつけています。こうした姿勢は民族間の対立を強める危険性も孕んでいます。
 
 イサバル県に行けば広大な大農園が広がっている姿を目にすることができるでしょう。こうした農園がどのようにしてその土地を入手し、森林を伐採し、農園を拡大してきたのか、本当に正当な土地所有権を持っているのか。リオ・デュルセ(デュルセ川)の川縁に沿って建設されているコテージなどが適切な許認可の上で建設されているのか・・・こうした事実を洗い出していく作業は本当に命をかける作業になることでしょう。
 
 プレンサ・リブレ紙は27日の社説では「ここ何年にも渡ってイサバル県は、土地占拠、違法伐採、私的所有地や国有地の破壊の舞台になってきた。これらは地域の農民をだましてきた一団によるものである」と書いていますが、イサバル県で生起している問題、農民の声の背景にあるのは「ここ何十年にもわたって、イサバル県は、軍人や政治家、経済的エリートによる、土地の不法占拠、違法伐採、先住民族の占有地の破壊といった違法行為の舞台となってきた」ということなのです。

2/28 Usurpaciones causan severos daños en reservas
http://www.prensalibre.com/pl/2008/febrero/28/223209.html
2/27 Nefastos engaños a los campesinos
http://www.prensalibre.com/pl/2008/febrero/27/opinion.html

 参考情報
1)先住民族に占有してきた土地への権利を認めること:これはグアテマラが批准しているILO169号条約の理事会でも、イサバル県内の別の地域の事例について勧告している。http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/12/post_66f9.html
2)環境保護団体自体が不透明なプロセスで国有地を譲渡されたケースも存在している。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/10/3_54a2.html
3)地域住民の同意なき環境保護区の設置がグアテマラを始め、各地で問題を引き起こしている。
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat7897564/index.html (この中でいくつかの事例を紹介している)
4)グアテマラ政府の代表も参加していた、国際自然保護連合(IUCN)による2003年の世界公園会議において採択されたダーバン行動計画では
重要達成目標10として「2010 年までに、自由やインフォームドコンセントなしで保護地域に組み込まれた先住民の伝統的な土地や領域の返還への参加メカニズムが確立し、実行される」ことを定めている。
 http://www.iucn.jp/protection/reserve/pdf/action_plan.pdf

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 青西 

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2008/02/26

遺伝子組み換え樹種の禁止を求める

遺伝子組み換え樹種の禁止を求める

 2月18日から22日にかけて、ローマで開催された生物多様性条約・科学技術助言補助機関(SBSTTA)の会議において、世界各国の150を超える環境団体・市民団体が、遺伝子組み換え樹種の利用禁止をSBSTTAの勧告に盛り込むことを要請しました。
 国際的な環境団体である「熱帯雨林行動」等は遺伝子組み換え樹種の利用が森林の生物多様性を脅かす危険性を指摘し、生物多様性条約が遺伝子組み換え樹種を禁止することを求めています。
 http://www.wrm.org.uy/actors/BDC/SBSTTA13/index.html 
(英・西で情報あり)
 この会議は5月19日から30日にかけてドイツで開催される生物多様性条約・第九回締結国会議(COP9)に先だって行われてたものです。遺伝子組み換え樹種は、温暖化対策の一環として、二酸化炭素固定能力の高い樹種の開発やバイオ・エタノール生産原料としても注目されつつあり、環境団体としては、COP9に向けてSBSTTAの勧告が後退しないように警告しています。
 日本国内においては、2007年6月に当時の安倍内閣が定めた成長戦略である「イノベーション25」の中で、「環境保全に貢献するスーパー樹木の開発」が掲げられており、既に同年3月から「遺伝子組換えポプラの隔離ほ場試験」が開始されています。しかし、実際の利用には生態系のかく乱を防止するために、花粉発生を抑制することが不可欠となっています。
 しかしこの点についても「熱帯雨林行動」は、「樹木の寿命が長期にわたるため、花粉発生を抑制しても、20年、30年後の変異の危険性を否定できないこと」、「花粉の飛散範囲が広く、広範囲の生態系に影響を及ぼす可能性がある」ことを指摘しています。
 2月25日現在、生物多様性条約の公式サイトではSBSTTAの最終的な勧告は公表されていません。  http://www.cbd.int/sbstta13/

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/02/22

生物多様性条約と先住民族 他

 生物多様性条約と先住民族
1)生物多様性条約の第9回締結国会議が2008年5月19日から30日にかけてドイツで開催されます。それに先立ち、いくつかの会議が開催されていますが、先住民族の声が会議から排除されているという声が上がっています。
 
 2月14日に出された声明によりますと、生物多様性条約に関わる自然保護区に関する作業部会(正式名称はAd Hoc Open-ended Working Group on Protected Areas )に参加していた先住民族代表は、ワーキング・グループの会議から排除されている事に抗議して会議から退席したとのことです。生物多様性条約ではもともと先住民族の参加を重要であると定めているにもかかわらず、ほとんど発言の機会を与えない、意見を取り入れないことへの抗議です。

  上の抗議プロセスなどについては次のサイトに情報が整理されています。
 http://indigenousstatement.blogspot.com/
 元情報はこちら http://www.adital.com.br/site/noticia.asp?lang=ES&cod=31702

 生物多様性条約第8条は先住民族の役割について次のように定めています。
-(j) 自国の国内法令に従い、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関連する伝統的な生活様式を有する原住民の社会及び地域社会の知識、工夫及び慣行を尊重し、保存し及び維持すること、そのような知識、工夫及び慣行を有する者の承認及び参加を得てそれらの一層広い適用を促進すること並びにそれらの利用がもたらす利益の衡平な配分を奨励すること。 (訳はhttp://www.biodic.go.jp/biolaw/jo_hon.htmlによるもの) 
-また第6回締結国会議で採択された2010年に向けての生物多様性条約戦略計画の目標では次のように定めています。
目標4:生物の多様性及び生物多様性条約の重要性に対する理解がより促進され、このことが、生物多様性条約の実施に関する、社会を横断する広い取組をもたらす。(訳はhttp://www.biodic.go.jp/cbd/pdf/6_resolution/strategy.pdfによる)
4.3 先住民及び地域社会が、国・地域・国際レベルにおいて、生物多様性条約の実施及び過程に、効果的に包含される。
-第8回締結国会議の決議8/24「保護区」においても、「保護区に関するプログラムの実施に際しての先住民族や地域コミュニティーの協議プロセスへの包含が重要であること」が同意されています。
 
2)熱帯林関係の情報などを発信している  MONGABAY.COMにスペイン語サイトができました。参考までに。
 http://es.mongabay.com/
 日本語のサイトも構築中のようです  http://world.mongabay.com/japanese/
 (こちらは最新のニュースではありませんが、熱帯雨林関係の基礎情報です。熱帯淡水魚のページが妙に詳しいのも不思議ですが・・・)

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2008/02/19

エクアドル・鉱山・石油開発関連 記事・サイト紹介


1)エクアドルのインタグ鉱山開発計画の撤退が決まりました。
  先住民族の10年News 第141号でこのニュースが取り上げられています。
  関心のある方は先住民族の10年市民連絡会のサイトへ
   http://indy10.at.infoseek.co.jp/
   また次のサイトにも関連情報があります。
  http://www.cafeslow.com/EcuadorCafeInfo.htm
 
2) 「エクアドルの先住民と米大手石油企業のシェブロンとの戦い」
 「デモクラシー・ナウ!(Democracy Now!)」というオータナティブ・メディアのサイトにて、「エクアドルの先住民と米大手石油企業のシェブロンとの戦い」というビデオがアップされています。
 私はリアルプレーヤではみれなかったため、フラッシュ動画の方を利用しました。(字幕付きです)
  http://democracynow.jp/stream/071227-1/

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  青西

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2008/02/09

オックスファム:チリにおけるサケ養殖に関するキャンペーン

オックスファム:チリにおけるサケ養殖に関するキャンペーン

 オックスファム・インターナショナルのサイトを見ていたら、チリにおけるサケ養殖に関するキャンペーンを行っているのを見つけました。日本でも塩鮭でも生でもすっかりチリ産のサケが幅をきかせているので、ちょっと気にかかり、関連サイトなどを追ってみました。
 「流れに逆らうことを恐れることなく」と銘打たれたこのキャンペーンはチリの市民団体であるテラム財団(Fundación Terram)とオックスファム・インターナショナル が協同で実施していているもので、養殖産業の労働条件の問題、養殖が引き起こす環境問題などを取り上げ、チリのサケ産業の改善を求めています。(詳細については資料を読む時間があればまた後日))

OXFAM  http://www.oxfam.org/es/programs/campaigns/mas_campanas/sin_miedo_contra_corriente
Fundación Terram http://www.terram.cl/index.php?option=com_frontpage&Itemid=87
このページにサケ養殖関係の文書が集められています。 
http://www.terram.cl/index.php?option=com_content&task=blogcategory&id=18&Itemid=122
Sin miedo contra la corriente 
http://www.contralacorriente.cl/
こちらのサイトは2団体が合同で作成しているキャンペーン用のサイトで、やはり関係文書なども集められています。

ちなみに、日本のオックスファムのサイトを見てみましたが、関連したページはありませんでした。
アジア太平洋資料センター(PARC)では1年前にチリのサケ養殖の調査をしているようです。
  http://www.parc-jp.org/main/a_study/ustudy/2007sakanaken/sakana070302(日本語)

 日本とも関係の深いチリのサケなのに、日本国内ではなぜこうした取り組みについて情報が流れてこないのだろうか、という点について考えているのですが、日本では、国際的なNGOを通じてというのではなく、生協や消費者運動などがより国際的なつながりを強めていく、それぞれの国の市民組織と連携を深めていくという流れの方が自然なのではないかという気がします。(既にいろいろな生協や消費者団体が様々に取り組みを進めていることは承知の上で、更に・・・ということなのですが。) 
 個人的には、やはり国内の問題にちゃんと取り組んで、その上で国際的な連携を強めていく必要があるのだろうな、と考えています。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2008/01/11

地球はつながっている-バイオ燃料とアマゾン

 スミソニアン熱帯研究所のニュースでは、米国におけるトウモロコシへの補助金がアマゾンの森林破壊につながっているという記事を掲載しています。
 米国におけるトウモロコシ生産(エタノール生産に向けられる)への補助金が、大豆からトウモロコシへの作目転換を招き、このことが世界的な大豆価格の高騰につながり、そしてブラジルにおける大豆生産者の耕作面積拡大、森林破壊につながるということです。更には豊かな大豆生産者は大豆輸出のための道路開発のためのロビーイングを行い、このことも土地投機や森林伐採につながっているとのことです。
 http://stri.org/english/about_stri/headline_news/news/article.php?id=736
 http://www.enn.com/top_stories/article/28859(このENNのサイトより上のサイトにさかのぼって情報を把握)
追記:1月17日のMongabay.comに上記の記事を引用する次のような記事が掲載されています。グラフもついていますので、関心がありましたら。U.S. biofuels policy drives deforestation in Indonesia, the Amazon Rhett A. Butler, mongabay.com January 17, 2008 http://news.mongabay.com/2008/0117-biofuels.html
----------------------------------------------------------------
地球はつながっています。経済活動を通じた世界的なリンクは更に早く、そして深くなりつつあります。上の記事にある大豆はブラジルで生産され、アジアに輸出されてくることでしょう。ペルーでもアマゾン地域の先住民族組織が大豆輸出のための道路建設に反対の声をあげています。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/11/post_8985.html
 EUのバイオ燃料混合政策がアフリカでの油糧作物ブームを引き起こしていることもお伝えしました。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/12/post_ca93.html

 商売になるところに、金のなるところに、資本が動くスピードがこれまでになく速くなり、地域社会が変化のリスクや、その向かいつつある方向を的確に把握し、地域の将来のために、将来の世代のために判断を下す時間が奪われつつあるのだと思います。言ってみれば地域に存在した社会資本など踏みにじり、札束で頬をたたきながら、嵐のように押し寄せそして去っていく。
 
 また一国や一地域の政策も世界的な影響を十分に視野に入れる必要があるということだと思います。

  ----------------------------------------------------------------
さて、関連する講演会などのご紹介
(詳細はそれぞれのサイトで確認ください)
1)南北北アメリカの開発と環境
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/ias/event/lecture/07/2007-3.html
日時: 2008年1月12日(土)17:00-20:00
場所: 立教大学池袋キャンパス8号館2階8202教室
講演: 「開発と環境正義-アメリカ先住民の闘い」
     明治大学政治経済学部准教授 石山徳子
    「蝕まれるアマゾン・パンタナール-農業開発の光と陰」
     立教大学文学部教授・ラテンアメリカ研究所所長 丸山浩明
 司会: 阿部珠理(立教大学社会学部教授・アメリカ研究所所長)
対象: 学生・教職員・一般    予約不要・入場無料

2)【JICA公開シンポジウム】Amazon 森林消失と気候変動
http://www.jica.go.jp/event/080125_01.html
日時:平成20年1月25日(金) 15:00~17:30(開場14:00)
会場:JICA国際協力総合研修所 国際会議場(2階、受付は1階ロビー)
主催:独立行政法人 国際協力機構(JICA)/後援:朝日新聞社
プログラム ※日本語・ポルトガル語 同時通訳付
 基調講演「取材先で見たアマゾン森林破壊の現状」
福留功男(ニュースキャスター)
講演「アマゾンの森林消失と気候変動」
ヨシオ・シマブクロ(ブラジル国立宇宙研究所(INPE)森林衛星モニタリング上
席研究員)

要申し込み 詳細は上記サイトで


 開発と権利のための行動センター
 青西

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2007/12/03

グアテマラにおける鉱山開発は「先住民族の権利条約」を履行せず

グアテマラにおける鉱山開発は「先住民族の権利条約」を履行せず

 2005年3月にグアテマラの都市・農村労働者連盟(FTCC)はグアテマラ政府は、国際労働機関(ILO)の第169号条約、「独立国における原住民及び種族民に関する条約」注1を履行していないとして、ILOに対して申し立てを行っていましたが、これに対するILOの審査委員会の報告が理事会にて採択され、グアテマラ政府は、土地への権利を認めていない点、協議の未実施という点で当条約を履行していないとの判断を下しています。注2

 今後、条約を適切に履行し、先住民族の権利の土地への権利が保障され、協議のメカニズムが確立されるよう、国際社会からの働きかけも重要です。またグアテマラ国における鉱山開発の進展には国際社会からの強い監視が必要です。  

次に、イサバル県におけるこの申し立てまでのプロセスと政府への勧告を整理してみました。

 <経緯>

 1965年にグアテマラ政府は、グアテマラ東部のイサバル県でのニッケル鉱山開発を目指していたエクスミバル社に対して、40年間の採掘免許を認可しましたが、鉱山開発事業は1981年以降は放棄されたままとなっていました。しかし2004年に免許が失効する直前に、3年間の新たな探査免許が供与されたのです。この直後、エクスミバル社はスカイリソース社に買収され、現地子会社はグアテマラニッケル社(CGN)と命名されています。*注3

 この事態に対して、グアテマラの都市・農村労働者連盟(FTCC)は、2004年12月に鉱山エネルギー省が行った、イサバル県のエストールのマヤ・ケクチ先住民族のテリトリーにおけるエクスミバル社(現CGN:グアテマラニッケル社)に対するニッケル他の鉱物資源に関する探査免許の認可が、関係する先住民族の事前の協議を経たものではなかったとしてILOに対して告発したのです。またこの地域には19の先住民族コミュニティが存在しているものの、そうしたコミュニティの社会的・文化的アイデンティティー、慣習、伝統、制度に対する配慮も、また権利を擁護するための活動も行われないまま、この探査免許が与えられたこと、更に、この探査権の与えられた地域は、土地登記の手続を進めているところであり、この探査権認可がこの手続に影響を及ぼしていることも指摘しました。

 また先住民族コミュニティーは「政府は、この探査免許について、一度も事前に情報を提供していないし、マヤ・ケクチ住民との協議も行っていない」、「先住民族はエストールの土地と歴史的につながりを持ち続けている上に、民族の持続的な存在の基盤として、保全し、開発し、また未来の世代に引き渡していくつもりである」と訴えていました。

<政府の反論>

 この申し立てに対してグアテマラ政府は、これまでこの条約履行に向けて、重要な対応をしてきたこと、探査免許認可した土地は「私有地もしくは国有地であり、申し立てている19コミュニティの土地は含まれていない。これらのコミュニティは私有地もしくは国有地、あるいは国有とされうる荒蕪地(未登記地)に存在しており、またコミュニティによっては耕作地を有するのみである」、そこで「この申し立てに関係するコミュニティは土地所有者ではない以上、条約の15条は適用されない」と述べていたとのことです。
 政府はコミュニティが「不法に土地を占有している」と見なし、協議の対象と見なしていないという態度を取っているのです。

<審査委員会の結論と政府に対する勧告>

-先住民族コミュニティが伝統的に占有してきた土地が、土地証書を持たないことで違法と見なすことは条約の考えとは一致しない。条約の14条は先住民族が伝統的に占有してきた土地に対する権利を承認している。

-条約の14条が定めるところの土地に対する先住民族の所有及び占有の権利を保障するために、先住民族と協議の上で、適切な対策を取ること。

-土地管理のプロセスには時間がかかるが、その過程において先住民族が不利益を得ないように、先住民族の土地への権利を保護するための移行手段を適用すること

-2004年の探査ライセンス認可に際しては、条約が定めるところの協議は実施されなかったと考える。そこで2007年12月に失効する探査ライセンスに替わる開発ライセンスを認可する際には、関係するすべてのコミュニティの参加に基づく協議が実地されなくてはならないし、開発が引き起こす可能性がある損害に対しては補償がなされなければならない。

-先住民族コミュニティに影響を及ぼす自然資源の探査、開発に際して、政府は条約の15条を完全に履行し、事前の協議を実施すること。また環境影響調査、環境対策計画など異なる諸過程においても当該先住民族の参加を確保すること。

-条約の15条で定めるところの、自然資源の探査・開発に関わる先住民族との協議を定めた法及び細則の制定を進めること。
*注1 独立国における原住民及び種族民に関する条約 (日本語)
 主として関係するのは13条、14条、15条です。
 http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/c169.htm 
*注2 ILOの審査委員会報告書はこちら http://www.ilo.org/ilolex/cgi-lex/pdconvs2.pl?host=status01&textbase=ilospa&document=87&chapter=16&query=Guatemala%40ref&highlight=&querytype=bool&context=0
(英語) http://www.ilo.org/ilolex/cgi-lex/pdconv.pl?host=status01&textbase=iloeng&document=87&chapter=16&query=%28Guatemala%29+%40ref&highlight=&querytype=bool&context=0 *注3    これまでの経緯などについてこちらも参照ください。
 http://homepage3.nifty.com/CADE/guatemala/Guatemala%20indigena%20y%20medio%20ambiente.htm##San%20Marcos%202 
  ベルシェ政権の一年と先住民族運動 
  イサバル県エル・エストールにおけるニッケル採掘と先住民族

開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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2007/11/29

「人間開発報告2008」とバイオ燃料

 最新版の人間開発報告は、「気候変動と闘う」がテーマとなっています。
Climate change threatens unprecedented human development reversals
http://hdr.undp.org/en/reports/global/hdr2007-2008/
La lucha contra el cambio climático: Solidaridad frente a un mundo dividido
http://hdr.undp.org/en/reports/global/hdr2007-2008/chapters/spanish/

 この中のボックス記事で、EUのバイオ燃料混合政策で引き起こされているアジアにおけるパーム油-バイオ燃料生産の問題点が取り上げられています。
「先住民族によって伝統的に利用されてきた森林が奪われ、また製材業者も、オイルパームの生産拡大を口実に伐採を進めている」
「先住民族にとって、法にアクセスするコストは高く、また強力な投資家と政治エリートとのつながりの前に、先住民族はその権利の尊重を求めることは難しい・・・」
 
 とどこでも起こりえる状況が伝えられている。
 ちなみにこのボックス記事の出典は行動センターのブログでも既に紹介している。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/07/post_a532.html
 
<今回のニュースは CBD News Headlines - 28 November 2007 からmongabay.comのサイトの下の記事に飛び、更にUDNPのレポートを確認して作成したものである。>
UN says palm oil destroys forests, indigenous cultures in Indonesia, Malaysia、November 27, 2007 http://news.mongabay.com/2007/1127-undp.html

このmongabay.com のサイトは熱帯雨林に関する記事などに加え、パームオイル生産の問題などのニュースを掲載している。

 開発と権利のための行動センター
 青西


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2007/11/15

中南米におけるバイオ燃料の拡大とその問題点

中南米におけるバイオ燃料むけ農業生産拡大等の問題点を提起している記事などを紹介します。

 今回の情報源はBiodiversidad en América Latina   というサイトになります。ここには中南米の環境関係、生物多様性関係の情報が集積されています。多くは地域の環境運動組織などからの情報です。内容はスペイン語あるいはポルトガル語で紹介されています。また登録すると二週間に一回、ダイジェスト版のメールも送付されてきます。

 今回の報告は、上記のサイトからリンク先の元の情報源に入って紹介していきます。

1)大豆ブームとその帰結 El boom de la soja y sus consecuencias ” Agrocombustibles vs. soberanía alimentaria” (07/11/11)                                    http://www.prensamercosur.com.ar/apm/nota_completa.php?idnota=3741

このアルゼンチン発の記事では、アルゼンチンにおける大豆拡大の問題を取り上げており、大豆生産によって土壌が疲弊していること、新技術の導入とそれによる生産性向上は大規模経営にのみ可能であり、農村部では大規模経営の拡大、小規模農家の減少、人口の減少という事態が進んでいる。しかしこうした農業の拡大は、大多数の生活の改善にはつながらず、ごく少数の者に富が集中している。

 この記事ではこうした状況を「アルゼンチンの再植民地化」と称し、こうした状況の前に、小農支援政策の重要性、より持続的な技術の導入の必要などを訴え、また「アグロ燃料は帝国主義的再植民地化プロジェクトであり、多国籍産業による農民経済と食糧主権への攻撃である」と述べている。

2)ペルー・アマゾンにおける大豆のための道路に先住民族が反対の声をあげる。(07/10/30))
Pueblos indígenas se organizan contra la carretera de la soya en la Amazonía Peruana
  http://americas.irc-online.org/am/4516 (英語)
  http://www.ircamericas.org/esp/4687 (スペイン語)
 こちらはCenter for International Policy発の記事で、英語とスペイン語の情報が利用できます。
 インタビューを含め長文なので、一部のみ整理して報告します。

 ペルーアマゾン域には現在BIDやCAFなどの国際金融機関が進めるIIRSA(南米地域統合インフラ・イニシアティブ)という計画があり、ブラジルの大豆の太平洋側への搬送などを目的とした大陸横断道路の他、環境に影響を及ぼしうる350のプロジェクトが計画されている。この道路はこれまで鉱山会社や農企業の関心の外に置かれていたぺるー・アマゾン地域を、農企業、鉱山・石油開発の権益に巻き込み、小農や自発的孤立にいる先住民族の土地への圧力を高めるものとなるであろう。
 Federación Nativa de Madre de Dios (FENAMAD)の代表フリオ・クスリチとのインタビューでは
・先住民族にこれらのプロジェクトに関する情報が伝えられていないこと
・先住民族のテリトリーへの権利の保障が重要な問題となる。
・環境影響調査は地域の実情を十分に反映したものとなっていない。
・先住民族のテリトリーの領域確定が進んでいない
・道路は地域住民の利益のためではなく、外部のものの利益のために計画されている
・道路建設による移民の流入も大きな問題となることが想定される。
・この地域における石油開発の問題もある。この石油開発においてペルー政府はILO169号条約を全く履行していない。
・違法伐採も進んでおり、この問題も深化するであろう。

 といった問題が伝えられています。

FENAMAD に関係するサイトとしてこちらもどうぞ
http://www.ecoturismowanamei.com/english/fenamad_review.php (英語)
http://www.ecoturismowanamei.com/espanol/resena_fenamad.php(スペイン語)
FENAMAD, Asociación Interétnica de Desarrollo de la Selva Peruana (AIDESEP):
www.aidesep.org.pe

ちなみにフリオ・クスリチ氏は緑のノーベル賞と言われる「ゴールドマン賞」を2007年に受賞しています。
http://www.goldmanprize.org/node/608

またCenter for International Policyにはこのほかにもバイオ燃料関係の記事があります。こちらをどうぞ http://americas.irc-online.org/am/4558

3)エクアドルで「バイオ燃料促進法」の審議が進む
  se ha aprobado en primer debate le "Ley de Promoción de Biocombustibles"
  http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/37098
 これはエクアドルの環境団体(Acción Ecológica )発の情報です。
 どのような法律が審議されているか報告されていますが、その他に既にエクアドルでバイオ燃料原料の生産に関わる問題として、森林の改変、多量の農薬等の投入等を指摘しています。
 またAcción Ecológica のサイトでエスメラルダ地方におけるアフリカヤシのモノカルチャー拡大の問題が報告されています。
 INFORME DE VERIFICACION DE LA EXPANSION DE LOS MONOCULTIVOS DE PALMA AFRICANA EN EL NORTE DE ESMERALDAS
http://www.accionecologica.org/images/2005/bosques/documentos/verificacionesmeraldas.pdf

 開発と権利のための行動センター
 青西

続きを読む "中南米におけるバイオ燃料の拡大とその問題点"

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2007/10/25

中米における観光開発を巡る問題-パナマ・コスタリカ 

中米における観光開発を巡る問題-パナマ・コスタリカ 

 夏以降、中米における観光開発を巡る記事がいくつか届いたので、報告します。
一つはパナマにおける先住民族と観光開発を巡る問題で、これは外国資本による観光開発を前にして、先住民族の自治組織内部での意志決定のあり方も問題となっています。
もう一つはコスタリカの事例で、こちらは拡大を続ける観光業が地域の自然環境に問題を引き起こしているという報告です。コスタリカを環境保全の先進国と妙に理想化せずに、大規模観光開発による環境破壊の現状をモニタリングしていく必要があるのでしょう。

1)パナマ先住民族居住地区と観光開発-パナマのノベ・ブグレ・コマルカにおけるダマニ・ビーチ観光開発を巡る対立
 
 ノベ・ブグレのコマルカ(先住民族区)は3つの地域に分かれており、その一つがNo Kribo地域である。このNo Kribo地域の伝統的権威が、米国系のダマニ・ビーチ社と観光開発に関する合意を結んだという話を発端に、この地域での観光開発を巡る対立が生じている。 
 6月17日に地域議会が、このダマニ・ビーチ社と観光開発に関する合意を結んだとのことであり、これがNo Kribo地域を構成するKusapín y Kankintúの住民の反発を招いたとのことである。
http://www.estrelladepanama.com/web/main/ver.php?idnews=55297
その後、合意文書はいくつか修正を受けているようであるが、その開発コンセッションが45年、更に40年の延長可能と長期にわたることの問題、また地域議会にはこのような合意を締結する権限は認められていないこと、海岸線の開発コンセッションに関する国の権利への抵触など、この合意に至る手続の違法性も指摘されている。更には、実際に開発されることになった場合には地域の生態系へ大きな影響を及ぼすことは避けられない。
http://www.nodo50.org/caminoalternativo/boletin1/152-15.htm

 この問題はどうもはっきりしない点が多いので、関心のある方はこちらの情報をお読みください。
http://burica.wordpress.com/2007/07/17/comarca-ngobe-bugle-vendida-a-consorcio-damani-beach/(このサイトのコメントも興味深いものです。地域を離れた若者がこのコマルカの開発を考えてコメントを書き込んでいたりする。)
http://www.turismo-responsable.org/denuncia/0708_tierras_panama.html
http://www.thepanamanews.com/pn/v_13/issue_18/business_03.html
INFORPRESS CENTROAMERICANA Proyecto turístico genera malestar entre indígenas
Edición : 1726 Publicado : 19/10/2007

ちなみにこのノベ・ブグレにおいては鉱山開発利権も存在しており、地域の先住民族の反対で一度は中止に追い込まれたセロ・コロラド銅鉱山の再開発が目指されているようである。(パナマ共和国の投資環境調査 JOGMECP6) 
http://www.olca.cl/oca/panama/mineras01.htm
http://www.jogmec.go.jp/mric_web/strategic/panama2006/panamaindex.html


2)コスタリカにおける観光開発への批判

 2007年8月に発行されたWRM(世界熱帯林運動)のニュースレターに近年のコスタリカにおける観光開発の問題点が取り上げられている。要約すると次のような問題が上げられている。

-近年の停電が、自然保全地区における水力発電や地熱発電プロジェクトの口実に使われていること。
-しかし市民に対しては節電や節水を呼びかける一方で、観光業者やもっとも乾燥した地域にであるグアナカステの五つ星のホテルにはそのようなことは言われない。乾期のゴルフ場への散水の中止やプールの水替えの中止は要請されない。そしてグアナカステの高級ホテルやコンドミニアムの建設がどれだけの水を利用するか、既に地域のコミュニティは建設業者が河川を干上がらせていると告発しているという。
-もっともいい場所は私有地に、そして外国人の手に渡り、また国家の自然財産がインターネットで売り払われている。ゴルフィート野生生物保護区では高い土地に豪華な建築物が作られ、展望を得るために傾斜地の木々が伐採されている。下方の村は土砂崩れの危険に直面している。
-パパガヨ・観光拠点プロジェクトではホテルやゴルフ場のために沿岸乾燥林が伐採され、バウラス公園のバッファーゾーンのタマリンドでは”タマリンド保全社”が、数百ヘクタールにおよぶ「エコロジカル住居プロジェクト」のために既にマングローブの伐採が進んでいるという。
-渡り鳥の渡来地でもあり、残されたわずかな湿地帯であるニコヤのサマラ海岸でも観光開発のための開発が進みつつある。
-ドミニカルからパルマルにおける沿岸部においても観光プロジェクトによる森林や生物多様性の破壊が進んでいる。
-しかしこの話は決して新しいものではなく1993年においても既に「最も偽善的な観光開発」だと、環境団体から指摘されていたという。
 関心のある方はこちらへ
  http://www.feconcr.org/index.php?option=com_content&task=view&id=133&Itemid=27
http://www.wrm.org.uy/countries/CostaRica.html

 大規模観光開発が環境にネガティブな影響を引き起こすのは明らかであり、コスタリカといえども例外ではないということであろう。更に、この報告に出てきた「グアナカステ」と「ゴルフィート」は、JICAがコスタリカ政府観光局と行った「コスタ・リカ国沿岸地域 観光土地利用計画調査」で扱われている地域とぴったり一致しています。
http://lvzopac.jica.go.jp/external/library?func=function.opacsch.mmdsp&view=view.opacsch.mmindex&shoshisbt=1&shoshino=0000002932&volno=0000000000&filename=11634144.pdf&seqno=1
この調査結果がこうした事態を引き起こすきっかけになったのか?あるいはこの調査が実際には活用されなかったからから問題が起きているのか?現場も知りませんし、この調査報告書もちゃんと読んでいないので何とも言えませんが・・・この点も納税者としては見ていかなくてはならないのではと考えています。

 またグアナカステにおける開発問題(長期滞在者向け別荘?の拡大)について、FECON(コスタリカ環境保全連盟)のサイトに次のような記事も掲載されています。
http://www.feconcr.org/index.php?option=com_content&task=view&id=154&Itemid=70

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2007/10/18

世界食糧デーとバイオ燃料

世界食糧デーとバイオ燃料

 10月16日は世界食糧デーでした。それにあわせていくつかの報道がなされていますので紹介します。

1)食糧への権利のための国連特別報告者であるジャン・ジグレール(Jean Ziegler)がバイオ燃料に関してモラトリアムを要請
http://www.swissinfo.org/spa/portada/detail/Jean_Ziegler_pide_moratoria_en_biocarburantes.html?siteSect=105&sid=8307635&cKey=1192178989000&ty=st
 この報道によると食糧への権利のための国連特別報告者は、トウモロコシやその他の穀物を利用したバイオ燃料生産は食料価格を高騰させるとともに、世界の飢餓を深刻化させる危険があるため、食用作物を利用したバイオ燃料生産に5年間のモラトリアムを求めているとのことである。
 この期間に、経済的権利や環境に対するバイオ燃料のインパクトを評価するとともに、第2世代のバイオ燃料への技術開発に投資すべきと考えている。またこの第二世代バイオ燃料は穀物価格の高騰を避け、飢餓を避けるために、非食用作物、農業廃棄物、作物残渣などを利用して生産されるべきであると述べている。
 また50リットルの自動車のタンクを満タンにするためのバイオ燃料は約200キロであり、これは1人分の一年間の食糧に相当するとのことである。さらにブラジルにおけるサトウキビ生産について、サトウキビの拡大が食糧生産コストを引き上げているとともに、10ヘクタールの食糧作物生産が7-10人の雇用を創出する一方で、サトウキビ生産では雇用は一名に過ぎないとののことである。
 
2) 増え続ける飢餓人口
 同じくジャン・ジグレールは世界食糧デーに際して声明を発表し、食糧への権利を侵害されている人々の数が減少していないこと、飢餓に苦しむ人口は1996年以降増え続ける傾向にあり、その数は8億5千万に上ると推測されている。5秒に一人世界で飢餓や栄養不良で10才以下の子どもが死んでいっているという。しかし世界はこれまでになく豊かになり、世界中の人口の倍の人数が食べるだけの食糧が生産されているという。
 また国際機関にも不一致があり、FAOが食糧への権利を確立するために取り組んでいる一方で、IMFや世界銀行、世界貿易機関などが反対にその権利を切り崩していると批判している。また各国の政策も、世界食糧サミットで食糧への権利を認めているにもかかわらず、ネガティブな影響のある貿易政策を採用している国があると述べている。
 さらに、女性や先住民族など脆弱な状況に置かれている人々の排除や差別、食糧システムへの多国籍企業の野放図な権力、砂漠化、武力紛争そしてバイオ燃料といった問題を提起している。トウモロコシや小麦、砂糖、パームオイルなどを燃料にしようなどというひどい思いつきは、惨事を導くことになると述べ、食糧と燃料の競争を生み出すリスクがあり、このことは開発途上国における食糧・土地・水価格の高騰をもたらし、貧困と飢餓を残すことになると批判している。

http://www.unog.ch/80256EDD006B9C2E/(httpNewsByYear_en)/6173E6CDDA0EBBECC1257376002FB352?OpenDocument

以下 世界食糧デーとは関係ありませんが、バイオ燃料関係の情報です

3) Oil Palm. From Cosmetics to Biodiesel :Colonization Lives On 2006年9月発行
 まだ目を通していませんが。(英語、スペイン語)
http://www.wrm.org.uy/plantations/material/BookOilPalm2.html
  
4) ナショナル・ジオグラフィック 10月号 
シリーズ「地球の悲鳴」 バイオ燃料 実用案にもお国柄
ブラジルでいち早く取り入れられ、いまや世界中の注目を集めるバイオ燃料。地球温暖化を緩和できるのか。各国での研究の最前線をレポートする。
 http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0710/feature01/index.shtml

5) Global Bioenergy Partnership (GBEP) なるサイトができています。中身未確認
  http://www.globalbioenergy.org/
 
開発と権利のための行動センター
青西

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2007/10/11

グアテマラ 鉱山開発問題のその後(071011)

グアテマラ 鉱山開発問題のその後

 今回、グアテマラを訪問した際に、サンマルコス県のサンミゲル・イシュタウアカンやシパカパで採掘が進む露天堀のカナダ資本の金鉱山であるマルリン鉱山についてもインタビューを行ってきました。そのインタビューを整理して報告します。

1)現地の先住民族組織であるアフチモルは次のように鉱山開発に関わる問題を整理してくれました
-井戸の水量低下、水の枯渇
-排水池の汚染水によるとおもわれる家畜や鳥の死亡
-周辺住宅における振動等による壁面のひび
-汚職の蔓延(鉱山会社が政治家や地域のリーダ-を買収していくことによる)
-暴力事件の拡大
-コミュニティ内の対立の深化(鉱山で雇用されている人、されていない人)
-地域のアイデンティティーの崩壊、先住民族差別(鉱山の職場内で先住民族言語を利用できないなど)

2)地域の鉱山開発に関するレポート(Foto -Reportaje :La Mina Marlin,COPAE 2007.8)ではひびの入った家屋の写真を紹介しているが、鉱山近郊の57の家屋で壁面へのひびなどが発生しているという。しかし鉱山側は全く補償を行う態度を見せていない。更には 鉱山開発によって家のすぐしたまで岩盤が削り取られている状態も報告されている。
Sm1_2
Sm2_2
 また鉱山の側の公共道路には次のような看板が掲示されている。「鉱山工事中につき危険:自己責任とリスクで運転するように」。
Sm3_2


 ・・・・このような横暴が許されるものであろうか?地域住民に対する暴力であり、立ち退かせるための脅迫であある。また企業側は危険防止に果たすべき責任すら負わず、企業の私有地の如きである。グアテマラ政府は、住民の実力行使を批判するために「法治国家」なる表現を多々利用するが、このサンマルコスで起こっている事態は「無法地帯」そのものではないだろうか。

 以下ここまでの関連情報
 関連情報は次のサイトからどうぞ(英語・スペイン語)
http://www.resistance-mining.org/english/index.php
開発と権利のための行動センターのスペイン語情報提供サイト
http://homepage3.nifty.com/CADE/Espanol/mineriaindex.html
次のサイトは日本語です。(ジェームス・ロドリゲスのブログ)
http://mimundoj.blogspot.com/2007/09/blog-post.html
写真はFoto -Reportaje :La Mina Marlin,COPAE 2007.8より。ダウンロードは次のサイト
http://www.resistencia-mineria.org/espanol/fotos/fotoreportaje-marlin-0807.pdf


3) 鉱山問題を扱う、カトリック教会サンマルコス教区の「平和とエコロジー委員会(COPAE)」の活動
 現在 COPAEでは4つの活動を中心的に行っている
―水系汚染に対する環境モニタリング
―調査・コミュニケーション
―法的支援
―抵抗と連携
―(開発のためのオータナティブ)

1)水系汚染モニタリング
 最終的にメキシコ湾まで流れこむ、鉱山周辺の河川の水質モニタリングを行っている。自然資源・環境省(MARN)が行うべき業務であるが、脆弱であり、まったくできていない。実施しようという政治的意思も欠如している。企業はお抱えの環境モニタリング会社を通じて、地元住民による環境調査を組織しているが、試料は企業の手に渡り企業の分析室において分析されるのであり、中立性、信頼性を欠いている。
 水系への影響はすでに出ている。アルミや銅、鉄といった金属の検出量が国内外の規定を上回っている。髪が抜けたり、家畜や鳥が死んだというケースも報告されている。汚染がないという方がそもそもありえない。
 今後水質モニタリングのデータをコミュニティに渡し、住民が適切な情報を持つことを支援していく。また科学的な分析のベースラインを作っていくことを目指している。
「国際的な環境モニタリングの専門家の来訪を期待している」
2)調査・コミュニケーション
 コミュニティ出身のレポーターを養成し、鉱山開発に伴い、何が起きているかを報告してもらう。そういう情報に基づいてビデオやポスターを作成。また今後、ラジオでの放送も始める。
 これ以外に専門的な調査も別途行う。

3)法的支援
企業に対して、損害に対する責任をもとめる訴え、また国際的な司法機関にこの問題を提訴するといった活動の実施。

4)抵抗と連携
 孤立した運動を展開するのではなく、鉱山開発の問題を抱えるグアテマラのウエウエテナンゴ県やイサバル県とも連携することを目指している。またコミュニティの強化に取り組み、住民による協議を進めるといった活動も行っている。

まとめ
 開発と権利のための行動センター
 青西
 

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2007/10/05

自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)3

自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)3

<サンタクルス山域候補地域>

 イサバル県西部、イサバル湖とペテン県に挟まれるサンタクルス山域は1989年に公布された4-89法(保護区法)の第90条において「特別保全地区」として指定され、自然保護区としての制定候補地となっている。
 しかしこの地域の土地問題は不透明な歴史を持っている。1990年6月、当時のセレソ大統領の子息であるマルコ・ビニシオ・セレソ・ブランドンは環境NGO「FUNDAECO」を設立。その半年後、大統領の任期切れの直前の12月に、国有地(チョコン・ナシオナル農園)がこのNGOに対して、環境保護を名目に2500ヘクタールに渡って譲渡されるのである。ここからこの地域の土地問題が混乱を深めていく。地域のコミュニティが10年以上にわたって進めてきた土地所有権確定手続きはここで一度頓挫する。

 しかしコミュニティの人々による土地回復運動が高まる中、2000年以降、この環境NGOはその所有地の一部を国に返還し、その後土地分配を担当する「土地基金」によって土地の一部がコミュニティに分配された。しかしコミュニティが本来要求していたコミュニティの土地全域ではなく、コミュニティの住民の耕作地に当たる部分のみの所有権確定を受けることとなった。環境NGOの主導で作られた土地利用区分に基づき「保全地区」、「多目的利用地区」と指定された「コミュニティ」の土地は、環境NGOの私的所有権のもとに従属している。不透明な手続きのもとで土地を確保した環境NGOが「コミュニティの土地」の所有者として居座っているのである。現在、「多目的利用地区」における植林補助金等の手続き管理等は環境NGOの手に握られている。またFUNDAECOでは、今後のサンタクルス山域の保護区設定に向けて着々と準備をしている。  
 
 地域住民は2000年頃より土地問題解決の支援を求め農民組織であるコニック(CONIC)と活動してきた。と同時に「地主」であるFUNDAECOとの活動も続けている。植林や呼称栽培などのプロジェクトを彼らと行っている。しかし地域住民はよそ者のNGOが自分たちの土地を、資源を管理することには明確なNoの姿勢を堅持している。
 こうした活動の中でコミュニティのリーダーは「チョコン・ナシオナル保全コミュニティ間審議会」を設置、その後、「イロル・キチェ・アソシエーション(<森の守り人>の意)」としての登録手続きを進めている。将来的には環境NGOを通じてではなく、自分たちで、自分たちのテリトリーを、自然資源を管理したいと考えている。
 しかしこのアソシエーションが自主的に地域を管理していくためにはまだまだ力が足りない。会計能力やプロジェクトのマネージメント能力の強化、近隣の住民組織との連携などやるべきことは山積している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「開発と権利のための行動センター」では、現在、グアテマラのイサバル県の住民アソシエーションの強化のための活動実施を支援しています。
 また全国レベルの農民・先住民族組織であるCONICとも連携し、自然保護区と先住民族の関係や国内での取り組みを共有するためのセミナーなども実施しています。
 10月にはCALASやサルストゥンの地域住民リーダーなどを招いて、経験を交流するワークショップも実施する予定です。

 行動センターでは今後も次の大きな二つの方向性での活動を継続していきますので、ご支援頂きたくお願い申し上げます。

1)地域先住民族組織・住民組織強化支援:組織強化、関係機関との連携強化
2)先住民族組織強化支援:経験共有と戦略策定支援

寄付金振込先はこちら

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター

 開発と権利のための行動センター
 理事 青西靖夫

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自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)2

 自然保護区をめぐる先住民族の取り組み 2

<イシル生物圏ヴィシス・カバ保護区の事例>
キチェ県北部のネバ・チャフル・コッツアルの三つの自治体はイシル語を話す先住民族が居住している地域である。この中のチャフル(chajul)に位置する「イシル生物圏ヴィシス・カバ(Visis Caba)保護区」はその設立以来、地域内での対立・紛争が続いている保護区である。
この保護区は1997年7月に政令40-97によって「イシル生物圏 ヴィシス・カバ保護区」として制定されたものである。しかしこの保護区の設定は地域住民の十分な同意を得ないままに、域外の環境保護団体と地域の一アソシエーションを中心に進められたために、地域の住民の中に対立を引き起こすものとなった。

 もともとヴィシス・カバはチャフルの自治体所有の共有地であり、また伝統的な聖地でもあった。ヴィシス・カバにあるフイル山(Cerro de Juil)はその中でも重要な聖地である。また地域住民はこの共有地でカゴや蔓細工を行うための材料を採集しつつ、長年にわたって森林を守ってきたのである。急峻な地形にも助けられ、豊かな森林以外にもジャガーやピューマなども生息しているという。
 その一方、この地域はグアテマラ内戦の中ですさまじい弾圧を受けた地域でもある。1975年のグアテマラ貧民軍(EGP) によるチャフル北部のペルラ農園での農園主殺害以降、この地域では地域のコミュニティに対する激しい弾圧が繰り広げられ、弾圧から逃れた住民が山中にCPR(抵抗の共同体)を組織し、集団で軍の弾圧から逃れていた。

 1989年に保護区法(4-89)が制定された時点で、既にこの地域は将来的な保護区の候補地として挙げられていた。1995年頃から外部の環境保護活動家が保護区設置のための動きを進め、地域の開発事業や有機コーヒー生産を行っていたチャフル住民アソシエーション(Asociación Chajulense)や自治体の首長マヌエル・アシコナ(Manuel Asicona)を巻き込んでいく。そして1996年にCONAPに対して自治体当局、住民アソシエーション、地域コミティ」の名前で保護区設置の要請がだされる。それに並行する形で環境保護団体であるマードレ・セルバ(Madre Selva)が技術報告書を作成し、その中でチャフル住民アソシエーションを管理事業者とすることにコンセンサスがあるとして推薦している。
 1997年7月、法40-97によって、保護区設置法が公布され、正式にヴィシス・カバ保護区設置が決まるとともに、その中の第5条でチャフル住民アソシエーションが管理業務者として指定されることも規定された。
しかしこの保護区設置は、地域で活動していた先住民族の権利擁護組織であるデフェンソリア・マヤなどをはじめとする地域住民から大きな反発を受けることとなる。大きな問題は、この保護区の設定プロセスにおいて住民側のコンセンサスが欠如し、住民に情報がいかないままに保護区が法的に制定されたという点である。こうした情報の欠如もあいまって、このヴィシス・カバの共有地が国に売られた、外国の企業に売られたという噂も広がっていたようである。
 またこの反発には、歴史的に存在する国家機関への不信感、地域の共有地に対する外部からのルールの押し付け、利用してきた自然資源へのアクセスが不可能になる可能性があること、更には内戦時の避難民の土地確保問題と共有地からの排斥を狙う地域住民との利害の対立など様々な要因が存在していた。
 保護区設置そしてそれを進めた自治体に対する反対運動がふくれあがる中で、1997年12月には管理業務者への支援機関である「地域技術審議会」にコミュニティ代表、デフェンソリア・マヤ、国内難民委員会を含めるという法改正が行われた。しかし自治体との対立は続き、また国の担当機関である保護区管理審議会(CONAP)も地域への担当者の配置をあきらめることとなった。
こうしてCONAPも実質的にはこの地域を保護区としての管理することを諦めることとなり、またチャフル住民アソシエーションも現在は保護区の件には関与していない。
 
 -現在の動き-
 2年ほど前から環境法・社会アクションセンター(CALAS)が新しくこの地域での活動を展開しつつある。地域住民に対して保護区を押し付けるのではなく、地域住民主導で保護区について考え、判断していくための情報を提供し、集まりを調整していくファシリテーターとしての役割に専念している。「保護区」という用語の使用も避け、まず地域住民主導のワークショップで、既存の規範の把握・共有を行うとともに、保護区法のイシル語への翻訳も進めている。
 地域の言語で情報を提供していくこと、考え、意見交換を行う場を組織すること、その上で、住民主体で方向性を定めていくことを目指している。こうした、言ってみれば当たり前の作業がやっと前進しつつある。また「ドナーの時間」ではなく、地域の時間を見据えて、10年がかりで活動を進めていこうという方針を持っている。
 またCALASとしては保護区法の改正のためのロビーイングを行い、管理カテゴリーに「共有管理地区」という定義を入れていく方向を目指している。これによって地域住民主導の自然保護区設置に向けての法的裏付けを固めていく方向である。

注)この報告は現地での聞き取りに加え、Bettina Durocher,Los Dos Derechos de La Tierra: La Cuestion Agraria en el Pais Ixil,2002 も参考にした。

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自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)1

 自然保護区と先住民族(グアテマラ)

 9月にグアテマラを訪問し、開発と権利のための行動センターの活動地域また関連する取り組みの視察などを行ってきました。
 グアテマラにおける「自然保護区と先住民族の取り組み」というテーマで3回に分けて報告を掲載していきます。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫


自然保護区をめぐる先住民族の取り組み 1

<サルストゥン流域自然保護区>
イサバル県北東部を流れるサルストゥン川の流域に保護区(正式名は「サルストゥン川多目的利用保護区」)が設定されたのは2005年3月のことである。グアテマラ国内の環境NGOである「FUNDAECO(フンダエコ)」が積極的に設立に向ける準備を推し進め、「技術報告書」を作成し、保護区管理にかかわる法案を作成し、国会での審議に持ち込んだ。地域住民がこの事実を知った時には、法案は採択される寸前であつた。
 このことに驚いたのは、地域に住むケクチ民族のコミュニティの人々であり、また地域のコミュニティの土地登記を支援してきたカトリック教会の土地司牧会である。この地域に住むケクチ民族のコミュニティは、生活してきた土地の所有権を確定するために、30年以上にわたって手続きを続け、あと少しで土地登記の手続きが終了するところまでたどり着いていた。数年前に活動を始めたリビングストン教区の土地司牧会は、土地の測量、土地基金との交渉など、この土地登記のための手続きを支援してきていたのである。
 しかし自然保護区に設定されると土地登記の手続きを進めることはできない。「自分たちの土地」であり、「自分たちで守ってきた土地」を、自分たちのコミュニティのものとして登記することができなくなるのである。
 また地域住民の意向を聞くこともなく、協議を行うこともなく作成された法律に書き込まれた保護区内のゾーニングは、地域住民の生活を反映したものとはなっていない。いくつかのコミュニティはその土地の半分以上を、立ち入ることもできない「不可侵ゾーン」に指定されてしまったのである。

 地域コミュニティの連合体である「Asociación Amantes de la Tierra(土地を愛する者アソシエーション」では、まず法の採択の延期、改正を求めて運動を開始した。しかし保護区設置法は国会で採択されてしまう。そこで次にこの保護区制定にかかわる法12-2005を違憲として憲法裁判所に提訴した。コミュニティの反対運動に直面する保護区は、その設置法に書き込まれた3名のコミュニティ代表を含む地域の関係者を含んだ管理委員会を立ち上げることもできないまま頓挫している。
 このアソシエーションでは、保護区の制定そのものに反対の姿勢をとるのではなく、まず土地の登記手続きを終わらせること、地域住民が計画そして決定のプロセスに参加すること、そして自然保護区の設定による利益を享受できるようにすること、この3点を強く求めている。
 また 硬直した状況の中で、地域のアソシエーションと環境NGOが連合体を結成して、今後の保護区を実現しようという動きも検討されつつある。連合体の中で同等の権利を持って参加することを通じて、保護区における活動や資金の動きを管理していこうというものである。この動きは重要な一歩となりうるであろう。しかしこの動きを現実のものとするためには、新しいリズムが必要とされる。コミュニティにケクチ語で報告すること、法案や関係文書をケクチ語に翻訳していくこと、コミュニティの参加に基づく決定を可能とする時間を確保すること。これまでのドナーとの関係に目がいったプロジェクト管理の時間の流れにこだわれば、結局は一部リーダーしか分かっていない表面的な参加にとどまることであろう。
 また地域住民が保護区の管理に入っていくことも必要とされている。この地域には石油開発や鉱山開発の利権も存在している。法案にもともと石油開発の抜け道を用意していた、という批判受けているような環境NGOのみに任せておけば、地域内に石油開発の認可が与えられてしまう可能性すらある。
 このことは土地所有権を確立することとの重要性にもつながっている。保護区内といえ国有地のままに置かれたままであれば、「多目的利用ゾーン」において地下資源の開発権が政府によって認可されてしまえば、その動きを止めることは難しい。地域全体の開発のあり方に関与していくためにも保護区の管理に参加することが重要となるのである。

 今回のように環境NGOは必ずしも地域住民と密接な関係を持つわけではなく、一方的に「環境保全」を押し付けるケースが少なくない。しかしそのような環境NGOにも国際的な大型環境NGOや諸外国政府から資金が流れ込み、そうした資金を利用して地域での活動を進めていく。
そうした中で地域コミュニティは「受益者」として従属していくのである。自分たちの生活改善、自分たちの自然保全のために、いくらの資金が流れ込み、どれだけの技術者が雇われ、どれだけの給与が支払われているか、知らされないままに、単に水道の改善や植林やその他の生活改善プロジェクトの「受益者」に留め置かれるのである。もちろん「コミュニティの強化」や「組織強化」という名目での活動もないわけではない。しかしその資金は限られている。
 また国際協力機関などの資金供給者と、そうした資金供給者の資金を無難に消化し報告を上げてくれる環境NGOは共存関係にある。その一方で、お金の管理の仕方から、一つ一つ積み上げて学んでいかなければならない地域住民のアソシエーションに届く資金は限られている。しかし彼らがこうした外部のNGOに対抗する力を持つためには、一つずつ積み上げ、その経験を通して力をつけていく必要がある。

<1 終わり>

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2007/08/12

グアテマラ、イシル地域におけるダム開発

イシル地域におけるダム開発
 インフォプレス紙 1713号(2007/07/20)からのまとめ

グアテマラ国北西部、メキシコにも近いイシル地域はグアテマラ内戦期に地域の先住民族コミュニティが大きな弾圧を受けた地域である。この地域に存在するペルラ農園は19世紀後半から、地域のイシル民族の土地を囲い込み、5850haもの面積を有する大農園となった。内戦期にはゲリラ勢力の一つであるグアテマラ貧民軍がこのペルラ農園の農園主であったホセ・ルイス・アレナスを殺害した。このことはその後この地域で、軍による弾圧が繰り広げられるきっかけとなった。
 現在、このペルラ農園の所有権にあるとされている土地の中にはいくつものコミュニティが存在し、これらは自らの正当な土地所有権を主張し、現在でも土地紛争が続いている。
  
 このイシル地域で2010年の運用開始を目指して、水力発電ダムの開発が進められている。当初計画はペルラ農園の所有者であるアレナ家の者によって進められていたが、土地紛争の中で計画が進まないため、2004年に農園の一部をシャクバル水力社に売却、この会社が計画の実施を担うこととなった。
 しかし地域で活動する農民組織は、この土地は土地紛争を抱えており、地域のイシル民族の土地が横領されたものであること、また建設に関して適切な協議が行われていないことなどを訴えており、この建設計画に不満を表明している。
  
ちなみにこのダム計画も地球温暖化対策の一環であるクリーン・開発メカニズム(CDM)の認可を待つものである。 http://cdm.unfccc.int/Projects/Validation/DB/04U077ODCZ3UXD7L0SICU3TX02VVRA/view.html
 
 開発と権利のための行動センターの関連ブログはこちら
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/12/cdm_ce01.html
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/12/cdm_a061.html

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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中米 バイオ燃料関係 動向

中米 バイオ燃料関係 動向

 あれこれあり、ブログの更新がしばらくできずにいました。このところ十分に各地のニュースに目を通せていないのですが、とりあえず見つけたものから紹介します。

1)CEPALが中米地域のバイオ・ディーゼル関係の資料を発行しました。(2007/08)
PERSPECTIVAS PARA EL BIODIESEL EN CENTROAMÉRICA:COSTA RICA, EL SALVADOR, GUATEMALA Y HONDURAS 
CONVENIO CEPAL / REPÚBLICA FEDERAL ALEMANA
中米地域のバイオディーゼルのパースペクティブ
 http://www.eclac.cl/cgi-bin/getProd.asp?xml=/publicaciones/xml/3/29423/P29423.xml&xsl=/mexico/tpl/p9f.xsl&base=/mexico/tpl/top-bottom.xsl

 この報告書によると既に中米諸国はバイオディーゼル市場に参入する初期段階に入っていると見なされている。
 まだ中身をちゃんと読んでいないので参考までに

2)韓国企業がグアテマラにバイオ燃料生産のためのプラント建設(07/07/28)
 プレンサリブレ紙(07/07/28)によると韓国企業の「新エネルギー(Nuevas Energias)」がサカパ県のテクルトラン市にプラント建設のための認可を受けたとのこと。
 ここではキャッサバを原料としてエタノールとバイオディーゼルを生産する予定とのこと。
 http://www.prensalibre.com/pl/2007/julio/28/178292.html

3)グアテマラでは耕作適地が不足し、森林を破壊し、耕境が拡大する危険性が指摘される。(2007/07/13)
 サトウキビ作付地とアフリカヤシ作付地の拡大から、農業適地が不足し、森林を破壊して耕境が拡大する危険性が指摘されている。現地の環境NGO代表は小農園が買い上げられ、その後農民は森林を伐採して、より耕作に不適な土地に移動していく可能性を指摘している。http://www.elperiodico.com.gt/es/20070713/actualidad/41586/
 

4)OLADEのバイオ燃料ニュースレター
 中南米カリブ地域の26カ国が参加するラテンアメリカエネルギー機構(OLADE)がバイオ燃料に関するニュースレターを発行している。
 http://www.olade.org.ec/boletinBiocombustibles.html

5)その他
 しばらく海外にいたせいで、日本で出版されているバイオ燃料関係の書籍や雑誌などはほとんど押さえていませんが・・・とりあえずインターネットで見つけたいくつかを紹介
ベリタ4号 http://www.nikkanberita.com/docs/doc20070710.html
農と食の現場から
エタノールは環境を救わない、むしろ世界の飢餓の引き金に/バイオ燃料はちっとも「エコ」じゃない/解体する農民世界アジアの村で起こっていること/アメリカのコメ戦略が作り出す貧困と人権侵害/
 ここではキューバのカストロ議長の論文も翻訳されているはず。
論座 6月号
フォーリン・アフェアーズの翻訳から「エタノール燃料は本当に人と地球に優しいのか」
 フォード・ランゲ、ベンジャミン・セナウアー
 これは以前紹介したものの翻訳
ル・モンド・ディプロマティーク 7月号http://www.diplo.jp/articles07/0706-3.html  アグリ燃料にまつわる5つの幻想 
 エリック・ホルト=ギメネス(Eric Holt-Gimenez)フード・ファースト/食糧・開発政策研究所専務理事、オークランド、訳・岡林祐子

とりあえずここまで

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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2007/07/12

先住民族とオイル・パーム生産他 バイオ燃料関連

 先住民族とオイル・パーム生産他 バイオ燃料関連

 このところバイオ燃料関連の情報が少なくなってきたこともあり、あまりお伝えしていませんでしたが、いくつか。

1)「オイルパーム及びその他の商業的プランテーションが先住民族に及ぼすインパクト」
 国連先住民族常設フォーラム 第六セッションにむけて、「オイルパーム及びその他の商業的プランテーションが先住民族に及ぼすインパクト」という報告がなされています。
 Oil Palm and Other Commercial Tree Plantations, Monocropping: Impacts on Indigenous Peoples’ Land Tenure and Resource Management Systems and Livelihoods. (07/05/07)
 ダウンロードはこちら
http://www.un.org/esa/socdev/unpfii/documents/6session_crp6.doc

2)グアテマラ グアテマラでの報道もだいぶ落ち着き、バイオ燃料振興もいいところも悪いところもあるというような報道が7月のはじめになされています。
 http://www.elperiodico.com.gt/es/20070701/actualidad/41217/ しかし、農民組織からの情報によるとサトウキビ生産の拡大による土地問題が表面化しつつあるようであり、モニタリングを続けていく必要があると思っています。小農民が貧困下に置かれ、なおかつ土地への権利も大土地所有者、経済的エリートに有利な国では、土地利用の変化は、小農民にネガティブな影響を引きおこす可能性が高い。
 また下のニュースではアフリカヤシの生産拡大の可能性に関する報道がなされています。 http://www.elperiodico.com.gt/es/20070623/actualidad/40976/

3)グアテマラ2 小規模バイオディーゼル コミュニティ開発プロジェクトの一環として、使用済みの油のリサイクルによるバイオディーゼル生産のプロジェクトが行われています。
http://www.elperiodico.com.gt/es/20070708/actualidad/41429/

4)アルゼンチンにおける大豆生産の拡大と森林破壊
 穀物価格高騰の中で、アルゼンチンにおける大豆生産が拡大しているとのことである。この中で百万ヘクタールの森林が破壊され、耕地に転換されたとのこと。(この大豆の使途がバイオディーゼルに向かうのかどうかは定かではありませんが)
 直接的にバイオ燃料の原料生産が、生産国内で土地利用の転換を進め、森林破壊を進めるケースだけではなく、それに伴う穀物価格の高騰も含め、外延的な影響が、「破壊できる(しやすい)森林がある国へ」、「規制の甘い国へ」広がっていく危険性を改めて感じさせられます。  http://www.proteger.org.ar/doc685.html

 開発と権利のための行動センター
 青西
 

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2007/06/17

鉱山開発の是非を問う住民投票

 2007年6月13日、グアテマラ北西部のサンマルコス県イスチグアンにおいて鉱山開発の是非を問うコミュニティによる協議が開催されました。これにはイスチグアンの行政区(ムニシピオ)に属する43のコミュニティの男性・女性そして子どもたち、老人も、みな参加し、そこで鉱山開発を拒否する決定が取られました。

 住民協議組織委員会はその声明文で次のように述べています。
「マム民族は、マヤ民族の中でもその人口とテリトリーが大きい民族の一つであり、5123年以上にわたってこの土地に生きてきました。この土地で私たちはアイデンティティーを、コスモビジョンを維持してきたのです。そこには人と私たちの母なる大地のすべての要素との調和的な関係の平衡が示されています。

 この514年間の間、私たちは搾取と抑圧、差別、継続的な排除に苦しんできました。その結果として、私たちは現在のような貧困に置かれているのです。この状況は、世界銀行のような多国籍金融機関や自由貿易協定を通じて、工業化された国々の政府によって押しつけられてきた新自由主義モデルによって更に悪化しています。これはグアテマラ政府が進めている鉱山開発のような「お任せ政策」を通じて頂点に達しています。開発のための投資だ、という口実のもと、私たちのテリトリーの広大な土地の権利が多国籍企業に引き渡されているのです。

 私たちは鉱山開発が、世界中の多くの場所で我々の兄弟・姉妹に深刻な影響をもたらしていることを知っています。私たちの自然の富を略奪するだけではなく、空気、水、大地。植物、そして動物たちを汚染し続けているのです。

 エネルギー鉱山省が私たちのテリトリーにおける鉱山開発を許可したこと、そして許可し続けていることを知り、私たちは、未来の世代の福祉に対する責任を担う者として、この『コミュニティによる協議』を組織することを決めたのです。この民主的な取り組みの目的は、私たちの自治体で進められている鉱山事業に対しての、私たちの良識と自由な決定について、政府に知らしめるという権利を行使するところにあります。

 2007年6月13日、43のコミュニティが「コミュニティ協議」を実施し、そこには女性・男性そして子どもたち、老人も、みな参加しました。その協議の結果をうけ、私たちの自治体(ムニシピオ)におけるいかなる鉱山開発プロジェクトも認めないという決定を明らかにするものです。またこの機会を利用し、中央政府にたいして、非持続的な政策の代わりに、持続的な開発のためのプロジェクトを推進することを要求します。

”IYOLIN, IQANIN KYXOLX EX IXIMIN, B’ANT TI’J KYYOL EX KYNAB’L”
「話し合い、お互いに相談し、よく考え、そして合意に達し、言葉と考えをともにする。」 Pop U´j – Popol Vuh

 声明文等の原文はこちら>>>http://homepage3.nifty.com/CADE/Espanol/mineriaindex.html

 なお6月15日のインフォプレスの記事によると、この協議には総人口20324名のうち、496名の年少者を含む7561名が参加したとのことです。それぞれのコミュニティにおいて、鉱山開発に対する意見をもとめ、挙手による投票がなされ、その後決定を証明する議事録が作成され、参加者が署名をおこなったとのこと。
 なおこの地域にはモンタナ社に対して4つの探査免許が発行され、更に3つが承認待ちの状態にあるとのことです。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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鉱山法に対する違憲審査申請

グァテマラ鉱山開発問題近況

 日本でも鉱物価格の高騰の中で、世界中からレアメタルなどを積極的に確保する方向を取ろうとしているようですが、そうした鉱物がどこから来ていて、どういう状況で採掘されているのか、などちゃんと見ていく必要があると思います。
 関心のある人はこちらもどうぞ。
http://homepage3.nifty.com/CADE/guatemala/Guatemala%20indigena%20y%20medio%20ambiente.htm
http://homepage3.nifty.com/CADE/MINA2005/mina2005.html


●鉱山法に対する違憲審査申請

 6月15日のインフォプレスの記事でも紹介されていますが、グアテマラの環境NGOであるCALAS(法・環境・社会アクションセンター)が5月23日に鉱山法に対する違憲審査を求める要請を提出しています。
 記事によると憲法裁判所は6月4日(8日以内に)までに法的手続きに入るかどうかを表明しなくてはならないことになっているそうですが、いまだ何も発表していないとのことです。
 環境汚染の防止、生態系へのバランスへの配慮などを求める憲法の規定に反し、現行の鉱山法は環境面への配慮をほとんど欠いているという点が問題とされています。
 違憲審査の内容はインフォプレスの記事では次のように整理されています。
1)環境影響評価について、国家環境委員会に提出後30日以内に判断が示されなければ、それは承認されたものと見なす条項
2)地下資源の利用権がその深度等に定義がないことなど
3)水の利用に関する規定
4)廃棄物の処理など「可能な範囲で」という規定がなされていること
5)鉱山開発資材の輸入などに関する免税規定

Inforpress edición 1708 publicada 15/06/2007
http://www.inforpressca.com/

  
●イサバル湖湖畔にて計画されているニッケル鉱山開発に対する環境影響評価報告書が認められ、本格的な開発が進む可能性。
70年代に開発が進められたのち、放棄されていたイサバル湖周辺でのニッケル鉱山開発が今回の環境影響評価報告書の承認で再開する可能性がでてきました。この開発プロジェクトはカナダのスカイリソース社が子会社であるグァテマラニッケル会社(CGN)を通じて進めているものですが、土地所有権を巡って地域住民と対立している上に、マナティなども生息するイサバル湖への影響などから国家自然保護区審議会(CONAP)も疑念を呈していたものです。

このブログの鉱山開発関係記事
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat4745721/index.html

開発と権利のための行動センター
青西


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2007/05/25

中南米 バイオ燃料動向(パラグアイ)

070524 中南米 バイオ燃料動向(パラグアイ)

 ブラジルのルラ大統領は21日パラグアイで開催されたパラグアイ-ブラジル・バイオ燃料セミナーに参加。パラグアイにおけるバイオ燃料の開発のポテンシャルに言及。パラグアイのドゥアルテ大統領もパラグアイが投資環境としても安定して、魅力的であることを説明。
 ルラ大統領はエタノールとバイオディーゼルはパラグアイ経済に革命を引きおこすことができる、開発のための希望であるとの強いメッセージを送っていたようである。

 またルラ大統領はパラグアイ政府と「バイオ燃料開発に関わる行動計画」に関して合意を結んだようであるが、詳細は未確認。いずれにせよ、パラグアイもバイオ燃料生産国の方向を目指すようである。

とりあえずここでは動きを把握するだけの報告として

 開発と権利のための行動センター
 青西
 
 関係記事
http://www.presidencia.gov.py/vista.asp?codigo=5432
http://www.presidencia.gov.py/vistax.asp?codigo=5442&ID=LULA%20ABRIÓ%20CAMINO%20PARA%20QUE%20LAS%20RELACIONES%20CON%20BRASIL%20REPORTEN%20MAYORES%20BENEFICIOS%20A%20NUESTRO%20PAÍS
http://www.mic.gov.py/index.php?option=com_content&task=view&id=445&Itemid=559
http://www.lanacion.com.py/noticias.php?not=160001&fecha=2007/05/24
http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/latin_america/newsid_6676000/6676147.stm

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2007/05/20

開発と住民投票(グアテマラ)

 グアテマラにおける開発と住民投票
 
 グアテマラでは近年、地域の開発問題を巡って地域住民が様々な形で、意思決定に参加するための取り組みを進めています。
 3月16日に発行されたインフォプレス紙によると2006年には10カ所で鉱山開発に関して、「住民による協議」が進められたという。内訳はウエウエテナンゴ県で6カ所、サンマルコス県で2カ所、トトニカパン県で2カ所となっている。
 また今年2月にサンマルコス県のコンセプシオン・トゥトゥアパで64のコミュニティが参加して鉱山開発の是非を問う「住民による協議」が行われたのをはじめとして、4月にはキチェ県のイシュカンで発電ダム建設の是非を問う協議も行われている。
 
 こうした中、2005年6月にサンマルコス県シパカパにおいて実施された「住民による協議」に対して出されていた違憲審査の訴えに対して、5月15日憲法裁判所は裁定を下している。
 この判決文では、今回地方自治体によって行われた「住民による協議」に基づく鉱山開発に関する決定は、地方自治体の権限を超えているという理由に基づいて、協議の結果に基づく決議文を無効であるとの判断を下している。憲法において、地下資源は国家のもとであると定められ、その利用がエネルギー鉱山省の管轄にあるものと定められていることが理由となっている。
 しかしながら、手続き的な側面に関する違憲の訴えは退け、地方自治体法などにどが住民投票に関する手続きを適切に定めていない問題、ILO169号条約に定められている「先住民族による協議」のための法制度化が進められていないことを指摘し、議会に法の整備を求めている。
 http://www.inforpressca.com/
 http://www.cc.gob.gt/sentencias/sent2006.htm

 法の整備が必要であることは否定しないが、法を整備する中で、先住民族コミュニティの声を排除する方向に法が整備されるのではないかという懸念も持たざるを得ない。国政への参加の機会が偏在しており、十分に議会の中で決定に参加できない状況では、経済的エリート層の権限を侵さないような法律が作られる可能性は否めない。
 また先住民族コミュニティが、独自の意志決定のメカニズムを利用していく、築きあげていくプロセスも否定される可能性もある。
 しかしILO169号条約自体が、先住民族コミュニティに影響する法律を設定する際の協議を求めているのであり、先住民族コミュニティを離れた国会で法を定めるのではなく、慣習法の積み上げに基づくべきなのであろう。

 開発と権利のための行動センター
 青西

これまでの関係記事

http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/01/post_6ba0.html(住民による協議について)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/11/post_29e4.html(イシュカンのダム開発について)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_7a36.html(イシュカンでの住民よる協議)

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2007/05/12

中南米バイオ燃料関連情報

バイオ燃料関係情報

1)FAOとCEPALが共同で作成した「ラテンアメリカ・カリブ地域における食糧安全保障とバイオエネルギー利用の機会とリスク」という文書がWEBサイトに掲載されています。Oportunidades y Riesgos del uso de la Bioenergía para la Seguridad Alimentaria en América Latina y el Caribe
英語、スペイン語でダウンロードできます。
http://www.rlc.fao.org/prior/segalim/bioenergia.htm

2)またFAOとチリ政府が開催した昨年6月に開催した「バイオ燃料とアグロ・エネルギーに関する国際セミナー」に関する文書が次のサイトに掲載されています。(目を通してはいません)SEMINARIO INTERNACIONAL AGROENERGÍA - BIOCOMBUSTIBLEShttp://www.rlc.fao.org/prensa/activi/biodiesel.htm  

3)国連の新しい報告書がいくつかのサイトで紹介されています。 
この報告書は、今後のバイオ燃料の持続的利用の可能性に向けて、社会、経済、環境などの側面から今後検討されるべき課題について取り上げています。
 Sustainable Bioenergy:A Framework for Decision Makers, UN-Energy 2007.4 http://esa.un.org/un-energy/pdf/susdev.Biofuels.FAO.pdf
 
 日本語でも次のサイトなどで既に紹介されているようです。
国連バイオエネルギー影響評価報告 バイオ燃料産業急拡大に警告(農業情報研究所(WAPIC))
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/energy/news/07051001.htm

 以下はこの報告書に関連するスペイン語ニュースサイトなど
 BBCーMundo
http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/science/newsid_6638000/6638335.stm

 FAO
http://www.fao.org/newsroom/es/news/2007/1000553/index.html

 既に掲載分の文章に3)を追記。

 バイオ燃料が万能ではないことは明らかであるし、各地で問題を引きおこす可能性を秘めているし、既に問題を起こしつつもある。報告書を追っかけるよりは現場の動向を見ていくことが必要なのだろう。
 いずれにせよ、3)のような報告が出ていれば、安易なバイオ燃料促進の国際協力などへは、一定のチェック機能を持ちうるのではないだろうか?
 
開発と権利のための行動センター
青西

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2007/04/28

バイオ燃料関連続報

バイオ燃料と中南米 続報(070427)

1)ブラジルのサトウキビ農園労働者の労働条件
  http://www.adital.com.br/site/noticia.asp?lang=ES&cod=27333
 ブラジル連邦議会では5月から、バイオ燃料生産に関連する生産連鎖の労働条件等についての審議を開始するとのこと。
 これはサトウキビ農園の労働者の労働条件が劣悪であるというだけではなく、それが自由貿易を進める先進諸国の輸入障壁の口実に使われないようにということでもある。
 同時に、奴隷として農園労働者を扱っていたと告発されていた農園主への聴取も行われるとのこと。

2)農村労働監督局によって288人の労働者が劣悪な労働から「救出」される。
 http://www.adital.com.br/site/noticia.asp?lang=ES&cod=26895
 6つのサトウキビ及びアルコール生産に関わっていた農園において、劣悪な状態に置かれていた労働者が「救出」されたとのこと。

3)コロンビアでも食用のトウモロコシ(白トウモロコシ)の価格高騰
 http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/business/newsid_6597000/6597449.stm BBC-Mundoによると、コロンビアでもアレパ、タマレスなどの伝統的な料理白トウモロコシの値段が高騰しているとのこと。2006年初頭にはトン当たり134ドルだった白トウモロコシ価格が、現在は250ドルに達しているとのこと。
 コロンビアではもともと白トウモロコシの自給ができず、年間15万トンほど輸入しているとのことであるが、エタノールブームの中で白トウモロコシの作付が減少し、国際市場での供給が減少しているとのこと。
 「アレパの値段は一緒だけど、どんどん小さくなっている」とのこと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 このニュースのなかで、タンザニアからの輸入のもくろみもあったこと、また相場を見た価格つり上げが行われているのではないかというコメントも伝えられています。しかし基礎食糧である穀物価格の市場取引がバイオ燃料生産によって世界的に不安定になっていることが見て取れます。
 例えばタンザニアのこれまでの貿易相手国なども見直してみる必要があるかもしれません。「お金があれば買える」。ない国は買えなくなるのです。
 
 また土地の利用にしても、労働力の利用にしても、もともと公正なメカニズムが存在しないところで、急に土地へ需要が拡大したり、労働力需要が拡大すると、これまでの歪んだメカニズムが再生産され、強化される可能性もあります。
 例えば、地域の先住民族コミュニティが土地権利の承認を求めていた土地が、突然大土地所有者のものとして登記されたり、売買されてしまったり、ということもあり得ると思います。
 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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2007/04/24

グアテマラ・イシュカンにおける住民自治の展開

イシュカンにおける住民の協議
 
 4月20日、グアテマラの北部メキシコと国境を接するキチェ県イシュカン地区で、地域の住民による「良心に基づく住民による協議」が実施されました。これは既にこのブログでも伝えたことがある、この地域での水力発電開発の是非を問う協議です。
 以下、今回の協議の実施を側面支援したケクチ民族環境会議の声明文の抄訳を掲載します。
 またブログの関係記事は以下の通り。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/01/post_6ba0.html(住民による協議について)
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/11/post_29e4.html(イシュカンのダム開発について)

 ケクチ民族環境会議の声明文(抄訳)
 イシュカンの人々による自主的な決定を祝福して。

 4月20日、キチェ県イシュカン地区で、地域住民とイシュカンの自治体当局者によって組織された「良心に基づく住民による協議」が実施された。これは地方自治体法及びILO169号条約で保障された権利であり、今回の協議はこの地域での石油開発及び水力発電施設の設置の是非を問うものであった。
 石油開発や水力発電計画は国内外の資本により計画されているものであり、多くの住民の利益にはならず、地域の人々の宝である自然資源を略奪するものである。

 ケクチ民族環境会議やコバン市の自治体当局者がオブザーバーとして参加する中で、この「協議」が実施されたが、これはグアテマラにおける民主主義のプロセスにおける画期的な出来事として記録されるべきものである。そこではすべての住民、女性も男性も老人も子どもも意志決定に参加し、すべての人の意見が反映されようとしているのである。
 19911人が参加したが、この参加はマルコス・ラミーレス市長に率いられる自治体当局者の明確な支援によって可能となったものである。
 またこの協議には国内外から300人以上のオブザーバーが参加し、そのプロセスの透明性を検証した。

 この民主的な参加型のプロセスを通じて得られた結果は圧倒的なものである。93.84%が石油開発や水力発電計画に対する拒否を示し、その一方賛成はわずかに5.46%であった。
 この正統かつ参加型の民主主義のプロセスをうけ、ケクチ民族環境会議としては、憲法裁判所に対して、憲法、地方自治体法及びILO169号条約に定められているところに基づき、イシュカン地区の住民の決定を尊重する裁定を出すことを要求する。
 また法を遵守するためにも、他の自治体審議会が、このような住民による協議を行うことを要望する。またコバン市に対しても、ケクチ・コミュニティに甚大な影響を引きおこしうるチショイ川への水力発電ダム建設や石油開発に関する協議の実施を要求するものである。このことはコバンの自治体当局者が、住民による自主的な決定や参加型の民主主義、また環境に対して責任を持って取り組んでいることを示すこととなるであろう。その反対であれば、それは歴史によって裁かれるであろう。
 2007年4月22日 ( 1 T´zi) del 2007
 ケクチ民族環境会議
Ixcan11

Ixcan21


 原文は次のサイトに掲載しています。
 http://homepage3.nifty.com/CADE/Espanol/mineriadocumentos.html
Comunicado de la Mesa Ambiental Q’eqchí’

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バイオ燃料の方向性を考える。

バイオ燃料の方向性を考える。

バイオ燃料の話しを少しずつ読みながら思うところがあります。バイオ燃料の話しはどこにその基盤をもって話されるべきなのか。地政学的な話しでもなく、エネルギー供給に関わる安全保障でもなく、補助金にかかわる利権でもなく、新しい有望なビジネスチャンスや投資先としででもなく・・・それは限られた資源へのアクセスをより公平にするという大きな目標を設定した上で語られるべきではないでしょうか。世代間の公正のために、そしてまた現世代におけるより公正な資源へのアクセスのために。

1)石油を燃やす、燃料として消費する総量を削減するための取り組みとして、バイオ燃料の導入すること。今後消費量を上昇させないという意志のもとにバイオ燃料の利用を検討する必要がある。
2)仮にバイオ燃料が安価に供給できる態勢が整い、同時に石油価格も低下傾向をみせたとしても、燃料消費の総量を抑制するという方向を維持すること。特に大量消費国は厳しいコントロールが必要でしょう。
3)石油価格が上昇したときに、低所得国への安定供給を確保することを念頭にバイオ燃料の価格、国際取引のルールを設定すること。
4)エネルギー資源の価格と穀物価格のリンクを抑える。
5)食糧の安全保障、食糧の安定的供給に影響を与えるバイオ燃料生産を抑制する。
6)水、森林、土壌の劣化に結びつくような、自然環境にネガティブな影響を与えるバイオ燃料生産を規制すること。

 将来の世代に対して、未来に生まれてくる命に対して、世界中に石油を燃料として燃やし続ける自動車を売り続け、原材料として、また燃料資源としての石油に依存した産業社会のモデルを示し続けてきた先進諸国の、そして私たちの責任は重い。

 開発と権利のための行動センターとしては、バイオ燃料開発などに関わる地域社会への影響、環境への影響を今後も随時フォローしていきたいと思います。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

 以下これまでのブログでのバイオ燃料関連ニュース

http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_20cd.html

http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_9208.html

 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/03/post_31e4.html 

http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/01/20070127_7cd7.html

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2007/04/15

中南米 バイオ燃料関連

バイオ燃料関連

 バイオ燃料への対応は中南米諸国でも立場の違いを鮮明にしつつあります。農業輸出国であり、生産ポテンシャルのあるウルグアイは、カストロ議長やチャベス大統領とは異なり、土地利用は食糧生産向け、代替燃料向けと適切に合理化できるという方向を打ち出している。
http://es.news.yahoo.com/11042007/4/uruguay-tabare-vazquez-discrepa-fidel-castro-hugo-chavez-elaboracion-etanol.html

またエクアドルのコレア大統領は4月初旬にブラジルを訪問し、その際に締結したニカ国間の協定には、エタノール生産に関する協力も含まれているとのことである。コレア大統領はエクアドルにとっては「脱石油」が重要であり、また農業生産を活性化させるためにもエタノール生産のためのサトウキビ生産を活性化させるとの意向を示している。
http://www.lavanguardia.es/lv24h/20070405/imp_51323485632.html

米州開発銀行はバイオ燃料促進のための30億ドル相当の融資や技術支援を提供する計画であるとのことであり、中南米ではブラジルで民間の事業を更に促進するとともに、エルサルバドル、コスタリカ、コロンビアなどでの事業を計画しているとのことである。コロンビアではパームオイルによるバイオ・ディーゼルの生産拡大を計画しているようである。
http://www.iadb.org/NEWS/articledetail.cfm?Language=Sp&parid=2&artType=PR&artid=3779
また米州開発銀行では次のような報告書を刊行している。
A Blueprint for Green Energy in the Americas
http://www.iadb.org/biofuels/

フォーリン・アフェアーズ誌5/6月号はトウモロコシを原料とするエタノール生産に疑念を呈する論文を掲載している。
 現在のエタノール生産ブームは、補助金と高い原油価格に支えられているが、食糧穀物価格に及ぼす影響、貧困層に与える影響について懸念を表明している。
 急速な生産能力の拡大が及ぼす影響、10年で現在の世界生産量の3倍以上を生産しようという計画の無謀さ、(今年度計画量の5倍以上)、原油価格と食料価格を結びつけてしまう危険性、補助金を大量に受け取っている生産者が行っていること、家畜価格への影響などの問題、またバイオ燃料業界が市場にではなく、政治家とわずかな大規模企業に仕切られていることの問題、環境効果への疑念などを取り上げている。
 「アグリビジネスや投資家そして一握りの農場主にはチャンスを与えるだろうが、エタノールは農業セクターの内部また外部の伝統的な商品流通や交易、消費のパターンを混乱させることとなるであろう」
http://www.foreignaffairs.org/20070501faessay86305/c-ford-runge-benjamin-senauer/how-biofuels-could-starve-the-poor.html 
この論文でも「SUVタイプの25ガロン(約95リットル)タンクをエタノールで一杯にするためには450ポンド(約200キロ)のトウモロコシが必要であり、それは一人あたり1年間のカロリーを充足することが出来る量である」という比較もしているが、車の燃料タンクに入れて燃やすぐらいであれば、作物にも、土地にも、肥料にもより有用な使い方があるのは当たり前ではないのだろうか?

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫
 

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2007/04/09

メソアメリカでの自然保護区と地域住民

 中米ホンジュラスの大西洋岸、ガリフナ民族の住む島嶼帯に設定された海洋保護区への批判です。
この文章をグアテマラのイサバルでの活動の中で出会ったケクチの人々の声を思い出しながら読んでいました。本当に同じようなことがあちこちで起きています。
 http://homepage3.nifty.com/CADE/guatemala/CONIC.files/0609repIsabal.pdf
開発と権利のための行動センターでは「先住民族と自然資源への権利:「未来を決める権利はだれのもの」というテーマで今年も活動を行っていきます。
 http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm#indigena
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_154b.html

メソアメリカの自然保護区での「リアリティ・ショー」
リリアン・キャロル・リバス
Organización Fraternal Negra Hondureña (OFRANEH)
http://alainet.org/active/16618〈=es

 1990年代に引きおこされた自然保護区における先住民族や黒人系民族の居住環境の変容は、現在は国際機関や封建主義エリートの「開発主義的」計画に服従させられている。彼らは我々民族のテリトリーへの権利を否定した挙げ句に、現在は我々のテリトリーを単なる商売の道具とし、以前は題目のように唱えていた自然保護の本質からはほど遠い、大規模プロジェクトを促進しているのである。 
 プエブラ・パナマ計画に含まれているようなインフラ計画の実施は、数えきれぬほどの自然保護区を破壊し続け、また「メソアメリカ生物回廊」などと呼ばれていたものも、所詮は広大なテリトリーを略取し、インフラ整備の影響地域に含むためのシステムであったことが明らかになりつつある。
 ホンジュラスのパトゥカ、ティグレダム(ホンジュラス・エルサルバドル)、ボルーカ(コスタリカ)、テリベ(パナマ)などのダムはエコシステムに大きな変容を引きおこし、タワカ、ミスキート、レンカ、ブリブリ、テリベなどの諸民族に直接的に大きな影響を引きおこしている。そしてこうした諸民族はこうしたプロジェクトについて協議を求められることもなく、さらにはこれらのプロジェクトに対して強い抗議の姿勢を示していたにもかかわらず、そうした拒否の姿勢は考慮されることもなかったのである。
 また、カリブ沿岸一帯では石油の探査・開発が進められようとしており、これはカリブ沿岸の湿地帯にパイプラインが引かれ、またパナマにプエブラ・パナマ計画に含まれる巨大な精油所が建設されることにつながるであろう。またカルタヘナ・パナマ間パイプラインはベネスエラの石油の輸出に使われることになるであろう。
 プエブラ・パナマ計画は新自由主義に基づくグローバル経済のモデルの縁取られており、それは自然を単なる商品とみており、それは最も高い値をつける入札者次第なのである。これは厳格な環境主義者のプロセスを取ってきた「メソアメリカ生物回廊」が唱えてきたレトリックとも対峙するものであるが、「メソアメリカ生物回廊」も地域住民の権利をほとんど尊重せず、地域住民の管理計画のデザインや実施プロセスへの参加を拒絶してきたし、多くのケースで我々の食糧への権利を押さえつけてきたのである。

 90年代の初頭には、国家には適切な管理を保証することができないという題目の下で、指定されたばかりの自然保護区の民間財団への引き渡しプロセスが始められた。ホンジュラスにおいては、企業家であるStephan Schmidheinyがコチーノ島嶼帯の一部を獲得し、それが後にスイス市民の投資によって自然保護区となるに至った。この保護区はその後、管理のためにスミソニアン協会(*1)に引き渡されたが、この協会によって一世紀にわたって管理されているパナマのバーラ・コロラド島のような排外的公園を設置するつもりであったという。
 スミソニアン協会によるコチーノ島嶼帯に居住するガリフナ・コミュニティーの排除政策は、地域住民とスミソニアン協会の間で数多くの摩擦を引きおこし、ガリフナ民族の権利を踏みにじるものであった。
 1996年、スミソニアン協会は突如、産業的潜水ゾーンを設置した。これはこれまでの伝統的な潜水システムとは技術的に大きく異なるものであり、このことが甲殻類の略奪を悪化させ、ガリフナ民族がかって知らない生態的破壊を引きおこしたのである。
 2000年にはWWF(世界自然保護基金)(注2)が管理のために入ってきて、伝統的潜水漁を禁止したのである。これはガリフナ民族の人権の侵害に他ならない。
 WWFはAVINA(注3)とともに、コチーノ島嶼帯の新しい管理計画を策定し、伝統的漁労地区なるものを計画している。これが新たな人権侵害をもたらすことは明らかである。既に軍による漁民や潜水漁漁民に対する法律違反行為が引きおこされているが、これまで適切に調査がなされたことはなく、このことはコチーノ島嶼帯のガリフナ民族に不信感を広げている。
 しかし2006年の間、軍の駐屯地を維持したことに対して、昨年の9月にはコミュニティはコチーノ島嶼帯の非軍事化を要求した。その圧力の中で、軍は流血の事態を避けるために、最終的に撤退している。

 「コチーノ島嶼帯モニュメント」と名付けられた自然保護区の管理において最も一貫性のないのは、昨年9月13日から行われたイタリア人グループによる「リアリティ・ショー」への参加であろう。これは、ウミガメの産卵地の聖域として、人為的介入を禁止し、完全に排他的地域とされてきたパロマ島で実施されたものである。3週間にわたってこの「リアリティ・ショー」の撮影は行われ、それもカメの産卵時期に行われ、ウミガメの再生産に悲劇的な結果を引きおこすこととなったのである。10年以上の間、この島嶼帯の保全という名目のもとで、パロマ島はガリフナ民族すら船を乗り付けることを許されないという厳しい管理の下に置かれてきたにも関わらず。

コチーノ島嶼帯に引きおこされたような、管理計画を執行するために地域住民が抑圧されるという事態は、メソアメリカの自然保護区で数多くみられることであろう。現在は、プエブラ・パナマ計画の実施のために、保護という題目は薄められ、先住民族や黒人系民族のテリトリーからの略奪戦略は更に精緻化されつつある。しかし我々は何世紀にもわたって我々の生活環境を保全してきたのである。

 WWF,AVINA、Fundación Cayos Cochinosなどの来訪によるコチーノ島嶼帯での「リアリティ・ショー」が続く一方で、イタリア人、コロンビア人そしてその他の外国人が我々の生存を弄びに来るのである。諸島に住むガリフナ民族は、そうした彼らの活動を記録するテレビカメラも持たず、経済的・文化的な生き残りのために戦い続けているのです。説明がされることもなく押しつけられた管理計画に縛り付けられ、守るべき法をないがしろにすることにたけている軍隊に銃口を向けられつつ。

 ラ・セイバ (2007/03/30)
 リリアン・キャロル・リバス
Organización Fraternal Negra Hondureña (OFRANEH)
http://alainet.org/active/16618〈=es


*1 スミソニアン協会
米国において世界有数の博物館など計19の学術施設を運営管理している。今年三月公費乱用の疑いから会長が解雇されたのがニュースになっている。会長の年収は約1億円だったという・・・
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200703270019.htmlhttp://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070328/usa070328001.htm

*2 WWFのサイトではコチーノ島嶼帯でのロブスター漁について次のような文章を掲載している。
http://www.panda.org/about_wwf/what_we_do/marine/news/stories/index.cfm?uNewsID=2633
*3AVINA
http://www.avina.net/web/avinawebsite.nsf/page?open
1994年に文中にも出てくるスイス人実業家Stephan Schmidheiny によって設立された団体であり、資金もこの実業家から多くが出ているようである。現在中南米全域で活動しているようである。
http://www.stephanschmidheiny.net/officialwebsite/cmtsts.nsf/page?open

また関心のある方へ
ガリフナをはじめとして、アメリカ大陸のアフリカ系住民についての資料としてはこちらをどうぞ(スペイン語)、ラテンアメリカのアフリカ奴隷の歴史から、各国の状況、法的な整備状況まで解説されています。 http://www.unicef.org/lac/manualafrodesc2006(1).pdf

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ペルー テリトリーと自然資源

 第三回先住民族大陸会議に関連して、大陸会議関連サイトに掲載されていた文書です。
  参考までに。
 
 ちなみに第三回大陸会議のイシムチェ宣言他の文書は4月21日の報告会に向けて準備中です。
 日本語での入手を希望される方は当報告会へどうぞ。

 開発と権利のための行動センター
 青西


ペルー テリトリーと自然資源 ルイス・ビトール

 テリトリーと自然資源は、先住民族にとっての特別な生活様式の基盤であり、歴史的要求の中心的な要素でもあります。テリトリーは先住民族にとってアイデンティティーの源であり、物質的・精神的な支えでもあり、また権利と生活の源でもあります。先住民族は植民地の間、そのテリトリーから追われ続け、そして今日においても”コンセッション”(利用権の認可)の名の下に、国家による自然資源搾取の許認可によって、先住民族は脅かされているのです。
 
 ペルーや他のアンデス諸国では、何千年にもおよぶ先住民族の存在は特定のテリトリーの占有と結びつき、その所有権のもとにある土地と自然資源を集団的に利用してきました。”農民(カンペシーノ)”や”ナティーバス(土着民)”のコミュニティが伝統的に占有してきたテリトリーという空間は、先住民族の文化的実践を現在でも維持することを可能にしてきましたし、その中で文化的多様性や多言語性が表現されてきたのです。
 
 現在、ペルーには5934の「農民コミュニティ」(沿岸部及び山間地)と1285の「土着民コミュニティ」(アマゾン地域)が存在し、アンデス・アマゾン両地域に計8'793,295 人の先住民族人口が存在すると推定されます。そのうちの 97.8%がアンデス地域に居住し、90.9%がケチュア、6.9%がアイマラ、そして2.1% がアマゾン地域に居住しています。2600万ヘクタールの土地が「農民コミュニティ」あるいは「土着民コミュニティ」に占有されていると思われます。

アマゾン地域ではLa Asociación Interétnica para el Desarrollo de la Selva Peruana (AIDESEP) y la Confederación de Nacionalidades Amazónicas del Perú (CONAP)が、アンデス地域では la Confederación de Nacional de Comunidades del Perú Afectadas por la Minería (CONACAMI), la Confederación Nacional Agraria (CNA), la Confederación Campesina del Perú (CCP) y la Unión de Comunidades Aimaras (UNCA) などの組織が重要な先住民族組織となっています。

テリトリーなしには先住民族は存在し得ない

 先住民族がそのテリトリーについて言及するとき、それは統合的な視点から語られます。
単に占有している空間としてではなく、アイデンティティーの源として、物的生活の支えとして、また精神世界の関係から、また権利とその生活の基盤として表明されるのです。テリトリーというコンセプトは、先住民族にとっての自然資源を含んでおり、同時にその擁護をしなくてはならないという優先的課題が存在します。

ペルーの先住民族、コミュニティの視点からはこう表明されます。「テリトリーは先住民族の生活空間全体であり、地理的な土地の広がり、水、地面(テリトリーに存在するすべての自然資源とともに)などによって構成されています。文化的な視点からは、私たちの文化が基盤とし再生産される空間を含んでいます。(...)しかしその上にこの空間は私たちの精神性や世界観、音楽、踊り、詩、文学などが表現される空間でもあるのです。そこで私たちの豊かさや言語的な多様性が再生されるのです。私たちテリトリーの物質的・精神的な適切な管理から、様々な権利が発生してきます」. (Propuesta concertada para incorporar los derechos de los Pueblos Indígenas y Comunidades en la Constitución Política del Perú; abril de 2003).

 このようなコンセプトに基づき、先住民族組織は「先住民族としてテリトリーへの権利を、特に自発的に孤立している民族に対してこれを要求しています。テリトリーには先祖代々のコミュニティがあり、そこには空気、水、動植物、生物多様性、知識、政治組織、教育、経済、正義、私たちの集団的知識が含まれています。そこで私たちは、私たちの権利を侵し続ける植民地的政策の継続ではなく、政府によって押しつけられたのとも異なる、自律的政府、相互性、連帯、公正、二重性、補完性、私たちの制度の再興、伝統的権威の再興に取り組めるのです」 (Declaración de la I Cumbre de Pueblos Indígenas del Perú; Huancavelica, diciembre de 2004.)

国内法におけるテリトリーへの権利、自然資源への権利

 ペルー憲法及び国内法における先住民族とコミュニティのテリトリーに対する権利は、矛盾し、様々な性格を表している。現在、国際的規範は国家にその保護を保障すべく要求しています。
 1920年憲法は、コミュニティの存在とその占有する土地に対する所有権を承認しています。1933年憲法はコミュニティの土地の保護に対して3つの性格を付与し、不可分、不可侵、債権をたてることもできないとしています。1979年憲法もこの性格を踏襲しています。
 現行の1993年憲法は、89条において、「農民コミュニティ及びネイティブ・コミュニティは、法の定める範囲において、その組織、共同的労働、その土地の利用と自由な処分権に関する、また経済的、管理的な自治を有する。土地の所有権は不可侵であり・・・」と定めています。しかし同時に、66条においては、「再生可能、また再生不可能な自然資源は国家の財産であると定め、国家がその利用の主権者である。よって組織法においてその利用と他者への認可について定めるものであるが、利用権の認可は法的規範の下での真の物権を認可するものである」としています。

 ペルー憲法は、表面の土地に対しては先住民族コミュニティの集団的所有権を承認していますが、自然資源は国家の所有物であるとみなし、分野ごとの規定もその枠組みにあります。国家は、鉱物資源をはじめとして炭化水素、森林など自然資源の利用のための利用権を許認可することができるのですが、こうしたコンセッションの範囲はコミュニティの土地を含んでいたり、かぶさっているのです。

 先住民族組織は「先住民族及び農民コミュニティに対する土地とテリトリーは不可分、不可侵、債権をたてることも、収用することもできない」ということを要求しています。
(Documento de propuesta de incorporación de los derechos de pueblos originarios e indígenas en una nueva constitución; AIDESEP, CONAP, CCP y CNA, octubre de 2004.)
 
 この文章は、第三回先住民族大陸のサイトである下記のサイトの文章を翻訳したものです。http://movimientos.org/enlacei/cumbre-abyayala/show_text.php3?key=9590
 上記サイトの文章は下記のALAIのサイトの文章を一部掲載したものです。
http://alainet.org/images/alai418w.pdf

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バイオ燃料・エタノール 中南米でのニュースなどから

中南米 バイオ燃料・エタノール関連 最近の話しなど

 キューバのカストロ議長がグランマ紙上でトウモロコシを原料とするエタノール生産を厳しく批判したことは日本の報道でも既に伝えられている。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20070331ddm007030040000c.html

 カストロ議長の言うことはもっともな話しばかり。
 飢えに苦しむ人がいるにもかかわらず、食糧を自動車の燃料にしようという発想の問題。必要とされるエタノールを生産するのに必要なトウモロコシの量、それを作るための土地が膨大にいること。(非現実的であること)キューバで直接的にアルコール生産のために土地を使うぐらいなら、人々の食糧や環境のためにもっと有効な使い方があること。エタノール生産につぎ込もうという資金を、世界中の白熱灯を蛍光灯に変えためにつかった方がよっぽど温暖化に役立つであろうこと。それなら地球上の数多くの飢えに苦しむ人餓死させることもない。 などなど
 http://www.granma.cu/espanol/2007/marzo/juev29/reflexiones.html

 さて、ニューヨークタイムズの社説(2007/04/05)がエタノール・ブームを批判していることが同じくキューバでのグランマ紙上でも紹介されている。
http://www.granma.cu/espanol/2007/abril/vier6/rechaza.html

 ニューヨークタイムズの社説では次のように取り上げている。
「米国ではトウモロコシ作付ブームに沸き、今年は9500万エーカーの作付が見込まれている。これは昨年よりも1200万エーカーの拡大であり、1944年以来最大の面積である。一方大豆の作付面積は10%も減少。小麦や綿花も同様に減少している。
 さらには1980年代に開始された「保全休耕プログラム」の対象用地(多くは農業に不適当な土地であり、生態系回復のための用地とされてきた。)への開放圧力が高まっている。
 『私たちは短期的な利益のために、二十年間かけて築いてきた農場ベースでの保全の取り組みを放棄してはならない。トウモロコシによるエタノールは私たちが利用する石油のごくわずかな量にすぎないのです。』
 http://www.nytimes.com/2007/04/05/opinion/05thu3.html

 米国でも問題を引きおこしているエタノール・ブームが中南米の社会・経済に不安定性をもたらすことは間違いないであろう。既に穀物価格高騰の影響などについては紹介しまたが、土地利用や自然保護区に関する法整備も適切な管理も不十分な国が多い中で、穀物やオイルパームの作付けブームが広がれば、農業フロンティアが森林に向けて広がっていく危険は避け難い。
  
 こうした中で、ニカラグアのオルテガ大統領も「反エタノール連合」に名乗りをあげた。 http://www.laprensa.com.ni/archivo/2007/abril/04/noticias/nacionales/183579.shtml ニカラグアのプレンサ紙の記事によると、ニカラグアでは既に化成肥料(尿素)価格が200%高騰したとのこと。またサトウキビやトウモロコシの作付可能地の価格の騰貴も進んでいるとのことである。
 オルテガ大統領はエタノール生産を全面的に否定しているわけではないようだが、「ブームに沸いた後にニカラグアに経済危機を引きおこした、かっての綿花生産のような過ちを繰り返してはならない」と語っているとのことですである。(その一方で南部大西洋岸自治地域におけるオイルパームプランテーションの拡大には前向きの姿勢を示しているようです。)

 開発と権利のための行動センターのこれまでの関連ニュース
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat5146592/index.html
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/01/20070127_7cd7.html
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/03/post_31e4.html

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 開発と権利のための行動センター
 青西


 話しは飛びますが・・・日本の大豆価格も上昇傾向を続けることでしょうし、遺伝子組み換え大豆の入手が難しくなる話しも既に報道されているかと思います。
 日本ではバイオ燃料などと言わずに、オイルショックを思い出しながら地球温暖化対策は「省エネ」、それに国内農業の再確立に取り組むのが重要なのではないでしょうか。
 そしてここで遺伝子組み換え大豆の流入に抵抗できるかどうか・・・今後不安定性が強まる可能性が高い国際農産物市場とのリンクを少しでも小さくしていくことが重要なのではないでしょうか。

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2007/03/11

バイオ燃料は環境に優しいのか・・・

 バイオ燃料は環境に優しいのか・・・

 ブッシュ大統領の中南米歴訪の重要なテーマの一つが中南米におけるエタノール供給の拡大にある。ブラジルと米国で現在でも世界のエタノール生産量の70%を占めるが、これを更に安定・拡大することを通じて、域内での代替燃料源の供給を安定させ、石油依存を脱却し、安全保障を高めることを狙っている。これは同時に石油を武器に域内に影響力を強めつつあるベネスエラのチャベス大統領に対抗する動きでもある。更に巨大な食糧生産基地である米国にとっては、穀物価格の高値安定を確保することもできる。米国の地球温暖化対策の目玉ではあるが、環境のことだけを考えているわけではないのは明らかであろう。
 
 今回のブラジルと米国の協定では、エタノール生産部門に関わる研究協力、投資の促進、またバイオ燃料に関する市場取引を進めるための規格の設定などが盛り込まれているとのことである。また中米、カリブ地域に対するバイオ燃料生産を支援することも訴えられている。 
 グアテマラのペリオディコ紙(3/10)によると、これにあわせるように世界銀行の民間向け投資部門を担うIFC(国際金融公社)はブラジル、コロンビア、グアテマラ企業が参加するブラジルのエタノール生産工場設置にプロジェクトに3500万ドルの融資を発表したとのことである。
(IFCサイトでは承認のニュースは確認取れず:  http://www.ifc.org/ifcext/spiwebsite1.nsf/0/0f1187fc6bc396b0852571ef006837c5?OpenDocument
 

 しかしながらバイオ燃料生産拡大に伴う環境への影響についての懸念も表明されている。

 国連環境計画UNEPの事務局長である Achim Steiner氏はブッシュ大統領のブラジル訪問に先立って、3月5日から7日にむけてブラジルを訪問。燃料向け作物の拡大が野生生物の生息地や経済的にも生産的な森林を削減させる可能性、食糧供給の不安定性の拡大などについての危惧を表明している。代替燃料は気候温暖化だけではなく、幅広く環境に優しく、持続的なものとして基準を定めていく必要を提起している。(更にこの報道ではシロアリの腸内細菌利用による植物残渣のセルロースの糖への分解も将来的な技術として紹介している。)
 http://www.unep.org/Documents.Multilingual/Default.Print.asp?DocumentID=502&ArticleID=5533&l=en


 またBBC-Mundoではバイオ燃料は現実的なオプションなのか?という報告を掲載している。集約的な農業における化学肥料投入や農業機械、収穫物の運搬・加工プロセスにおける化石燃料の利用などを含め検討すると、エネルギーの節約やCO2の削減効果はごくわずかあるいはマイナスにもなりうるとの研究者のコメントを伝えている。
 http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/science/newsid_6430000/6430453.stm

 またウルグアイに事務局を置く世界熱帯雨林運動(WRM)のニュースレター112号(2006/11)はバイオ燃料に関する特集を組んでいる。
 http://www.wrm.org.uy/bulletin/112/viewpoint.html 英語
 http://www.wrm.org.uy/boletin/112/opinion.html スペイン語
(まだ未読のため、どなたか是非ご紹介ください)


 以上、まだ未整理の部分もありますがこれまでの報告の続報として

 まとめ
 開発と権利のための行動センター
 青西

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2007/02/15

グアテマラで鉱山開発の是非を問う協議の実施

グアテマラで鉱山開発の是非を問う協議の実施
(2/16日修正)
 
 2月13日、サンマルコス県のコンセプション・トゥトゥアパにおいて、地域での鉱山開発の是非を問う住民による協議が実施されました。
 既にモンタナ社による鉱山開発が進むサン・ミゲル・イシュタワカンと隣接するトゥトゥアパには既に鉱山採掘及び探査のライセンスが出されており、これに対してトゥトゥアパの地方自治体の環境委員会が住民による協議を実施したものである。これを通じて住民は地域における鉱山開発への拒否を明確に示した。
 
 2月15日付けのCERIGUAの情報によると、協議はトゥトゥアパにあるすべてのコミュニティで同時に行われたものだとのことである。
http://www.cerigua.org/portal/Article7932.html
プレンサ・リブレ紙の記事はトゥトゥアパの町の状況に基づくのではないかと思われる。http://www.prensalibre.com/pl/2007/febrero/14/163406.html


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 またサン・ミゲル・イシュタワカンでは、土地売却価格を巡る問題で鉱山会社に対して再交渉を求めていた住民が道路封鎖を行った事件(http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/01/post_c904.html)に関連して、約150人の警察が動員され、10人の農民リーダーの捜索が行われ、フェルナンド・バシリオ・バマカ(38才)とアントニオ・フェリペ・バマカ・エルナンデス(59才)の2名が逮捕されたとのことである。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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2007/02/09

一方的な開発に反対するグアテマラ・チョルティ民族

 グアテマラ東部のサカパ県のラ・ウニオンやチキムラ県のホコタン、カモタンなどに居住しているチョルティ民族が、様々な形で押しつけられる開発に反対の声を上げる。

 現地の社会運動系シンクタンクであるAVANCSOによると、チョルティのテリトリーに計画されている、ホコタンのフピリンゴ川における巨大な水力発電ダム建設や露天掘りのダム建設に反対するデモ行進が1月26日にホコタン、カモタンで行われた。既に鉱山探査によって地域の温泉も影響を受け、フピリンゴ川及びグランデ川の水量が減少したという。更にダムが建設されれば、水へのアクセスが危険にさらされることとなるという。

 またチョルティの先住民族諸組織はコミュニティのテリトリーで進められようとしている様々な開発計画を告発している。
1)サカパ県ウニオン市当局が、副大統領府やBCIE(中米経済統合銀行)などと推進しているメレンドン山の保護区設置が自然資源を略取しようとするものであるうえに、コミュニティは計画に際して協議を受けていないこと。さらには内容を知らされていないコミュニティ開発審議会にその実施を強要していること。またこの計画に反対する住民が脅迫されていること。
2)カモタンのチャトゥンシートで、コミュニティの土地がコミュニティ外の人物によって企業に売却され、土地からの退去を迫られていること
3)ALBORA社がエネルギー開発プロジェクトを進めるために土地購入を進めていること。
4)平和定な抗議行動に対して、軍の一部隊が展開し、敵意と不信感を広げたこと。

 チョルティの先住民族諸組織は、「チョルティの農民組織が進めているその生命やテリトリー、自然資源、文化的財産を守るため取組や行動が、政府や多国籍企業、軍部によって抑圧されている」と告発し、住民の決定を尊重することを求めている。

チョルティ先住民族組織の声明文全文は>>>
http://homepage3.nifty.com/CADE/Espanol/datos/0701comunicado%20Chorti.pdf
 AVANCSOのコラムは>>>
http://www.avancso.org.gt/index_actividades.php?id=130

*1月26日付けのプレンサ・リブレ紙は、チョルティの住民組織が水力発電企業と人権擁護事務所のメンバーを人質に取ったという記事を掲載したが、独立メディアのセリグアは人権擁護事務所に確認をとりそのような事件が起きていないこと、住民に呼ばれ水力発電他の対話のオブザーバーに参加したことを伝えている。
 副市長が企業側と住民組織の対話に対して一方的に警察を動員したようであり、記事も開発推進の自治体当局の思惑に乗って流されたようである。この誤報事件からも、地域の先住民族が自分たちの問題を訴えていく難しさを感じる。

http://www.prensalibre.com/pl/2007/enero/26/161800.htmlhttp://www.cerigua.org/portal/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=7683

開発と権利のための行動センター
青西靖夫

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2007/01/31

グアテマラで環境活動家への脅し

 グアテマラで環境活動家への脅し
 
 開発と権利のための行動センターのブログでも簡単に紹介した、サンマルコス県のマルリン鉱山の廃水による水系汚染http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/01/post_7784.html を告発するベースとなった調査を実施したイタリア人の環境ボランティアが無言電話や「気をつけろ」というような脅迫電話を受けています。
 
 これに対してアムネスティ・インターナショナル・USAではこの活動家の保護を求める緊急行動を行っています。
 詳細はこちらまで
 http://takeaction.amnestyusa.org/siteapps/advocacy/index.aspx?c=goJTI0OvElH&b=953489&template=x.ascx&action=7978 
 
 またグアテマラでは環境活動家や環境NGO関係者への圧力や暗殺未遂事件などが続いています。
 現地新聞のレポートはこちら
 http://www.prensalibre.com/pl/2007/enero/23/161567.html
 
 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫
 
 

Protect Environmental Activist Flaviano Bianchini from Intimidation in Guatemala
Take Action On This Issue

Flaviano Bianchini, an Italian national, is working as a volunteer for the Guatemalan environmental group Colectivo MadreSelva, which is investigating the effects of mining on the environment. At a press conference in Guatemala City on 5 January, he presented a report on the contamination allegedly caused by a gold mine to the Tzala' River in Sipakapa, San Marcos department. The report alleges that the river, which is the main source of water for indigenous people in the region, has been contaminated with heavy metals. This was reported in the national press the following day.

On 10 January allegedly at a press conference, a government official reportedly told journalists that five criminal charges against Flaviano Bianchini and MadreSelva were going to be presented to the Public Prosecutor’s Office.

Two days later Flaviano Bianchini received an anonymous call to his mobile phone. On 13 January he received another anonymous call to his mobile phone, from a man who repeated the word Cuidado, cuidado ("Be careful, be careful") before hanging up.

To learn more about this case, read or print AIUSA’s full Urgent Action sheet: RTF format | PDF format

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2007/01/30

バイオ燃料ブームが中米各国に引き起こしつつある影響(2007/01/30)

 バイオ燃料ブームが中米各国に引き起こしつつある影響(2007/01/30)

 バイオ燃料のブームが広がりを見せている。BBC-Mundoでは「バイオ燃料:ラテンアメリカを救うのか?」と題して、バイオ燃料の話題を継続的にフォローするようである。
http://news.bbc.co.uk/hi/spanish/specials/2007/etanol/

 さて、その一方で、エタノール生産によるトウモロコシ需要の拡大など、バイオ燃料の拡大は様々なインパクトを引き起こしつつある。
1)メキシコではトウモロコシ価格の高騰により、主食であるトルティージャの価格も大きく跳ね上がっている。
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/01/post_570a.html

2)中米グアテマラでも、トウモロコシ価格の高騰が伝えられている。1月27日付の現地ペリオディコ紙によると、天候不順による野菜価格の高騰に加えて、トウモロコシ価格の高騰が伝えられている。この記事ではエタノール需要の拡大が飼料用トウモロコシがここ10年で最も高い値段となっていると伝えている。その一方で食用のトウモロコシ価格の高騰は主要国内産地のペテン県における虫害を要因として挙げている。
http://www.elperiodico.com.gt/look/article.tpl?IdLanguage=13&IdPublication=1&NrArticle=36156&NrIssue=1068&NrSection=1

 既にNAFTAを通じて米国市場と国内トウモロコシ市場が結びつきを深めていたメキシコで食用のトウモロコシ価格が高騰したのと比べ、食用トウモロコシ市場が外国市場に対して比較的閉ざされているグアテマラでは影響の出方が異なっていると考えられる。今後、米国との自由貿易の深化の中で国内生産基盤を保全することが重要であろう。

3)畜産物価格の高騰。中米各地の畜産物価格が高騰している。輸入トウモロコシに依存する加工畜産がトウモロコシ価格の高騰の影響を受けている。
 グアテマラ:http://www.prensalibre.com/pl/2006/diciembre/16/158727.html
エルサルバドル:http://www.laprensagrafica.com/economia/699636.asp
コスタリカ:http://www.nacion.com/ln_ee/2007/enero/24/economia970381.html

4)ニカラグアでのアブラヤシの生産拡大
 ニカラグアの大西洋岸ではバイオ・ディーゼル用のアブラヤシ栽培が計画されているとのこと。http://www.magfor.gob.ni/servicios/noti1.html

5)米国投資家がニカラグアでのトウモロコシの生産拡大とエタノール向けに米国への輸入を検討。http://www.elnuevodiario.com.ni/2007/01/19/economia/39204

6)グアテマラでのエタノール向けサトウキビやアブラヤシ・プランテーションが、土地の再集中を引き起こす。グアテマラ、インフォプレス紙1688号(2007/1/19)によるとポロチック流域でのアブラヤシやサトウキビの生産の拡大に伴い、新規に土地を取得した農民から土地が買い集められているとのことである。
http://www.inforpressca.com/

7)メキシコ:トウモロコシ価格高騰の背後で触手を伸ばすモンサント社
 1月24日付メキシコ、ホルナーダ紙によると、トウモロコシの供給に問題を抱えるメキシコの状況をうけて、モンサント社は「遺伝子組み換え」によって生産性の問題は解決することができるのであり、今年には試験的栽培が承認されることを望んでいると述べているとのことである。モンサント社はこのメキシコのトウモロコシ危機をきっかけに、遺伝子組み換えトウモロコシの市場を拡大するために積極的に動いているようである。
http://www.jornada.unam.mx/2007/01/24/index.php?section=politica&article=009n2pol

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 農業生産余力がある国々で、穀物価格の高騰を背景に穀物生産基盤を再確立することは重要なことであろう。しかしこの中で土地の集中、投機的な土地取引などが進めば、地域の持続的な生産基盤、小農民の生活基盤を破壊することにつながりかねない。
 またトウモロコシの重要な遺伝子資源を保全するメキシコから中米地域において遺伝子組み替えトウモロコシの導入が積極的に進められる危険性もある。このことに対してはメキシコのグリーンピースも警鐘を鳴らしている。
 http://www.greenpeace.org/mexico/news/monsanto-y-autoridades-pretend
またトウモロコシ価格の高騰が自給生産基盤を持たない都市の貧困層を直撃することはいうまでもない。
 
また、主たるエネルギー源である石油を輸入に頼っている中米各国が代替燃料源を確保することは重要であろう。しかしアブラヤシ栽培の拡大がネガティブな影響を引き起こす可能性を忘れることはできない。どのような土地にプランテーションが開かれるのか、自然林の破壊はないのか、農民が土地を奪われることはないのか、直接的にプランテーションが森林破壊を引きおこさない場合でも、トウモロコシ作付地や放牧地が外延的に広がる可能性もある。
(ホンジュラスでは農地改革で作られた協同組合がアブラヤシを重要な収入源としているようなケースもあり、アブラヤシ生産が大資本によるプランテーションにつながる訳ではない。また森林伐採のあとに粗放的な放牧地が広がっているよりは、まだアブラヤシの方が土壌保全につながるケースもあるだろう。しかしその場合でもモノカルチャーであることのリスクや生態系への影響がなくなるわけではない)
 
 既にみたように、京都議定書にかかわるCDM(クリーン開発メカニズム)による小規模水力発電計画が地域住民の同意を得ていないケースなどもグアテマラでは報告されている。http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/12/cdm_ce01.html 地球温暖化防止にかかわる様々な取り組みを否定するものではないが、そのしわ寄せを他者に押しつけることのないよう注視していくことが重要であろう。今後も関係ニュースをフォローしていきたい。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

   「未来を決める権利は誰のもの!」

 開発と権利のための行動センターでは「未来を決める権利は誰のもの!」という視点から、グアテマラにおける鉱山開発の問題を考えるキャンペーンを展開してきました。情報を持ち、判断をし、決定のプロセスに参加していくこと、これがグアテマラでは非常に重要だと考えています。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/12/__8442.html************************************
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2007/01/22

グアテマラにおける「先住民族の協議」

「先住民族による協議」:2006年において最も際だった参加のあり方。
 
 インフォプレス紙では、グアテマラにおける住民協議やコミュニティの協議を昨年の市民参加や地方自治体強化という側面から最も重要な出来事と考え、記事を発表しています。
だいぶ長くなりますが、開発と権利のための行動センターのグアテマラでの活動とも関係がありますので掲載します。

 以下 インフォプレス Edición No. 1686 de 05 de enero 2007 http://www.inforpressca.com/mientras/1686_pag10.htm
 2006年の後半期、先住民の参加において最も重要な出来事があった。自然資源の利用に関して、いくつかのコミュニティにおいて「良心に基づく協議」が行われたことによる。こうした協議は、地域住民に関係のある事項に関して表明された住民の意思に対して、中央の行政府や議会が感受性を持っているのかどうかを評価することにもつながった。
 こうした「協議」のすべては、その法的基盤をグアテマラ国が10年前に批准したILO169号条約に求めている。この中では、先住民族のテリトリーに影響するいかなる決定においても当該先住民族への協議を行うことを義務として定められている。
 この点について様々な提案がなされたにもかかわらず、中央政府が、この条約の適用を実現するための、またその結果を公共政策と協議の結果を結びつけるための細則案を提出することはなかったのである。

<事例:2006年における「良心に基づく協議」>・6月25-27日にかけて、ウエウエテナンゴ県のコロテナンゴ、コンセプシオン・ウィスタ、サン・フアン・アティタン、サンティアゴ・チマルテナンゴ、トドス・サントスの6つのムニシピオ(最小行政区)において、そのテリトリーにおける鉱物資源探査のライセンスに関わる協議が行われた。この協議には27360人が参加し、その中でライセンス供与に賛成した者は51名に過ぎなかった。更にこの協議への参加者は2003年に行われた総選挙の投票者よりも7010人も多かった。
・8月29日には同じくウエウエテナンゴ県のサンタエウラリアにおいても鉱山開発に関わる協議が行われた。そこでは、18089人が鉱山に反対し、5人が賛成、62が判断を保留した。
・また11月27日にはサン・マルコス県のタフムルコの、水力発電施設の建設に影響を受けると思われる三つのコミュニティにおいて、「コミュニティによる協議」が行われた。この協議には1192名が参加し、全員一致で発電プラントの建設に反対の立場を表明。
・同じくサンマルコス県のサンパブロでも市長は同一のプロジェクトを巡っての協議要請をコミュニティから待っている。またキチェ県ではプラヤ・グランデ、ウエウエテナンゴ県の他の3つのムニシピオでも鉱山に関わる協議が検討されている。

 無関心の表明
 鉱山・エネルギー省(MEM)は8月23日、5つのムニシピオで実施された協議は法的に効力をもつものではないとの省令を発表。憲法と鉱山法は国内における鉱山開発の促進と開発を公益のために認めていると表明。
 またライセンスの文書はその承認のための通知から5日間の間に異議申し立てを行わなくてはならないと言及。しかしながら、ほとんどのムニシピオでは2-3週間遅れでその通知を受け取っているのである。
 サンタ・エウラリアのケースでは、コミュニティの代表や何人ものアナリストが議会がこの結果を受け取った態度に不満を表明。議会の運営委員はこの結果を見下げ、当てこすっていたという。サンタ・エウラリアは開発など求めないのだな、住民は操られているのだ・・・と
 アナリストは、これは住民は何を必要としているかわかってはいないから、指導し、救ってあげなくてはならない、自身の開発について決める能力がないのだ、という考え方がいまだ続いていることの証しであると考えている。
 またグアテマラ西部国境研究センターのセシリア・メリダはこれらのコメントは分権化や地方権力の強化という点で逆行するものであり、対立につながるものだと述べている。

 以上、抄訳 本文ではこのあとこのコミュニティ開発審議会などに関する記事が続くがここでは省略する。

 以下、開発と権利のための行動センターより グアテマラにおける開発とは植民地期以来、外部から押しつけられるものであった。植民地支配がはじまり、次にはコーヒーの時代がやってきて、土地は奪われ、強権的に道路建設などに先住民族は動員されたのである。一部のエリートのための「開発」は先住民族の人々の頭越しにやってきて、無理矢理押しつけられたのである。
 そして鉱山開発もそのあり方を何も変えてはいない。官報に公示したから適切な手続きを踏んでいるなどということを、官報など届くこともない人々を前に平気で言ってのけるその姿は100年前に人々の土地を「正当」に奪っていった姿と何も変わることはない。

 開発と権利のための行動センター 
 代表 青西靖夫

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 以下は
 開発と権利のための行動センターから10月にグアテマラに行った際、「コミュニティによる協議」のあり方について、サンマルコス県のアフチモルという先住民族組織のハビエル氏に話しを聞いたまとめとして
 
 住民投票(Counsulta de vesino)
これは地方自治体法(Codigo Municipal)に規定があり、実施するかどうかは地方自治体の議会にかけ、2/3以上の同意が必要とのこと。このケースはサカパ県のリオオンドにおける水力発電に関して実施された。

 その他のケースは「コミュニティによる協議(Consuta comunitaria)」と定義される。これについても地方自治体法に関連規定があるが、コミュニティからの要請に基づいて市長はその実施を認める裁定を発行する必要がある。しかしこれは本来的に自動的に認められるべきものと見なされる。
 コミュニティにおいて、この会議を招集するものは補助村長(Alcalde Auxiliar)であり、これは植民地期に作られた制度ではあるが、現在コミュニティの権威を代表し、村内の諸事務を担当する者である。
 コミュニティのレベルにおいて、どのような形で意思表明をおこない、採決をとるか、投票なのか、手を挙げるのか、参加者全員の合意となるのかなどはコミュニティの伝統に任されているものである。これはOIT169号と憲法69条に基づく。
 会議に参加する権利が、18歳以上となるべきかどうかについても明確な定義はない。また政府発行の身分証明書を持っているか、選挙人登録をしているか、などは基本的に「コミュニティーによる協議」において必要とされる要件ではない。
 議事録に、場合によっては身分証明書の番号を記載してサインしている場合もあるが、村の生活の中ではサインをする、あるいは拇印を押すというのは、大きな意味を持つ行為であり、それだけで十分と考えられる。
 本来的にコミュニティの制度に基づいて実施されるものである。

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2007/01/19

グアテマラ 鉱山開発問題 最近の動き

グアテマラの鉱山開発問題における最近の動向

1)既に採掘がはじまっているサンマルコス県のマルリン鉱山で、今月11日より、地域住民によってモンタナ社の有するマルリン鉱山へのアクセス道路が封鎖されています。プレンサ・リブレ紙(1/12)によると、約600名の住民が鉱山会社への土地売却価格の再交渉をもとめて道路封鎖を行っているとのこと。住民は当初売却額に加えて、鉱物資源が見つかった場合には上乗せして支払うとの話しだったと主張している。
 この道路封鎖はまだ継続しており、1月18日にカトリック教会、サンマルコス教区のラマツィーニ司教が仲介して交渉の場が設けられたが、鉱山会社側は出席せず。

2)エストールで農民の排除に関するビデオ
ユーチューブに、その際のビデオが掲載されています。 スペイン語&英語
  http://www.youtube.com/watch?v=Q20YxkM-CGI

 これだけではわかりにくいと思いますが、行動センターのサイトも参考にし
てください。 
 http://homepage3.nifty.com/CADE/guatemala/Guatemaladesalojoelestor.html

3)来月サンマルコス県のコンセプション・トゥトゥアパで鉱山開発権の認可に関わる「住民協議」の開催が計画されています。そこへの支援、また国際的なオブザーバーの参加も要請されています。
 関心のある方はcade-la@nifty.comまで

開発と権利のための行動センター
青西靖夫

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グアテマラのサン・ホセ・ポアキルで農民リーダーが殺害される

グアテマラのサン・ホセ・ポアキルで農民リーダーが殺害される。
 
 グアテマラのCONIC(先住民族農民全国調整員会)によると、チマルテナンゴ県のサン・ホセ・ポアキルの農民リーダー、レイエス・ラミーレス・ショコプ(46歳)が1月3日に殺害されました。
 レイエス・ラミーレスが地域の共有地を村に回復するために運動を続けるとともに、その中でポアキルの市長の傲慢な対応を批判するとともに、住民の同意なく行われていた旧遊地での森林伐採を告発していました。
 今回の事件は、共有地の回復を求め、また市長の私益の追求を告発していた33のコミュニティのメンバーへの脅しでもあります。
 なおこの同日、サン・ホセ・ポアキルの教会の聖像などが盗難に遭う事件も発生したとのこと。
 また 農牧省によって交付されたはずの9万ケッツアル(約135万円)の使途の不明になっているとのこと。
  
 こうした事態に際し、CONICは事件の徹底的な調査、家族への補償、共有地での伐採の即時中止などを求めています。

開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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2006/12/13

グアテマラ地域住民とCDM

グアテマラ地域住民とCDM

開発と権利のための行動センターのブログ(2006/12/07)で既に紹介しましたが、サンマルコス県での水力発電計画が反対する住民の声に直面しています。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2006/12/post_f8dd.html

 この問題についてインフォプレス1685号(2006/12/8)でより詳細に報告されていますので、そこから抜粋して報告します。
 11月27日、サンマルコス県タフムルコで住民総会が開催され、全会一致でコミュニティに水力発電施設の建設に反対を決議しました。この住民総会はコミュニティ開発審議会(COCODE)の要請に基づいて開催されたもので、1992名が参加したということです。参加者はその議事録をタフムルコの市長に手渡し、地方自治体開発審議会(COMUDE)において、このプロジェクトを拒否し、建設許可証を発行しないことを要請しました。これに対しタフムルコの市長イスマエル・ゴメス氏はこの住民による協議の結果を擁護することを約束したとのことです。
 またサンパブロにおいては、この水力発電プロジェクトに関する住民による協議の開催要請を待つ段階であるとのことです。
 
 現在、サンマルコス県ではトレス・リオス水力発電社がサン・パブロのカヌハ川(ríos Canujá)ネグロ川(Negro) およびタフムルコのクツルチマ(Cutzulchimá )に発電プラント建設計画を持っているとのことである。この計画では流域の9割の水量を取水し、3つの小規模発電施設を通して発電する計画でである。この結果もとの生態系には1割の水量しか残らないこととなるうえに、乾期には更に水量が減ることが予想されている。この建設には約78億円~112億円ほどコストが見積もられている。
 このほかにトレス・リオス社は同じくサンマルコス県のカタリーナとマラカタンの間のカブス川(Cabuz)にも発電計画を持っているという。
 トレス・リオス社はこのプロジェクトの便益として、建設に関わる約260名分の雇用、40名の施設稼働時期の雇用、またこれ以外に約1千万円の基金を財源とする財団法人を設置し、地域の道路整備および開発プログラムを行うとしている。このほかに建設認可に関する支払い、付加価値税、不動産税などを支払うとしている。建設許可に際して、タフムルコには約1700万円の収入が見込まれるようである。
 その一方、サンパブロの人権擁護事務所(PDH)のカルロス・マルティネスによると、サンパブロの40%の住民、タフムルコの25%の住民がこのダム計画から直接に影響を受けるであろうとのことである。
 環境保護団体であるマードレ・セルバのホセ・マヌエル・チャコンによると、このプロジェクトは3つの流域を利用するため3つの環境影響調査を行う必要があるが、一つしかなされていないこと、また政府によって認可された発電量を超えた量について言及しているなどの問題があるという。また下流のマラカタンの住民はこの建設で水がなくなるのではないかと心配しているという。

 11月7日にはサンパブロにおいて、サンパブロ、タフムルコの市長、環境保護団体のチャコン、PDHマルティネス、トレス・リオス社社長、所管のエネルギー鉱山省(MEM)副大臣およびCOCODE関係者などが参加しての会議が開催された。しかしここでは水系の利用の許認可権がMEMにあると主張する副大臣とILO169号条約および分権化法に基づく住民の権利をチャコンの主張がぶつかり協議にはならなかったという。
 更にはサンパブロの市長は、サンパブロの55のCOCODESの代表が参加することを要請したという。
 しかしその後、こうした協議に参加することへ関心を示さず、この問題はコミュニティの代表による活動および住民による協議の開催に向いているという。
 記事は、「この調査においてプロジェクトに関する情報を得ることの難しさ、コミュニティ住民や自治体職員の情報を不足を感じたと記している。」 
 またがコミュニティを危険にさらすことなく、利益を確保できるようにCOMUDEにおいて十分に検討される必要があると結んでいる。

 なお12日のプレンサリブレ紙はこの問題に関する情報不足を避けるために、タフムルコ、サンパブロ、マラカタンでは定期的に住民の会議が開催されることとなったことを伝えている。

 ***********************************

 実はこのトレス・リオスの水力発電計画もCDMのプロジェクトとして認可を待つ段階にあることが判明。CDMプロジェクトとしての認可を得るための有効化(Validation)という手続き段階にあります。
http://cdm.unfccc.int/Projects/Validation/DB/OY4SBJZ1MIRQ90913OEMU50O753U8Q/view.html そのためのプロジェクト・デザイン書は2006年7月に作成されていますが、その中でも住民や地域の自治体の理解が得られておらず、遅れてきていると記されている。実際に情報も不足し、住民の同意も得られていないにもかかわらず、今年3月に始めた情報提供キャンペーンの結果、「こうした障害は乗り越えられつつある」と書き込み、このデザイン書はCDMの承認を得るために既に提出されているのです。

 こうした住民無視の態度がグアテマラにおける「開発」の伝統的あり方だといえるでしょう。そして最後はごり押ししていく。かってのようなあからさまな弾圧がなくなったとしても、一握りのエリートが「開発」のあり方を勝手に決めて、押しつけていく手法に大きな変化はない。

 その一方でグアテマラ各地で、住民の声も高くなりつつあります、鉱山開発をめぐる住民投票や住民による協議、先住民族としてILO169号条約の履行を求める声。COCODEやCOMUDEの設置を定めた分権化関連法の存在も含め、「地方自治」、地域住民が未来を決めていく動きは徐々に力を持ち始めています。

 開発と権利のための行動センター
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2006/12/12

グアテマラ CDMと地域住民

 CDMと地域住民

 先のブログで紹介したカンデラリア水力発電プロジェクトは、地球温暖化防止のためのCDM(クリーン開発メカニズム)として登録されているされているようである。
 http://cdm.unfccc.int/Projects/DB/DNV-CUK1158743330.88/view.html 更には日本の「電源開発」もこのプロジェクトには絡んでいる。
 https://www.ghg.jp/cdm/outline.html#006

 グアテマラ東部には小規模CDM関連の水力発電ダム計画がいくつかあるようであり、詳細な分析が必要であろう。

 グアテマラではそもそも水に関する権利が法的に明確に規定されておらず、大土地所有者が自らの土地にプラントを建設することで、地域住民との同意プロセスを考慮せずに、水力発電などが計画されている可能性がある。
 既に報告しているキチェ県北部のイシュカンにおけるダム計画、サンマルコス県におけるダム計画、そしてアルタベラパス県と水資源開発が地域住民との紛争を引き起こす可能性も高まっていると言えるだろう。

 トレセ・アグア農園の元農園労働者(農園に囲い込まれてしまった地域住民!!!)には既に補償はなされたと言われているが、詳細は定かではない。少なくともCDMの名の下に、農民が住んでいた土地を離れざるを得なくなったことは間違いはない。

 地域の開発が、農園主や経済エリートの手ではなく、地域住民の声と判断の上でなされる時代が必要とされている。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2006/12/07

グアテマラ ダム開発に反対の声

サンマルコス県で水力発電ダムの建設に反対

 サンマルコス県のマラカタン、タフムルコ、サンパブロの約29コミュニティの住民は
トレス・リオスに計画されている水力発電ダムが、これらのコミュニティを水を枯渇させるとして反対の意向を示している。
 ダムはクツルチマ川(Río Cutzulchimá)の9割の水を集めて、パイプで発電装置を設置するクナハ川まで流す計画であるという(Río Canujá)