自然保護区

2009/07/18

グアテマラでのプロジェクト調整作業

 現在グアテマラでは自然資源に対する先住民族コミュニティの権利確立というテーマでのプロジェクトを二つ動かしています。それに加えて去年開始したキチェ県のコッツアルにおける若者グループ支援のフォローアップ、さらに新しい活動として、先住民族法の必要性に関する理解喚起というプロジェクトも始めることとなりました。
 とは言っても、総額200万円にもいたらないような金額のプロジェクトたちです。その上、先住民族の自然資源への権利、なんていうーマは日本では余り受けないのか、ほとんど寄附金も集まりません。しかし欧米系のNGOなどでは結構関心を持ってやっているところもあるようです。
 
 さて、実際に何をしているかといいますと。
 先住民族の自然資源への権利というテーマではイサバル県とキチェ県で活動しています。厳密に言うと今年の4月~9月は見直し期間としてちょっとプロジェクトをお休みして、今後の展開を再検討しているところです。

 イサバル県では自然保護区(及び計画地区)における、保護区管理への地域住民の主体的参加を支援するプロジェクトを行っています。特に地域のケクチ民族コミュニティが集まって組織したイロル・キチェ・アソシエーション(AIK)の組織強化を支援しています。
 この保護区では、首都に事務所を置くある環境NGOが海外のドナーや政府機関の窓口になってしまっているのですが、住民参加は謳いつつもほとんど何もできていません。相変わらず自分たちだけでプロジェクトを計画し、ドナーから資金を取り、プロジェクトを実施しています。地域の人たちはいつまで経っても「受益者」のままです。
 確かに植林補助金を取ってきたりで、コミュニティの収入が増加したという成果もありますが、先の道筋が見えません。将来的にはAIKや他の住民組織と合弁体を形成して共同で保護区の管理に取り組むというのですが、AIKがどうしたら対等のパートナーになれるのかを真剣には考えているとは思えません。このままでは、住民参加を謳い文句にドナーから資金を確保する一方で、住民組織と環境NGOが合弁体に対等な立場で参加することは難しいだろうと思います。
 既に同じ環境NGOが設置した類似の合弁体では、地域のアソシエーションは理事会も開催できないほど弱体化し、合弁体は空洞化しています。ドナーはどうかというと、現場の状況は環境NGOを通じての情報だけで、現場の状況を把握することも、地域住民の声を聞くこともないようです。
 
 今回の訪問ではドナーや環境NGO含めあちこち訪問し、上に書いたような話を聞いて回り、今後の展開について考えるということをやっています。AIKとの活動については理事会の自主的運営のための支援を行っていく予定ですが、それに加えて、地域の住民組織の意見交換・連携・ドナーとの交渉会議の設定などを行っていく必要があると考えています。

 キチェ県のイシル地域(ネバ、コッツアル、チャフル)でも活動を行っているのですが、ここは難しいところです。30以上にも及ぶという水力発電計画があるのですが、どこでも住民は蚊帳の外に置かれ、あるいは買収され、脅され、「開発」が押しつけられています。こうした中で人々は情報提供、地域住民との協議、意思決定への参加を求めています。
 行動センターでは、このような課題に取り組む地域の人々の動きを踏まえ、域内の連携や協力関係の形成を支援していこうと考えています。しかしなかなかこれが難しい。あちこちで話を聞き、あちこちで対立、不仲の話を聞かされ、という状況で少々行き詰まり気味です。
 しかしそれでも真摯に取り組むグループの話を聞き、そうした人たちと詳細の詰めを行うというのがキチェ県での作業でした。

 ケクチの人たちにしても、イシルの人たちにしても、日々の生活も大変だし、豊かな生活をしているわけでもありません。それでも何かしていかなくてはと、取り組んでいる人たちがいるのです。
 行動センターでは「貧しい人たちへの支援」や「植林への支援」をお願いすることはやっていません。地域の人たちが自分たちで政府の植林補助金にアクセスする力をつけること、そういう制度がなければ、制度を作るように働きかける力をつけること、そういうことが重要だと考えています。

 また活動実施のための寄付金もお願いしておりますのでよろしく
お願いします。
郵便振替口座 00230-5-131472
口座名 :開発と権利のための行動センター

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫(代表理事) 

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2009/05/21

ホンジュラス:ガリフナ民族の食糧と協議への権利

 エコ・ポータルのサイトに、ホンジュラスのガリフナ民族と自然保護区の問題についての続報が載っていたので紹介します。
 この地域の話は既に二度ほどこのブログでも紹介しています。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/11/post_d536.html
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_0fa2.html

Honduras - El derecho a la alimentación y la consulta de los garífunas
http://www.ecoportal.net/content/view/full/85899
 4月30日、カヨ・コチーノ(コチーノ島嶼帯)において、カヨ・コチーノ財団とネイチャー・コンサバシーによって「カヨ・コチーノ諸島自然海洋モニュメントの利用計画」が公表されました。しかしこの計画はチャヤチャウアテの住民からは新しい排除の装置であると指摘されています。カヨ・コチーノ財団によると「利用者の参加に基づく見直しと承認を受けた計画」とのことであるが、チャヤチャウアテの地域住民は異なる意見を表明しています。
http://otrahonduras.blogspot.com/2009/04/comunicado-comunidad-de-chachauate.html
http://www.scribd.com/doc/14223535/comunicado-chachauate
<交渉テーブルのあり方を変え、住民皆が参加できるように/財団の監査を要求/訪問者からコミュニティが料金を徴収する/利用計画を知らないので知りたい/全てのプロジェクトはコミュニティとともに実施すること/ゴミ収集を毎週行うこと/利用計画は漁民への補償がある際に履行されると記載すること/外洋において旅行者から料金徴収のために停船を行うことには合意しない?/同意なしにこれ以上規制や税金を定めることには合意しない (09/04/08)>
 カヨ・コチーノあるいは周辺の影響を受ける地域の大半のガリフナ住民は、コミュニティの住民のいないところで作られ、珊瑚礁を保護するという名目で、在来漁業をエコツーリズムに取って変えようという生産システムに変化を引き起こすこの利用計画の内容を知りません。

 珊瑚礁の白化を気候変動、堆砂、そして過剰漁獲のせいにし、カヨ・コチーノを何世代にもわたって利用してきた住民に圧力をかけています。この海洋モニュメントはパパロテカ川の河口に面し、その川は森林伐採がひどく、泥が島嶼にむけて流されてきます。海藻を摂取し、珊瑚と海藻の均衡を維持するのに欠かせないペス・ロロ(ブダイの仲間)の減少が漁業の規制の口実とされますが、だいぶ前からペス・ロロは増えている回遊性の魚種に捕食されてきました。珊瑚の生態系の均衡は非常に複雑で、カリブの場合には80年代からの海藻を摂取するエリゾ・ネグロ(ウニの仲間)の減少から均衡が崩れ始めたのです。またカヨ・コチーノは川から運ばれてくる堆積物の影響を受けていて、更にこの水には大量の農薬や肥料が含まれていて富栄養化につながっています。更には海洋の酸性化の問題もあります。
 
 カヨ・コチーノ財団は自然保護より旅行代理店と化しています。自然保護よりも「エコ投資」の見方に毒されているのです。またたびたび人権侵害を引き起こしてきました。また新しいアクター、ネーチャー・コンサバシーの登場も問題を解決するどころか、逆に働くでしょう。日に日にカヨ・コチーノ財団の商業主義は明らかにされつつあるのです。一方ILOの169号条約や先住民族の権利宣言に定められた協議の権利への尊重は無視され続けています。新しい利用計画も住民の支持を受けてはいないのです。
(Honduras - El derecho a la alimentación y la consulta de los garífunas 10-05-09, Por OFRANEH の抄訳に、チャヤチャウアテ住民の声明文の整理をつけました)

原文にはカヨ・コチーノ保護区と先住民族の権利に関連する研究へのリンクなどもあります。

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2009/02/13

グアテマラ:ラグーナ・デル・ティグレ国立公園における衝突 他

  1:ペテン県、ラグーナ・デル・ティグレ国立公園における農民と警察及び軍の衝突
  1月26日、ペテン県のラグーナ・デル・ティグレ国立公園において、警察及び軍と農民との衝突が起き、2名が死亡し、40名以上が逮捕されるという事件が起こった。
  ペテン県の県知事は、農民によって拘束されていた国家自然保護区審議会(CONAP)の保護管の解放のためであったと今回の介入を正当化し、「農民の大半は武装し、450ヘクタール余りの森林を破壊しての農園設置を請け負っていた」、「逮捕された40名のうち25名は土地分配を受けたにもかかわらずその土地を売却して、土地への侵入を続けている」 と語っているとのことである。[1]
  [1] http://www.prensalibre.com/pl/2009/febrero/03/292807.html 2009/02/07

  一方、農民組織は声明文において次のように告発している。
  1990年に設置されたラグーナ・デル・ティグレ国立公園に存在する37コミュニティの一つであるエル・ベルヘリトは、1月20日に焼き払われ、160家族が家を失った。翌21日、この損害に対する補償とこの地域の問題を根本的に解決するための対話を求め、この放火に関与したCONAPの2名の保護管を拘束。しかし対話は拒否され、26日朝6時、担当判事の命令もないままに、ヘリコプターや装甲車が進入し、発砲し始めた。明らかに過剰な武力の行使である。こうした軍事的介入によって、ロベルト・ディアスとフェルミン・ガルシアが死亡した。このほかにも複数の死者・負傷者がいたが、警察がどこにつれていったのか不明である。またこの26日に44名が逮捕された。
  農民組織は、農民を麻薬密売組織や犯罪者呼ばわりすること、武装していたといった指摘を拒否し、15年以上にわたってこの地に住んでいると明言。一方「保護区」というが、メキシコの伐採業者が、当局と結託して希少な木材を伐採し、考古学的遺品を略奪し、また石油企業が開発を進めていることを指摘。
「トウモロコシを作っている農民がなぜ<保護されている>という土地から追われ、迫害されなくてはならないのか」、国家の最大の責任は「国民を守ることではないのか」と問いかけている。[2]
[2] LAGUNA DEL TIGRE, AREA PROTEGIDA, PARA QUIEN? , CONIC, 2009.2.3

  ペテン県小教区ではカトリック教会はこの事件について次のような声明を発表している。
  社会司僕会と人権擁護事務所では昨年から対話テーブルの設置を助け、政府関係機関と保護区内にあるコミュニティとの対話を促してきた。しかし政府側は対話の意思を見せてこなかった...保護区内に定着した住民を、麻薬密売やテロリズム、誘拐者、不法侵入者と一概に決めつけ、無差別な弾圧を正当化することは許されない。これは過去の弾圧政策の論理となんら変わるものはない...政府自体が組織的暴力に対抗する力がないことを認めつつ、貧困な農民家族に向かっては暴力を発動するのである。ヘリコプターや装甲車を動員し、警察や軍が人々に銃口を向け、商店を略奪し、家々を焼き払い、人々を殺害する。このような行為はいかなる理由を持っても正当化することはできない。
 このような行為を許可した政府に対して、責任者の罷免、自然保護区内のコミュニティに関する対話テーブルの設置、また関係機関に対して、持続的な開発のためのオータナティブを模索することを求めるものである。[3]
COMUNICADO DEL VICARIATO APOSTÓLICO DE PETÉN ANTE LA BRUTAL INTERVENCIÓN DEL ESTADO DE GUATEMALA EN LA LAGUNA DEL TIGRE EL 26 DE ENERO 2009 (2009.1.27)
http://chiapas.indymedia.org/article_161845

 また人権団体の連合体である la Convergencia por los Derechos Humanosは、 死亡したロベルト・ディアスは軍の腹ばいになるようにという命令に従わなかったことで銃殺されたと告発。更に、複数の政府当局関係者や治安関係者、大農園主、コミュニティメンバーや偽リーダーが麻薬密売組織との関係としているとの証言が得られていると伝えている。
 人権組織は、政府に対して今回の事件に関する十分な調査、組織犯罪への対応、環境保護団体や社会組織に対して、対話を進めることなどを要請している。[4]
[4] Comunicado emitido por la Convergencia por los Derechos Humanos(2009.2.10)

2:アルタ・ベラパス県、トゥクルにおける強制排除
 2月11日、アルタ・ベラパス県のサン・ミゲル・トゥクルのロス・ピノス農園において、300人の警察の鎮圧部隊と100人の軍隊が動員され150家族が強制的に排除された。彼らは2007年3月より借地農として居住しており、当初は農園の土地を購入するという話になっていたのを農園主側が一方的に破棄したものであるという。
 この排除で1名が死亡し、複数名が銃撃によって負傷したという。農民組織は十分な調査もなされないままに、排除命令が出されたことを非難し、またグアテマラ軍が先住民族コミュニティの弾圧に関与していることを告発している。
CONIC CONDENA ENERGICAMENTE EL DESALOJO DE LA COMUNIDAD LOS PINOS, SAN MIGUEL TUCURU(2009.2.11)

 軍隊も出動しての暴力的な弾圧に対して強く抗議していく必要があると考えます。

 開発と権利のための行動センター
 理事 青西

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2008/04/09

グアテマラ:リオ・デュルセ国立公園の実情

   農民リーダーの逮捕をきっかけに、地域農民と警察との対立が深化したイサバル県リビングストン。政府は農民をテロリストと断罪し、大手メディアは農民の自然保護区の不法占拠、違法伐採を書き立て、さらには麻薬組織との関係まで言及していた。
 これらの点について、リオ・デュルセ国立公園の管理責任者であるマルエル・ヘンリへのインタビュー記事が4月4日付けのペリオディコ紙に掲載された。
 http://www.elperiodico.com.gt/es/20080404/pais/51798/

 この中でヘンリは次のような点について言及している。
-ペテンの状況とは異なり、(農民リーダーの)ラミロ・チョックと麻薬商人を結びつけるなどばかげた話である。
-1955年に公園が設置され、自然資源の利用を制約したことから紛争や問題が始まった。
-コミュニティが主たる森林破壊の元凶であるというのも正しくない。
-「歴史的権利」というテーマが乱用されている。1983年に農地変革局に文書が出されているコミュニティもあるが、その当時16家族だったコミュニティは今は55家族を超えている。元からそこに住むのは7,8家族であろう。
-水際から100メートル(後に1000メートル)は国家のOCRETの管理下にあるべきものであるが、そこが売られ別荘などが立てられている.。これらは法的な手続きを踏んだものではない。土地を入手した後で、承認するように手続きが始められる。
-45-50%の別荘は認可されたものではなく、国家自然保護区審議会との紛争を抱えている。 
-大統領とのコネを使い、大統領が直接(認可するように)圧力をかけてくる。1986以降、歴代の大統領はアルス元大統領を除き、利害を持ち、別荘を持っている。
-ベルシェ大統領の時代、介入すべき時に放置したことが対立を深めた。農民グループは昨年から警察の武器を集めていた。
-別荘の持ち主は水縁から100メートルしか使っていない。しかし天然の稀少な材を家屋に用いることで市場を生み出し、そうした材をコミュニティの農民が供給している。
-牧場主はほとんどその土地を登記していない。森を開き、牧草を植え、家畜を放し、それを売る。どこの農園で牛が育ったかは問題とされない。
-28-35%の牧場は認可されていないし、(保護区の?)50-55%が牧畜の影響を受けている。

  (インタビュー記事の一部を抜粋整理したものである。記事の文面からだけでは文意を読み切れないところもある。また記事ではラミロ・チョックの経歴などにも言及しているが省略した)

 違法な土地占拠、川縁での違法建築、違法な牧場造成など、生存のためのコミュニティ住民による土地利用を超える様々な違法行為が野放しになっている現状が語られている。警官や旅行者を拘束した農民グループの行動を肯定するものではないが、強制排除命令は「不法」占拠の農民に対してのみ執行され、また所有権の確定や利用権の認可は、政治的に影響力のある者が有利に扱われている。こうした不正には目をつむり、意図的に農民を不法占拠と指弾し、自然保護区の破壊の元凶と名指ししてきたグアテマラのマス・メディアがどのような権力と結びついているかは明らかであろう。
 不平等な司法制度、行政、マス・メディアの前で、農民たちはどのように自分たちの権利を守り、尊厳ある生活を確立することができるのか。

 開発と権利のための行動センター
 青西
  
 関連記事
 グアテマラ:イサバル県における土地紛争
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/03/post_e9d6.html  
 自然保護区と農民 /歪められた現地報道
  http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/02/post_f9a9.html

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2008/03/26

グアテマラ:イサバル県における土地紛争

 マリオ・カアル・ボロンが警察や軍によって処刑される。

 グアテマラのイサバル県では、2月14日に地域での土地運動を率いてきた農民リーダーが逮捕されて以来、紛争が続いている。21日から22日にかけてはリーダーの解放を求めて、農民グループが警官を拘束するという事件が起き、今度は3月14日には旅行者が拘束される事件が発生した。交渉の後、翌15日に解放されたが、このプロセスの中で警察・軍による深刻な人権侵害が引き起こされた。

 グアテマラの農民組織であるCONICの声明文によると、上記の誘拐事件とは無関係なマヤ・ケクチ民族のマリオ・カアル・ボロン(27歳)が、捜索活動の中で警察もしくは軍によってプンタ・アレナで拘束され、殴打された後、絞殺されたとのことである。また事件と関係のない農民3名が不当に拘束され、拘束されていた旅行者と(人質)交換がなされたという。これらの事件についてCONICは強く非難している。
 またこれらの事件に関しては、旅行者の解放交渉を行っていたグアテマラ人権オンブズマン事務所も、現行犯でも逮捕状によるのでもない違法拘束について告発するとともに、超法規的処刑について調査を行う方針を示している。

 今回の事件とは直接関係のないCONICであるが、近隣地域では参加コミュニティがやはり土地問題を抱えている。25年あまりに渡って土地問題の解決、土地の所有権の確定を求めて手続きを進めているにも関わらず実現していないコミュニティ、また保護区にするということで土地を譲渡された環境NGOであるFUNDAECOによって、20年以上に渡る土地所有権確定の手続きが中断しているコミュニティも存在する。
  
  CONICは声明文で次の点を要求している。
-大統領及び検察に対し、超法規的処刑の真相を究明し、責任者を処罰すること、紛争解決のための適切な手段を探し、迫害をやめること、土地紛争を迅速に解決すること。
-議会に対し、マヤ・ケクチ民族に影響を与える自然保護区について見直しを行うこと。自然保護区を制定する前にコミュニティとの協議を行うこと。そうでなければこれは新しい土地剥奪のメカニズムとなること。
-検察に対し、この地域の紛争を深化させているFUNDAECO,CONAPによる不法行為を調査すること。
-マヤ・ケクチ民族コミュニティに対し、挑発に乗ることなく、組織され、真摯かつ責任ある態度で、紛争解決のための適切なメカニズムを探すべき事。

 今回の事件について、グアテマラの農民組織や社会運動グループも、旅行者を違法に拘束するといった行為に同意してはいない。しかし今回の事件の背景にある土地紛争、政府の土地問題解決への意志の欠如、大地主など権力者におもねる司法制度、問題を複雑化する自然保護区の設定といった問題にしっかりと向き合うことを要求している。
  
  農民組織の連合体である農業プラットフォームは「要求のあるところに、否定されてきた権利がある」と題する声明文で次のように述べている。「アルバロ・アルス政権に対し、企業セクターに対するのと同じ注意をもって、正義を求める先住民族や農民の声に耳を傾けることを要求する」
 
 開発と権利のための行動センター
 青西

 関連サイト
行動センターブログ 2008/02/29 自然保護区と農民 /歪められた現地報道
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2008/02/post_f9a9.html
行動センターブログ 2007/10/05 自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)3
CONIC 声明文 原文  http://homepage3.nifty.com/CADE/Espanol/CONIC2008.htm
AVANCSO 声明文  Comunicado de prensa Donde hay un reclamo hay un derecho negado(08/03/14)
http://www.avancso.org.gt/index_noticias.php?id=269
El Periódico Oficina del PDH y Gobernación sostienen versiones encontradas
http://www.elperiodico.com.gt/es/20080319/pais/50759/ 2008/03/20

追記:Mi Mundo Org.のレポート
Crisis a Orillas del Río Dulce: Muerte de Mario Caal 
Aldea La Ensenada Puntarenas. Livingston, Izabal, Guatemala.
18 de marzo de 2008
http://mimundo-jamesrodriguez-esp.blogspot.com/2008/03/crisis-orillas-del-ro-dulce-muerte-de.html

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2008/02/29

自然保護区と農民 /歪められた現地報道

 自然保護区と農民 /歪められた現地報道 
 グアテマラのイサバル県で、農民リーダーが逮捕された事に反発して、農民グループが一時的に警察官を人質にとって村に立てこもるという事件が起きました。誰によるものであれ、暴力行為や人質を取るという行為を肯定するものではありませんが、現地プレンサ・リブレ紙の報道にも大きな問題があります。
 プレンサ・リブレ紙の報道は、農民グループが自然保護区を破壊し、土地占拠をしているとみなし、更には地域にすむケクチ農民と他の人々との対立を煽るものになっています。

 2月28日付けの記事をインターネットで見ると、「(土地の)不法利用が保護区に深刻な被害」と見出しをつけ、次に「○○に率いられた(土地の)不法利用がチョコン・マチャカ保護区とリオ・デュルセ国立公園に大きな被害を引き起こしてきた」と書いています。
 しかし実際にはこの記事では異なる内容が報道されています。
1)「国家自然保護区審議会の文書によると、この地域には1万5千から2万人が居住しており、およそ30年前からこの保護区を不法利用している」
グアテマラで自然保護区に関する法律が制定されたのは1989年であり、保護区の監督機関の文書自体が、「この地域の農民が保護区の制定に先立って居住していた」ことを明らかにしている事になります。この点については囲み記事として掲載されている農民の声もそれを裏付けています。
2)「別の情報によると、安全のために身元を明かさないように頼まれたが、この二つの地域における森林破壊の主たる責任者は、牧場主、製材業者が主たる責任者であるとのことである。」
「安全のために身元を明かせない」・・・これがイサバル県の、グアテマラの現実と言えるでしょう。そして保護区の破壊や森林破壊の元凶はいくらでも存在しています。ちなみに牧場主も「不法利用/不法占拠」である可能性は高いので、大見出し自体は正しいとも言えるわけですが・・・

 このように、自らの記事の内容すら歪めつつ、プレンサ・リブレ紙は農民運動をつぶすためのキャンペーンを展開しているのです。更には、リビングストンの街を襲撃するといった話を広げ、観光業の障害になっていると喧伝しています。27日付の社説では、「告発されているのはみなケクチ(民族)の名字ではないか」と先住民族組織に突きつけています。こうした姿勢は民族間の対立を強める危険性も孕んでいます。
 
 イサバル県に行けば広大な大農園が広がっている姿を目にすることができるでしょう。こうした農園がどのようにしてその土地を入手し、森林を伐採し、農園を拡大してきたのか、本当に正当な土地所有権を持っているのか。リオ・デュルセ(デュルセ川)の川縁に沿って建設されているコテージなどが適切な許認可の上で建設されているのか・・・こうした事実を洗い出していく作業は本当に命をかける作業になることでしょう。
 
 プレンサ・リブレ紙は27日の社説では「ここ何年にも渡ってイサバル県は、土地占拠、違法伐採、私的所有地や国有地の破壊の舞台になってきた。これらは地域の農民をだましてきた一団によるものである」と書いていますが、イサバル県で生起している問題、農民の声の背景にあるのは「ここ何十年にもわたって、イサバル県は、軍人や政治家、経済的エリートによる、土地の不法占拠、違法伐採、先住民族の占有地の破壊といった違法行為の舞台となってきた」ということなのです。

2/28 Usurpaciones causan severos daños en reservas
http://www.prensalibre.com/pl/2008/febrero/28/223209.html
2/27 Nefastos engaños a los campesinos
http://www.prensalibre.com/pl/2008/febrero/27/opinion.html

 参考情報
1)先住民族に占有してきた土地への権利を認めること:これはグアテマラが批准しているILO169号条約の理事会でも、イサバル県内の別の地域の事例について勧告している。http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/12/post_66f9.html
2)環境保護団体自体が不透明なプロセスで国有地を譲渡されたケースも存在している。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/10/3_54a2.html
3)地域住民の同意なき環境保護区の設置がグアテマラを始め、各地で問題を引き起こしている。
 http://cade.cocolog-nifty.com/ao/cat7897564/index.html (この中でいくつかの事例を紹介している)
4)グアテマラ政府の代表も参加していた、国際自然保護連合(IUCN)による2003年の世界公園会議において採択されたダーバン行動計画では
重要達成目標10として「2010 年までに、自由やインフォームドコンセントなしで保護地域に組み込まれた先住民の伝統的な土地や領域の返還への参加メカニズムが確立し、実行される」ことを定めている。
 http://www.iucn.jp/protection/reserve/pdf/action_plan.pdf

 開発と権利のための行動センター
 青西 

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2008/02/22

生物多様性条約と先住民族 他

 生物多様性条約と先住民族
1)生物多様性条約の第9回締結国会議が2008年5月19日から30日にかけてドイツで開催されます。それに先立ち、いくつかの会議が開催されていますが、先住民族の声が会議から排除されているという声が上がっています。
 
 2月14日に出された声明によりますと、生物多様性条約に関わる自然保護区に関する作業部会(正式名称はAd Hoc Open-ended Working Group on Protected Areas )に参加していた先住民族代表は、ワーキング・グループの会議から排除されている事に抗議して会議から退席したとのことです。生物多様性条約ではもともと先住民族の参加を重要であると定めているにもかかわらず、ほとんど発言の機会を与えない、意見を取り入れないことへの抗議です。

  上の抗議プロセスなどについては次のサイトに情報が整理されています。
 http://indigenousstatement.blogspot.com/
 元情報はこちら http://www.adital.com.br/site/noticia.asp?lang=ES&cod=31702

 生物多様性条約第8条は先住民族の役割について次のように定めています。
-(j) 自国の国内法令に従い、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関連する伝統的な生活様式を有する原住民の社会及び地域社会の知識、工夫及び慣行を尊重し、保存し及び維持すること、そのような知識、工夫及び慣行を有する者の承認及び参加を得てそれらの一層広い適用を促進すること並びにそれらの利用がもたらす利益の衡平な配分を奨励すること。 (訳はhttp://www.biodic.go.jp/biolaw/jo_hon.htmlによるもの) 
-また第6回締結国会議で採択された2010年に向けての生物多様性条約戦略計画の目標では次のように定めています。
目標4:生物の多様性及び生物多様性条約の重要性に対する理解がより促進され、このことが、生物多様性条約の実施に関する、社会を横断する広い取組をもたらす。(訳はhttp://www.biodic.go.jp/cbd/pdf/6_resolution/strategy.pdfによる)
4.3 先住民及び地域社会が、国・地域・国際レベルにおいて、生物多様性条約の実施及び過程に、効果的に包含される。
-第8回締結国会議の決議8/24「保護区」においても、「保護区に関するプログラムの実施に際しての先住民族や地域コミュニティーの協議プロセスへの包含が重要であること」が同意されています。
 
2)熱帯林関係の情報などを発信している  MONGABAY.COMにスペイン語サイトができました。参考までに。
 http://es.mongabay.com/
 日本語のサイトも構築中のようです  http://world.mongabay.com/japanese/
 (こちらは最新のニュースではありませんが、熱帯雨林関係の基礎情報です。熱帯淡水魚のページが妙に詳しいのも不思議ですが・・・)

 開発と権利のための行動センター
 青西

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2007/11/28

自然保護区と人権侵害(ホンジュラス)

「コチーノ島嶼帯モニュメント」と名付けられた自然保護区の中に位置するガリフナのコミュニティに対する人権侵害の訴えが、米州人権委員会で認められました。

 この提訴は2003年に行われたもので、コミュニティの土地登記、軍による地域のコントロールの強化と人権侵害、地域のガリフナ民族への協議なく定められた「管理計画」が人々の生存、伝統的生業の継続を困難にしていることなどを訴えていました。
 2002年から開始されたコミュニティの土地登記の取り組みは、この提訴のプロセスにおいて、いくつか不透明な部分が残っているものの、解決されました。
 しかし1993年に開始された保護区設置に関わる問題は残されたままです。米州人権委員会は「法的に承認されているテリトリーを利用及び享受、生存のための伝統的生業の展開、テリトリー及びその隣接地域での自然資源の利用が妨げられていること、またその領域と隣接地域における環境保全、許容される活動、法的位置づけなどに関して事前の協議がなかったこと」を米州人権条約第21条(財産権の規定)に違反するものと判断しています。

 また下記1)に掲載されている報告は2003年の第5回 世界公園会議で採択された「ダーバン行動計画」にも言及しています。この行同計画では重要達成目標10の中で「2010年までに、自由やインフォームドコンセントなしで保護地域に組み込まれた先住民の伝統的な土地や領域の返還への参加メカニズムが確立し、実行される」ことを目指しています。
 しかし現実には、先住民族に対する事前の協議もなく、また食糧や生活資材へのアクセスが制約されていることを指摘しています。

*この報告は、下記1)の文書に基づきつつ、2)、3)で補完して作成したものです。

  グアテマラの事例でも既に報告していますが、現在でも保護区の設定や管理において、先住民族の権利や参加が住民に認められていない事例が続いています。

またこのブログでも関連記事を4月に掲載しています。
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_0fa2.html

1)Admite Comisión Interamericana de DDHH petición sobre el Monumento Marino Cayos Cochinos
  OFRANEH - Organización Fraternal Negra Hondureña
   http://www.biodiversidadla.org/content/view/full/37395
2) INFORME Nº 39/07 PETICIÓN 1118-03, ADMISIBILIDAD
COMUNIDAD GARÍFUNA DE CAYOS COCHINOS Y SUS MIEMBROS HONDURAS, 24 de julio de 2007
http://www.cidh.oas.org/annualrep/2007sp/Honduras1118.03sp.htm
3) ダーバン行動計画 
  http://www.iucn.jp/protection/reserve/pdf/action_plan.pdf

開発と権利のための行動センター
 青西

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2007/10/05

自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)3

自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)3

<サンタクルス山域候補地域>

 イサバル県西部、イサバル湖とペテン県に挟まれるサンタクルス山域は1989年に公布された4-89法(保護区法)の第90条において「特別保全地区」として指定され、自然保護区としての制定候補地となっている。
 しかしこの地域の土地問題は不透明な歴史を持っている。1990年6月、当時のセレソ大統領の子息であるマルコ・ビニシオ・セレソ・ブランドンは環境NGO「FUNDAECO」を設立。その半年後、大統領の任期切れの直前の12月に、国有地(チョコン・ナシオナル農園)がこのNGOに対して、環境保護を名目に2500ヘクタールに渡って譲渡されるのである。ここからこの地域の土地問題が混乱を深めていく。地域のコミュニティが10年以上にわたって進めてきた土地所有権確定手続きはここで一度頓挫する。

 しかしコミュニティの人々による土地回復運動が高まる中、2000年以降、この環境NGOはその所有地の一部を国に返還し、その後土地分配を担当する「土地基金」によって土地の一部がコミュニティに分配された。しかしコミュニティが本来要求していたコミュニティの土地全域ではなく、コミュニティの住民の耕作地に当たる部分のみの所有権確定を受けることとなった。環境NGOの主導で作られた土地利用区分に基づき「保全地区」、「多目的利用地区」と指定された「コミュニティ」の土地は、環境NGOの私的所有権のもとに従属している。不透明な手続きのもとで土地を確保した環境NGOが「コミュニティの土地」の所有者として居座っているのである。現在、「多目的利用地区」における植林補助金等の手続き管理等は環境NGOの手に握られている。またFUNDAECOでは、今後のサンタクルス山域の保護区設定に向けて着々と準備をしている。  
 
 地域住民は2000年頃より土地問題解決の支援を求め農民組織であるコニック(CONIC)と活動してきた。と同時に「地主」であるFUNDAECOとの活動も続けている。植林や呼称栽培などのプロジェクトを彼らと行っている。しかし地域住民はよそ者のNGOが自分たちの土地を、資源を管理することには明確なNoの姿勢を堅持している。
 こうした活動の中でコミュニティのリーダーは「チョコン・ナシオナル保全コミュニティ間審議会」を設置、その後、「イロル・キチェ・アソシエーション(<森の守り人>の意)」としての登録手続きを進めている。将来的には環境NGOを通じてではなく、自分たちで、自分たちのテリトリーを、自然資源を管理したいと考えている。
 しかしこのアソシエーションが自主的に地域を管理していくためにはまだまだ力が足りない。会計能力やプロジェクトのマネージメント能力の強化、近隣の住民組織との連携などやるべきことは山積している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「開発と権利のための行動センター」では、現在、グアテマラのイサバル県の住民アソシエーションの強化のための活動実施を支援しています。
 また全国レベルの農民・先住民族組織であるCONICとも連携し、自然保護区と先住民族の関係や国内での取り組みを共有するためのセミナーなども実施しています。
 10月にはCALASやサルストゥンの地域住民リーダーなどを招いて、経験を交流するワークショップも実施する予定です。

 行動センターでは今後も次の大きな二つの方向性での活動を継続していきますので、ご支援頂きたくお願い申し上げます。

1)地域先住民族組織・住民組織強化支援:組織強化、関係機関との連携強化
2)先住民族組織強化支援:経験共有と戦略策定支援

寄付金振込先はこちら

寄付金口座
◆郵便振替口座:00230-5-131472
◆口座名   :開発と権利のための行動センター

 開発と権利のための行動センター
 理事 青西靖夫

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自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)2

 自然保護区をめぐる先住民族の取り組み 2

<イシル生物圏ヴィシス・カバ保護区の事例>
キチェ県北部のネバ・チャフル・コッツアルの三つの自治体はイシル語を話す先住民族が居住している地域である。この中のチャフル(chajul)に位置する「イシル生物圏ヴィシス・カバ(Visis Caba)保護区」はその設立以来、地域内での対立・紛争が続いている保護区である。
この保護区は1997年7月に政令40-97によって「イシル生物圏 ヴィシス・カバ保護区」として制定されたものである。しかしこの保護区の設定は地域住民の十分な同意を得ないままに、域外の環境保護団体と地域の一アソシエーションを中心に進められたために、地域の住民の中に対立を引き起こすものとなった。

 もともとヴィシス・カバはチャフルの自治体所有の共有地であり、また伝統的な聖地でもあった。ヴィシス・カバにあるフイル山(Cerro de Juil)はその中でも重要な聖地である。また地域住民はこの共有地でカゴや蔓細工を行うための材料を採集しつつ、長年にわたって森林を守ってきたのである。急峻な地形にも助けられ、豊かな森林以外にもジャガーやピューマなども生息しているという。
 その一方、この地域はグアテマラ内戦の中ですさまじい弾圧を受けた地域でもある。1975年のグアテマラ貧民軍(EGP) によるチャフル北部のペルラ農園での農園主殺害以降、この地域では地域のコミュニティに対する激しい弾圧が繰り広げられ、弾圧から逃れた住民が山中にCPR(抵抗の共同体)を組織し、集団で軍の弾圧から逃れていた。

 1989年に保護区法(4-89)が制定された時点で、既にこの地域は将来的な保護区の候補地として挙げられていた。1995年頃から外部の環境保護活動家が保護区設置のための動きを進め、地域の開発事業や有機コーヒー生産を行っていたチャフル住民アソシエーション(Asociación Chajulense)や自治体の首長マヌエル・アシコナ(Manuel Asicona)を巻き込んでいく。そして1996年にCONAPに対して自治体当局、住民アソシエーション、地域コミティ」の名前で保護区設置の要請がだされる。それに並行する形で環境保護団体であるマードレ・セルバ(Madre Selva)が技術報告書を作成し、その中でチャフル住民アソシエーションを管理事業者とすることにコンセンサスがあるとして推薦している。
 1997年7月、法40-97によって、保護区設置法が公布され、正式にヴィシス・カバ保護区設置が決まるとともに、その中の第5条でチャフル住民アソシエーションが管理業務者として指定されることも規定された。
しかしこの保護区設置は、地域で活動していた先住民族の権利擁護組織であるデフェンソリア・マヤなどをはじめとする地域住民から大きな反発を受けることとなる。大きな問題は、この保護区の設定プロセスにおいて住民側のコンセンサスが欠如し、住民に情報がいかないままに保護区が法的に制定されたという点である。こうした情報の欠如もあいまって、このヴィシス・カバの共有地が国に売られた、外国の企業に売られたという噂も広がっていたようである。
 またこの反発には、歴史的に存在する国家機関への不信感、地域の共有地に対する外部からのルールの押し付け、利用してきた自然資源へのアクセスが不可能になる可能性があること、更には内戦時の避難民の土地確保問題と共有地からの排斥を狙う地域住民との利害の対立など様々な要因が存在していた。
 保護区設置そしてそれを進めた自治体に対する反対運動がふくれあがる中で、1997年12月には管理業務者への支援機関である「地域技術審議会」にコミュニティ代表、デフェンソリア・マヤ、国内難民委員会を含めるという法改正が行われた。しかし自治体との対立は続き、また国の担当機関である保護区管理審議会(CONAP)も地域への担当者の配置をあきらめることとなった。
こうしてCONAPも実質的にはこの地域を保護区としての管理することを諦めることとなり、またチャフル住民アソシエーションも現在は保護区の件には関与していない。
 
 -現在の動き-
 2年ほど前から環境法・社会アクションセンター(CALAS)が新しくこの地域での活動を展開しつつある。地域住民に対して保護区を押し付けるのではなく、地域住民主導で保護区について考え、判断していくための情報を提供し、集まりを調整していくファシリテーターとしての役割に専念している。「保護区」という用語の使用も避け、まず地域住民主導のワークショップで、既存の規範の把握・共有を行うとともに、保護区法のイシル語への翻訳も進めている。
 地域の言語で情報を提供していくこと、考え、意見交換を行う場を組織すること、その上で、住民主体で方向性を定めていくことを目指している。こうした、言ってみれば当たり前の作業がやっと前進しつつある。また「ドナーの時間」ではなく、地域の時間を見据えて、10年がかりで活動を進めていこうという方針を持っている。
 またCALASとしては保護区法の改正のためのロビーイングを行い、管理カテゴリーに「共有管理地区」という定義を入れていく方向を目指している。これによって地域住民主導の自然保護区設置に向けての法的裏付けを固めていく方向である。

注)この報告は現地での聞き取りに加え、Bettina Durocher,Los Dos Derechos de La Tierra: La Cuestion Agraria en el Pais Ixil,2002 も参考にした。

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自然保護区と先住民族の取り組み(グアテマラ)1

 自然保護区と先住民族(グアテマラ)

 9月にグアテマラを訪問し、開発と権利のための行動センターの活動地域また関連する取り組みの視察などを行ってきました。
 グアテマラにおける「自然保護区と先住民族の取り組み」というテーマで3回に分けて報告を掲載していきます。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫


自然保護区をめぐる先住民族の取り組み 1

<サルストゥン流域自然保護区>
イサバル県北東部を流れるサルストゥン川の流域に保護区(正式名は「サルストゥン川多目的利用保護区」)が設定されたのは2005年3月のことである。グアテマラ国内の環境NGOである「FUNDAECO(フンダエコ)」が積極的に設立に向ける準備を推し進め、「技術報告書」を作成し、保護区管理にかかわる法案を作成し、国会での審議に持ち込んだ。地域住民がこの事実を知った時には、法案は採択される寸前であつた。
 このことに驚いたのは、地域に住むケクチ民族のコミュニティの人々であり、また地域のコミュニティの土地登記を支援してきたカトリック教会の土地司牧会である。この地域に住むケクチ民族のコミュニティは、生活してきた土地の所有権を確定するために、30年以上にわたって手続きを続け、あと少しで土地登記の手続きが終了するところまでたどり着いていた。数年前に活動を始めたリビングストン教区の土地司牧会は、土地の測量、土地基金との交渉など、この土地登記のための手続きを支援してきていたのである。
 しかし自然保護区に設定されると土地登記の手続きを進めることはできない。「自分たちの土地」であり、「自分たちで守ってきた土地」を、自分たちのコミュニティのものとして登記することができなくなるのである。
 また地域住民の意向を聞くこともなく、協議を行うこともなく作成された法律に書き込まれた保護区内のゾーニングは、地域住民の生活を反映したものとはなっていない。いくつかのコミュニティはその土地の半分以上を、立ち入ることもできない「不可侵ゾーン」に指定されてしまったのである。

 地域コミュニティの連合体である「Asociación Amantes de la Tierra(土地を愛する者アソシエーション」では、まず法の採択の延期、改正を求めて運動を開始した。しかし保護区設置法は国会で採択されてしまう。そこで次にこの保護区制定にかかわる法12-2005を違憲として憲法裁判所に提訴した。コミュニティの反対運動に直面する保護区は、その設置法に書き込まれた3名のコミュニティ代表を含む地域の関係者を含んだ管理委員会を立ち上げることもできないまま頓挫している。
 このアソシエーションでは、保護区の制定そのものに反対の姿勢をとるのではなく、まず土地の登記手続きを終わらせること、地域住民が計画そして決定のプロセスに参加すること、そして自然保護区の設定による利益を享受できるようにすること、この3点を強く求めている。
 また 硬直した状況の中で、地域のアソシエーションと環境NGOが連合体を結成して、今後の保護区を実現しようという動きも検討されつつある。連合体の中で同等の権利を持って参加することを通じて、保護区における活動や資金の動きを管理していこうというものである。この動きは重要な一歩となりうるであろう。しかしこの動きを現実のものとするためには、新しいリズムが必要とされる。コミュニティにケクチ語で報告すること、法案や関係文書をケクチ語に翻訳していくこと、コミュニティの参加に基づく決定を可能とする時間を確保すること。これまでのドナーとの関係に目がいったプロジェクト管理の時間の流れにこだわれば、結局は一部リーダーしか分かっていない表面的な参加にとどまることであろう。
 また地域住民が保護区の管理に入っていくことも必要とされている。この地域には石油開発や鉱山開発の利権も存在している。法案にもともと石油開発の抜け道を用意していた、という批判受けているような環境NGOのみに任せておけば、地域内に石油開発の認可が与えられてしまう可能性すらある。
 このことは土地所有権を確立することとの重要性にもつながっている。保護区内といえ国有地のままに置かれたままであれば、「多目的利用ゾーン」において地下資源の開発権が政府によって認可されてしまえば、その動きを止めることは難しい。地域全体の開発のあり方に関与していくためにも保護区の管理に参加することが重要となるのである。

 今回のように環境NGOは必ずしも地域住民と密接な関係を持つわけではなく、一方的に「環境保全」を押し付けるケースが少なくない。しかしそのような環境NGOにも国際的な大型環境NGOや諸外国政府から資金が流れ込み、そうした資金を利用して地域での活動を進めていく。
そうした中で地域コミュニティは「受益者」として従属していくのである。自分たちの生活改善、自分たちの自然保全のために、いくらの資金が流れ込み、どれだけの技術者が雇われ、どれだけの給与が支払われているか、知らされないままに、単に水道の改善や植林やその他の生活改善プロジェクトの「受益者」に留め置かれるのである。もちろん「コミュニティの強化」や「組織強化」という名目での活動もないわけではない。しかしその資金は限られている。
 また国際協力機関などの資金供給者と、そうした資金供給者の資金を無難に消化し報告を上げてくれる環境NGOは共存関係にある。その一方で、お金の管理の仕方から、一つ一つ積み上げて学んでいかなければならない地域住民のアソシエーションに届く資金は限られている。しかし彼らがこうした外部のNGOに対抗する力を持つためには、一つずつ積み上げ、その経験を通して力をつけていく必要がある。

<1 終わり>

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2007/04/09

メソアメリカでの自然保護区と地域住民

 中米ホンジュラスの大西洋岸、ガリフナ民族の住む島嶼帯に設定された海洋保護区への批判です。
この文章をグアテマラのイサバルでの活動の中で出会ったケクチの人々の声を思い出しながら読んでいました。本当に同じようなことがあちこちで起きています。
 http://homepage3.nifty.com/CADE/guatemala/CONIC.files/0609repIsabal.pdf
開発と権利のための行動センターでは「先住民族と自然資源への権利:「未来を決める権利はだれのもの」というテーマで今年も活動を行っていきます。
 http://homepage3.nifty.com/CADE/news.htm#indigena
http://cade.cocolog-nifty.com/ao/2007/04/post_154b.html

メソアメリカの自然保護区での「リアリティ・ショー」
リリアン・キャロル・リバス
Organización Fraternal Negra Hondureña (OFRANEH)
http://alainet.org/active/16618〈=es

 1990年代に引きおこされた自然保護区における先住民族や黒人系民族の居住環境の変容は、現在は国際機関や封建主義エリートの「開発主義的」計画に服従させられている。彼らは我々民族のテリトリーへの権利を否定した挙げ句に、現在は我々のテリトリーを単なる商売の道具とし、以前は題目のように唱えていた自然保護の本質からはほど遠い、大規模プロジェクトを促進しているのである。 
 プエブラ・パナマ計画に含まれているようなインフラ計画の実施は、数えきれぬほどの自然保護区を破壊し続け、また「メソアメリカ生物回廊」などと呼ばれていたものも、所詮は広大なテリトリーを略取し、インフラ整備の影響地域に含むためのシステムであったことが明らかになりつつある。
 ホンジュラスのパトゥカ、ティグレダム(ホンジュラス・エルサルバドル)、ボルーカ(コスタリカ)、テリベ(パナマ)などのダムはエコシステムに大きな変容を引きおこし、タワカ、ミスキート、レンカ、ブリブリ、テリベなどの諸民族に直接的に大きな影響を引きおこしている。そしてこうした諸民族はこうしたプロジェクトについて協議を求められることもなく、さらにはこれらのプロジェクトに対して強い抗議の姿勢を示していたにもかかわらず、そうした拒否の姿勢は考慮されることもなかったのである。
 また、カリブ沿岸一帯では石油の探査・開発が進められようとしており、これはカリブ沿岸の湿地帯にパイプラインが引かれ、またパナマにプエブラ・パナマ計画に含まれる巨大な精油所が建設されることにつながるであろう。またカルタヘナ・パナマ間パイプラインはベネスエラの石油の輸出に使われることになるであろう。
 プエブラ・パナマ計画は新自由主義に基づくグローバル経済のモデルの縁取られており、それは自然を単なる商品とみており、それは最も高い値をつける入札者次第なのである。これは厳格な環境主義者のプロセスを取ってきた「メソアメリカ生物回廊」が唱えてきたレトリックとも対峙するものであるが、「メソアメリカ生物回廊」も地域住民の権利をほとんど尊重せず、地域住民の管理計画のデザインや実施プロセスへの参加を拒絶してきたし、多くのケースで我々の食糧への権利を押さえつけてきたのである。

 90年代の初頭には、国家には適切な管理を保証することができないという題目の下で、指定されたばかりの自然保護区の民間財団への引き渡しプロセスが始められた。ホンジュラスにおいては、企業家であるStephan Schmidheinyがコチーノ島嶼帯の一部を獲得し、それが後にスイス市民の投資によって自然保護区となるに至った。この保護区はその後、管理のためにスミソニアン協会(*1)に引き渡されたが、この協会によって一世紀にわたって管理されているパナマのバーラ・コロラド島のような排外的公園を設置するつもりであったという。
 スミソニアン協会によるコチーノ島嶼帯に居住するガリフナ・コミュニティーの排除政策は、地域住民とスミソニアン協会の間で数多くの摩擦を引きおこし、ガリフナ民族の権利を踏みにじるものであった。
 1996年、スミソニアン協会は突如、産業的潜水ゾーンを設置した。これはこれまでの伝統的な潜水システムとは技術的に大きく異なるものであり、このことが甲殻類の略奪を悪化させ、ガリフナ民族がかって知らない生態的破壊を引きおこしたのである。
 2000年にはWWF(世界自然保護基金)(注2)が管理のために入ってきて、伝統的潜水漁を禁止したのである。これはガリフナ民族の人権の侵害に他ならない。
 WWFはAVINA(注3)とともに、コチーノ島嶼帯の新しい管理計画を策定し、伝統的漁労地区なるものを計画している。これが新たな人権侵害をもたらすことは明らかである。既に軍による漁民や潜水漁漁民に対する法律違反行為が引きおこされているが、これまで適切に調査がなされたことはなく、このことはコチーノ島嶼帯のガリフナ民族に不信感を広げている。
 しかし2006年の間、軍の駐屯地を維持したことに対して、昨年の9月にはコミュニティはコチーノ島嶼帯の非軍事化を要求した。その圧力の中で、軍は流血の事態を避けるために、最終的に撤退している。

 「コチーノ島嶼帯モニュメント」と名付けられた自然保護区の管理において最も一貫性のないのは、昨年9月13日から行われたイタリア人グループによる「リアリティ・ショー」への参加であろう。これは、ウミガメの産卵地の聖域として、人為的介入を禁止し、完全に排他的地域とされてきたパロマ島で実施されたものである。3週間にわたってこの「リアリティ・ショー」の撮影は行われ、それもカメの産卵時期に行われ、ウミガメの再生産に悲劇的な結果を引きおこすこととなったのである。10年以上の間、この島嶼帯の保全という名目のもとで、パロマ島はガリフナ民族すら船を乗り付けることを許されないという厳しい管理の下に置かれてきたにも関わらず。

コチーノ島嶼帯に引きおこされたような、管理計画を執行するために地域住民が抑圧されるという事態は、メソアメリカの自然保護区で数多くみられることであろう。現在は、プエブラ・パナマ計画の実施のために、保護という題目は薄められ、先住民族や黒人系民族のテリトリーからの略奪戦略は更に精緻化されつつある。しかし我々は何世紀にもわたって我々の生活環境を保全してきたのである。

 WWF,AVINA、Fundación Cayos Cochinosなどの来訪によるコチーノ島嶼帯での「リアリティ・ショー」が続く一方で、イタリア人、コロンビア人そしてその他の外国人が我々の生存を弄びに来るのである。諸島に住むガリフナ民族は、そうした彼らの活動を記録するテレビカメラも持たず、経済的・文化的な生き残りのために戦い続けているのです。説明がされることもなく押しつけられた管理計画に縛り付けられ、守るべき法をないがしろにすることにたけている軍隊に銃口を向けられつつ。

 ラ・セイバ (2007/03/30)
 リリアン・キャロル・リバス
Organización Fraternal Negra Hondureña (OFRANEH)
http://alainet.org/active/16618〈=es


*1 スミソニアン協会
米国において世界有数の博物館など計19の学術施設を運営管理している。今年三月公費乱用の疑いから会長が解雇されたのがニュースになっている。会長の年収は約1億円だったという・・・
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200703270019.htmlhttp://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070328/usa070328001.htm

*2 WWFのサイトではコチーノ島嶼帯でのロブスター漁について次のような文章を掲載している。
http://www.panda.org/about_wwf/what_we_do/marine/news/stories/index.cfm?uNewsID=2633
*3AVINA
http://www.avina.net/web/avinawebsite.nsf/page?open
1994年に文中にも出てくるスイス人実業家Stephan Schmidheiny によって設立された団体であり、資金もこの実業家から多くが出ているようである。現在中南米全域で活動しているようである。
http://www.stephanschmidheiny.net/officialwebsite/cmtsts.nsf/page?open

また関心のある方へ
ガリフナをはじめとして、アメリカ大陸のアフリカ系住民についての資料としてはこちらをどうぞ(スペイン語)、ラテンアメリカのアフリカ奴隷の歴史から、各国の状況、法的な整備状況まで解説されています。 http://www.unicef.org/lac/manualafrodesc2006(1).pdf

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2005/12/19

揺れる自然保護区

揺れる自然保護区

 グアテマラのペテン県にあるラグーナ・デル・ティグレ保護区で、地域住民が「侵入者」扱い、「犯罪者」扱いをするなと抗議の声を上げている。
 
 この地域はラムサール条約にも指定されている湿地帯であるが、火入れや耕作地、放牧地の拡大で生態系の変化が進みつつある。さらにはこの地域はメキシコとの麻薬交易ルートとなっているようであり、武装グループがいて危険な地域もあるとのことである。
(プレンサ・リブレ紙2003/05/04)

 こうした状況に対して、環境保護団体などから政府は保護区を守るために真剣に取り組むべきだという圧力がある。こうした中で政府は「侵入者」を排除するために再定住を進めたり麻薬取り締まり対策で軍を配置するといった方策をとることを検討している。(プレンサ・リブレ紙2005/10/20)
 こうした中でこの地域に居住する37のコミュニティの代表は全国的な農民組織を通じては11月30日に次のような声明を発表している。
1)30年以上も前からこの土地に住んでいるのであり、「侵入者」などではない。外国籍でもなく、自国にいるものを「侵入者」などと呼ぶべきではない。
2)37のコミュニティのメンバーは、抑圧、排除、周縁化、人種差別につながる、私たちに対する政策を全面的に拒否するものである。
3)この保護区を救うなどと言うのはまやかしである。何年も前から政府は秘密裏に文化遺産や自然の種を秘密裏に略奪し、権利を譲渡している。また私たちのテリトリーで相談もなく、多国籍の石油企業に広大な開発権譲渡を行っている。この企業は現在でも「保護区」といわれる地域内で私たちの母なる大地と家族を傷つけつつあるではないか。
4)内務省と国防省はこの「(保護区の)救出」といわれるものへの支援を約束し、それを実施しつつある。現在、軍のプレゼンスは高まり、装甲車や戦闘爆撃機も現れる。しかしこれはこの地域に住む民間人に対する暴力的で、痛ましく、かつ憂慮すべき事態である。私たちの尊厳と権利と主権を侵し、また和平協定にも反するものである。
5)11月13日夜9時半にはセクレイ村で軍がロルマン・フランシスコ・ゴンサーレス・クルスの家を急襲し、誘拐しようとした。その中でロルマンと軍人1名が死亡する事件が起きている。

 コミュニティは
政府に対して排除の中止、抑圧と誘拐、殺害をやめるように求めるとともに、次のように要求している。「私たちに対する敬意の欠如と正当な理由もな暴力の行使を強く抗議する。私たちのための開発政策の実現のために私たちは一度たりとも呼ばれたことがない」。

 ////////////////////

 グアテマラ社会の大きな問題の一つは、地域住民の存在が非常に軽く扱われるところにある。保護区であろうと、現実的に人々は生活している。その人と対話することもなく、首都で政策が決められ、地域住民のところに突然ふってくるのである。そのプロセスは非常に暴力的なものである。
 そして、地域の住民たちが組織して、農民組織を通じて抗議の声を上げて、はじめて地域の人々は「存在しはじめる」のである。

 この地域の推移も今後見守っていきたい。

 開発と権利のための行動センター
 青西靖夫

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