ダム開発

2011/06/22

ペルー:アマゾン地域のイナンバリ・ダム開発計画一時中止

 クスコ県、プーノ県、マードレ・デ・ディオス県にまたがる、ペルー・アマゾンに計画されていたイナンバリ水力発電計画が公式に一時中止となった。[1] エネルギー・鉱業省の省令はEGASUR社(Empresa de Generación Eléctrica Amazonas Sur )に与えられていたイナンバリ水力発電計画のための調査実施のための一時免許が失効し、現在有効な免許は存在していないこと、また今後のイナンバリ水力発電計画に関しては、ILO169号条約及び大統領令No.023-2011-EM(鉱業・エネルギー分野における先住民族の協議の権利の適用に関する手続き令)[2]に基づく先住民族との事前協議を実施することを定めている。

 しかしながら一時免許が失効しただけであり、プロジェクトが完全に中止されたわけではなく、反対運動を黙らせるための芝居に過ぎないとジョニー・レスカノ(Yonhy Lescano)議員は警鐘を鳴らしている。[3]またカラバヤの住民組織のリーダーであるオルガ・クティパ氏(Olga Cutipa)もプロジェクトの完全中止に加えて、水力発電計画以外の鉱業開発や石油開発、水資源開発などにおいても協議を行うことを求めている。[4]

 このダムはブラジルとのエネルギー協定に基づく6つの水力発電計画の一つであり、発電量の80%をブラジルに売却する計画であった。しかし3年前から抗議活動が続き、ここ一ヶ月は2000人近くがストライキを続けていた。

 開発と権利のための行動センター
 青西
 
[1]Resolución Ministerial N° 265-2011-MEM/DM
http://www.gacetajuridica.com.pe/servicios/normaspdf_2011/Junio/15-06-2011.pdf
[2]DECRETO SUPREMO Nº 023-2011-EM
http://www.minem.gob.pe/minem/archivos/file/Mineria/LEGISLACION/2011/DS%20N%C2%BA%20023-2011-EM.pdf
(2011年5月12日に施行されたこの手続き令については、後日内容を検討したい))
[3]Cancelación de proyecto Inambari es una farsa
http://diario16.pe/noticia/6321-cancelaciaon-de-proyecto-inambari-es-una-farsa
[4]Locals Still Wary Despite Cancellation of Inambari Dam
http://www.internationalrivers.org/en/node/6639


参考資料
Oficializan cancelación del proyecto hidroeléctrico de Inambari
http://www.losandes.com.pe/Nacional/20110616/51282.html
Perú: Pueblo de Carabaya consigue la cancelación de Inambari
http://servindi.org/actualidad/46561
Mega Hidroeléctrica de Inambari será el quinto mas grande de America Latina(200905)
http://www.bicusa.org/es/Article.11133.aspx
関連動画 抗議行動の様子など
Promueven paro contra megaproyecto Inambari en Puno.wmv
http://www.youtube.com/watch?v=XnfYLGFTRmA&feature=related
Pobladores de Puno marchan contra hidroeléctrica en Inambari
http://www.youtube.com/watch?v=AeqtQxrCcE8&feature=related
Puno paró contra la construcción de la Hidroeléctrica del Inambari
http://www.youtube.com/watch?v=KEkynuDJJOw

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011/05/26

チリ:パタゴニアにおけるダム開発関連

 このブログでもだいぶ前にお伝えしたまま、フォローできずにいますが、いくつかニュース(日本語、英語、スペイン語含む)などを紹介します。

*5月10日付けのニュース
 共同配信で東京新聞他いくつかの新聞に掲載されました。
「パタゴニアのダム計画を承認 自然破壊に懸念も チリ」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110510/amr11051012270010-n1.htm 
「チリ、大規模水力発電ダム建設承認=反対派は抗議行動(ロイター)」
http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011051000400

*5月14日付け「チリ、ダム建設承認 環境派は抗議 (1/2ページ)」
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110514/mcb1105140505016-n1.htm
* 5月15日付け「ダム計画で衝突、反対派を強制排除 チリ」
http://news24.jp/articles/2011/05/15/10182756.html

*5月21日 BBC-Mundo ”Hidroaysén: el proyecto que divide a Chile”
http://www.bbc.co.uk/mundo/noticias/2011/05/110520_chile_hidroaysen_preguntas_clave_pea.shtml

*5月23日 ニューヨークタイムズ 社説
Keep Chilean Patagonia Wild
http://www.nytimes.com/2011/05/24/opinion/24tue3.html?scp=1&sq=chile%20hidroelectric&st=cse

*5月24日 el pais
"The New York Times critica los planes de Endesa para construir presas en la Patagonia chilena"
http://www.elpais.com/articulo/sociedad/The/New/York/Times/critica/planes/Endesa/construir/presas/Patagonia/chilena/elpepuintlat/20110524elpepusoc_13/Tes

*5月26日 パタゴニア社ブログ
「チリ政府がパタゴニア地方にダム建設プロジェクトを認可」
http://www.thecleanestline.jp/2011/05/chilean-government-seals-fate-of-wild-rivers.html

その他、Patagonia ¡Sin Represas! (ダムはいらない) を見ると、各地で抗議行動が続いているようです。

青西

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/06/29

ペルー:ブラジルとのエネルギー協定に反発

1)ペルー・ブラジルのエネルギー協定に対する憤り [1]
(インターナショナル・リバーズのサイトに掲載されたプレス・リリースの抄訳)

 ブラジルのルラ大統領とペルーのガルシア大統領は16日、ペルー・アマゾン地域における6つの水力発電所建設計画を含むエネルギー協定に調印。
国家環境審議会の元長官、マリアノ・カストロ氏は「この協定は再生可能なクリーン・エネルギーを保証するものではなく、環境や社会にネガティブな影響を多数引き起こすも、のであり、ペルーの5県において、先住民族の移転と森林破壊を引き起こすものである」と告発している。
 エネ川のパキツァパンゴのダムは約17000人のアシャニンカ民族に影響を及ぼし、アシャニンカ民族の共有保護地も脅かすことになるという。アシャニンカ民族のリーダーであるルス・ブエンディア・メストキアリは「パキツァパンゴ・ダムは、影響を受ける民族との対話なしに政府が計画したものであり、エネ川は私たちの大地の魂であり、この川が私たちの森や生き物、植物、作物、そして私たちの子どもたちを育んでいるのだ」と語っている。
 マードレ・デ・ディオス川に計画されているイナンバリ・ダムも、この2国間の協定に含まれているが、このダムは46000ヘクタールを水没させ、15000人に影響を及ぼすとみられている。ペルーの環境団体のアルフレッド・ノボアは「ペルーは5万メガワットほどの再生可能エネルギーの開発可能性を有しており、こうしたダムを必要としていない。この2国間協定は、ブラジルの利益になるだけであり、こうした協定を許すことはできない」と語っている。
 
 しかしブラジルにおいてもこの協定には懸念が示されており、サン・パウロ大学のセリオ・ベルマン教授は、「ペルー・アマゾンの生態系に回復できない影響を引き起こすものである一方、利益はブラジル企業や国際的な鉱業会社や精錬企業に流れるばかりであり、一般の人々にとって役立つものではない」と警告している。

 またこの協定には、プロジェクトによって影響を受けるコミュニティへの利益やその権利、受益への参加などについては言及していない。

[1] Press Release:Indignacion ante el Acuerdo Peru - Brasil Sobre Energia(英語・ポルトガル語あり、協定全文にもアクセスできる
http://www.internationalrivers.org/en/2010-6-17/indignacion-ante-el-acuerdo-peru-brasil-sobre-energia

2)パキツァパンゴにおける水力発電所建設計画に対するエネ川流域のアシャニンカ民族の声明(抄訳)
 アシャニンカ民族のサイトでは、パキツァパンゴ・ダムに反対する声明を出している。またビデオのアップされている。

-我々の歴史は度重なる蹂躙に満ちている。ゴム景気の時代には奴隷とされ、テリトリーから追われ、1980年代の社会的暴力の時代には残虐な暴力を被り、真相究明委員会は6千人のアシャニンカ民族が殺害もしくは誘拐され、1万人のアシャニンカ民族が強制的に土地を追われたことを報告している。また自警団を組織し、我々の血と命を持って和平に貢献したのである。今、我々はこのテリトリーに戻り、平安の中で生活することを望んでいる。
- エネ川は我々のテリトリーの魂であり、森や生き物、植物、作物、そして我々の子どもたちを育んでいる。アシャニンカ民族にとって、「パキッサパンゴ(ワシの家)」は聖なるものであり、重要な文化的・精神的財産であり、我々の根幹をなすものである。
-アシャニンカ民族はオティシ自然公園の設立とアシャニンカ民族共有保護区の設置にも参加してきた。バッファーゾーンに位置する我々のコミュニティは、地球上でも豊かな生物多様性を維持する土地である。

-こうしたことにも関わらず、政府は我々を再度脅かしている。聖なるパキツァパンゴにダムを建設するためのコンセッションを行ったのである。このダムは強制的な移転と我々のテリトリー及び自然保護区に重大な影響を引き起こしかねないものである。
-我々のテリトリーに対するこうした蹂躙は、我々の生命と民族としての存在を直接に脅かす暴力である。
-我々、アシャニンカ民族はILO169号条約や国連の先住民族の権利宣言に定められている権利を有しており、国家は事前の協議を行わなくてはならない。しかし政府は我々の権利を無視し続けている。
-政府はエネルギ-鉱業省の省令N°546-2008-MEM/DMによって「パキツァパンゴ・エネルギー社」にダム建設の実現可能性調査のコンセッションを与えている。このコンセッションは我々の10のコミュニティに被さるものであるが、情報を提供することも、協議を行うこともなく与えられたものである。我々のテリトリーを保護する対策も定められず、我々が開発の独自の優先度を定めることもできないままに、計画に参加することもなく。
-ペルー政府が我々の生活と権利を尊重していないことをあらためて明らかにした。またペルーとブラジルのエネルギー協定におけるダム建設について交渉していることに憤慨している。

 こうしたことから、エネ川のアシャニンカ民族は次のように宣言する
1. 上記省令及びパキツァパンゴダムの建設を拒否する。これはアシャニンカ民族のコミュニティに情報を提供したものでも、協議を行ったものでもない
2. このプロジェクトにアシャニンカ民族の言葉であるパキツァパンゴを用いることを拒否する。この言葉はアシャニンカ民族の精神と文化的意味を持っている。
3. ペルー政府に対して、ILO169号条約、国連の先住民族の権利宣言に定められている先住民族の権利の尊重を求める
4.. 先住民族に対する、事前の情報を提供した上での自由な協議の実施を要求する
5. 国内移転法の改悪をやめること
6. ペルー国家に対して、エネルギ-自給を確保するためのエネルギー計画の策定を求める
7.ブラジル国がペルーの先住民族のテリトリーに関わる交渉を行っていることに疑念を表明する。
 我々が平和に生きる権利を防衛する。
 2010年5月8日

PRONUNCIAMIENTO DE LAS COMUNIDADES ASHANINKA DE LA CUENCA DEL RIO ENE FRENTE AL PROYECTO DE REPRESA HIDROELECTRICA EN EL LUGAR DE PAKITZAPANGO
http://ashanincare.org/Documenti/PronCARE2010.pdf

3) ペルーのジャングルにブラジルに供給するためのブラジルのダム[2]
IPSに6月17日に掲載された記事は、エネルギー供給という点に焦点を当てている。この協定では、ブラジルに対して30年間にわたって一定量の電力を供給することとなっており、更に15年間は見直しもできないこととなっているという。
「国内需要も検討しないままにこのような協定を結ぶなどと言うことは考えられない」と現地NGO、DARのセサル・ガンボア弁護士は語る。
 
Brazilian Dams in Peru's Jungle, to Supply Brazil By Milagros Salazar
http://ipsnews.net/news.asp?idnews=51866 

4)次のサイトにも情報がまとめられているので紹介する。
Sociedad Peruana de Derecho Ambiental (SPDA)
http://www.actualidadambiental.pe/
まとめ、訳
開発と権利のための行動センター
青西

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/04/28

パナマ:ボンジック川のダム開発に対して刑事告発

 ボンジックの住民がダム建設を進めようとしているテリベ・イドロエコロヒカ社に対して、環境破壊を引き起こしているとしてボカス・デル・トロ県の検察に刑事告発。
 これはダム建設プロジェクトで被害を受けている、ボンジック住民のウーゴ・サンチェス、エステバン・トレス、テオドゥロ・キンテーロ、アリシア・キンテーロなどが中心に告発したものである。
 「こうした告発をするのが危険なことはわかっているが、我々の権利であり、必要な手手続きを進めていくつもである」と述べている。
 「これは環境法制を破っているだけではなく、ナソ民族の土地を破壊し、我々の<薬局>と<スーパーマーケット>を破壊するものであり、我々の生命と民族の存続を脅かすものである。」
 
 フェリックス・サンチェス
  ナソ・ファンデーション


開発と権利のための行動センター
青西靖夫

パナマ関連記事はブログの次のサイトから
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat20818000/index.html 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/04/16

決定は覆される:アマゾン巨大水力発電所差し止め命令

 百一姓ブログの方で詳細に情報がフォローされていますが、差し止め命令が無効とされ、工事入札が実施される方向とのことです。

http://hyakuishou.exblog.jp/

<以下、4月16日>

 百一姓ブログの情報によるとベロ・モンチ水力発電所計画が、連邦裁判所によってさしとめられたとのこと。
 環境アセスメント承認の取り消しが命じられたとのことです。
「ブラジル憲法176条には「先住民居住地域における開発行為には先住民の同意
が必要」などの厳しい規定がありますが、環境アセス報告書にはそれをめぐる
真っ当な記載がない、というのが、この司法判断の理由です。このことは、発
電所建設計画見直しを訴えて来た研究者グループやNGOたち、そして先住民た
ちが指摘し続けてきたことでもあります。」
 詳細は次のサイトへ ---
速報】アマゾン巨大水力発電所:連邦裁判所が差し止め命令
http://hyakuishou.exblog.jp/13425582/

その他関連サイト
Belo Monte Dam: The Pressure is Rising 
http://www.internationalrivers.org/en/node/5288
Justicia suspende licitación de Belo Monte y AGU se prepara para apelar decisión
http://www.adital.com.br/site/noticia.asp?lang=ES&cat=7&cod=46979

青西

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/03/24

パナマ:ダム建設の危機にさらされるナソ民族とラ・アミスタ国際公園

 コスタリカとの国境に近い、パナマ西部のボンジック川流域では、メデジン公企業体によってダム建設が進められつつある。3月10日には、パロ・セコ保全林内での事業認可がなさた。またこのパロ・セコ保全林は、ユネスコの世界遺産にも指定されているコスタリカとパナマをまたぐラ・アミスタ国際公園の緩衝地帯でもある。
 こうした中、3月22日の「世界水の日」に向けて、パナマのナソ民族が声明を発表した。

(開発と権利のための行動センターでは、2008年9月に開催された「ラテンアメリカ水法廷」へのナソ民族の参加を支援しました。)

<関連情報>
Nasos intensifican protesta por concesión hidroeléctrica(La Prensa 2010/3/23)
http://mensual.prensa.com/mensual/contenido/2010/03/23/hoy/nacionales/2132365.asp
Resolucion de Gabinete No.89 (2010/3/9)
http://www.asamblea.gob.pa/APPS/LEGISPAN/PDF_GACETAS/2010/2010/26488-A_2010.PDF
開発と権利のための行動センター関連情報
http://homepage3.nifty.com/CADE/campaign/panama/naso.htm

以下 声明文を二本掲載してます。
1)ボンジック・コミュニティによる声明
2)政府はPILAを危機に (環境保護団体等の声明)


1)ボンジック・コミュニティによる声明
ボンジック・コミュニティ
ナソ・テリトリー
2010年3月22日
Resolución No. CB-02

 去る3月15日、内務・法務省の先住民族政策局長であるホセ・イサック・アコスタは、リカルド・マルティネリ大統領に率いられる現政権は、ナソ民族との間で「抱えていた」
全ての問題は、満足される形で解決したと発表した。それに対して、今日、「世界水の日」に際して、ナソ民族は世界の人々に対して、私たちの立場を明らかにした決議文を公表するものである。

以下のことを鑑みて、
1:2004年末から、ナソ民族は、パナマ政府の関与と思惑のもと、多国籍企業(EPM:メデジン公企業体)によって、人権とテリトリー、そしてそこに存在する自然資源を体系的に侵害されてきた。
2:当初から、我々は当時のマルティン・トリホス政権に対して、この問題を告発してきたが、問題解決への政治的意志も、社会的な感受性を示すこともなかった。
3:現在のリカルド・マルティネリ大統領の就任以来、様々な手段を用いて、我々は告発を続け、また解決を求めてきた。しかし我々の要請を聞くどころか、我々が受けたのは、虐げと逮捕、脅迫、抑圧でしかなかった。
4:残念ながら、内務・法務大臣、ホセ・ラウル・ムリーノによる専横、傲慢、果ては人種差別まで思い知らされてきた。それは法務(justicia)大臣と言うより「不正義」のために存在し、パナマには伝統的な権利は存在しないと公言し、EMPとの交渉を仲介するどころか、ナソ民族を、古くからの先祖の命を育んでくれた、私たちのこの土地への侵略者だというのである。
5:2008年の末、ボカス・デ・トロ県が気候不良の中で自然災害に襲われていた不安定な時期に、政府は法72条の施行し、ナソ民族のコマルカ(自治区)を設立するという願いを踏みにじり、我々を実験動物のように、わずかばかりの一条項に、ナソ民族を押し込めたのである。
6:これまでにも4回にわたって、ナソ民族の抱える問題について、対話の席に着き、ナソ民族の希望に沿った合意を探ってきた。しかし常に、ムリーノの傲慢さと差別が立ちはだかってきた。
7:そして2010年3月10日に、行政府は政令をもって、自然保護区-パロ・セコ保全林における水力発電事業に対して20年にわたる認可を与えたのである。この保全林は、ラ・アミスター国際公園(注:ユネスコの世界遺産にも認定されているコスタリカとパナマ両国をまたぐ自然保護区(略称PILA))の緩衝地域でもあり、「保護」どころか破壊するためのものでしかない。しかしこの政令においても、パロ・セコ保全林やPILAの設立以前から、我々ナソ民族が昔から生活してきたことには一言たりとも触れていない。本来、ナソ民族のテリトリーの中での事業において我々に協議をする義務があるにも関わらずである。
 我々は次のように決議する
1:自然とともに昔から生活してきたナソ民族を排除したまま、我々の自然資源を奪うために、パナマ政府とEMP、そしてナソ民族から追放された人物(ティト・サンタナ)をもっての共謀を許すことはできない。
2:中央政府が押しつけようとする集団的土地所有に関する、法72条を断固として拒絶する。早急にナソ民族のコマルカの設立に関する法案の審議に戻ることを要求する。これはナソ民族の熱望する計画であり続けている。
3:我々は、全ての人々の協力を得て、国内の法的機関や国際的な人権機関など、すべての手段を通じて、ナソ民族に対する人権侵害とテリトリーの侵害について訴えていくものであり、それを放棄することはない。
4:ナソ民族のリーダーたちが被るかもしれない、迫害、脅迫,脅迫などに対して、リカルド・マルティネリ政権及びEPMの責任を追及するものである。


2)政府はPILAを危機に (人権団体 環境保護団体等の声明)
 EPMの代表団を受け入れて2週間後に、マルティネリ大統領と閣僚は、環境省(ANAM)に対して、EPMとの契約を承認。これによって、EPMはラ・アミスタ国際公園の保全に不可欠なパロ・セコ保全林の2000ヘクタールを利用して、ボンジック川に水力発電施設を建設することが許可されたのである。
 この政府の決定は3月13日に公表されたが、これは保全林に対する永続的な被害とともに、これまでこのダム建設に反対して闘争を続けてきたナソ民族のコミュニティにとっての癒やされぬことのない傷となるものである。
 テリベ・エコロジカル水力発電と勝手に名乗っている、EPMは数ヶ月前から保全林に入り込んでいた。これは許可なく活動を行っていたことを意味する。さらには開発派につき、コミュニティから認められていないティト・サンタナ(王)と結んだ合意すら履行していない。そこでは8割の雇用者をナソ民族とすること、工事は昼間のみに行うこと、テリベ川への橋の設置、保健面での改善のための10万ドル相当の投資など、環境省によって承認された環境影響評価をもとに作られた約束すら履行されていないのである。
 こうしたことは、ナソ民族の伝統的な生活を脅かし、正統な権威を無視するものであり、さらに騒音によって日々の生活を妨げ、テリベ川そして支流のボンジック川の景観を大きく改変し、環境の劣化を引き起こすものである。更に環境問題の告発プロセスにおける環境省や裁判所、地方検察、その他の国家機関における職権乱用、そして対策の欠如を告発するものである。

HUMAN RIGHTS EVERYWHERE / COMUNA SUR
CENTRO DE INCIDENCIA AMBIENTAL
JUSTICIA, PAZ E INTEGRIDAD DE LA CREACIÓN (Misioneros Claretianos de Centroamérica)
VOCES ECOLÓGICAS
Más información: info@comunasur.org
En la comunidad de Bonyik: Adolfo Villagra (6569-2844)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/02/05

ブラジル・アマゾンに更なる巨大ダムを認可

 2月1日、アマゾンのシング川に計画されているベロ・モンチ水力発電所計画の環境アセスメント承認
 紹介しきれないので日本語でのサイト他を紹介します。

1)「私の忍耐はもう枯れた」 アマゾン巨大水力ダム計画 続報2/4
 百一姓ブログ(下郷さとみ/ヘジナウド岡田が管理されているサイト)
 これまでの動きが紹介されています。 http://hyakuishou.exblog.jp/tags/%E3%83%99%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%81%E6%B0%B4%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80/
2)アマゾンで大規模ダム開発
  ブログ 壊れる前に…
  http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-a4db.html
3)記事
  -BBC-Mundo, Brasil tendrá otro gigante hidroeléctrico(2010/2/02) 
http://www.bbc.co.uk/mundo/america_latina/2010/02/100201_0025_brasil_amazonas_represa_belo_monte_hidroelectrica_irm.shtml
  -The Times, Fury as Amazon rainforest dam approved by Brazil
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article7012769.ece
-Reuters, Huge hydroelectric dam approved in Brazil's Amazon (2010/2/02) 
  http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/N01201855.htm
4) 国際NGO の動き
  International Rivers
  Environmental License for Belo Monte Dam Condemned(2010/2/01)
World's Third Largest Dam Project Would Devastate Vast Area of Amazon Rainforest
http://www.internationalrivers.org/en/node/5032
Amazon Watch, International Rivers 
Global Concern Mounts Over Brazilian Government's Licensing of the Destructive Belo Monte Dam(2010/2/02)
 http://www.amazonwatch.org/newsroom/view_news.php?id=1994

5)Rede Brasileira de Justiça Ambiental
APÓIE AS AÇÕES EM DEFESA DO RIO XINGU

http://www.justicaambiental.org.br/_justicaambiental/pagina.php?id=2564
 開発と権利のための行動センター
 青西

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009/11/25

グアテマラ:ケクチ民族はエル・ボルカン水力発電を拒否する!

El Pueblo Maya Q’eqchi’ ¡Rechazamos la hidroeléctrica El Volcán!
ケクチ民族はエル・ボルカン水力発電を拒否する!

 アルタ・ベラパス県のセナウ(Senahú),サンタ・マリア・カアボン(Santa María Cahabón )及びランキン(Lanquín)に計画されているエル・ボルカン水力発電計画に対して抗議の声。

 <以下声明文より抜粋>
 カアボンのチアクテ村はダム建設に大きな影響を受ける可能性があります。この村は長年にわたって、給与も払われないまま、農園での労働を強いられてきましたが、努力のかいがあって、土地を得ることができたのです。しかし今度は、エネルギー鉱業省によってチアクテ川の水利権が「グアテマラ・クリーン・ジェネレーション:Generación Limpia de Guatemala」に供与された上に、コミュニティの土地に発電所を建設するという計画が持ち上がったのです。
 農業や生活用水にチアクテ川の水を利用してきたコミュニティは、大企業の利益ばかりを考える経済政策によって脅かされ、移転を強いられようとしているのです。これは明らかな人権侵害です。
 チアクテ村は、2003年からエル・ボルカン水力発電計画に反対してきましたが、政府はその声に耳を傾けることはありませんでした。

 こうした状況を前に地域のコミュニティは次のように宣言しています。
1. 以下のコミュニティ(Chiacté, Chipoc, San Fernando Chinatal, Tuzbilpec, Colonia Agrícola San Juan y de la Región Pinares del municipio Santa María Cahabón; Chicanús y Yutbal de San Agustín Lanquín; y Benimá Volcán, Sillab Volcán y Secalá, de San Antonio Senahú)は私たちの先祖が生まれた土地、私たちが育てた世代が生まれた、この母なる大地の、土地・テリトリー・自然の富に対する伝統的・歴史的権利、聖地への権利を確認します。こうした権利は、私たちの命と引き替えになろうとも、奪うことのできない権利です。
2. チアクテ村が位置する、カアボンのピナレス地区のケクチ民族コミュニティは、エネルギー鉱業省によって認可されたエル・ボルカン水力発電所に関する建設許可を拒絶します。また私たちは、この地域における他のコミュニティでの事業も認めないことを確認します。こうした水力発電事業は、グアテマラの他の地域において、川を破壊し、自然を破壊し、先住民族の移転を生み出し、聖地を破壊してきたからです。

そして、エル・ボルカン水力発電計画に対する水利権のキャンセル、カアボン及びランキンにおける水力発電計画の中止、国際労働機関の第169号条約に定められている協議の権利を尊重していない環境・社会影響評価の承認手続きの中止、そして第169号条約に基づく、拘束力を持つ、直接の対話及び協議の実施を要求しています。
 
(11月11日)091111%20AV%20Hidro.pdf091111 AV Hidro.pdf

関連記事Tres comunidades de Alta Verapaz, rechazan otra hidroeléctrica
http://www.prensalibre.com/pl/2009/noviembre/12/355460.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/11/05

ペルー:イナンバリにおける水力発電ダム建設計画

 CIDHの公聴会で、その問題が訴えられていたイナンバリの水力発電所建設計画について、少し情報を探してみましたので、紹介します。
 Bank Information Center のサイトに情報が収集されていますので、このサイトの情報を利用して整理しました。
Represa Hidroelectrica Inambari
http://www.bicusa.org/es/Project.10078.aspx
英語サイトの方にも記事見出しの翻訳が掲載されています。

Bibliotecaに含まれていた<Inambari Boletin> のまとめです。
Especial :Hidroeléctrica del Inambari ?Para que?, ?para quien?
-1976~1979にかけて、エネルギー・鉱業省とGTZによる開発可能性調査が行われる
-2008. ペルーとブラジル両国政府は、水力発電開発のために、エネルギー協力協定を締結
-2008.6 水力発電計画のための調査実施のためにEGASURに期限付きコンセッション
-水力発電所は、クスコ州キスピカンチスのカマンティ、マドレ・デ・ディオス州タンボパタのイナンバリ、同じくマヌのウエペトゥエ、プノ州のカラバヤ、アヤパタとサン・ガボンに広がる
-2000メガワットの発電量を見込み、ペルー最大の発電所となる計画
-ロックフィル式のダムで、高さ220メートル
-貯水池面積は410平方キロに及ぶ
-65のコミュニティが影響を受け、移転若しくは補償を必要とする
 (別の資料によると27のコミュニティが強制的な移転を強いられる)

またダム計画に拒否の姿勢を示す先住民族に関する
次のようなニュースも紹介されています。
Pueblos selváticos proponen ingresar a guerra civil
En asamblea se pronunciaron contra hidroeléctrica del Inambari
http://www.losandes.com.pe/Regional/20090911/27003.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

米州人権委員会がIIRSAについて特別公聴会を開催

 米地域インフラ統合イニシアティブ(IIRSA)の先住民族コミュニティへの影響について、11月2日、米州人権委員会による特別の公聴会が開催された。
 南米の先住民族の代表として、ペルーのCAOI(Confederación Andina de Organizaciones Indígena de Perú )、ボリビアのOICH(Organización Indígena Chiquitana de Bolivia)、CEADESC(Centro de Estudios Aplicados a los Derechos Económicos, Sociales y Culturales de Bolivia)、ブラジルからComunidades Nativas de Pueblos Indígenas de Rondonia de Brasil、また米国のIndian Law Resource Centerが参加して発言を行った。
 この模様は米州機構のサイトにおいてビデオを見ることができる。(スペイン語・一部ポルトガル語)
http://www.oas.org/es/centro_noticias/videos.asp?sCodigo=09-0278&videotype=&sCollectionDetVideo=4

南米の各地を結ぶインフラ整備を目指しているIIRSAに含まれる多数のメガプロジェクトは、先住民族の生活に大きな影響を与えるとして、先住民族組織が抗議を続けている。

Leonardo Crippa(Indian Law Resource Center)
-IIRSAに含まれる502のプロジェクトは、先住民族コミュニティにおける鉱業開発、水力発電開発、アグロ燃料、モノカルチャーなどの様々なプロジェクトの促進につながるものであり、このプロジェクトの実施は、国際法に定められている先住民族の権利を損なうものである。
-IIRSAは、先住民族のBuen Vivirを脅かすものである。
-これらのメガプロジェクトは特に三つの先住民族の権利を侵害するものである。土地への集団的な権利、開発の形を決めるという自決と自己決定の権利、汚染と生物多様性の喪失による身体的統合と健康への権利である。
-ダムで水没が引き起こされる所では、強制的な移転が生じる
-事業の前に人権への影響に関する調査を行うべき。

Rodolfo López(Organización Indígena Chiquitana de Bolivia)
-サンタクルスとプエルト・スアレスを結ぶ道路計画は建設が進んでいるが、31コミュニティの文化、生物多様性、その統合性に直接の影響を与える。
-これまでに行われた建設部分ではコミュニティの分裂などを引き起こしてきた。
-コミュニティへの協議が適切に行われないまま、プロジェクトが進んできている。
-企業は当初の約束を遂行していない。影響の緩和策なども実現されていない。

Narciso Tomicha(Central de Comunidades de Chiquito Turbo)
-サンタ・クルス-プエルト・スアレス間の道路建設の影響を受けている。
-この土地は所有権の確定がなされておらず、このことが補償の受け取りを困難にするであろう。
-森林破壊、道路の整備による外部者の流入による過剰な狩猟圧、水源の汚染などが引き起こされる。
-私たちの文化が失われつつある。

Telma Delgado Monteiro(Associação de Defesa Etno-Ambiental Kanindé)
-マデイラ川の水力発電計画の真の目的は、大豆のモノカルチャーを進めることにある。
-事前の、情報に基づく協議は行われていない。
-百万人という数の強制移住が引き起こされ、生物多様性も回復不能なまでに失われる。

Miguel Palacín Quispe(Confederación Andina de Organizaciones Indígena de Perú )
-先住民族は統合に反対しているわけではない。しかし先住民族は開発を別の見方をしている。「Buen Vivir 良い生き方:人間と自然の調和」こそ、地球温暖化という危機に対処するために、先住民族が貢献できるものである。
-ペルーの3つの港とブラジルを結びつけようという計画は、多国籍企業に対して、自然資源へのアクセスを容易にするためにあり、そのためにアンデス地域の3952のコミュニティと78の低地先住民族のコミュニティが影響を受けることとなる。
-鉱業の振興、森林伐採、アマゾン地域への移民増加、大豆などのモノ・カルチャーの拡大、聖地の破壊などを引き起こし、特に自発的孤立を選んでいる先住民族コミュニティのテリトリーを脅かすものである。
-コミュニティの分裂・消滅、犯罪の増加、先住民族の消滅などを引き起こす。
-Inambari に計画されているダムは46000 haを水没させ、65コミュニティに移転を強いるものである。先住民族のすべての権利を侵害しているのである。
「私たちは『西洋』の開発とは違う考え方をしているのです。これまでの開発は、採掘・蓄積・分裂・個人主義を進めてきました。しかし私たちはコミュニティに生き、集団的な権利に基づいて生活しています。しかしこの権利が侵害されているのです。私たちは常に調和を目指してきました。Buen Vivirを目指してきたのです。しかしこの考え方は理解されず、政策の中に適切に取り入られていません。」

*ビデオ映像及び下記資料をもとに作成

 開発と権利のための行動センター
 青西

<参考資料>
CIDH realizará Audiencia sobre impactos de la IIRSA en los Pueblos Indígenas
http://www.biodiversidadla.org/Principal/Contenido/Noticias/CIDH_realizara_Audiencia_sobre_impactos_de_la_IIRSA_en_los_Pueblos_Indigenas
IIRSA vulnera derechos de los pueblos indígenas y de la Madre Naturaleza
http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/52851
Situación de las comunidades indígenas afectadas por el proyecto Iniciativa para la Integración de Infraestructura Sudamericana (IIRSA) Participantes: Solicitante: Confederación Andina de Organizaciones Indígena de Perú (CAIO) / Organización Indígena Chiquitana de Bolivia (OICH) / Centro de Estudios Aplicados a los Derechos Económicos, Sociales y Culturales de Bolivia (CEADESC) / Comunidades Nativas de Pueblos Indígenas de Rondonia de Brasil / Indian Law Resource Center (54'36)
http://www.oas.org/es/centro_noticias/videos.asp?sCodigo=09-0278&videotype=&sCollectionDetVideo=4

<ブログの関連記事>
2008/01/29 アマゾン地域の大規模水力発電計画と先住民族
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/01/post_3d22.html
2008/03/07 IIRSA(南米地域インフラ統合イニシアティブ)とは
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/iirsa_f80c.html
2008/03/07 南米の巨大プロジェクトに反発する先住民族組織
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/post_0bb9.html
2008/11/14 ブラジル:アマゾンのマデイラ川に巨大ダム
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/11/post-5686.html
2008/12/15 IIRSA(南米地域インフラ統合イニシアティブ)に対する先住民族からの提言
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/12/iirsa-4195.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧